楽天、『Rakuten TV』にAI解説者(β版)・『Rakuten Music』にエージェント型AIパ・リーグ中継と音楽アプリに相次ぎ搭載
日刊AIニュース10月25日(日)号:前日のAIのニュース2本を短くまとめました(約4分)›
楽天グループは2026年9月18日、動画配信「Rakuten TV」のパ・リーグ公式戦中継に、選手の成績データを深掘りして解説テキストを生成する新機能「AI解説者(β版)」を追加したと発表した。9月16日には音楽アプリ「Rakuten Music」にエージェント型AIツール「Rakuten AI for Music」を搭載したと発表しており、同じ週にAI機能の発表が2件続いた。Rakuten TVのキャンペーンページによると、AI解説者は試合のLIVE視聴時のみ使え、テレビには対応していない。

目次
2026年9月25日・日本時間時点の情報です。
楽天グループは2026年9月18日、動画配信サービス「Rakuten TV」の「Rakuten パ・リーグ Special」(パ・リーグ球団主催の公式戦が定額で見放題のサービス)に、試合状況に合わせて選手の成績データを深掘りする新機能「AI解説者(β版)」の提供を開始したと発表した。発表によると、AIが選手の成績データを深掘りし、実況・解説のようなコメントをリアルタイムで生成してテキストで流す機能である。発表文は、提供開始を記念したポイントキャンペーン(アンケート回答期間は9月21日〜30日)もあわせて告知している。
さかのぼる9月16日には、楽天が運営する音楽聴き放題サービス「Rakuten Music」のスマートフォンアプリに、エージェント型AIツール「Rakuten AI for Music」を搭載したと発表していた。発表によると、対話形式でアーティストや楽曲を検索できる機能で、発表文は「本日」搭載したとしている(Android版は一部のユーザーから順次配信)。
この2件は同じ楽天グループが1週間のうちに発表したAI機能だが、公式が両者を1つの施策として結びつけて説明しているわけではない。本記事は、動画配信・音楽配信という異なるサービスへのAI機能追加が同じ週に相次いだという事実を軸に、2件のプレスリリースをそれぞれ確認した内容をまとめたものである。
3行まとめ
- 楽天は2026年9月18日、「Rakuten TV」の「Rakuten パ・リーグ Special」に選手成績データを深掘りする「AI解説者(β版)」を追加。9月16日には「Rakuten Music」アプリにエージェント型AI「Rakuten AI for Music」を搭載したと発表していた
- Rakuten TVのキャンペーンページによると、「AI解説者」は試合のLIVE視聴時のみ利用でき、テレビには対応していない。提供開始記念のキャンペーンは、アンケート回答期間を9月21日13:00〜9月30日23:59とし、抽選10名に楽天ポイント1万ポイントを進呈するとしている
- 「Rakuten AI for Music」は、プレスリリースの注記でAndroid版が「一部のユーザーから順次配信」とされている。同じ注記にiOS版への言及はない
発表の概要を並べて確認する
| 項目 | Rakuten TV「AI解説者(β版)」 | Rakuten Music「Rakuten AI for Music」 |
|---|---|---|
| 発表日 | 2026年9月18日 | 2026年9月16日 |
| 提供状況 | プレスリリース本文で「提供を開始しました」(発表と同時) | プレスリリース本文で「本日、(中略)搭載しました」(発表当日) |
| 機能の内容 | 試合状況に応じてAIが選手の成績データを深掘りし、実況・解説のようなコメントをリアルタイムでテキスト生成 | 対話形式でアーティスト・楽曲・アルバム・プレイリストを検索できるAIエージェント |
| 対象者 | 「Rakuten パ・リーグ Special」有料契約者(月額/年額)、楽天モバイル「Rakuten最強プラン」「Rakuten最強U-NEXT」契約者。テレビでは利用不可 | 「Rakuten Music」有料プラン利用者。「バンドルプラン」ユーザーは対象外 |
| 利用条件・配信状況の記載 | プレスリリースに段階配信の記載なし。キャンペーンページに「試合のLIVE視聴時のみ利用可能」「アプリでAI解説者をご利用いただくには、最新バージョンへのアップデートが必要」との注記 | 注記でAndroid版は「一部のユーザーから順次配信」、対象範囲は順次拡大予定。iOS版についての同種の注記はなし |
| 公式が位置づける文脈 | 2026年5月提供開始の「全球ダイジェスト」に続くデータドリブン視聴体験の追加機能 | AIエージェントを「楽天エコシステム(経済圏)」のゲートウェイとする「Rakuten AI」コンセプトの一環 |
| 付随キャンペーン | アンケート回答期間は9月21日13:00〜30日23:59。対象の無料LIVE試合を視聴し、アンケートに全問回答した人から抽選10名に楽天ポイント1万ポイント | プレスリリースに記載なし |
「AI解説者」は何を表示する機能か
楽天グループの発表によると、「AI解説者(β版)」は「試合状況に合わせてAIが選手の成績データを深掘りし、その場面に適した実況・解説のようなコメントをリアルタイムで生成する機能」である。発表文は「試合展開に応じた臨場感のある解説がテキストで流れるため」とも述べており、生成された解説はテキストとして表示される形式だと分かる。
発表文は「『Rakuten パ・リーグ Special』では、AI技術を活用した『全球ダイジェスト』の提供を2026年5月に開始しており、今回の『AI解説者(β版)』機能の追加によりさらに充実したデータドリブンな視聴体験を提供します」としており、今回はAI機能の初導入ではなく、既存のAI活用機能に対する追加という位置づけになる。
Rakuten TVが公開している注意事項ページ(https://tv.rakuten.co.jp/static/aiusage/)は、本機能を「試合映像および外部データプロバイダーから提供される選手成績・統計情報を生成AIが分析し、試合状況に応じた解説テキストを自動生成・配信するもの」と説明している。同ページには、外部データプロバイダーが「データスタジアム株式会社」であることと、「同社は本機能における選手成績・統計データの提供のみを行っており、本機能の企画・開発および生成AIによる解説文の生成には関与しておりません」という切り分けが明記されている。同ページはあわせて、生成されるテキストについて「生成AIの特性上、不正確または不適切な内容が含まれる場合があります」「野球観戦をより楽しんでいただくための参考情報であり、公式記録・公式見解を示すものではありません」と、精度を保証しない立場を示している。
スポーツ中継へのAI活用という点では、Sony傘下のHawk-Eyeが光学トラッキングで審判判定やスタッツ計測を担ってきた事例を以前取り上げている。ただし同記事で扱ったのは主に判定・計測の技術であり、今回の「AI解説者」のような生成AIによる解説文の自動生成とは技術領域が異なる。
誰が使えるか、トライアルキャンペーンの中身
「AI解説者(β版)」の利用対象者は、「Rakuten パ・リーグ Special」の月額・年額有料契約者と、楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」「Rakuten最強U-NEXT」契約者(発表文によれば追加料金0円で「Rakuten パ・リーグSpecial for 楽天モバイル」を視聴できる契約者)である。発表文には「本機能はテレビでは利用できません」との注記がある。キャンペーンページにはさらに「本機能は試合のLIVE視聴時のみ利用可能です」「アプリでAI解説者をご利用いただくには、最新バージョンへのアップデートが必要です」と書かれている。
発表文は提供開始の記念として、9月21日(月)からの「【アンケート回答&無料試合視聴で1万ポイントが当たる!】『AI解説者』トライアルキャンペーン」を告知した。キャンペーンページとプレスリリースに書かれた概要は次のとおり。
- 対象試合(無料LIVE配信・2日程6試合)
- 2026年9月21日(月):東北楽天ゴールデンイーグルスvs福岡ソフトバンクホークス(13:00〜)、北海道日本ハムファイターズvsオリックス・バファローズ(14:00〜)、千葉ロッテマリーンズvs埼玉西武ライオンズ(18:00〜)
- 2026年9月26日(土):埼玉西武ライオンズvs千葉ロッテマリーンズ(14:00〜)、オリックス・バファローズvs北海道日本ハムファイターズ(14:00〜)、福岡ソフトバンクホークスvs東北楽天ゴールデンイーグルス(18:00〜)
- 応募条件:Rakuten TVに楽天IDでログインし、対象試合のいずれか1試合をLIVE視聴したうえで、AI解説者に関するアンケートの全設問に回答(見逃し配信は対象外。キャンペーンページによると、AI解説者の利用自体は必須ではない)
- アンケート回答期間:2026年9月21日(月)13:00〜2026年9月30日(水)23:59
- 賞品:抽選10名に楽天ポイント(期間限定ポイント)10,000ポイント。キャンペーンページによると進呈は11月中旬頃で、有効期限は進呈日を含めて3ヶ月
- 参加条件:「Rakuten パ・リーグ Special」有料契約者・楽天モバイル契約者以外でも参加可能
「Rakuten AI for Music」の使い方
発表によると、「Rakuten AI for Music」には、「Rakuten Music」アプリのホーム画面に新設する「AIに聞いてみる」欄、または専用タブからアクセスする。「○○の曲を探したい」「今の気分に合う音楽を聞きたい」のように自然言語で入力すると、AIエージェントとの対話を通じてアーティスト・楽曲・アルバム・プレイリストを検索でき、検索結果からそのまま該当ページへ遷移して再生できる(注記によると、楽曲を検索した場合は該当楽曲を含むアルバムページへ遷移する)。
楽天の発表は、音楽ランキングや話題のアーティスト・楽曲のトレンドといった情報も反映されるとしており、今後は利用状況や好みを反映して「自分では思いつかなかった楽曲やアーティストとの新たな出会いを創出する」パーソナライズ体験を目指すとしている。利用は「Rakuten Music」の有料プラン利用者が対象で、「バンドルプラン」ユーザーは対象外。発表文の概要は提供箇所を「Rakuten Music」スマートフォンアプリとし、iOS版とAndroid版のストアURLを並べている(iOS版、Android版。Android版は前述のとおり一部のユーザーから順次配信)。
対話型AIで音楽を探すツールという点では、SunoやUdioのようなAI音楽生成サービスと混同しないよう注意したい。以前比較したSunoやUdioは楽曲そのものを生成するツールであり、今回の「Rakuten AI for Music」は既存の楽曲・アーティスト・プレイリストを対話形式で探し出す検索・推薦のためのAIエージェントで、機能の性質が異なる。
プレスリリースの画面画像と注記から読み取れたこと
9月18日付のプレスリリース本文には、AI解説者の画面画像が1枚載っている。筆者が画像を拡大して確認したところ、試合映像の右側に「コメント」タブと並んで「AI解説者(β版)」タブがあり、そこに投手と打者それぞれについて、今季成績や直近の調子を文章で述べたコメントが区切り線を挟んで並んでいた。その下には「今シーズン成績」「対チーム成績※試合前」「本日の球場成績※試合前」「対左投手・対右投手 成績※試合前」といった見出しで、打率・本塁打・打点・出塁率・OPSなどの数値が続く。発表文の「解説がテキストで流れる」という説明と、画面の見た目は合っている。なお画像下部のページタイトル欄には「【本番反映禁止】PLG Live AI検証 1 - 8/27 18:00 オリックス VS 楽天」と表示されており、公開前の検証用の画面を撮影したものと読める。
もう1点、2件のプレスリリースの注記を突き合わせると、「Rakuten AI for Music」の注記には「Android™版は、一部のユーザーから順次配信を開始します。対象範囲は順次拡大予定です」という一文があるのに対し、iOS版について同様の段階配信の記載はなかった。プレスリリース本文は「スマートフォンアプリに搭載しました」と述べ、概要の提供箇所にはiOS版・Android版どちらのアプリストアURLも並べている。注記が名指ししているのはAndroid版だけだが、iOS版が発表当日に全ユーザーへ提供されたと明記した文もなく、発表文だけではそこまでは言い切れない。
AI解説者の実際の表示と対応環境について、公式情報から分からない点
- 配信中の「AI解説者」の実際の表示は、有料契約者向けの機能であり、本記事では確認していない(上の画面の説明は、プレスリリースに掲載された画像によるもの)
- 対応環境について、参照した4ページに書かれているのは、テレビでは利用できないこと、試合のLIVE視聴時のみ利用できること、アプリで使うには最新バージョンへのアップデートが必要なことの3点で、ブラウザ(PC)で使えるかどうかや対応OSの範囲は明記されていなかった
- 「Rakuten AI for Music」のiOS版が段階配信の対象かどうかは、上記の通り発表文からは判別できなかった
- 両機能とも、利用者の評価や生成精度を示すデータは、参照した公式ページには載っていない
参照した楽天の公式ページ4つ
本記事の数字・固有名詞・引用は、楽天グループのプレスリリース2本(2026年9月18日付・9月16日付)、Rakuten TVのキャンペーン特設ページ、AI解説者の注意事項ページの計4ページから取った。AI解説者の画面の様子は、9月18日付プレスリリースに掲載された画像による。Hawk-Eye、Suno・Udioについての記述は、当サイトの過去記事にもとづく。
出典・参照資料
- 一次資料楽天グループ公式プレスリリース「『Rakuten TV』、『Rakuten パ・リーグ Special』にて選手の成績データを深掘りする機能『AI解説者(β版)』の提供を開始」(2026年9月18日) ↗
- 一次資料楽天グループ公式プレスリリース「『Rakuten Music』、エージェント型AIツール『Rakuten AI for Music』をスマートフォンアプリに搭載」(2026年9月16日) ↗
- 一次資料『AI解説者』トライアルキャンペーン特設ページ(Rakuten TV公式) ↗
- 一次資料パ・リーグ Special AI解説者 ご利用にあたっての注意事項(Rakuten TV公式ヘルプ) ↗
大きいニュースはYouTubeでも解説しています。Xでは新着記事をお知らせしています。
コメント
まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?
AIについて聞きたいことはありますか?
質問箱で無料で受け付けています。回答は公開され、他の方の参考にもなります。
質問箱を見る →