2026年8月12日 水曜日
AI時短ラボ
モデル· 約13

xAIがGrok 4.6を公開──GPT-5.6 Solと同点、出力価格は6ドルで5分の1

xAIが2026年8月12日にGrok 4.6を公開。9つのベンチマークをまとめたArtificial Analysis Intelligence Indexで61と、GPT-5.6 Sol Maxに並んだ(x.ai発表)。価格は入力100万トークン2ドル・出力6ドルで、各社公式ページの値と比べると出力はSolの5分の1・Claude Fable 5の約8分の1。公式の10項目比較表では3項目でFable 5を上回り、DeepSWEとTerminal-Benchでは負けている。

xAIがGrok 4.6を公開──GPT-5.6 Solと同点、出力価格は6ドルで5分の1
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目次

2026年8月13日時点の情報です。xAIが8月12日、Grok 4.6を公開しました。同社の発表によると、9つのベンチマークをまとめたArtificial Analysis Intelligence Indexで61を取り、GPT-5.6 Sol Maxと同点。価格は入力100万トークンあたり2ドル、出力6ドルです。公式が出した10項目の比較表では、3項目でClaude Fable 5 Maxを上回っています。この比較表を10項目ぜんぶ読んだ解説はYouTube(約7分)にまとめました。

・xAIがGrok 4.6を公開(2026年8月12日・x.ai発表)。重点は長時間走るエージェントと、対話的・視覚的な作業 ・Artificial Analysis Intelligence Indexは61でGPT-5.6 Sol Maxと同点、首位のFable 5 Maxとは1点差。前世代のGrok 4.5 Highは56 ・価格は入力2ドル/出力6ドル(100万トークン)。各社公式ページの値と並べると、出力はGPT-5.6 Solの5分の1、Claude Fable 5の約8分の1

何が公開されたか

項目 内容
公開日 2026年8月12日(x.ai発表)
重点領域 長時間走るエージェント / 対話的・視覚的な作業(同発表)
AA Intelligence Index 61(GPT-5.6 Sol Maxと同点・Fable 5 Maxは62)
価格 入力2ドル / 出力6ドル(100万トークンあたり)
fast variant 上記の2倍(入力4ドル / 出力12ドル)
利用できる場所 Cursor / Grok Build / API / OpenRouter・Vercel・Cloudflare
初週の特典 Grok BuildとCursorで含まれる利用枠が2倍
記載が無い項目 コンテキスト長・知識カットオフ・パラメータ数

x.aiは位置づけをこう書いています。

Grok 4.6 achieves frontier intelligence across several agentic coding and knowledge work benchmarks. It matches GPT-5.6 Sol on the Artificial Analysis Intelligence Index, which is a composite score of nine benchmarks.

(訳: Grok 4.6は複数のエージェント的コーディングおよび知識労働のベンチマークでフロンティアの知能に到達している。9つのベンチマークの合成スコアであるArtificial Analysis Intelligence IndexでGPT-5.6 Solに並んでいる)

比較表10項目の勝ち負け

x.aiが公開した比較表の数値です。列は Grok 4.6 High / Grok 4.5 High / GPT-5.6 Sol Max / Fable 5 Max。

評価 Grok 4.6 Grok 4.5 GPT-5.6 Sol Max Fable 5 Max
AA Intelligence Index 61 56 61 62
GDPVal-AA v2 1753 1526 1728 1741
CursorBench v3.2 69.9% 66.7% 67.2% 70.5%
DeepSWE v1.1 65.9% 54% 73% 70%
FrontierCode v1.1 (Extended) 61.3% 56.6% 60.6% 64.9%
APEX-Agents 57.5% 47.1% 56.7% 59.2%
Terminal-Bench v3.0 26% 15.7% 34.6% 34.1%
APEX-SWE 56.4% 53.6% 58.8%
AA-Briefcase 1577 1313 1502 1574
Harvey LAB (Vals) 15.8% 12.9% 2.5% 11.3%

数え直すと、GPT-5.6 Sol Max相手は6勝2敗1同点です(APEX-SWEはSol側の数値が無く比較できません)。負けたのはDeepSWE(65.9%対73%)とTerminal-Bench(26%対34.6%)の2つで、どちらも差が小さくありません。

Fable 5 Max相手は3勝7敗。勝った3項目はGDPVal-AA v2(1753)、AA-Briefcase(1577)、Harvey LAB(15.8%)です。この3つはいずれもコーディングそのものではなく、業務・知識労働・法務系のタスクを測る評価です。逆に負けた側にはDeepSWE、Terminal-Bench、APEX-SWE、CursorBench、FrontierCodeが並びます。勝ち負けが「仕事タスク側で勝ち、コーディング/ターミナル側で負け」という形にきれいに分かれているのが、この表を10項目通して読んで見えたことです。

なお表には注記があり、第三者モデルのスコアは自己申告値と公開値のうち良い方を採用した、と書かれています。自社に有利な取り方をしていない、という趣旨の但し書きです。

価格は各社の公式ページで確認した

x.aiの発表にはこう書かれています。

Pricing starts at $2 per million input tokens and $6 per million output tokens. Additionally, there is a fast variant which is twice the price.

(訳: 価格は入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり6ドルから。加えて2倍の価格の高速版がある)

x.aiの発表には他社との価格比較が載っていないため、この記事を書いた2026年8月13日に、OpenAIとAnthropicの公式価格ページを筆者が直接開いて値を取りました

モデル 入力(100万トークン) 出力(100万トークン)
Grok 4.6 2ドル 6ドル
GPT-5.6 Sol(短いコンテキスト・標準) 5ドル 30ドル
Claude Fable 5 10ドル 50ドル

出力だけを見ると、Grok 4.6はGPT-5.6 Solの5分の1、Claude Fable 5の約8分の1です(50÷6=8.33)。ここで注意が必要なのは、GPT-5.6 Solの5ドル/30ドルは「短いコンテキスト・標準」の価格だという点です。長いコンテキストでは入力10ドル/出力45ドルになります。長い履歴を持つエージェント用途では、この差の見え方が変わります。

訓練の記述で目を引いた1行

x.aiは訓練の流れも書いています。Grok 4.5より長い追加の訓練を回し、推論と高度な技術概念のためにキュレーションしたモデル生成データ、高品質なエンジニアリングデータ、改良したオプティマイザと訓練レシピを使ったとしています。エージェント向けの強化学習では、知識労働・一般的なコーディングに加えて、カーネル最適化・Web開発・CAD(コンピュータ支援設計)といったドメイン固有の環境を用意したと書かれています。

そのなかで目を引くのは次の一文です。

We then used Grok 4.5 to regenerate the SFT trajectories across reasoning efforts, agent harnesses, and domains such as STEM, software engineering, and knowledge work, and filtered out problematic traces with model-based checks.

(訳: その後、推論の努力量、エージェントのハーネス、そしてSTEM・ソフトウェア工学・知識労働といった領域をまたいで、Grok 4.5を使ってSFTの学習軌跡を再生成し、問題のある軌跡はモデルによるチェックで除外した)

前の世代のモデルに次世代の教材を作らせ、その教材の選別もモデルにやらせている、という記述です。x.ai自身は、この工程がスコアに何ポイント効いたかという数値は出していません。

能力の説明で公式が強調していること

x.aiが挙げているのは3点です。1つは、広い製品アイデアを動く初版に変えるのが特に強いという点。知らない分野を調べ、アプリの構造を決め、中心の機能を実装し、複数ラウンドのフィードバックで直し続ける、という流れが書かれています。2つ目は、長い作業の途中で自己テストと検証をする動きが増えたという点。3つ目は、視覚的・対話的な案件で初回の出力が4.5より強く、具体的なアイデアがあれば1回で構造と見た目の方向性を決められるという点です。

いずれも公式の記述であり、第三者による検証結果ではありません。

安全については規模だけが書かれている

安全に関する記述はあります。モデルの能力に合わせてセーフガードを較正し、公開前テストを過去最大の規模で実施、公開後テストと第三者テストも入れたとしています。狙う領域として脆弱性の修正、エンジニアリング設計サイクルの高速化、AI研究の補強を挙げています。

ただし、具体的な数値やテスト項目はこの発表には載っていません。書かれているのは規模と方針です。システムカードに相当する文書が別途出るかどうかは、この発表からは分かりません。

正直な但し書き

公式の比較表について、1つ食い違いを見つけました。FrontierCode v1.1のFable 5 Maxの数値が、公式が配布している比較表の画像では64.9%、発表ページ本文のテキストでは63.6%になっています。どちらの値でもその項目の首位はFable 5 Maxで、Grok 4.6がこの項目でSolに勝ちFable 5に負けるという結論は変わりません。本記事の表は画像側の64.9%を採用し、この食い違いをここに明記します。動画の方でも、この数値だけは読み上げず表の表示に任せました。

その他の未確認事項です。

  • コンテキスト長、知識カットオフ、パラメータ数は今回の発表に記載がありません
  • ベンチマークのスコアはすべてx.aiの発表と公式比較表に基づくもので、筆者が再現テストをしたものではありません
  • 能力に関する記述(初版作りの強さ、自己テストの増加など)はx.aiの主張であり、第三者検証ではありません
  • 価格は2026年8月13日に各社公式ページで確認した値です。価格改定があれば変わります

出典・但し書き

比較表を10項目すべて読み上げた解説はYouTube動画(約7分)にあります。「この項目の見方が違う」「実際に使ったらこうだった」という指摘をコメントでもらえたら、次の記事と動画に反映します。

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出典・参照資料

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