Sakana AIの9月10〜17日──Sakana ChatでFugu Maxが全ユーザーに+会話を覚える「メモリー」、Marlinに引用の裏取りができる「Interactive Reading」と編集可能なPowerPoint出力、SCSK・住友商事と包括提携(金融・製造の実案件、脆弱性診断〜修正のサービス、住商の連結900社・顧客10万社)
Sakana AIは2026年9月10日から17日にかけて3本の発表を出した。①9月17日、無料のSakana Chatの「Sakana Fugu」を最新のオーケストレーター「Fugu Max」に切り替えて全ユーザーに開放し、役割や文体の好みなど一度伝えた内容を次回以降に引き継ぐメモリー機能を追加(Namazu・Fugu Maxの両方、設定で確認・オフ可、対象はアップデート以降の会話)。②9月16日、最大8時間の自律リサーチで数十ページのレポートを出すSakana Marlinに、引用をクリックすると出典の該当箇所をエージェントが開く「Interactive Reading」と、表・グラフまで編集でき出典URL入りの「PowerPointスライド出力」を追加。③9月10日、SCSK・住友商事と包括業務提携。金融・製造の実案件、Fuguを使った脆弱性診断〜修正のサービス、企業向けプロダクトの共同開発、社会インフラの4領域で、住友商事の連結約900社・顧客10万社の現場に実装する。

2026年9月18日・日本時間時点の情報です。 Sakana AIの公式ブログを9月18日に一覧して、当サイトが9月11日のFugu Max・Fugu Ultra v2のあとに扱っていなかった3本を読んだ。「モデルの発表」の次の週に「使う場所」と「売る先」の話が続いた形になる。Fuguの仕組み(複数のオープンモデルを束ねる指揮者)は6月の発表記事に。
3行まとめ
- Sakana Chat(9月17日)。 無料で試せるSakana Chat(chat.sakana.ai。2026年3月にNamazuのα版とともに公開、8月にFuguとコード実行・画像/文書の添付を追加)の「Sakana Fugu」を、最新の「Fugu Max」に切り替えて全ユーザーに開放。追加設定なしでモデル選択からFugu Maxを選ぶだけ。あわせてメモリー機能:役割・進めている案件・回答の書式や文体の好みなど、一度伝えた内容を次回以降の会話に引き継ぐ。NamazuとFugu Maxの両方で使え、記憶した内容は設定画面で確認・機能はオフにできる。対象はアップデート以降の会話のみ。
- Sakana Marlin(9月16日)。 6月公開の商用製品(AB-MCTSで最大8時間の自律リサーチ→レポート。公開時の記事)に2機能。Interactive Reading=レポートについてチャットで質問・議論し、該当箇所へ飛び、引用をクリックするとエージェントが出典を開いて根拠の箇所を提示する。PowerPointスライド出力=文章・図形に加え表やグラフのデータ・書式まで編集でき、各スライドに出典URL、社内やクライアント指定の任意のテンプレートに対応。背景は利用者の声:「情報の網羅性は評価できるが、数十ページを読み解くのが大変で調査時間があまり減っていない」「出典まで遡って確かめたいが、AIが何を根拠にどう解釈したか質問できない」「共有・報告のときに修正や自分の解釈を反映したい」。人とAIの双方向の関係を「attunement(調和)」と呼ぶ。従量課金はカード登録で当日から、無料トライアルあり。
- SCSK・住友商事との包括業務提携(9月10日)。 役割は、Sakana AI=研究開発力で顧客課題をユースケースに具体化しAIネイティブな業務設計から実装まで、SCSK=データ整備・既存システム連携・セキュリティ・ガバナンスを含む「AI実装の壁」を埋める統合力、住友商事=連結約900社・顧客10万社の事業現場への展開。初期の4領域は、金融・製造などミッションクリティカル領域の実案件(PoC→本番→運用)、サイバーセキュリティの新サービス(SCSKのフロンティアAIの取り組みの一環として、Fuguを使った脆弱性の診断から修正までを支援)、企業向けAIプロダクトの共同開発(特定のモデルに依存しない形)、社会インフラ領域への展開(住商の街づくりの基盤で国内→海外へ)。
3本の位置づけ
| 日付 | 発表 | 誰向け | 当サイトの関連 |
|---|---|---|---|
| 9月10日 | SCSK・住友商事と包括業務提携 | 企業(金融・製造・インフラ) | Fuguのサイバー特化版Fugu-Cyber(CyberGym 86.9)が「診断から修正まで」の土台に |
| 9月11日 | Fugu Max・Fugu Ultra v2をAPI公開 | 開発者 | 速報(8本中5本で首位、Maxは出力$6) |
| 9月16日 | Marlinに Interactive Reading・PowerPoint出力 | 調査業務の利用者 | Marlin公開時(Pro月額15万円まで) |
| 9月17日 | Sakana ChatにFugu Max・メモリー | 一般(無料) | Fuguをブラウザで試す入口 |
読み方
- **「引用をクリックすると出典の該当箇所をAIが開く」**は、当サイトが記事の作法にしている「出典まで遡れる」を製品側で実装した形で、AI生成レポートの検証コストを下げる方向として筋がよい。ただし出典の「該当箇所」の提示が正しいかは、利用者が確かめる工程が残る
- メモリーはChatGPT・Claude・Geminiが先に入れた機能で、Sakana Chatは「アップデート以降の会話だけ・設定画面で確認・オフ可」という控えめな導入。無料のチャットでFugu Maxが試せるようになったことのほうが、日本語のオーケストレーションを触る入口としては大きい
- 提携は「モデルを売る」ではなく「実装まで3社で持つ」形で、Sakana AIが再帰的自己改善のラボのような研究側と、実案件側の両方を持つ会社になりつつあることを示す。効果の数字はまだ無い
筆者が確かめた点
この記事の下調べで、筆者は9月18日にSakana AIの公式ブログ3本(日本語・英語併記)を取得し、機能の説明・利用者の声・提携の4領域・住友商事の連結900社/顧客10万社の数字がその原文にあることを確認した。筆者はSakana Chatのメモリー機能とMarlinの新機能を自分の環境で試しておらず、挙動や品質はこの記事では書いていない。
書かれていないこと
- Sakana ChatでFugu Maxを使う場合の1日の上限や、無料で使える範囲
- Marlinの新機能の追加料金の有無
- 提携の金額・期間・出資の有無
出典はSakana AIの公式ブログ3本
- Sakana AI「Sakana Chatをアップデート」(2026年9月17日)、「Sakana Marlinアップデート」(9月16日)、「SCSK、住友商事との包括業務提携」(9月10日)
- 本記事はSakana Chatの上限や提携の具体案件が出たら追記する
出典・参照資料
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