NVIDIAとOracle、OCIのVera Rubin(ベラ・ルービン)NVL72をマルチギガワット規模へ拡大する計画NVL72とVera CPUはOCIで一般提供を開始と発表
日刊AIニュース10月27日(火)号:前日のAIのニュース12本を短くまとめました(約8分)›
NVIDIAとOracleは2026年10月27日、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)のSuperclusterをVera Rubin NVL72でマルチギガワット規模に拡大する計画を発表した。Vera Rubin NVL72とVera CPUのOCIでの一般提供開始と、HGX Rubin NVL8の導入計画も含む。

目次
NVIDIAとOracleは米国時間2026年10月27日、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)のSuperclusterをNVIDIA Vera Rubin(ベラ・ルービン)NVL72でマルチギガワット規模に拡大する計画を発表しました。あわせて、Vera Rubin NVL72とVera(ベラ)CPUがOCIで一般提供に入ったと、NVIDIAの公式ニュースルームで述べています。x86サーバー構成のHGX Rubin NVL8も、OCIが導入を計画しているとしています。
3行まとめ
- NVIDIAとOracleが2026年10月27日、OCI SuperclusterのVera Rubin NVL72をマルチギガワット規模に拡大する計画を発表。
- Vera Rubin NVL72とVera CPUはOCIで一般提供中と発表。HGX Rubin NVL8(Rubin GPU 8基・Xeon 6を2基)は導入計画の段階。
- OpenAIは、OCIのBlackwell GPU 10万基超でGPT-6 Astraを学習・提供したと紹介され、Vera CPUの早期アクセス顧客にも名前が挙がった。
本記事の内容は、日本時間10月28日1時台に公式ページで確認したものです。
何が発表されたのか
NVIDIAの発表は、大きく3つに分かれます。
| 項目 | 発表上の状態 | 内容 |
|---|---|---|
| Vera Rubin NVL72の拡大 | 計画 | OCI Superclusterをマルチギガワット規模へ |
| Vera Rubin NVL72、Vera CPU | 一般提供(OCI) | 訓練・推論・エージェント用途 |
| HGX Rubin NVL8 | 導入計画 | Rubin GPU 8基をNVLinkで接続、x86ベースのサーバー |
「拡大」と「一般提供」は別の話です。発表文は、拡大を「plans to expand(拡大する計画)」と書き、一般提供は「general availability」と書き分けています。見出しだけを読むと全部が今日から使えるように見えますが、使えると書かれているのはVera Rubin NVL72とVera CPUで、規模の拡大とHGX Rubin NVL8は計画です。
OCI Superclusterはどんな構成か
発表によると、OCI Superclusterは次の要素を組み合わせています。
- NVIDIA NVL72のラックスケール・システム
- Oracle Acceleronのネットワーク。NVIDIA Spectrum-X Ethernetを使い、Spectrum-6スイッチとBlueField-4 DPUを備える
- ギガワット級の電力と冷却
1ラックでは、NVIDIA NVLinkのスケールアップ接続により72基のGPUがつながります。OCIの「multiplanar」なネットワークは、数十万基のGPUにまで拡張できると説明されています。今回の拡大計画は、すでにあるGB200・GB300 NVL72システムの上に積み増す形だとされています。
HGX Rubin NVL8は何が違うのか
発表では、OCIが導入を計画しているHGX Rubin NVL8を、NVLinkでつないだRubin GPU 8基のx86ベースのサーバー構成と説明しています。計画中のプラットフォームの仕様は次のとおりです。
| 項目 | 発表の記載 |
|---|---|
| GPU | Rubin GPU 8基(NVLink接続) |
| CPU | 64コアのIntel Xeon 6を2基 |
| メモリ | DDR5 4TB |
| ネットワーク | 6.4Tbpsの高速RDMA |
| 想定用途 | AI訓練、ファインチューニング、推論 |
NVIDIAは、72基構成より小さい8基構成でRubin世代のGPUを使えること、x86向けのアプリケーションとの互換性を保てることを利点として挙げています。
Vera CPUはエージェントのどこを速くするのか
発表は、AIエージェントが回答を作るだけでなく、ツールの呼び出し、コード実行、情報の取得をすることに注目しています。こうしたCPU負荷の高い処理が遅いと、モデル呼び出しの合間にGPUが待たされる、という説明です。
OCI ComputeのVera CPUについて、NVIDIAは高いシングルスレッド性能とメモリ帯域を特徴に挙げています。前者は個々のツール呼び出しやコード実行を速め、後者は並行してタスクを走らせるときにCPUコアへデータを供給し続ける、という位置づけです。これらによりGPUのアイドル時間を減らせる、というのがNVIDIAの主張です。
加えて、次の2点が書かれています。
- OCI Kubernetes Engineで、CPUとGPUを別々に増減できる
- Oracle Acceleronが、AIが生成した信頼できないコードを動かす処理向けに、ハードウェアベースの隔離を提供する
なお、こうした速度や稼働率の改善は、今回の発表には測定値が付いていません。性能の数字は載っておらず、効果の記述はすべてNVIDIAとOracleの説明です。
OpenAIはどう関わっているのか
発表には、OpenAI関係者2人のコメントが入っています。
- OpenAIの計算基盤部門のエンジニアリングリーダー、Sreekanth Pothanis氏は、「NVIDIA Vera Rubin on OCI gives us the computing performance and scale to accelerate model training and serve increasingly demanding AI workloads.」と述べた(訳:OCI上のNVIDIA Vera Rubinは、モデル訓練を速め、要求の増すAI処理を提供する計算性能と規模をもたらす)。
- OpenAIのコンピュート担当CTO、Uday Ruddarraju氏は、OCIのVera CPUを、増え続けるエージェント用サンドボックスの処理でコードやツールを動かすために使うと述べ、「We are bringing Vera into production on OCI to support these workloads at scale.」と話した(訳:こうした処理を大規模に支えるため、OCIでVeraを本番に入れる)。
また発表は、Vera CPUの早期アクセスを受けている顧客として、OpenAIを含む顧客が様々なAI処理で可能性を探っていると書いています。実績として、アビリーン(Abilene)で、OpenAIがOCI Superclusterの10万基超のNVIDIA Blackwell GPUを使い、GPT-6 Astraを学習・提供した、とも紹介されています。これはBlackwell世代の実績で、Vera Rubinの実績ではありません。
Oracle側では、OCI社長のMahesh Thiagarajan氏が「Our collaboration with NVIDIA extends those capabilities across training, inference and agentic AI.」とコメントしました(訳:NVIDIAとの協業は、これらの能力を訓練・推論・エージェントAIへ広げる)。NVIDIAのIan Buck氏(ハイパースケール・HPC担当バイスプレジデント)は、AIファクトリーは「productive, durable and fungible(生産的で、長持ちし、融通がきく)」であるべきだと述べています。
料金・提供地域・日本での利用は
今回取得したNVIDIAの発表ページ(sources内のprimary.txt)を、「price」「pricing」「region」「2027」「available」などの語で検索したところ、料金や提供リージョン、ギガワットの具体数、HGX Rubin NVL8の提供時期を示す記載は見つかりませんでした。「pricing」が出てくるのは、Oracleの将来の製品に関する免責文(時期や価格は変わりうる、とする定型文)の中だけです。
したがって、日本のリージョンで使えるのか、いくらなのかは、この発表だけでは判断できません。
筆者が確認できたことと、確認できなかったこと
日本時間10月28日1時台に、NVIDIAのニュースルームの発表ページを取得し、全文を読みました。このとき、発表文中で「Oracle and NVIDIA's multigenerational partnership」と「OCI Compute with NVIDIA Vera CPUs」として案内されているOracleのブログ2本(blogs.oracle.com)も取得を試みましたが、どちらもHTTP 403で返り、中身を読めていません。つまり、料金や提供リージョンがそちらに書かれている可能性は、本記事では確かめられていません。
そのため、本記事の事実はNVIDIAの発表ページに書かれた内容に限っています。性能・稼働率の主張はNVIDIAとOracleの説明で、第三者による測定は含まれていません。
関連記事
Vera Rubin世代の提供は、他社のクラウドでも進んでいます。
- Google Cloud、Vera Rubin NVL72搭載の「A5X」を来月一般提供へ
- Microsoft、自社AIチップAzure Maiaを2027年からマルチギガワット規模に拡大
- NVIDIA、Metaの株式発行に30億ドルを出資
出典と確認時刻
- NVIDIA Newsroom「NVIDIA and Oracle Expand NVIDIA Vera Rubin to Multi-Gigawatt Scale and Bring NVIDIA Vera CPU to Oracle Cloud Infrastructure」(2026年10月27日付): https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-and-oracle-expand-nvidia-vera-rubin-to-multi-gigawatt-scale-and-bring-nvidia-vera-cpu-to-oracle-cloud-infrastructure
- 確認時刻: 日本時間2026年10月28日1時台(取得は1時8分)
本記事は続報があり次第更新します。
この記事でよく聞かれること
- OCIでVera Rubin NVL72は今使えますか?
- NVIDIAの発表(2026年10月27日)によると、Vera Rubin NVL72とVera CPUはOCIで一般提供(general availability)に入っています。一方、マルチギガワット規模への拡大は「計画」、HGX Rubin NVL8の導入も「計画」と書かれています。
- HGX Rubin NVL8とはどんな構成ですか?
- 発表によると、NVLinkでつながったRubin GPU 8基を、x86ベースのサーバー構成で載せたものです。計画中の構成として、64コアのIntel Xeon 6を2基、DDR5メモリ4TB、6.4Tbpsの高速RDMAネットワークが挙げられています。OCIは導入を計画している段階です。
- Vera CPUはAIエージェントの何に使うのですか?
- 発表では、ツールの実行、コードのテスト、データの取得など、モデル呼び出しの合間にエージェントが行うCPU負荷の高い処理に使うと説明されています。OCI Kubernetes EngineでCPUとGPUを別々に増減できるとも書かれています。
- 料金や日本での提供は発表に書かれていますか?
- 今回取得したNVIDIAの発表ページには、料金、提供リージョン(日本を含む)、拡大の具体的なギガワット数や時期の記載は見当たりませんでした。詳細はOracle側の案内の確認が必要です。
出典・参照資料
大きいニュースはYouTubeでも解説しています。Xでは新着記事をお知らせしています。
コメント
まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?
AIについて聞きたいことはありますか?
質問箱で無料で受け付けています。回答は公開され、他の方の参考にもなります。
質問箱を見る →