Microsoft 365 Copilot(コパイロット)、10月27日付リリースノートでWork IQ APIの従量課金とLearning agentなどを掲載ライセンスの割り当てなしでAPIを呼べる
日刊AIニュース10月27日(火)号:前日のAIのニュース12本を短くまとめました(約8分)›
Microsoftは10月27日付のMicrosoft 365 Copilotリリースノートで、Work IQ APIの従量課金(事前のライセンス割り当て不要)、管理者によるカスタムMCPコネクタの展開、Learning agent、PowerPointでの既存デッキのスタイル・画像の参照など計14項目を掲載した。対象期間は10月13日〜27日。

目次
Microsoftは2026年10月27日付で、Microsoft 365 Copilot(コパイロット)のリリースノートを更新した。対象は10月13日から10月27日までに出た更新で、Work IQ APIの従量課金(ライセンスの事前割り当てなしでエージェントやモデルを呼べる)、管理者によるカスタムMCPコネクタの展開、Learning agent、PowerPointで既存デッキのスタイルや画像を参照する機能など、14項目が載っている。
3行まとめ
- 2026年10月27日付のMicrosoft 365 Copilotリリースノートに14項目。対象期間は10月13日〜27日(Microsoft発表)
- Work IQ APIは従量課金に対応し、ライセンスを事前に割り当てなくても呼び出せる。管理者はMicrosoft 365管理センターでカスタムMCPコネクタを作って展開できる
- PowerPointのCopilotは既存デッキのテーマ・スタイルと添付画像を参照可能に(WindowsとWeb)。Learning agentはWindowsで提供
本記事の内容は、日本時間10月28日8時台に公式ページで確認したものです。
何が出たのか:14項目を製品別に整理
リリースノートは製品ごとに項目が並んでいる。今回の10月27日付の分は次のとおり(括弧内は公式ページが示す対象プラットフォーム)。
| 製品 | 項目 | 対象 |
|---|---|---|
| Microsoft 365 Copilot | Learning agent | Windows |
| Microsoft 365 Copilot | Insights:新しいCopilotメトリクス | Web |
| Microsoft 365 Copilot app | Copilot Notebooksでウェブリンクを参照として追加 | Web |
| Microsoft 365 Copilot app | Copilot Notebooksの新デザイン(Microsoft Copilotアプリ) | iOS |
| Copilot extensibility | ResearcherでCanva Connectorが利用可能に | Web |
| Copilot extensibility | 管理者によるカスタムMCPコネクタの作成・展開 | Web |
| Copilot extensibility | 検索結果でのコネクタのリッチなエンティティ表示 | Web |
| Copilot extensibility | Work IQ APIs:従量課金 | Windows, Linux, Mac, Web |
| Copilot extensibility | Work IQ APIs:宣言型エージェントへのアクセス | Web |
| OneNote | Copilot Notebooksのマルチモーダルキャプチャ | Android |
| Outlook | クラシックOutlook for WindowsでのCopilot設定 | Windows |
| PowerPoint | 添付デッキのスタイルを参照して新規作成 | Windows, Web |
| PowerPoint | 画像を添付して参照 | Windows, Web |
| Teams | Queuesアプリで通話後にCopilot Chat | Windows, Mac |
10月27日の節に並んでいたのは、この14項目だ。
Work IQ APIの従量課金:何が変わるのか
開発者に直接関係するのはこの項目だ。リリースノートによると、Work IQのエンドポイントで従量課金が使えるようになり、開発者はライセンスを事前に割り当てなくても、エージェントやモデルを呼び出せる。請求は、リクエストごとに呼び出したエージェントとモデルに基づく。詳細欄では「APIリクエストごとの固定または変動のコストに基づく」とも書かれている。
前の仕組みについて、同ページは「以前は、使った量にかかわらず割り当て済みのライセンスが必要だった」と説明している。公式が挙げる手順は3つだ。
- Work IQ APIにアクセスするためにアプリを登録する
- ライセンスを割り当てずに、Work IQのエージェントまたはモデルをAPIで呼び出す
- 呼び出したエージェントとモデルごとの利用量と請求を確認する
同じ日付に、もう1項目のWork IQ関連の更新がある。Work IQエンドポイントから、Microsoft標準の宣言型エージェント(first-party)と、テナントで定義した宣言型エージェントをプログラムから呼び出せるようになった(対象はWeb)。アプリの業務フローの途中から、特定分野のエージェントを起動する使い方を想定していると、公式は説明している。
料金の数字については、今回取得したリリースノートのページを「$」「price」「pricing」で検索したところ、該当する記述はなかった。単価や課金の単位は、別のページで確認する必要がある。
管理者が自社データをCopilotにつなぐ:カスタムMCPコネクタ
リリースノートによると、管理者はMicrosoft 365管理センターでModel Context Protocol(MCP)ベースのカスタムコネクタを作り、Microsoft 365全体に展開できる。自社独自のデータをMicrosoft 365 Copilotに出すための仕組みで、公式は「以前は、独自のデータソースを統合する管理者の手段が限られていた」と書いている。
公式が示す手順は、管理センターを開き、Copilot Extensibilityの項目に進み、新しいMCPコネクタを作って組織のユーザーに展開する、という流れだ。
関連して、検索結果にコネクタの情報が出るときの表示も変わる。Microsoft Copilotの検索結果で、コネクタのヒットが単なるテキストリンクではなく、メタデータや属性を含むカードで表示されるようになった。公式は、データの出どころが分かりやすくなり、誤クリックが減ると説明している。ResearcherでCanva Connectorが使えるようになった項目もこの区分にある。
PowerPoint:既存デッキのスタイルと画像を参照できる
PowerPointのCopilotには2つの項目が入った(どちらもWindowsとWeb)。
- 既存デッキのスタイルを参照:Copilotで新しいプレゼンテーションを作るとき、既存のPowerPointファイルを添付すると、そのテーマとスタイルが新しいデッキに適用される。公式は「以前は新しいプレゼンテーションに既定のテーマが使われていた」と書いている。
- 画像を添付して参照:Copilotのペインでプロンプトを入力するときに画像を添付すると、生成されるスライドにその画像が組み込まれる。以前は画像の参照に対応しておらず、テキスト中心だったと公式は説明している。
これとは別に、組織の承認済み画像をPowerPointから探す仕組みを説明したSharePointのページもある。管理者がSharePoint Online Management ShellのPowerShellで画像ドキュメントライブラリを指定すると、PowerPointの[挿入]→[画像]→[Brand Images]から、そのライブラリの画像を検索して挿入できる。同ページによると、WebのPowerPointでライブラリを見るにはOffice 365のE3またはE5ライセンスが必要で、デスクトップ版に表示されるまで最長24時間かかる。ただし、このページは10月27日付のリリースノートの項目として書かれているわけではなく、ページ自体の最終更新日は2026年3月3日と表示されている。今回の更新との直接の関係は、確認できていない。
Learning agentとその他の項目
リリースノートによると、Learning agentは、社員が個別化されたマイクロラーニングや体系的な学習で、仕事の流れの中でスキルを身につけるための機能だ(対象はWindows)。リリースノートは試し方として、https://aka.ms/LearningAgent/add を開き、ホーム画面のカードを選ぶか、学びたいことを自由に尋ねる手順を示している。
別ページ「Overview of Learning agent」では、主な機能として次が挙がっている。
- 役割に合わせた日替わりのAIヒント
- 仕事に沿ったタスクベースの学習
- AI Skills Navigator(プレビュー)
- Copilot starter prompt(プレビュー):管理者主導のCopilot基礎研修
- AIロールプレイ、アセスメント、マイクロラーニング、学習プラン
- 利用状況のレポート(レポートが使える場合)
このページの最終更新日は2026-06-02と表示されており、10月27日より前の日付のままだ。プレビュー表記の機能が混じっている点にも注意したい。
その他の項目は次のとおり。
- 新しいCopilotメトリクス(Insights):Copilotダッシュボードと、Viva Insightsの高度な分析で、Microsoft 365 Copilotアプリ、Edge、OneNoteでの操作や、Outlook・Word・Excel・PowerPointでの提案返信、翻訳、コーチ、データ整理などの利用を見られる。
- Copilot Notebooks:ウェブリンクを参照として追加できる。iOSのMicrosoft Copilotアプリでは、関連するチャット、生成物、参照をまとめる新しいノートブックのデザインが入った。OneNoteのAndroid版では、音声の文字起こし、撮影、文字入力を1回のセッションで行うマルチモーダルキャプチャが使える。公式によると、この機能はiPhoneとiPadでは既に一般提供されている。
- クラシックOutlook for Windows:[ファイル]メニューの[Copilot settings]からCopilotの設定を開ける。
- Teams(Queuesアプリ):録音された通話の終了後、統合通話履歴から通話記録を選び、Recapタブから Copilot Chat のサイドパネルを起動して、要約や詳細の質問ができる。公式は、Copilotを使える状態であることが条件だと書いている。
誰がいつから使えるのか
ページの冒頭には、Copilotの機能は「安全な展開モデル」で導入され、テナント内の一部のユーザーから順に組織全体へ広げる、と書かれている。10月27日付の各項目には、個別の提供日は書かれていない。ページのタブには「Windows」「Web」「Android」「iOS」「Mac」があり、項目ごとに対象のプラットフォームが括弧で示されている。
日本での提供については、今回取得したリリースノートのページを「Japan」「日本」で検索したところ、取得時刻の表記以外に該当する記述はなかった。日本語対応の有無は、このページからは分からない。
筆者が公式ページで確かめたこと
日本時間10月28日の8時15分ごろ、公式ページ(リリースノート、Learning agentの概要、組織画像ライブラリのページ)を取得して読んだ。確認できたのは、リリースノートの10月27日の節が「10月13日から10月27日までに出た更新」とされていることと、Work IQの従量課金の項目に具体的な金額が書かれていないことだった。Learning agentの概要ページとSharePointのページは、どちらも10月27日より前に最終更新された日付が表示されたままだった。
製品は自分では試していない。本記事の機能の説明は、すべて公式ページに書かれた内容を整理したものだ。
読む前に押さえたい、このリリースノートの読み方
- 「一般提供」の意味:ページの説明では、このリリースノートは「Current Channelで一般提供となった変更」と各プラットフォーム固有の変更をまとめたものとされている。ただし、Learning agentの概要ページにはプレビュー表記の機能(AI Skills Navigator、Copilot starter prompt)が含まれており、Learning agentの機能がすべて一般提供だとまでは読み取れない。また、ページ冒頭の説明どおり段階的に展開されるため、各項目が手元のテナントで今すぐ使えるとは限らない。
- 効果の記述は公式の説明:「時間を節約できる」「効率が上がる」といった「Business impact」「Personal impact」の文は、Microsoftが書いた期待の説明であり、測定結果ではない。
- 数字の少なさ:今回の項目には性能や削減率の数字がない。確認できる数字は、Roadmap ID、日付、対象プラットフォーム、そして組織画像ライブラリページの条件(E3またはE5、最長24時間、10MB超の画像は遅延の原因)くらいだ。
直近の関連記事として、旧Officeアプリから現在の名前までを整理したMicrosoft 365 Copilot アプリ(コパイロットアプリ)の名前の変遷と入手先もある。
出典と確認時刻
- Microsoft 365 Copilot release notes(Microsoft Learn):日本時間2026年10月28日8時14分に取得
- Overview of Learning agent(Microsoft Learn):同日8時15分に取得
- Connect organizational asset libraries to PowerPoint for an on-brand experience(Microsoft Learn):同日8時15分に取得
本記事は続報があり次第更新します。
Microsoft Copilotの最近の変更
- 10月9日新機能:CopilotアプリでWord等を直接編集
- 9月30日新機能:GPT-6.1 SolとSonnet 5.5を追加へ
- 9月30日仕様・画面の変更:TeamsとOutlookのCopilotの画面を刷新
この記事でよく聞かれること
- Work IQ APIの従量課金とは何ですか?
- Microsoftの10月27日付リリースノートによると、Work IQのエンドポイントで従量課金が使えるようになり、開発者はライセンスを事前に割り当てなくてもエージェントやモデルを呼び出せます。請求は、リクエストごとに呼び出したエージェントとモデルに基づきます。以前は、使い方にかかわらず割り当て済みのライセンスが必要でした。今回確認したページには具体的な単価は載っていません。
- 管理者はカスタムMCPコネクタを作れるようになりましたか?
- リリースノートによると、管理者はMicrosoft 365管理センターでModel Context Protocol(MCP)ベースのカスタムコネクタを作り、組織全体に展開できます。自社独自のデータをMicrosoft 365 Copilotに出すための仕組みです。リリースノートが示す手順は、管理センターのCopilot Extensibilityの項目から新しいMCPコネクタを作って展開する流れです。
- PowerPointのCopilotで既存のスライドのデザインを引き継げますか?
- リリースノートによると、WindowsとWeb版のPowerPointでCopilotに既存のプレゼンテーションを添付すると、そのテーマとスタイルを新しいデッキに適用します。以前は新しいプレゼンテーションに既定のテーマが使われていました。別の項目として、画像を添付して参照させることもできるようになったと書かれています。
- 日本でも使えますか?
- 今回確認したリリースノートのページには、日本での提供時期や日本語対応についての記載は見つかりませんでした。段階的に展開する方式だと書かれているため、手元のテナントに表示される時期は組織ごとに異なる可能性があります。
出典・参照資料
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