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Meta「Muse Spark Open(ミューズ スパーク オープン)」公開公式の表で米国製のInkling・Nemotronを上回り、Kimi K3には20項目中8項目で上回る、Mac Studio 2台で動く

執筆:約17分で読めます

Metaは2026年10月15日(米国時間)、オープンウェイトの「Muse Spark Open」を公開した。総パラメータ816B、1回に動くのは42B。Metaのモデルカードの比較表では、米国製の中で総合指数(Artificial Analysis・10月7日時点)39が最も高く、Kimi K3には20項目中8項目で上回った。総合指数とコーディングはKimi K3やGLM 5.3が上。Muse Model Licenseで基本は無料。

Meta「Muse Spark Open(ミューズ スパーク オープン)」公開──公式の表で米国製のInkling・Nemotronを上回り、Kimi K3には20項目中8項目で上回る、Mac Studio 2台で動く
目次

【2026年10月16日 2時40分ごろ(日本時間)追記】 初出時(2時37分)は Hugging Face のブログだけを確認していて、「ライセンスの条項とベンチマークの点数は見当たらない」「Meta 自身の発表ページは読めていない」と書いていました。その後、Meta の研究ブログ・Hugging Face のモデルカード・評価方法の報告書・開発者ページ・ライセンスを確認できたため、比較表の数字・ライセンスの条件・安全性の評価・Mac Studio での動かし方を追記し、タイトルとまとめを差し替えました。動画での解説は YouTube(AI時短ラボ) にあります。

Metaは2026年10月15日(米国時間)、オープンウェイトのモデル「Muse Spark Open(ミューズ スパーク オープン)」の重みを公開した。総パラメータ816B(8,160億)のうち、1回の計算で動くのは42B(420億)。文脈は100万トークンで、文章・画像・動画・音声を入力できる。Metaは「米国のオープンウェイトで、これまでで最も高性能なモデル」としている。Metaのモデルカードの比較表では、米国製の中で総合指数が最も高く、中国のKimi K3には性能20項目のうち8項目で上回った。総合指数とコーディングの項目は、Kimi K3やGLM 5.3が上だった。

3行まとめ

  1. Meta、8月のMuse Sparkを元にしたオープンウェイト「Muse Spark Open」を公開。総816B・アクティブ42B・文脈100万トークン。重みはHugging Faceなどで配布、APIはOpenRouterなど7社。
  2. Metaの比較表(性能20項目)で、米国製のInkling・Nemotron 3 Ultraを数字のある全項目で上回り、Kimi K3には8項目で上回った(MCP-Atlas・JobBench・HLE-Diamond・AA-Omniscienceは比べた8モデルで首位)。総合指数はGLM 5.3が45、Kimi K3が44、Muse Spark Openは39。
  3. Muse Model Licenseで改造・販売も含め無料。製品に「Built with Muse Spark Open」の表示が必要で、AIをAPIなどで売る年間売上2,000万ドル超の会社はMetaと別契約。M5 UltraのMac Studio(512GB)2台で動く。

本記事の数値は、日本時間10月16日2時台に取得したMetaの公式ページ(研究ブログ・評価方法の報告書・開発者ブログ・開発者ページ)、Hugging Faceのモデルカードとブログ、Apple公式ストアにもとづく。

何が公開されたのか

Metaの研究ブログによると、Muse Spark Openは「コーディングとエージェントの仕事」向けに作られ、長い作業・複雑なソフトウェア開発・何段階もある推論に強いとされる。Metaの開発者ページは、このモデルを「8月に公開したMuse Spark」から派生させ、システム側の安全装置なしで単体で動かされても悪用に強くなるよう、安全のための追加学習をしたものと説明している。

項目 内容(Metaのモデルカード)
公開日 2026年10月15日
パラメータ 総816B、1回に動くのは42B(MoE)
文脈長 推論時100万トークン
入力/出力 文章・画像・動画・音声/文章
推論の強さ low・medium・high・xhigh(既定はxhigh)
配布形式 BF16とNVFP4
ライセンス Muse Model License

重みはHugging Face・Amazon SageMaker AI・Google Cloud Model Garden・Microsoft Foundry Modelsから入手でき、APIはBaseten・Fireworks AI・Groq・Modal・Nebius・OpenRouter・Together AIの7社が提供する、とMetaは書いている。動かす道具はSGLang・vLLM・TensorRT-LLM・Hugging Face Transformers・Apple MLX・llama.cpp・Unslothが初日から対応している。

Metaの比較表:米国製の中ではトップ

Metaが比べた相手は、他社のオープンウェイト7つだ。米国のInkling(Thinking Machines)・Nemotron 3 Ultra(NVIDIA)・Beam(Reflection AI)、フランスのMistral Large 4、中国のQwen3.8-2.4T-A95B・GLM 5.3・Kimi K3。Muse Spark Openはxhighの推論量で測っている。

項目 Muse Spark Open Inkling Nemotron 3 Ultra Beam
総合指数(Artificial Analysis) 39 26 23 -
JobBench 61.8 31.1 27.2 -
MCP-Atlas 89.2 76.0 63.1 78.7
HLE-Diamond(道具なし) 26.1 11.2 8.9 -
Terminal-Bench 2.1 76.4 55.1 53.9 80.1
DeepSWE 1.1 60 - - 44

(Metaのモデルカードの比較表から一部を抜粋。総合指数はArtificial Analysisの10月7日時点の値)

InklingとNemotron 3 Ultraには、数字が載っている性能の項目すべてで上回った。Beamとは8項目で比べられ、6項目でMuse Spark Openが上、Terminal-Bench 2.1(80.1対76.4)とGPQA Diamond(90.5対89.0)はBeamが上だった。評価方法の報告書によると、Beamは重みがまだ広く配られていないため、Metaは自己申告の数字を載せている。

Kimi K3に勝った8項目と、負けた項目

中国のKimi K3との比較では、モデルカードの性能20項目のうち8項目でMuse Spark Openが上回った。Metaが研究ブログに載せた11項目に絞ると、6項目で上回っている。

項目 Muse Spark Open Kimi K3 GLM 5.3 Qwen3.8
MCP-Atlas 89.2 82.3 84.2 84.5
JobBench 61.8 54.3 61.4 52.7
HLE-Diamond(道具なし) 26.1 22.2 16.4 17.3
AA-Omniscience 25 20 14 4
HLE(道具あり) 61.0 56.0 62.5 56.2

MCP-Atlas・JobBench・HLE-Diamond・AA-Omniscienceの4つは、比べた8モデルの中で一番だった。評価方法の報告書によると、MCP-Atlasは36個の実際のMCPサーバーと220個のツールを使う1,000件の課題、JobBenchは35の職種にまたがる65件の仕事のタスク。AA-Omniscienceは、間違えると減点され、答えを控えると減点されない知識のテストで、Mistral Large 4はマイナス5だった。

画像と動画のテスト6項目(比べられたのはInklingとKimi K3だけ)では、ZeroBench(50.0対41.0)・SimpleVQA(73.6対71.9)・IntPhys2(68.3対60.3)でMuse Spark Openが上、BabyVision・WorldVQA・Video-MME v2ではKimi K3が上で、3勝3敗だった。

一方、次の項目ではKimi K3やGLM 5.3が上だった。

項目 Muse Spark Open Kimi K3 GLM 5.3 Qwen3.8
総合指数(Artificial Analysis) 39 44 45 40
Terminal-Bench 2.1 76.4 85.0 83.9 82.0
DeepSWE 1.1 60 68 67 57
SWE-Atlas-QnA 58 66 59 62
GDPval-AA v2 1401 1537 1653 1613
GPQA Diamond 89.0 93.5 91.7 93.5

総合指数では中国の3モデルが上で、Muse Spark Openは4番目にあたる。DeepSWEとSWE-Atlas-QnAは各社が選んだ道具で測った数字で、評価方法の報告書によると、Kimi K3はKimi Code、Qwen3.8はClaude Code、Muse Spark OpenはMuse Codeの結果だ。

動画を作るにあたり、モデルカードの表を1行ずつ数え直した。研究ブログの表だけを見ると「11項目中6項目でKimi K3を上回った」と読めるが、モデルカードの20項目では8勝12敗になる。どちらもMetaが出した数字で、ブログの表は項目を絞っている。

Mac Studio 2台で動く

Metaは、M5 Ultraを積んだMac Studio 2台で動かせることを目玉にしている。研究ブログによると、M5 Ultraの内蔵GPUは1台あたり最大512GBのメモリを使え、2台でモデル全体が入る。メモリの帯域は毎秒1.2TBで、1トークンごとに読むのはモデルの一部だけなので、この速さで間に合うという。開発者ブログによると、2台はThunderbolt 5とRDMAで直接つなぎ、各層を半分ずつ持って計算も半分ずつ受け持つ。256GBのMac Studioなら4台で動く。

Metaは、Mac Studioの上だけで、Mastodonのアプリ「Ice Cubes」のバグ修正・新機能・ビルドまでを行い、動画編集ソフト「DaVinci Resolve」を操作して映像を1コマずつ見て良い場面を縦に切り抜いた、と書いている。Apple自身も、Mac Studio 4台で毎秒36トークン超を出した測定を公開している(Apple、MLXとThunderbolt 5のRDMAでMac Studio 4台をつなぎ、816Bのモデルを動かす手順)。

GPUで動かす場合、モデルカードはNVFP4版で700GB以上、BF16版で2TBのGPUメモリが要るとしている。Hugging Faceのブログは、BF16版をtransformersで動かす例としてH200を8基積んだノード4台、NVFP4版はB200のノード1台を挙げている。

日本時間10月16日時点のApple公式ストアでは、M5 UltraのMac Studioは94万9,800円から。ただし、Metaが前提にしている512GBメモリの構成は「10月下旬に発売」と表示されていて、まだ買えない。

ライセンスの条件

重みはMuse Model Licenseで配られる。ライセンスの原文によると、無料で使え、改造(微調整を含む)・派生モデルの作成・蒸留・統合・公開・再配布・販売ができる。条件は主に次のとおり。

項目 ライセンスの記載
表示 製品やサービスの画面、または説明書・サイト・設定画面に「Built with Muse Spark Open」と目立つように表示する
大企業 AIをAPIなどで提供していて、グループの年間売上が2,000万ドルを超える場合は、Metaに知らせて別の書面契約を結ぶ
利用方針 違法行為・兵器・重要インフラの運用・なりすましなどへの利用を禁じるUsage Policyに従う
年齢 18歳未満の利用は想定していない
出力 Metaは出力の所有権を主張しない

研究ブログは「多くの開発者が無料で使える、限定的な商用条件」と説明している。

安全性:ガードを破られた割合は0.5%

Metaは、オープンウェイトは単体で動かされるため、悪用に強くなるよう追加の学習をしたと書いている。モデルカードの比較表では、その差がはっきり出ている(低いほど安全)。

項目 Muse Spark Open Kimi K3 GLM 5.3 Qwen3.8 Inkling
StrongREJECT v2(破られた割合) 0.5 66.6 62.9 65.6 86.4
FORTRESS(答えの危なさ) 5.8 26.7 28.2 21.6 25.0
FORTRESS(安全な質問を断った割合) 17.4 2.7 3.2 12.8 7.4

ガードを破られにくい代わりに、安全な質問まで断る割合は17.4%で、比べた中で最も高い。モデルカードによると、サイバー攻撃への悪用を狙った脱獄はMetaの社内テストで99.2%を断り、嘘をつくかを見るMASKでは正直に答えた割合が98.1%だった。詳しい評価の報告書は「近いうちに」出すとしている。

Hugging Faceのブログに載っている動かし方と微調整

Hugging Faceのブログは、Metaの発表と同じ日に、各ツールでの動かし方と微調整の実測を載せている。

実行方法 ブログに書かれた条件
transformers(BF16) H200を8基積んだノード4台、テンソル並列32。BF16のチェックポイントは約1.5TB
transformers(NVFP4) B200のノード1台
llama.cpp M3 Ultra(512GB)で、2ビット量子化が毎秒18トークン。使うメモリは304GB
MLX 3ビット版はM3 Ultra(512GB)で約344GB
SGLang 入力は文章・画像・音声・動画。NVFP4の参照構成はGB300を4基
vLLM 入力は文章と画像。NVFP4でBlackwell世代のGPUが必要

ブログによると、推論の強さはlow・medium・high・xhighから選べ、推論をオフにはできない。TRLで816Bのチェックポイント全体にLoRAを付け、H100を64基使って500ステップ(約2時間)学習した例も載っている。課題はブログ自身が「チャットテンプレートに合わせる簡単な課題」と書いているもので、能力の向上でなく、手順が通ることの確認として読むのがよい。

確認しきれていない点

  • APIの料金:日本時間10月16日2時41分の時点で、OpenRouterのモデル一覧にMuse Spark Openは載っていなかった。ほかの6社の料金は確認していない
  • 元になったMuse Sparkの版:Metaは「8月に公開したMuse Spark」とだけ書いている。Hugging Faceのブログのリンク先は「Muse-Spark-1.2-816B-A42B」という名前で、OpenRouterでは8月に追加されたのはMuse Spark 1.2だが、Metaの公式ページには版の番号は書かれていない。1.2の名前のリポジトリは、こちらの取得ではHTTP 401だった
  • 他社モデルの数字:Metaの比較表のうち他社の数字は、Metaによる測定・各社の自己申告・Artificial Analysisの値が混ざっている(評価方法の報告書に項目ごとの出所あり)
  • 日本での利用:今回確認したページには、日本からの利用についての記載は無かった

本記事は続報があり次第更新します。

この記事でよく聞かれること

Muse Spark Openとは何ですか?
Metaが2026年10月15日(米国時間)に重みを公開したオープンウェイトのモデルです。Metaの開発者ページによると、8月に出したMuse Sparkを元に、単体で動かされても悪用に強くなるよう安全のための追加学習をしたものです。総パラメータ816B、1回の計算で動くのは42B、文脈は100万トークン。入力は文章・画像・動画・音声、出力は文章です。
Kimi K3より強いのですか?
Metaのモデルカードの比較表(性能20項目)では、Muse Spark OpenがKimi K3を上回ったのは8項目です(MCP-Atlas・JobBench・HLE-Diamond・AA-Omniscience・HLE道具あり・ZeroBench・SimpleVQA・IntPhys2)。Metaがブログに載せた11項目に絞ると6項目です。Artificial Analysisの総合指数はKimi K3が44、Muse Spark Openが39で、Terminal-BenchやDeepSWEなどのコーディングもKimi K3が上でした。
米国製のオープンウェイトで一番というのは本当ですか?
Metaの比較表では、米国のInkling(Thinking Machines)とNemotron 3 Ultra(NVIDIA)を、数字が載っている性能の項目すべてで上回りました。Reflection AIのBeamとは8項目で比べられ、6項目で上、Terminal-BenchとGPQA Diamondの2項目はBeamが上です(Beamの数字は自己申告)。総合指数はMuse Spark Openが39、Inklingが26、Nemotron 3 Ultraが23で、Beamは未掲載です。
自分のパソコンで動かせますか?
Metaによると、NVFP4版なら、M5 Ultraでメモリ512GBのMac Studio 2台(または256GBの4台)をThunderbolt 5でつないで動かせます。GPUの場合、モデルカードはNVFP4版で700GB以上、BF16版で2TBのGPUメモリが要るとしています。Apple公式ストアでは、M5 Ultraの512GBメモリの構成は10月下旬発売です。
無料で使えますか? 商用利用はできますか?
Muse Model Licenseでは、無料で使え、改造・追加学習・蒸留・販売もできます。条件は、製品の画面か説明に「Built with Muse Spark Open」と表示すること、AIをAPIなどで提供していて年間の売上が2,000万ドルを超える会社はMetaに知らせて別に契約することです。18歳未満の利用は想定していないとされています。
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出典・参照資料

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