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NVIDIA、欧州向けの短期気象予測モデルStormScope EU(ストームスコープ)をEarth-2に追加欧州の衛星16チャンネルを10分間隔で予測、Earth-2の活用例にAXA・TotalEnergiesなど

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日刊AIニュース10月22日(木)号:前日のAIのニュース26本を短くまとめました(約13分)›

NVIDIAは2026年10月21日(現地)、オープンな気象・気候AIのEarth-2に、欧州の衛星観測で学習した短期予報モデルStormScope EUを加えたと発表した。EUMETSATの衛星データ16チャンネルを10分間隔で予測し、AXA、TotalEnergies、Vaisala Xweather、マンチェスター大などの活用例も紹介している。

NVIDIA、欧州向けの短期気象予測モデルStormScope EU(ストームスコープ)をEarth-2に追加──欧州の衛星16チャンネルを10分間隔で予測、Earth-2の活用例にAXA・TotalEnergiesなど
目次

NVIDIAは現地時間2026年10月21日、オープンな気象・気候AIの「Earth-2(アース・ツー)」に、欧州向けの短期予報モデル「StormScope EU(ストームスコープ・イーユー)」が加わったと公式ブログで発表しました。同社によると、EUMETSATの衛星観測を使い、Meteosatの16チャンネルにわたる雲の状態の変化を10分間隔で予測します。ブログにはAXA、Vaisala Xweather、マンチェスター大学、TotalEnergies、Space42の5組織の活用例も並んでいます。

3行まとめ

  1. NVIDIAがEarth-2にStormScope EUを追加。欧州の気象・気候データで学習し、Meteosat 16チャンネルの雲を10分間隔で予測すると同社が説明
  2. ドイツのGTC Berlinで、Earthmoverと組んだライブデモを展示。新しい衛星観測が届くたびに10分ごとに更新される
  3. NVIDIAのブログによると、AXAは1,000超の模擬シーズンで地域のサイクロンリスクを調査、TotalEnergiesは太陽光2か所で日射量予測を評価。Vaisala Xweatherは雷予報を1時間から3時間へ延ばす取り組みを発表

本記事の内容は、日本時間2026年10月22日14時台に公式ページで確認したものです。NVIDIAのブログは、公開情報(UTC 10月22日5時=日本時間14時)では現地10月21日付の記事です。

StormScope EUで何ができるのか

NVIDIAのブログによると、StormScope EUは短期予報モデルStormScopeの地域版で、欧州の気象・気候データで学習しています。衛星観測から先の雲の変化を予測する、いわゆる「ナウキャスト」向けのモデルです。

Earthmoverの技術記事は、もう少し細かく書いています。同社によると、モデルは10分間隔の連続6枚の衛星画像を入力にして、2時間先までを10分刻みで予測します。拡散モデルで、数値予報の場(大気の解析値)を入力にしない点が特徴だと説明しています。数値予報を待たないので、より実時間に近いというのがEarthmoverの説明です。

NVIDIAは、地域の用途に合わせた組み合わせ方も示しています。

  • 短期予報にStormScope、粗い気象データに地域の細かさを足すのにCorrDiff
  • PhysicsNeMo(オープンソースの学習・カスタマイズ用フレームワーク)で、大気質など別の環境用途にモデル構造を学習し直す

NVIDIAのEarth-2製品ページは、Earth-2を「気象・気候AIのオープンなモデル、ライブラリ、フレームワークの一群」と説明し、Earth2StudioをGitHubとHugging Faceから入手できると案内しています。

誰が何に使っているのか

ブログが挙げた5組織を、書かれている内容の範囲で整理します。

組織 使っているもの ブログの説明
AXA FourCastNet 3 1,000超の模擬シーズンで、過去の記録を超える地域のサイクロンリスクを調べる
Vaisala Xweather StormScope+自社の雷データ・観測 短期予報の先読み時間を延ばし、SaaSやAIアシスタント連携で提供
マンチェスター大学 CorrDiff 英国の大気質モデルを作成。Isambard-AIで学習、DGX Sparkで実行
TotalEnergies StormScopeベースの日射量ナウキャスト 2か所の太陽光発電所で評価し、1時間未満刻みの気象情報を出すモデルを開発中
Space42 CorrDiff+PhysicsNeMo 1枚のレーダー画像から地表の高さを推定し、不確実性の地図も出す「SARDiff4Height」

AXA、TotalEnergies、Space42の項目は、NVIDIAのブログの記述です。この3組織自身の発表は、今回は確認していません。

Vaisala Xweather:雷予報を1時間から3時間へ

Vaisala Xweather自身のプレスリリース(10月21日付)には、最初の用途として「StormScopeと自社の雷データを組み合わせ、雷予報を1時間から3時間の先読み時間に延ばす」とあります。NVIDIAのTim Carroll氏のコメントも載っています。

"By building on StormScope with lightning data and a global sensor network, Vaisala Xweather can see severe weather coming hours earlier." (StormScopeに雷データと世界規模のセンサー網を組み合わせることで、Vaisala Xweatherは悪天候の接近を数時間早く捉えられる。)

同社は、雷以外の悪天候や高解像度のAI予報にも広げる計画だと書いています。「3時間」は同社の説明で、精度の検証結果や提供開始の時期はプレスリリースにはありません。

マンチェスター大学:国のスパコンから机の上へ

別のNVIDIAブログ(2026年9月15日付)では、マンチェスター大学のチームがCorrDiffを英国全域の大気汚染に適用した経緯が語られています。1年分の英国の汚染データ(1時間刻み、2〜3平方キロメートルの解像度)を使い、Isambard-AIの8GPUノード1台で学習は2日。同じワークフローはDGX Sparkでも動くとのことです。

日本の読者にとっての意味

今回の発表は欧州向けのモデルです。NVIDIAのブログ本文に、日本を対象にした話や、日本の衛星データへの対応についての記載はありません(本文を検索して確認しました)。ただ、「地域のデータで学習し直して使う」前提のオープンな枠組みなので、読者が気にするのは「自分の地域のデータで同じことができるか」でしょう。それはPhysicsNeMoやEarth2Studioのドキュメントで確かめる範囲で、今回の取得ページだけでは判断できません。

関連して、NVIDIAは同日、欧州向けのオープンモデルを複数発表しています。まとめは欧州向けオープンモデルの一括発表と、公共部門向けの事例の記事にあります。気象分野では、Ai2の気候エミュレーターHiRO-ACEv2も最近の話題でした。

「10分」が指すものは1つではない

日本時間14時19分ごろに、NVIDIAのブログとEarthmoverの技術記事を続けて開きました。筆者が見て気づいたのは、読み手が混ざりやすい数字が2つあることです。

1つは「10分」です。NVIDIAのブログでは、デモの結果が「新しい衛星観測が届くたび、10分ごとに更新される」とあります。一方、Earthmoverの記事では「予測の1ステップが10分刻み」「予測の初期化から手元のスマホに届くまでの遅れが10分」と別の意味でも出てきます。

もう1つは遅れの話です。Earthmoverの記事には、EUMETSATの無料配信には1時間のエンバーゴ(公開猶予)があり、StormScopeの予測が出るのは衛星の観測から68分後になる、と書かれています。商用ライセンス(デモ用にNVIDIAが購入)では20分に縮むとのことです。NVIDIAのブログ本文には、この条件への言及はありませんでした。「10分間隔」を「10分前の空が見える」と読むのは、少なくとも無料の配信を使う場合は正確ではありません。

私は製品を実際に動かして試してはいません。上は公式ページの記述を読み比べた結果です。

確認できなかったこと

  • 精度の数字: 今回のブログには、StormScope EUの予測精度を示す数値や、他の手法との比較は載っていません。NVIDIAのEarth-2製品ページには「Earth-2 Nowcastingは、嵐の挙動のシミュレーションで従来の物理ベースのシステムを上回った最初のAIモデル」という趣旨の同社の説明がありますが、これはNowcasting全般の説明で、StormScope EU単体の評価として扱える記述かどうかは、ページからは分かりません。
  • ライセンスと入手方法: NVIDIAのブログ本文にはStormScope EUのライセンスの記載はなく、配布場所もEarth-2の製品ページとEarth2Studioの予測例へのリンクがあるだけです(本文を検索して確認)。Earthmoverの記事は「StormScope-EUはEarth2Studioから使える」と書き、参考リンクに「StormScope Meteosat checkpoint on Hugging Face」を挙げていますが、このチェックポイントがStormScope EUと同一か、ライセンスが何かは確認していません。
  • 活用例の実績: NVIDIAのブログではTotalEnergiesは「評価中」「開発中」、Vaisala Xweatherのプレスリリースでは雷予報は「最初の用途」、雷以外への拡大は「計画」という書き方で、提供開始の時期は書かれていません。運用に入っているのは、ブログの記述ではデモ以外には確認できませんでした。
  • AXAの数字の裏取り: 「1,000超の模擬シーズン」は、NVIDIAの2026年10月のブログの記述です。AXAの事例として取得したNVIDIA開発者ブログ(2025年3月付)にはハリケーンの模擬シーズンの話はありますが、この数字は見当たらなかったため、出典には含めていません。

出典と確認時刻

すべて2026年10月22日14時19〜20分(日本時間)に取得しました。

本記事は続報があり次第更新します。

この記事でよく聞かれること

StormScope EUとは何ですか?
NVIDIAの公式ブログによると、気象・気候AIのオープンモデル群Earth-2に加わった最新のモデルで、短期予報用StormScopeの欧州版です。欧州の気象・気候データで学習し、EUMETSATの衛星観測を使って、Meteosatの16チャンネルにわたる雲の状態の変化を10分間隔で予測します。
Earth-2は誰が使っていますか?
NVIDIAのブログでは、TotalEnergiesが太陽光発電の予測のためにStormScopeベースの日射量予測を2か所の太陽光発電所で評価していると紹介しています。Vaisala Xweatherは、StormScopeに自社の雷データを組み合わせて短期予報の先読み時間を延ばす取り組みを進めています。AXAはFourCastNet 3、マンチェスター大学とSpace42はCorrDiffを使った例です。ブログの書き方では、これらの組織がStormScope EUそのものを使っているかどうかは明示されていません。
Earth-2のモデルはどこで試せますか?
NVIDIAのEarth-2ページには、Earth2StudioをGitHubで入手でき、Hugging Faceからもダウンロードできると書かれています。公式ブログによると、GTC Berlinの会場ではEarthmoverと作ったStormScope EUのライブデモが展示されています。日本での提供条件については、今回取得した公式ブログ本文に記載はありません。
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出典・参照資料

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