Reflection(リフレクション)、初のオープンモデル Beam(ビーム)を公開総パラメータ501B・アクティブ23B・文脈100万トークンをApache 2.0で、SWE-bench Verified 81.6%は同社提供の数字
米国の新興ラボReflectionが初のモデルBeam-1.0-501B-A23Bをオープンウェイトで公開した。総パラメータ501B、アクティブ23B、文脈100万トークンで、ライセンスはApache 2.0。SWE-bench Verified 81.6%などの数字はReflectionチームが提供したもので、Hugging Face Inference Providersでも試せる。

目次
米国の新しいAIラボ Reflection(リフレクション)が、初のモデル Beam(ビーム)をオープンウェイトで公開しました。Hugging Faceのブログ(ページ上の公開日は2026年10月16日)によると、正式名は Beam-1.0-501B-A23B。総パラメータ501B、トークンあたりのアクティブ23BのMixture-of-Experts(MoE)で、入力はテキストのみ、文脈は100万トークン、ライセンスは Apache 2.0 です。
3行まとめ
- Reflection初のモデル Beam-1.0-501B-A23B(総501B・アクティブ23B・文脈100万トークン)が、Apache 2.0でHugging Faceに登場
- SWE-bench Verified 81.6%、Terminal Bench v2.1 80.1%、AIME 2026 97.7%(いずれもBF16版・Reflectionチーム提供の数字)
- BF16は約1TB、NVFP4は約280GB。B200なら4基を推奨。GPUがなければInference Providers(Baseten・Fireworks・Together)で試せる
本記事の内容は、日本時間10月16日22時台に公式ページで確認したものです。
Beamは何ができるモデルか
Hugging Faceのブログは、Beamを「コーディングとエージェント用途に焦点を当てたモデル」と説明しています。想定する利用者は、自社のハードウェアやクラウドでフロンティア規模のモデルを動かし、自分の用途に合わせて調整したいチームです。専用のRust製オープンソースのハーネス(実行環境)も付属し、モデルの性能を引き出すと書かれています。
モデルカードの「主な能力」には、次の4点が並びます(Reflectionの記述)。
- トークン効率の高い推論: 主要なオープンモデルと同程度の解答品質を、推論時の思考トークンをおよそ3分の1にして得られるとしています
- ソフトウェア開発: 実在のGitHub issueの解決、CLIやDevOps環境での作業
- エージェントとしてのツール利用: 長い手順のタスク、MCP連携、ブラウジング
- 数学・科学の推論
推論の深さは "low"・"medium"(既定)・"high"・"xhigh"・"max" の5段階で、思考内容を会話をまたいで保持する preserve_thinking にも対応するとブログにあります。ただし、モデルカードのページに含まれるチャットテンプレートのコメントでは、段階に "minimal" もあり、指定しない場合の既定は "max" と書かれていて、ブログの説明と食い違います。なお、モデルカードに載る知識の期限は2026年6月30日です。
仕組み: 501Bを抱えて23Bの速さで動く
ブログの説明では、256個のエキスパートのうち1トークンあたり8個だけを動かします。全エキスパートをメモリに置く必要があるので、必要なメモリは501B相当、計算の速さは23B相当です。
- 52層(最初の3層が通常のMLP、残り49層がMoE)
- 注意機構は、大半の層が直近512トークンだけを見るスライディングウィンドウ、6層ごと+最終層の計9層が全文脈を見る
- そのためKVキャッシュの増え方は1トークンあたり36 KiB。全層が全文脈を見る場合(208 KiB)の約6分の1で、100万トークン時は36.08 GiB(同じ条件で208 GiB)
数字はいずれもブログの記載で、BF16・1シーケンスあたり、transformersの動的キャッシュでの値です。
成績: 同社提供の数字を一部だけ抜き出す
ブログはベンチマーク表を「Reflectionチームが提供した」結果として載せています。モデルカードの注記では、評価は temp=0.7、top_p=0.99 で実施されています。BF16・FP8・NVFP4の3つの数値精度ごとの結果から、主なものを抜き出します。
| ベンチマーク | BF16 | FP8 | NVFP4 |
|---|---|---|---|
| SWE-bench Verified | 81.6% | 80.2% | 80.7% |
| SWE Bench Pro v1 | 66.1% | 65.9% | 65.6% |
| Terminal Bench v2.1 | 80.1% | 78.9% | 78.2%(ブログ)/78.4%(モデルカード) |
| AIME 2026 | 97.7% | 98.0% | 97.5% |
| GPQA Diamond | 90.6% | 90.3% | 89.3% |
| HLE(ツールなし) | 36.0% | 36.0% | 34.8% |
| MCP Atlas | 80.8% | 81.5% | 80.5% |
| BrowseComp(文脈管理あり) | 76.8% | 76.7% | 75.6% |
この表には他社モデルの列がありません。本記事が確認した3ページには、Beamを他のモデルと並べた比較表は見当たりませんでした。「ほかのモデルより上か下か」は、この発表だけでは言えません。同系統のオープンモデルとしては、Meta、オープンウェイトの「Muse Spark Open」(約816B・アクティブ約42B)の記事もあります。
量子化の影響は表から読めます。NVFP4はBF16より多くの項目でわずかに下がりますが、SWE Bench Pro v2-Hard(BF16 76.5%、NVFP4 78.6%)のように上がる項目もあります。
どこで、どのくらいのGPUで動かせるか
| 方法 | ブログの記載 |
|---|---|
| 重みの置き場 | BF16(約1TB)・FP8・NVFP4(約280GB)をHugging Faceで配布 |
| 推奨構成(NVFP4) | B200(180GB)を4基(720GB)。2基でも重みは載るが、KVキャッシュの余裕がほぼない。8×B200、2×B300、8×RTX Pro 6000でも可 |
| Blackwellより古いGPU | FP8版。SGLangの例は8基のH200 |
| BF16をvLLMで | 2ノード(8×H200ずつ)の16GPUでテンソル並列 |
| ライブラリ | transformers(5.20.1以上)、SGLang、vLLMが初日から対応 |
| 試すだけなら | Hugging Face Inference Providers(Baseten・Fireworks・Together、今後増える予定)、Inference Endpointsのワンクリック配備(FP8またはNVFP4) |
推論を速める投機的デコード(DFlash2)用の小型ドラフトモデルも用意されています。
手を入れて育てる: 微調整の手順と数字
ブログは、TRLによる教師あり微調整(SFT)と、MilesによるGRPO(強化学習)の手順を載せています。
- LoRAでのSFTは、B300 8基の1ノードで毎秒約19,000トークン。H100なら4ノードです。思考を指定言語で行わせる微調整では、1エポック後に保留した16問中16問で指定言語の思考になり、元のモデルは3問でした。ブログは、これは言語の守られ方を見る小規模な評価で、推論の正しさを測るものではないと断っています
- GRPOは、全パラメータ更新が96基のH200(学習64・生成32)、LoRAが32基のH200(学習16・生成16)という参考構成です
Reflectionは、Beamを使って作ったSpaces・モデル・データセットのうち優れたものに、Hubクレジット1万ドル分を出すとしています。
Hugging Faceが5つのタスクで試した結果(「雰囲気評価」)
ブログには、5つのタスクを低・高の2段階の推論の深さで1回ずつ動かした記録があります。ブログ自身が「ベンチマークではなく雰囲気評価(vibe evals)」と位置づけたもので、全入出力は公開バケットにあるとのことです。
- 低でも高でも成功: 複数手順のツール呼び出し、サンドボックス内のターミナル作業、構造化出力(厳密なJSON変換)
- 低で失敗: コードベース上の長文脈検索。コードの挙動と6つの引用は正しかったが、指定のパーサー形式に合わない出力だった。ブログは「一部はプロンプトの曖昧さ」と書いています
- 低で不完全: AIME形式の数学。答えは正しいが、求められた根拠が抜けていた。高では正しい根拠が付いた
思考トークン量は低で544〜1,613、高で811〜5,007と、タスクによって大きく変わります。
出典を読んで引っかかった点と、まだ分からないこと
日本時間22時7分にブログとモデルカードを取得して突き合わせたところ、気づいた点が2つあります。
- 同じ数字が表記によって違う。Terminal Bench v2.1のNVFP4は、ブログが78.2%、モデルカードが78.4%でした。AutomationBenchのBF16もブログでは「39.3」と%なしで、モデルカードでは「39.3%」です。どちらが正かは確認できていません。
- ブログのコード例のモデルIDが揺れている。transformersの例は
reflectionai/Beam-1.0-501B-A23B、そのほかの例とモデルカードのURLはreflection/Beam-1.0-501B-A23Bです。コピーして使う前にHugging Face上のIDを確かめてください(本記事では実行していません)。
そのほか、今回取得したページから言える範囲の未確認事項です。
- 成績はReflection提供の数字。第三者による再現は、取得したページには見当たりません。技術報告書はモデルカードに「coming」とあり、未公開です
- 日本語。モデルカードは「主に英語向けに開発された」とし、言語タグも英語のみです。日本語での性能を示す数字は、3ページのどこにもありませんでした
- 料金。Inference Providersでの料金は、取得したページに記載がありません
- 安全性。モデルカードは、Reflection独自の評価セット(Iris Safety Evaluations)で有害な依頼への拒否・回避率が88.9%(BF16)、無害な依頼への対応率が81.5%と載せ、詳細は別の安全性レポートに任せています。そのレポートは今回取得していません
- ダウンロード数。モデルカードの表示は、取得時点で直近1か月440、いいね10でした。公開直後の数字です
同時に出た周辺: Mirror CLI
Reflectionの開発者ドキュメントのバナーには「Beam 1.0がオープンウェイト、Reflection API、Mirror CLI(ベータ)とともに出た」とあります。Mirror CLIはターミナル用のコーディングエージェントで、既定でBeam-1.0-501B-A23Bを使います。ドキュメントによると、既定は「手動承認」モードで、シェルコマンドやファイル編集の前に一時停止して確認します。承認モードは「サンドボックスではない」とも明記されています。「早期ベータで、コマンドや挙動はリリース間で変わりうる」という注意書きもあります。
出典と確認時刻
本記事は、次の3ページを日本時間2026年10月16日22時7分に取得して書きました。製品は試していません。
- Welcome Beam: a 501B open model you can own, customize, and scale(Hugging Face公式ブログ)
- reflection/Beam-1.0-501B-A23B(モデルカード)
- Mirror CLI overview(Reflection Developer Docs)
本記事は続報があり次第更新します。
この記事でよく聞かれること
- Reflectionの「Beam」とはどんなモデルですか?
- Hugging Faceのブログによると、米国の新しいラボReflectionが出した初のモデルで、総パラメータ501B・トークンあたりのアクティブ23BのMixture-of-Experts(MoE)です。入力はテキストのみ、文脈は100万トークン、ライセンスはApache 2.0で、コーディングとエージェント用途に焦点を当てています。
- Beamを自分の環境で動かすにはどのくらいのGPUが必要ですか?
- Hugging Faceのブログによると、BF16の重みは約1TB、NVFP4版は約280GBです。NVFP4はBlackwell世代のGPUが対象で、B200なら4基(720GB)を推奨としています。Blackwellより古いGPU向けにはFP8版があり、SGLangの例では8基のH200で動かします。Blackwell世代のGPUがない場合は、Hugging FaceのInference Providers(Baseten・Fireworks・Together)で試せると書かれています。
- BeamのSWE-bench Verifiedの点数は?
- モデルカードとブログの表では、BF16版が81.6%、FP8版が80.2%、NVFP4版が80.7%です。ブログはこれらを「Reflectionチームが提供した」結果としており、今回取得したページには他社モデルとの並べた比較表はありません。
- Beamは日本語で使えますか?
- モデルカードは「主に英語向けに開発された」と書いており、言語タグも英語のみです。日本語での性能を示す数字は、今回確認した3ページには見当たりませんでした。
出典・参照資料
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