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AILEX(エーアイレックス)、法律事務所向けAIのv2を公開「エージェント形式」への変更とAI推論の国内限定を同社が説明、1席月13,200円・1か月無料

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日刊AIニュース10月31日(土)号:前日のAIのニュース8本を短くまとめました(約6分)›

AILEX合同会社は2026年9月27日、法律事務所向けAIリーガルOS「AILEX」のv2を公開し、10月上旬の案内文で、AIが準備し弁護士が判断・承認する「エージェント形式」へ変更したと説明した。公式ページによると、保管はAWS東京、AI推論はAmazon Bedrockの東京・大阪に限り、料金は1席月13,200円(税込)で登録から1か月無料。筆者は製品を試しておらず、公式ページで確かめた点と確かめられなかった点を整理した。

AILEX公式サイトのOG画像。mints提出パッケージの画面の見本と、法律事務所向けAIリーガルOSの文字
画像:AILEX合同会社公式サイトのOG画像(ailex.co.jp/ogp-20261006.png)を1200×675に合わせて背景を縦に延長。画面は架空のデモデータ(同社の注記)
目次

法律事務所向けAIリーガルOS「AILEX(エーアイレックス)」を提供するAILEX合同会社(東京都渋谷区)は、2026年9月27日に全面的に作り直した「AILEX v2」を公開しました。同社は10月上旬に当サイトへ届けた案内文で、現行版を、AIが事件記録を読んで作業を用意し、弁護士が判断・承認して進める「エージェント形式」へ変更したと説明しています。公式ページによると、事件記録の保管はAWS東京リージョン、AIの推論はAmazon Bedrockの東京・大阪に限る構成で、料金は1席あたり月13,200円(税込)、登録から1か月は無料で、自動では有料に切り替わりません。

先に開示します。この記事は、AILEX合同会社から当サイトの窓口に届いた情報提供をきっかけに書きました。案内文は無料の掲載候補として送られ、有料広告やタイアップの申し込みではないと同文に書かれています。当サイトは対価を受け取っていません。本文の事実は公式サイトと公式noteを取得して確かめたもので、案内文にしかない説明はそう書きます。筆者は製品にログインしておらず、試してもいません。

3行まとめ

  1. AILEX合同会社は2026年9月27日にAILEX v2を公開。10月上旬の案内文で、事件チャットを中心にAIが準備し弁護士が判断・承認する「エージェント形式」へ変更したと説明している。
  2. 公式ページによると、保管はAWS東京、AI推論はAmazon Bedrockの東京・大阪に限定。料金は1席月13,200円(税込)で書面60回・読み取り1,000ページ付き、登録から1か月は無料。
  3. 「エージェント形式」という語は、公式サイトのサイトマップに載る168件のURLに見当たらなかった。ログイン後の画面は10月6日に事件の画面へ替わったと公式の機能説明にある。AI出力の正確性を測った数字は今回読んだ製品ページになく、ISO/IEC 27001とSOC 2は「取得に向けて準備中(未取得)」と会社概要に書かれている。

本記事の内容は、日本時間2026年10月30日23時台に公式ページで確認したものです。

「エージェント形式」で、事件の画面では何が起きるのか

案内文(10月8日付)と公式トップページの説明は同じ流れです。相手方の書面が届くとAILEXが主張を拾って認否表の下書きを作り、判断が要ることを事件のチャットに「判断を待っているもの」として並べ、弁護士は材料を確かめてボタンで進めます(トップの画面は10月7日時点を再現した見本で、事件・人物は架空と注記されています)。サービス紹介ページによると、判断待ちは1つの事件で一度に2件まで会話の下に出ます。同ページは、AILEXが行う操作を3段に分けています。

段 内容 公式ページの例
自動実行 事務所の中で完結し、取り消せる作業。進めたことは記録に残る 本文の読み取り(OCR)、文書の分類、裁判所の書面からの期日の読み取り、利益相反の候補検索、不足資料の検出
ワンクリック承認 事務所の外に出るもの。AILEXが用意し、人が承認する 依頼者への資料依頼・経過報告の文面、請求書の発行、書面ドラフトの採用、mints提出の承認
専門判断 弁護士が決める。AILEXは材料と選択肢まで 受任するか、利益相反が実際にあるか、いくら請求するか、和解するか提訴するか、最終書面の確定

同社はAIの出力を参考情報・下書きとし、依頼者への送付と裁判所への提出は弁護士が行う、AILEXは法律事務を行うものではない(弁護士法第72条)と説明しています。「95の作業を、AILEXが。5の判断だけを、弁護士に。」という見出しには、「設計の考え方 ─ 比喩であり、実測値ではありません」と注記があります。同ページは「全情報を把握して事件を自動運転する」を目標にすると「必ず嘘になります」とも書き、v2公開のnoteは、利益相反の照合は登録された情報の範囲で、利益相反がないことを保証しないと注記しています。

サイト全体に「エージェント形式」はなく、10月6日に「今日」画面がなくなっていた

10月30日23時台に、公式サイトのサイトマップに載る168件のURLをすべて取得し、「エージェント形式」で全文検索しました。0件で、この語は案内文にだけありました。「エージェント」単独なら、MCPの説明(Microsoft Copilot側のエージェント)、IETF提出のお知らせの見出しのほか、2026年2〜3月のブログ記事に出てきます。それらの記事は従来版の機能を「AILEX AIエージェント」「27種類のAIエージェント」と呼んでおり、同社は掲載当時の情報と注記しています。v2のサービス紹介と機能説明のページは機能の呼び名に使っておらず、言い方は「弁護士が判断だけすれば、事件が進む」「判断を待っているもの」です。

画面の変化は時系列で追えます。9月27日のnoteは、ログインすると最初に開く「今日」の画面に「あなたの判断待ち」が並ぶと書いていました。事件チャットの機能説明ページは、「2026年10月6日から、ログイン後は事件の画面が開くようになり、「今日」画面は置いていません」としています。判断待ちは各事件のチャットの下に移り、判断待ちから依頼者・相談者へメールを送る機能も同じ日から止めていて、文面は弁護士がコピーして自分で送ります。案内文が届いたのは2日後の10月8日です。「エージェント形式へ変更」がこの変更を指すのかは同社の文面に書かれておらず、結びつけているのは筆者の読みです。app.ailex.co.jpを開いても、ログインしていない筆者にはログイン画面が出るだけで、実際の事件画面は見ていません。

v2は従来版の改良ではなく、別のシステムだという

サービス紹介ページは、v2を従来版(users.ailex.co.jp)の改良版ではなく、AWS上で組み直した別のシステムと説明しています。同社が挙げる違いの一部です。

観点 従来版 v2
AIの処理場所 外部のAI API(海外リージョン)。一部の機能で送信前に個人情報をマスキング Amazon Bedrockの国内限定推論プロファイル(東京・大阪)のみ。マスキングは行わない
稼働基盤 国内の共有レンタルサーバー(PHP / MySQL) AWS東京リージョン(ECS Fargate、暗号化されたRDS、版管理付きS3)
情報遮断 事務所IDによる共有 事務所単位の境界に加え、事件単位の情報遮断(管理者も自動では入れない)
ファクトチェック 別系統の外部AIで照合 e-Govの法令と裁判所の公開情報を引かせて照合。外部AIは使わない

従来版のデータは自動では引き継がれず、引き継ぎはメールで相談する扱いです(v2公開のnote)。App Storeで配信中のiOSアプリは、現在は従来版に接続します。マスキングをやめた理由について同社は、氏名には決まった形がなくパターンだけでは漏れなく見つけられないため、外に出さない構造を選んだ、と説明しています。

「日本国内で完結」は、どこまでを指すのか

同社の説明では、事件情報・依頼者情報・操作の記録はAmazon RDSに、文書の実体はAmazon S3に、いずれもAWS東京リージョンで暗号化して保管し、AI処理はBedrockの国内向け推論プロファイル(東京・大阪)を通します。実行環境はIAM上、国内向け以外を呼び出せないとあります。モデルはセキュリティ白書v2.0(10月6日)によると、同社の検証用事務所の操作ログに記録された識別子が jp.anthropic.claude-haiku-4-5-20251001-v1:0、jp.anthropic.claude-sonnet-4-6、amazon.titan-embed-text-v2:0 の3種類です。同社は、新しい世代のモデルは国外向けにしか出ないことがあり「モデルの世代では一歩遅れます」と認めています。

筆者はAWS側の2点をAWSのページで確かめました。公式ブログ(2025年10月16日)は日本国内クロスリージョン推論の送信先が東京と大阪に限られると書き、Bedrock FAQsはBedrockの入力・出力をモデルの訓練に使わないと書いています。白書は別に、不正利用の検知に伴うAWS側の保存・確認の例外も記しています。AILEXの権限設定が実際にその構成かは外部から確かめられず、白書自身も、操作の記録を当社に依らずに確かめる手段は提供していないと書いています。

同社が国内完結の範囲から除外している経路は次の3つです。

  • 事務所が指定した宛先(依頼者・相手方・裁判所など)へのメール送信
  • 事務所が自分で接続した外部サービス(MCPクライアント、Googleカレンダーなど)への送信
  • 画面から不具合を報告した際に、国外の開発管理環境へ連携する技術的な要約(原文は送らず、白書は送り先をGitHubと記載)

言い切らない箇所もあります。noteは、障害調査などのために技術担当者がデータに到達しうる経路は存在する、と書いています。米国のCLOUD Actについても、保存場所が日本であることだけで及ぶ可能性がなくなるわけではない、とサービス紹介ページのよくある質問が述べています。

料金は1席月13,200円。枠を使い切ると何が止まるのか

料金ページは掲載を9月29日、更新を10月7日と表示しています。

項目 内容
有料プラン 1つ(PRO)。1席13,200円/月(税込。税抜12,000円)。役割を問わず同額。3席39,600円、5席66,000円、10席132,000円
1席ごとの月間枠 書面60回、読み取り1,000ページ。事務所全体で合算。事件チャットは別枠で200回
席の数え方 登録済みと招待中の人数。使っていない席も数える
追加枠 11,000円(税込)で書面30回+読み取り500ページ。購入月の月末まで
無料期間 登録日から1か月。事務所全体で書面30回・読み取り500ページまで

枠の数え方には注意点があります。「書面1回」には生成のほかファクトチェック、事件分析、契約書チェック、mintsの下書きなどが含まれ、「AILEX が自動で進めた分も、書面などを AI で作ったときは数えます」とあります。AI相談、分類、要約、期日の読み取りは数えません。10割に達すると書面を作る操作と読み取りを新しく始められなくなりますが、閲覧、登録、書き出しなどAIを使わない機能は止まりません。

支払いは銀行振込(請求書払い)で、契約は月単位、自動更新はしません。契約期間の途中での解約と残期間の返金はできません(同社がサービスを終了する場合などは日割りで返金)。無料期間が終わると閲覧と書き出しだけが残り、データの削除は申請から30日後です。

mintsとTreeeS(ツリーズ):できることと、できないこと

mintsは裁判所が運用する民事裁判書類電子提出システムで、AILEXのページは、改正民事訴訟法の施行(2026年5月21日)以降、訴訟代理人のオンライン提出が義務になったと説明しています。AILEXは号証番号のスタンプ、容量の分割(1回200MB)、ファイル名の整形をした提出パッケージ(zip)の作成や、秘匿情報・他事件の混入のチェック、送達からの期限計算を挙げます。アップロードは弁護士がmints上で行い、同社はmintsが外部連携用のAPIを提供していないためだと説明しています。

TreeeSは裁判所が導入予定の次のシステムで、AILEXの対応ページ(10月26日時点)はまだ稼働していないと書いています。同ページによると、最高裁判所の調達仕様書には2026年度中(2027年1月の予定)に一部の裁判所で、2027年度中に全国で運用を始める予定とあります。先行する名古屋高裁本庁・名古屋地裁・管内簡裁という対象庁は、愛知県弁護士会の案内で確かめたもので、裁判所の公表資料では確認できていないと同社は注記しています。同社は自社の照会への最高裁判所の回答(10月13日)として、外部システムとのAPI連携機能は実装されておらず今後の実装予定も未定と公表しています。AILEXのTreeeS対応は「対応予定」で、裁判所との提携・認定を意味しないとされています。筆者は最高裁判所側の資料は確認していません。

MCP接続は、国内完結の外に出る

v2はMCP(Model Context Protocol)のサーバーを備え、事務所が発行したトークンで接続すると、事件・期日・タスク・文書・裁判例・法令を参照する8つのツールが使えます。Microsoft Copilot StudioからはAPIキー方式での接続を想定し、Microsoft 365 Copilotの宣言型エージェントからの接続はOAuth対応の準備中です。同社は、MCPで参照した事件情報や文書の本文は接続先のAIサービスに渡り、国内完結の範囲に含まれないと明記しています。

読み比べて食い違っていた点が1つあります。MCP対応ページは8つのツールはいずれも参照のみと説明していますが、白書の付録A-6に写された10月6日時点の設定画面の文言には「既定は読み取り専用で」「書き込みを許可すると、タスクの作成と期日の提案ができます」とあります。どちらが現行の仕様かは、公開情報からは決められません。

公開情報で測れなかったこと

  • AI出力の正確性: 各ページは正確性・完全性を保証しないと書き、書面中の【要確認】の表示も網羅的ではないとしています。「正答」「ベンチ」「誤り率」「ハルシネ」「精度」で検索した範囲では、トップ、サービス紹介、料金、機能説明(事件チャット)、白書、noteに、書面や回答の正確性を測った数字はありませんでした。
  • 利用契約の全文: サービス紹介ページによると、本文は登録後に設定画面で確認します。公式ページが引く条項番号を、筆者は原文で確かめられていません。
  • 第三者の確認: 会社概要と白書によると、ISO/IEC 27001・27017認証とSOC 2 Type II報告書は未取得です。白書は、付録の確認は同社自身によるもので、第三者機関の脆弱性診断の報告書は公表していないと書いています。
  • 利用者数: トップページの「1,000名」は2026年8月25日付プレスリリースの数字(弁護士・パラリーガル・事務職員を含むアカウント数)で、v2公開より前のものです。
  • 10月22日の緊急メンテナンス: 公式ニュースによると、PHPの深刻な脆弱性への対応のため0時48分から2時00分ごろまで「AILEX」を止めました。v2と従来版のどちらが対象かは通知に書かれていません。
  • 実際の画面: 公式ページの画面は架空のデモデータを使った再現見本です。操作感、応答の速さ、認否表の下書きの出来は、筆者には判断できません。

この記事でよく聞かれること

AILEX(エーアイレックス)とは何ですか?
AILEX合同会社(東京都渋谷区)が提供する、法律事務所向けのAIリーガルOSです。公式サイトによると、弁護士1〜5名規模の事務所を想定し、事件管理、書面の下書き、資料の読み取り、期日・請求の管理、mints(民事裁判書類電子提出システム)への提出準備を扱います。2026年9月27日に全面的に作り直したv2を公開しました。AIの出力は参考情報・下書きで、最終判断と裁判所への提出は弁護士が行うと同社は説明しています。
AILEXの料金はいくらですか?
公式料金ページ(2026年10月30日に確認)によると、有料プランは1つで、1席月13,200円(税込、税抜12,000円)です。1席ごとに毎月、書面60回と読み取り1,000ページの枠が付き、事務所全体で合算して使います。事件チャットは別枠で1席200回です。登録から1か月は無料(書面30回・読み取り500ページまで)で、自動では有料に切り替わらないと書かれています。契約は月単位で、途中解約と残期間の返金はできないとされています。
AILEX v2のAI処理は日本国内で行われますか?
AILEXの公式ページによると、事件情報の保管はAWS東京リージョン、AIの推論はAmazon Bedrockの国内向け推論プロファイル(東京・大阪)に限る構成です。ただし、事務所が指定した宛先へのメール送信や、MCPなど事務所が自分で接続した外部サービスへの送信は、この国内完結の範囲に含まれないと同社は書いています。また、新しい世代のモデルは国内で使えるようになるまで採用が遅れる場合があると、同社自身が説明しています。
AILEXからmintsへ自動で提出できますか?
できません。AILEXの公式ページによると、mintsは外部連携用のAPIを提供していないため、AILEXは号証番号のスタンプ、容量の分割、ファイル名の整形をした提出パッケージの作成など、提出の前後を支援し、アップロードは弁護士がmints上で行います。TreeeS(ツリーズ)への対応は「対応予定」で、同社は裁判所との提携・認定を意味しないと説明しています。
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出典・参照資料

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