Microsoft、GitHub Copilotなどの土台「Microsoft Copilot harness(ハーネス)」をFoundryで公開プレビューSDKも配布、課金は12月1日から
日刊AIニュース10月27日(火)号:前日のAIのニュース12本を短くまとめました(約8分)›
Microsoftは2026年10月28日、GitHub Copilotなどを動かすエージェント基盤「Microsoft Copilot harness」をMicrosoft Foundry Agent Serviceで公開プレビューにした。20以上のモデルと自前のAPIキー(BYOK)に対応するとし、ハーネスの実行は12月1日より前は無料で、12月1日からはサンドボックスの計算量に応じて課金される。

目次
Microsoftは2026年10月28日(米国時間)、GitHub Copilot(コパイロット)などを動かしている共通のエージェント基盤「Microsoft Copilot harness(ハーネス)」を、Microsoft Foundry(ファウンドリー)経由で開発者と企業に提供すると発表した。Foundry Agent Serviceでは公開プレビューで、SDKのダウンロードと、Foundryが管理するクラウド上での実行の両方が選べる。Foundry Blogによると、ハーネスの実行は2026年12月1日より前は無料で、12月1日から従量課金になる。
3行まとめ
- Microsoftは10月28日、GitHub Copilotなどを動かすMicrosoft Copilot harnessを、Foundry Agent Serviceで公開プレビューにした。
- 20以上のフロンティアモデルとBYOK(自分のAPIキー)に対応するとMicrosoftは説明。SDKも配布される。
- Foundry Blogによると、ハーネスの実行は12月1日より前は無料。12月1日からはサンドボックスが1 vCPU時間0.0994ドル、1 GiB時間0.0118ドル(モデル推論は別)。
本記事の内容は、日本時間10月29日1時台に公式ページで確認したものです。
Microsoft Copilot harnessとは何か
Microsoft公式ブログ(Tina Schuchman氏とVladimir Fedorov氏の連名。肩書はそれぞれFoundryのCVP、GitHubのCTO)は、ハーネスを次のように説明している。モデルが知能を担うなら、ハーネスはモデルの周りのすべて、つまりエージェントに指示・文脈・実行環境・制御を与えるオーケストレーション層だという。MCPやエージェントスキル、エージェントプラグインといったオープンな標準への対応も、ハーネスの条件として挙げている。
同ブログによると、このハーネスはGitHubのエンジニアが作ったもので、Microsoftが全社で採用した。Copilot Code、Copilot Studio、GitHub Copilotアプリ、CLI、VS Codeなどを動かしているという。今回はそれをFoundry経由で外部にも出す形だ。
Foundryで何ができるのか
Foundry Blogによると、今回公開されたのは「Foundry Agent ServiceのMicrosoft Copilot harness」で、位置づけは公開プレビューだ。Microsoftがエージェントのループとサンドボックスを動かし、利用者は知識・手順・ツールを持ち込む、という分担になる。プレビューには4つの部品がある。
| 部品 | 内容(Foundry Blogの説明) |
|---|---|
| 再利用できるスキル | 指示・スクリプト・補助資源をまとめ、複数のタスクで使い回せる手順にする |
| 接続するツール | Foundryと、Model Context Protocol(MCP)の対応ツールをつなぐ。認証と承認は明示的に設定する |
| 実行と委任 | ファイルとコードを扱い、範囲を決めたタスクを組み込みのサブエージェントに任せる |
| ソース管理できるエージェント定義 | Foundryで作って試すか、アプリのコードと一緒に定義を管理する |
ブログには、Azure Developer CLI(azd)のプレビュー機能を使った例も載っている。skills/research-brief/SKILL.md に調査手順を書き、azure.yaml でエージェントを宣言し、azd deploy --all でデプロイして azd ai agent invoke で呼び出す流れだ。YAMLでは harness: の下に type: microsoft_copilot_preview と使うモデルを書く。azdのほか、Foundryポータル、Visual Studio Code用のFoundry Toolkit、GitHub Copilotアプリ内のMicrosoft Foundryプラグインからも作れるとされている。
3つの作り方のどれを選ぶか
Foundry Blogは、エージェントの作り方を次の3段階で整理している。
| 方式 | 向いている場面(同ブログの説明) |
|---|---|
| ハーネスなしのプロンプトエージェント | 指示と対応ツールだけで足りる |
| ハーネスありのプロンプトエージェント | スキル、管理された実行、ファイル、サブエージェント、複雑なツール連携がほしいが、ハーネスは自分で持ちたくない |
| ホステッドエージェント | フレームワークやエージェントループ、実行時の挙動を自分で持ち込みたい。ホスティングはFoundryに任せる |
同ブログは、プレビュー中の制約も書いている。エージェントの作成時にMicrosoft Copilot harnessを選ぶ必要があり、既存のエージェントは変わらない。作成後にハーネスを切り替えることは「まだ対応していない」。実行環境のCPU、メモリ、アイドルの設定はFoundryが管理する。
長時間の仕事向けの機能も同時に一般提供
同じ日のFoundry Blogは、ホステッドエージェントの「long-running resilience(長時間実行の復元力)」を今週一般提供にしたとも書いている。数時間から数日かかる作業が中断されたとき、Foundryが中断を検知して元の入力で作業を再開する仕組みだ。ただし進捗や途中結果を保存するのは自分のコードの役割で、他のシステムを更新する場合は再開時の二重実行を防ぐ処理も要る。ブログは「会話履歴だけでは作業中の状態を復元できない」と注意している。
誰が、いつから、何のモデルで使えるのか
Microsoft公式ブログは、ハーネスが「20以上のフロンティアモデル」とBYOKに対応し、タスクに応じて適切なモデルへ振り分ける、と説明している。ここで注意したいのは範囲だ。Foundry Blogは、利用者が選べるのを「対応するFoundryのモデル」と書くにとどめている。今回取得したページには、Foundryのプレビューで選べるモデルの一覧は載っていなかった。一覧は、同ブログが案内する「対応リージョン・モデル・ツール・プレビュー制限」のドキュメント側にあるとみられるが、そのページは今回取得していない。
SDKについては、GitHubのリポジトリの冒頭に注記がある。GitHub Copilot SDKは「Microsoft Copilot SDK」になり、Microsoft Copilot harnessのプログラム用の窓口になる、という内容だ。リポジトリはMicrosoftの組織へ段階的に移る予定で、既存のパッケージ名や名前空間、一部のドキュメントは移行中もGitHub Copilot SDKの表記のまま残りうる。既存の利用者は直ちに何かを変える必要はない、とも書かれている。
SDKはPython、TypeScript、Go、.NET、Java、Rustの6言語で提供されている。同リポジトリのFAQによると、GitHub Copilotの購読が必要だが、BYOKなら購読なしで使える。ただしBYOKはキー認証のみで、Microsoft Entra ID、マネージドID、サードパーティのIDプロバイダーには対応しない。これはGitHub Copilot SDKのFAQの記述で、Foundry上のハーネスにもそのまま当てはまるかは、今回のページからは判断できない。
料金はいくらか
料金はFoundry Blogの末尾に書かれている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課金の開始 | 2026年12月1日(従量課金) |
| 12月1日より前 | ハーネスの実行は無料 |
| サンドボックスの計算 | 1 vCPU時間あたり0.0994米ドル |
| サンドボックスのメモリ | 1 GiB時間あたり0.0118米ドル |
| 別にかかるもの | モデルの推論、別課金のツールや接続先サービス |
同ブログは、価格は地域や契約によって変わりうるとも書いている。上の2つの単価は12月1日以降のものだ。
以前と何が違うのか
Microsoftの説明で変わった点は主に3つある。
- Foundryの外にあった基盤が、Foundryの中で使える。 これまでGitHub Copilot SDKは、Copilot CLIの背後にあるのと同じエンジンをプログラムから呼ぶ手段として配られていた(SDKリポジトリの説明)。今回はそれが、Foundryでエージェントを宣言して動かす選択肢としても加わった。
- 名前が変わる。 SDKはMicrosoft Copilot SDKへ改称される予定だ。
- 実行基盤がRustになった。 Microsoft公式ブログは、ハーネスのランタイムを最近Rustに移植し、セッションの負荷と最初のトークンまでの時間が減ったと書いている。GitHub Blogは、その移植を扱った9月16日(米国時間)付の記事で、Copilotのエージェントランタイムを約80万行の本番Rustに移した経緯を説明している。今回の発表そのものには削減幅の数字は無いが、このGitHub Blogの記事には同記事の著者による測定結果が載っている。たとえば「クライアントとセッションを作り1ターン実行して片付ける」処理は、移植前の5.25秒から、Rustの別プロセス実行で1.33秒、同一プロセス内実行で292ミリ秒になったという。ただしモデルの推論とネットワークの遅延を除いた測定で、同じ時期に入った別の変更も含む比較だと、同記事自身が断っている。
SDKまわりの関連では、本サイトのGitHub Copilotのサーバー間認証の記事も参照してほしい。
公式ページを見て気づいたこと
日本時間10月29日1時54分に、Microsoft公式ブログとFoundry Blogを続けて開いた。2本の書き方には差がある。公式ブログは「今日、ハーネスをMicrosoft Foundry経由で利用可能にする」と書くだけで、プレビューとは書いていない。Foundry Blogは「公開プレビュー」と明記し、課金や制約も書いている。プレビューかどうかや課金、制約といった、使うか決める材料はFoundry Blog側にしか書かれていなかった。また、SDKのリポジトリは同時刻の時点で、README冒頭の見出しこそ「Microsoft Copilot SDK」になっていたが、本文の説明やパッケージ名(github-copilot-sdk など)は「GitHub Copilot SDK」のままで、リポジトリもgithub組織の下にあった。改称は移行の途中にある。
今回の発表では確認できないこと
- 日本での提供。 今回取得した3つの公式ページ(Microsoft公式ブログ、Foundry Blog、SDKリポジトリ)に、日本での提供可否や日本語対応の記載は見当たらなかった。対応リージョンはFoundry Blogが別ドキュメントに案内している。
- 性能の数字。 Rust移植による改善を、Microsoft公式ブログは「業界最高水準の性能」と書いているが、今回取得したMicrosoft公式ブログとFoundry Blogに、比較対象と測定条件つきの数値は見当たらなかった。数値はGitHub Blogの9月の記事に同記事の著者の測定として載っているが、これは移植前後の自社比較で、他社のハーネスとの比較ではない。
- 導入事例の効果。 Foundry Blogには、Confluence TechnologiesのCTO Chris Evans氏が「1週間足らずで動くものができた」と述べた引用や、Fashableのコメントがある。いずれも導入企業側の発言で、本サイトが検証したものではない。
- 筆者による動作確認。 本記事は公式ページの内容をまとめたもので、筆者はハーネスもSDKも実際には動かしていない。
出典と確認時刻
- Introducing the Microsoft Copilot harness(Microsoft公式ブログ・2026年10月28日) — 日本時間10月29日1時54分に確認
- Introducing the Microsoft Copilot harness in Foundry Agent Service(Microsoft Foundry Blog) — 同1時54分に確認
- github/copilot-sdk(GitHub) — 同1時54分に確認
- Migrating the GitHub Copilot runtime to Rust, using Copilot(GitHub Blog・2026年9月16日) — 同1時54分に確認
本記事は続報があり次第更新します。
この記事でよく聞かれること
- Microsoft Copilot harnessとは何ですか?
- Microsoftの説明では、AIモデルの周りにある「指示・文脈・実行環境・制御」をまとめて担う仕組み(ハーネス)で、GitHubのエンジニアが作ったものです。Copilot Code、Copilot Studio、GitHub Copilotアプリ、CLI、VS Codeなどを動かしているとされ、2026年10月28日(米国時間)からMicrosoft Foundryで使えるようになりました。Foundry Agent Serviceでは公開プレビューの扱いです。
- Microsoft Copilot harnessの料金はいくらですか?
- Foundry Agent Serviceの発表によると、課金開始は2026年12月1日で、従量課金です。12月1日より前はハーネスの実行は無料です。12月1日以降、サンドボックスの計算とメモリは1 vCPU時間あたり0.0994米ドル、1 GiB時間あたり0.0118米ドルです。モデルの推論や別課金のツールの料金は別にかかります。価格は地域や契約で変わる場合があるとされています。
- 日本でも使えますか?
- 今回確認した公式ページ(Microsoft公式ブログ、Foundry Blog、GitHubのSDKリポジトリ)には、日本での提供可否や日本語対応についての記載は見当たりませんでした。Foundry Blogは対応リージョン・モデル・ツール・プレビューの制限を別のドキュメントで案内しており、利用前にそちらの確認が必要です。
出典・参照資料
- 一次資料Introducing the Microsoft Copilot harness: Unlocking the potential of truly multi-model agentic work — Microsoft公式ブログ ↗
- 一次資料Introducing the Microsoft Copilot harness in Foundry Agent Service — Microsoft Foundry Blog ↗
- 一次資料github/copilot-sdk — GitHub公式リポジトリ ↗
- 一次資料Migrating the GitHub Copilot runtime to Rust, using Copilot — GitHub Blog ↗
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