AI時短ラボ
検索
プロダクト

Sakana AI(サカナAI)、企業向けAIエージェント基盤「Sakana Aquarium(アクアリウム)」を発表オントロジー・ガバナンス・エージェント実行基盤の3本柱、料金と提供時期は公式ページに記載なし

執筆:約11分で読めます

日刊AIニュース10月23日(金)号:前日のAIのニュース19本を短くまとめました(約13分)›

Sakana AIが2026年10月23日、オントロジーを土台に組織の意思決定と実行を支援するAIエージェント基盤「Sakana Aquarium」を発表した。Ontology・Governance・Managed Agentsの3つで構成し、導入は問い合わせフォームでの相談を受け付ける形で、料金や提供開始日は今回確認した公式ページに記載がない。

Sakana AI(サカナAI)、企業向けAIエージェント基盤「Sakana Aquarium(アクアリウム)」を発表──オントロジー・ガバナンス・エージェント実行基盤の3本柱、料金と提供時期は公式ページに記載なし
目次

Sakana AI(サカナAI)は2026年10月23日付の公式ブログで、オントロジーを基盤に組織の意思決定とその実行を支援するAIエージェントの構築・実行・運用プラットフォーム「Sakana Aquarium(サカナ アクアリウム、以下Aquarium)」を発表した。中核はOntology(オントロジー)、Governance(ガバナンス)、Managed Agents(エージェント実行基盤)の3つの仕組みだ。導入は問い合わせフォームでの相談を受け付ける形で、料金と提供開始日は今回確認した公式ページに記載がなかった。

3行まとめ

  1. Sakana AIが2026年10月23日付で、AIエージェント基盤「Sakana Aquarium」を発表。Ontology・Governance・Managed Agentsの3つで構成すると同社は説明している
  2. 実務のプロセスをYAMLのワークフローで定義し、人の承認も組み込める。データは既存の保存先から移し替えずにつなぐと同社は説明
  3. 公式ブログとプラットフォーム紹介ページには料金・提供開始日の記載がなく、導入は問い合わせフォーム経由の相談を受け付ける形

本記事の内容は、日本時間10月23日8時台に公式ページで確認したものです。

Sakana Aquariumは何をするものなのか

Sakana AIの公式ブログによると、Aquariumは組織に合わせたAIエージェントを効率的に構築し、安全に運用し続けるためのプラットフォームだ。散らばる情報をオントロジーで共通の定義に整理し、その上でAIエージェントが情報の確認から判断、実行までを担う、と説明している。

同社は構成を次の3つで説明している。

仕組み 公式ブログの説明
Ontology(オントロジー) 組織の判断を支える知識・ルール・データを、意味や相互の関係とともに体系化する。テーブルや文書など形式の異なる情報を、既存の保存先から移し替えることなくつなぎ、更新も反映する
Governance(ガバナンス) データ・オントロジー・エージェントを統制する。アクセス権限や実行前の承認を設定し、判断の根拠から実行結果までを記録する。実行の速度・精度やモデルの利用状況も把握できる
Managed Agents(エージェント実行基盤) オントロジー上の情報をもとにAIエージェントがタスクを実行する。情報の参照、AIによる判断、関数の実行、人の承認をワークフローとして記述するだけでデプロイでき、エージェントのライフサイクル全体を管理する

同社はさらに、整備したデータとオントロジーは別のエージェントでもそのまま使えるため、オペレーションごとのエージェントを素早く立ち上げ、同じ基盤でまとめて管理できると説明している。名前の由来は、多くの魚がひとつの水槽で整えられた環境のもとに泳ぐ姿になぞらえた「Aquarium(水族館)」だという。

導入するとどう変わると同社は言っているのか

公式ブログは、Aquariumで変わることを4点挙げている。

  • 組織に蓄積されたデータや文書をAIが読み取り、幅広い情報を判断の材料にできる
  • 更新された情報をもとに状況を把握できるため、各所から情報を集め直す負担が減る
  • 定められた権限とルールのもとでAIが情報の確認から実行までを担い、必要な箇所で人が承認する
  • AIが参照した情報、判断、承認、実行結果を記録からたどり、手順の見直しにつなげられる

いずれも同社の説明であり、Aquariumの具体的な導入先や効果の数値は今回のブログには載っていない。同社は「活用事例も順次ご紹介する予定です」としている。

プラットフォーム紹介ページには何が書かれているか

ブログとは別の、Aquariumのプラットフォーム紹介ページでは、次の3つの流れが説明されている。

  1. Connect in place:テーブルや文書など形式の異なる情報を共通の定義でつなぎ、AIが参照できる形に整える。既存のデータ基盤とオントロジーとの接続・同期の方法は「対象に合わせて設計します」とある
  2. Stay Updated:オントロジーへの接続先情報が更新されると、その内容がオントロジーに反映され、AIエージェントは更新後の状況をもとに判断してタスクを実行する
  3. Workflow as YAML:実務のプロセスを意思決定単位で分割し、AIが実行可能なワークフローの形で表現する。人の承認もワークフローの中に組み込める

紹介ページの冒頭では、Governance、Managed Agents、Ontology、Dataの4項目が並んでいる。Dataは「社内外のデータと知見を、活用できる形につなぐ」と説明されている。

誰がいつから使えるのか・料金は

今回取得した2つの公式ページ(ブログと紹介ページ)には、料金、提供開始日、対応する国や地域、利用に必要なプランの記載はなかった。ページ内に「料金」「価格」「無料」「提供開始」といった語がないことは、取得したテキストを検索して確かめている。

導入については、ブログが「解決したい課題やオペレーションの条件に応じて、導入・活用のご相談を承ります」として紹介ページへ案内し、紹介ページも同じ趣旨の文とともに問い合わせフォームへのリンクを置いている。ブログによると、Sakana AIのFDEがお客様とともに構築と検証を重ね、ひとつのオペレーションから組織全体へ活用を広げていく進め方だ。登録してすぐ使い始める形の案内は、今回の2ページにはない。

前の取り組みとどうつながるのか

公式ブログは、Aquarium開発の背景を次のように書いている。Sakana AIは設立以来、推論時スケーリングや複数モデルの協調、自己改善など、モデルを大きくすること以外の方法でAIの能力を引き上げる研究に取り組んできた。並行して、金融をはじめ精度と説明責任が求められる領域で、AIの実装を重ねてきたという。ブログが挙げた例は、三菱UFJ銀行とのAI融資エキスパート、SMBCグループとの提案書自動生成、大和証券グループとの共同開発だ。

同社によれば、いずれの案件でもFDEが現場のデータや手順を理解し、ワークフローの設計から評価、精度改善までを担ってきた。その中で、データの接続や用語・判断基準の整理を案件ごとに一から繰り返している課題が見えてきたといい、Aquariumはそうした作業を組織の中で共通して使える基盤にまとめたものだと説明している。

開発体制については、Sakana AIでAI実装を担ってきたAREやFDEと、Palantir、Snowflake、Microsoft、AWSなどでデータ基盤やデータガバナンスの構築に携わってきたメンバーが取り組んでいるとのことだ。

今後については、運用の中で生まれる修正や判断を取り込み、組織の変化に合わせてオントロジーとエージェントを更新し続ける仕組みと、エージェントの構築そのものをAIが支援する仕組みの開発を進めていると書かれている。

なお、同社の別の製品であるSakana Chatの記憶機能については、Sakana Chatの「My Fish」の記事で扱った。Aquariumは企業向けの基盤で、対象が異なる。

公式ページを読んで気づいた、ブログと紹介ページの違い

日本時間10月23日8時25分に2つのページを順に取得して読み比べたところ、数え方が違うことに気づいた。ブログは「中核となるのは、次の3つの仕組み」としてOntology・Governance・Managed Agentsを挙げている。一方、紹介ページの冒頭にはこの3つにData(社内外のデータと知見をつなぐ)を加えた4項目が並ぶ。Dataはブログの3つの仕組みのうち、Ontologyの「形式の異なる情報をつなぐ」部分に相当すると読めるが、公式がそう説明しているわけではない。どちらも同じ製品の紹介なので、層の数え方の違いと受け取るのが自然だが、導入を検討する場合は、Dataが別個の製品要素なのか、範囲はどこまでかを問い合わせで確かめる点になりそうだ。

今回の公式ページでは分からないこと

筆者は製品を試していない。以下は、今回取得した2ページに書かれていなかった点だ。

  • 料金・契約形態・提供開始日:上記のとおり記載なし
  • 対応するデータ基盤やモデル:紹介ページは接続・同期の方法を「対象に合わせて設計します」とするのみで、対応製品の一覧は載っていない。ブログはGovernanceで「モデルの利用状況も把握できる」とするが、どのAIモデルを使うかは書かれていない
  • 導入先と効果:ブログは活用事例を「順次ご紹介する予定」とし、今回は数値付きの導入実績を載せていない
  • 安全性や精度の第三者評価:今回の2ページには記載がない。「安全に運用し続ける」「判断の根拠をたどれる」はいずれも同社の説明である

ブログの「AIの活用を組織の中で広げやすくなります」といった効果は、同社が「Aquariumが目指す」こととして述べている段階のもので、実際の導入現場で確認された結果ではない。

出典と確認時刻

本記事は続報があり次第更新します。

この記事でよく聞かれること

Sakana Aquarium(サカナ アクアリウム)とは何ですか?
Sakana AIが2026年10月23日付の公式ブログで発表した、オントロジーを基盤に組織の意思決定とその実行を支援するAIエージェントの構築・実行・運用プラットフォームです。Ontology(オントロジー)、Governance(ガバナンス)、Managed Agents(エージェント実行基盤)の3つの仕組みで構成されると同社は説明しています。
Sakana Aquariumの料金はいくらですか?
今回確認したSakana AIの公式ブログとプラットフォーム紹介ページには、料金の記載はありませんでした。紹介ページには「解決したい課題やオペレーション条件に合わせて、導入・活用のご相談を承ります」とあり、問い合わせフォームへの案内があります。
Sakana Aquariumのワークフローはどう書きますか?
紹介ページの「Workflow as YAML」の項によると、実務のプロセスを意思決定単位で分割し、AIが実行できるワークフローの形で定義します。公式ブログは、情報の参照・AIによる判断・関数の実行・人の承認をワークフローとして記述するだけでデプロイできると説明しています。
Sakana Aquariumは誰が作っていますか?
公式ブログによると、Sakana AIでAI実装を担ってきたAREやFDE(Forward Deployed Engineer)と、Palantir、Snowflake、Microsoft、AWSなどでデータ基盤やデータガバナンスの構築に携わってきたメンバーが開発しています。
シェア: ポスト はてブ

出典・参照資料

AI時短ラボ

大きいニュースはYouTubeでも解説しています。Xでは新着記事をお知らせしています。

コメント

まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?

AIについて聞きたいことはありますか?

質問箱で無料で受け付けています。回答は公開され、他の方の参考にもなります。

質問箱を見る →

関連記事

Sakana AIの9月10〜17日──Sakana ChatでFugu Maxが全ユーザーに+会話を覚える「メモリー」、Marlinに引用の裏取りができる「Interactive Reading」と編集可能なPowerPoint出力、SCSK・住友商事と包括提携(金融・製造の実案件、脆弱性診断〜修正のサービス、住商の連結900社・顧客10万社)の記事画像

Sakana AIの9月10〜17日 Sakana ChatでFugu Maxが全ユーザーに+会話を覚える「メモリー」、Marlinに引用の裏取りができる「Interactive Reading」と編集可能なPowerPoint出力、SCSK・住友商事と包括提携(金融・製造の実案件、脆弱性診断〜修正のサービス、住商の連結900社・顧客10万社)

プロダクト
GitHub Copilot(コパイロット)のimpact dashboardに「Industry comparison」──同規模・同業種の企業とエージェント利用の定着度を比べられる、参加は任意(初期設定は無効)の記事画像

GitHub Copilot(コパイロット)のimpact dashboardに「Industry comparison」 同規模・同業種の企業とエージェント利用の定着度を比べられる、参加は任意(初期設定は無効)

プロダクト
Google CloudのAPI Gateway(APIゲートウェイ)がストリーミングに対応──SSE・WebSocket・gRPCをパブリックプレビューで、gcloudの--enable-streamingで有効化の記事画像

Google CloudのAPI Gateway(APIゲートウェイ)がストリーミングに対応 SSE・WebSocket・gRPCをパブリックプレビューで、gcloudの--enable-streamingで有効化

プロダクト
NVIDIA、AIファクトリーの障害を予兆から原因特定まで見るAIOps基盤「Minerva(ミネルバ)」を発表──IREN・IBM・Teslaなどが利用・導入予定の記事画像

NVIDIA、AIファクトリーの障害を予兆から原因特定まで見るAIOps基盤「Minerva(ミネルバ)」を発表 IREN・IBM・Teslaなどが利用・導入予定

プロダクト
NVIDIA、オープンソースのAgent Toolkit(エージェントツールキット)に「Agent Knowledge Foundation」を追加──社内データをAIエージェントに使わせる基盤、Palantir・Databricks・Snowflakeとの連携例もの記事画像

NVIDIA、オープンソースのAgent Toolkit(エージェントツールキット)に「Agent Knowledge Foundation」を追加 社内データをAIエージェントに使わせる基盤、Palantir・Databricks・Snowflakeとの連携例も

プロダクト
NVIDIA、工場運営エージェントの設計図「Factory Operations Blueprint(FOX)」をGitHubで早期公開──cuDSSは一般提供、Siemens工場の検査校正時間40%減も紹介の記事画像

NVIDIA、工場運営エージェントの設計図「Factory Operations Blueprint(FOX)」をGitHubで早期公開 cuDSSは一般提供、Siemens工場の検査校正時間40%減も紹介

プロダクト
Google、Apigee(アピジー)hybrid 1.17.0でMCP対応──AIエージェント向けツールの処理を自社のKubernetesクラスタ内で動かせるの記事画像

Google、Apigee(アピジー)hybrid 1.17.0でMCP対応 AIエージェント向けツールの処理を自社のKubernetesクラスタ内で動かせる

プロダクト
Googleの「Agent Anomaly Detection」がプライベートプレビュー──エージェントの推論の痕跡・ツール呼び出し・実行の流れを事後に読んで「境界の外の振る舞い」を見つける。OWASP Agentic Top 10の4項目+資源枯渇、応答は遅くしない、Security Command Centerに通知、APIで次のツール呼び出しを止められるの記事画像

Googleの「Agent Anomaly Detection」がプライベートプレビュー エージェントの推論の痕跡・ツール呼び出し・実行の流れを事後に読んで「境界の外の振る舞い」を見つける。OWASP Agentic Top 10の4項目+資源枯渇、応答は遅くしない、Security Command Centerに通知、APIで次のツール呼び出しを止められる

プロダクト(発表 9月16日)