Sakana AI(サカナAI)、企業向け「Sakana API Platform」のアーリーアクセスを開始組織・ワークスペース管理と監査ログ付き、OpenAI互換でFuguを先行提供
日刊AIニュース10月29日(木)号:前日のAIのニュース54本を短くまとめました(約22分)›
Sakana AIは10月28日、自社のLLMを組織・ワークスペース単位の管理機能つきで使える企業向け「Sakana API Platform」を発表し、アーリーアクセスの申込受付を始めた。まずFuguとFugu Ultraを提供し、NamazuとFugu Maxは順次提供予定。OpenAI互換API、ロールベースのアクセス制御、監査ログのCSV出力、予算上限、請求書払いに対応。料金は申込後の案内で示すとしている。

目次
Sakana AI(サカナAI)は2026年10月28日(日本時間)、企業向けのAPI基盤「Sakana API Platform」を発表し、アーリーアクセスプログラムの申込受付を始めました。Sakana AIのLLMを、組織・ワークスペース単位で利用料とメンバーを管理しながら、OpenAI互換のAPIで呼び出せるようにするものです。最初に使えるモデルはSakana FuguとSakana Fugu Ultraで、Sakana NamazuとSakana Fugu Maxは順次提供予定とされています。料金は公式ページに載っておらず、申込者への案内時に伝えるとしています。
3行まとめ
- Sakana AIが10月28日、企業向け「Sakana API Platform」を発表。組織・ワークスペース管理、ロールベースのアクセス制御、監査ログ(CSV)、予算上限、請求書払い、MSA・DPAを挙げた。
- 最初に使えるのはFuguとFugu Ultra。NamazuとFugu Maxは順次提供予定で、OpenAI互換のため接続先の変更で使えるとSakana AIは説明している。
- 提供はアーリーアクセスで、準備が整った申込者から順に個別連絡。料金と利用条件は案内時に伝えるとされ、公式ページには数字がない。
本記事の内容は、日本時間10月29日10時台に公式ページで確認したものです。
Sakana API Platformで何ができるのか
Sakana AIの発表では、Sakana API Platformは「エンタープライズのお客様向けにSakana AIのLLMおよび製品を、企業の運用に合わせて活用し、アプリケーションやシステムから呼び出すためのインターフェース」と説明されています。モデルを呼び出すAPIに加えて、企業での運用に必要な管理機能を提供するという位置づけです。
Sakana AIは、FuguとNamazuの各モデルは「これまで管理機能を伴わないAPIとして提供してきました」と書いています。今回のプラットフォームは、それらを組織の管理のもとで使えるようにするものです。組織の下にワークスペースを作り、チームや環境ごとの設定をしたり、チームの利用状況を把握したりできるとしています。
発表に挙がっている主な機能は次のとおりです。
| 機能 | 発表の記載 |
|---|---|
| 組織・ワークスペース管理 | 管理コンソールでメンバー、APIキー、利用量を一元管理 |
| アクセス制御 | ロールベースのアクセス制御 |
| 監査ログ | CSVでダウンロード |
| データの扱い | 入力データを学習に使用しないことをデータ取扱条件として明示 |
| 費用まわり | 予算上限の設定、請求書払い対応、MSAおよびDPA |
「など」と続いているため、これが全機能とは限りません。今後の拡充として、組織単位での詳細な権限制御が挙げられています。
どのモデルが、いつから使えるのか
発表によると、APIで提供するモデルは次の順です。
- まず提供: Sakana Fugu、Sakana Fugu Ultra
- 順次提供予定: Sakana Namazu、Sakana Fugu Max
Sakana Fuguは、複数のフロンティアモデルを編成するオーケストレーション基盤モデルで、ICLR 2026に採択された研究(TrinityとConductor)に基づくとされています。Sakana Namazuは、発表では日本語に特化したLLMと説明されています。Namazuの製品ページには、オープンモデルのKimi K2.6をベースに、社内データで日本語と日本の業務向けに調整したと書かれています。
提供時期については、アーリーアクセスは「お申し込みいただいたお客様のうち、当社側の準備が整ったお客様から順に、一般提供に先立ってご利用いただけます」とあります。一般提供の日付は、今回取得した発表ページには見当たりませんでした。
OpenAI互換とは、具体的に何が楽なのか
発表では、OpenAI互換のAPIを採用しているため、すでにアプリに組み込まれているLLMのAPI呼び出し方式を変えず、接続先を変えるだけですぐ使えるとしています。
プラットフォーム自体の接続手順(エンドポイントのURLなど)は、発表ページには載っていません。参考になるのは、従来のNamazu APIの製品ページです。そこにはOpenAIのSDKで base_url を https://api.sakana.ai/v1 に変え、モデル名に sakana-namazu を指定する例が載っています。プラットフォーム経由でも同じ形になるかどうかは、今回確認した範囲では書かれていません。
料金は? いまわかる数字と、わからない数字
Sakana API Platformの料金について、発表は「料金およびご利用条件は、ご案内の際にお伝えします」とだけ書いています。
比較のため、管理機能のない従来のAPIの料金を、各製品ページの記載から並べます。プラットフォームの料金とは限らない点に注意してください。
| モデル | 入力(100万トークン) | 出力(100万トークン) | キャッシュ入力 | 出典ページ |
|---|---|---|---|---|
| Fugu Ultra(fugu-ultra-v2.0) | $5(コンテキスト272K超は$10) | $30(同$45) | $0.50(同$1.00) | Fuguのページ |
| Fugu Max | $2 | $6 | $0.25 | Fuguのページ |
| Namazu(sakana-namazu) | $0.95 | $4.00 | $0.15 | Namazuのページ |
Fuguのページには、Fugu Maxの出力料金がSonnet 5、GPT 5.6 Terra、Kimi K3より40〜60%低いとの記載もあります。これはSakana AI自身の比較です。Namazuのページでは、Web検索が1,000回あたり$7.00、コード実行が1時間あたり$0.12とされています。同ページの円表記は1ドル=160円換算の参考価格で、実際の請求は米ドル建てと書かれています。Fugu Maxのweb_searchとweb_fetchは、Fuguのページで1回あたり$0.007とされています。
従来のAPIと、何が違うのか
発表と各製品ページを突き合わせると、次の違いが見えます。
| 項目 | Sakana API Platform(発表) | 従来のFugu/Namazu(製品ページ) |
|---|---|---|
| 管理 | 組織・ワークスペース、ロール、監査ログ | 発表は「管理機能を伴わないAPI」と説明 |
| 学習への利用 | 学習に使用しないことを取扱条件として明示 | Fuguはコンソールからオプトアウト可。Namazuは初期設定で学習・改良に使う場合があり、オプトアウト可 |
| 支払い | 請求書払い対応、MSA・DPA | Fuguはサブスクリプションと従量課金。Namazuは米ドル建て(法人利用では円建て・請求書払いなどを相談可) |
| 対象モデル | Fugu、Fugu Ultraから。Namazu、Fugu Maxは順次 | Fugu系とNamazuが製品ページに掲載 |
データの扱いは、法人が最も気にする点の一つだと思います。プラットフォームでは「学習に使わない」が条件として明示される一方、従来のNamazuでは初期設定で学習に使う場合があるとされています。プラットフォームでどの条件が適用されるかは、申込後の案内で確認するのが確実です。
筆者が3つのページを突き合わせて気づいたこと
日本時間10月29日10時過ぎに、発表ページ、Fuguのページ、Namazuのページを順に取得して読みました。製品を実際に使ったわけではなく、ページの文面を比べただけです。
そのうえで気づいた食い違いが2点あります。
- 発表ページではFuguのラインナップを「Fugu(標準)、Fugu Ultra、Fugu Maxの3つ」と書いていますが、Fuguの製品ページには、サイバーセキュリティ特化の「Fugu Cyber」を加えた4モデルが載っています。Fugu Cyberがプラットフォームの対象になるかは、発表に書かれていません。
- 発表ではFugu Maxは「順次提供予定」ですが、Fuguの製品ページにはFugu Maxの料金表があります。製品ページは従来のAPIの案内で、プラットフォームでの提供順とは別の話だと読めます。ただ、そう読める、というのが私の解釈です。
発表ページだけでは決められない5つの点
- 料金: 上記のとおり、プラットフォームの料金は未提示です。
- 提供地域: 発表ページに提供地域の記載は見当たりませんでした。製品ページでは、FuguはEU・EEAで未提供、NamazuはEU・EEA、英国、スイスで未提供とされています。プラットフォームが同じ条件かは、今回確認した範囲では不明です。
- データの所在: Namazuのページには「現時点では、データの処理を日本国内で完結させることは保証しておりません」とあります。法人向けにリージョン指定やゼロデータ保持を相談できるとも書かれていますが、プラットフォームでの扱いは確認できていません。
- 性能の数字: Fuguの製品ページにあるベンチマークやユーザーの声、Namazuの製品ページにある導入事例の数字は、Sakana AIまたは導入企業による記載で、第三者の検証は確認していません。
- 管理画面: 発表ページの管理画面の画像は、架空のデータを使ったイメージで、今後予告なく変更される可能性があるとされています。
出典と確認時刻
- Sakana AI「Sakana API Platform、エンタープライズ向けにアーリーアクセスプログラムを開始」: https://sakana.ai/api-platform-earlyaccess/(日本時間2026年10月29日10時4分に取得)
- Sakana AI「Sakana Fugu」: https://sakana.ai/fugu/(同10時5分に取得)
- Sakana AI「Sakana Namazu」: https://sakana.ai/namazu/(同10時5分に取得)
本記事は続報があり次第更新します。
この記事でよく聞かれること
- Sakana API Platformとは何ですか?
- Sakana AIが2026年10月28日に発表した企業向けのAPI基盤です。Sakana AIのLLMをAPIで呼び出せるだけでなく、組織・ワークスペース単位でメンバー、APIキー、利用量を一元管理できます。OpenAI互換のAPIを採用しており、すでにLLMのAPIを呼び出しているアプリは接続先を変えるだけで使えるとSakana AIは説明しています。
- Sakana API Platformでは、どのモデルが使えますか?
- Sakana AIの発表によると、まずSakana FuguとSakana Fugu Ultraを提供し、Sakana NamazuとSakana Fugu Maxは順次提供予定です。
- Sakana API Platformの料金はいくらですか?
- 発表ページには料金の記載がなく、Sakana AIは「料金およびご利用条件は、ご案内の際にお伝えします」としています。申し込みを確認したうえで個別に連絡する流れです。なお、管理機能のない従来のAPIについては、Fugu MaxやNamazuの従量料金が各製品ページに載っています。
- Sakana API Platformに申し込むにはどうすればよいですか?
- 発表ページ内のアーリーアクセスプログラムの申込フォームから申し込みます。Sakana AIは、準備が整った申込者から順に一般提供に先立って利用してもらい、申し込み内容を確認のうえ個別に連絡するとしています。
出典・参照資料
大きいニュースはYouTubeでも解説しています。Xでは新着記事をお知らせしています。
コメント
まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?
AIについて聞きたいことはありますか?
質問箱で無料で受け付けています。回答は公開され、他の方の参考にもなります。
質問箱を見る →