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Google・Temasek・Bain、東南アジアのデジタル経済が2026年に3,680億ドルへe-Conomy SEA(イーコノミー・エスイーエー)第11回報告、生成AI利用者2.43億人・2035年に1兆ドル超の見通し

執筆:約12分で読めます

日刊AIニュース10月21日(水)号:前日のAIのニュース18本を短くまとめました(約11分)›

Google・Temasek・Bain & Companyは2026年10月21日、第11回e-Conomy SEA報告を公表した。東南アジアのデジタル経済は2026年に前年比17%増の3,680億ドル、2035年に1兆ドル超の見通しで、生成AI利用者は2.43億人(就業人口の58%)という。

Google・Temasek・Bain、東南アジアのデジタル経済が2026年に3,680億ドルへ──e-Conomy SEA(イーコノミー・エスイーエー)第11回報告、生成AI利用者2.43億人・2035年に1兆ドル超の見通し
目次

Google、Temasek(テマセク)、Bain & Company(ベイン・アンド・カンパニー)は2026年10月21日(現地)、東南アジアのデジタル経済を調べた年次報告「e-Conomy SEA(イーコノミー・エスイーエー)」の第11回版「Building the Intelligent Economy」を公開した。Googleの公式ブログによると、東南アジアのデジタル経済は2026年に前年比17%増の流通総額(GMV)3,680億ドルになり、2035年に1兆ドルを超える軌道にある。生成AIの利用者は2.43億人で、就業人口の58%にあたるという。ブログの公開時刻は日本時間の10月21日13時(UTC 4時)だった。

3行まとめ

  1. Google・Temasek・Bainの第11回e-Conomy SEAは、東南アジアのデジタル経済が2026年に前年比17%増の3,680億ドル、2035年に1兆ドル超の見通しと発表した。
  2. 生成AIの利用者は2.43億人(就業人口の58%)で、Googleはモバイルインターネットの普及より4倍の速さと説明。AIの利用量(トークン)は5年で60倍になると予測している。
  3. 価格比較から購入までAIエージェントに任せてよい人は75%(ブログ。レポートサイトではAI利用者9,006人への調査)。ただしレポートサイトは、最終的な支払いは今も手動で行う人が多いとも書いている。

本記事の内容は、日本時間10月21日13時台に公式ページで確認したものです。数字はすべてGoogleとレポート共同発表者の主張で、筆者が元の報告書(PDF)を読んで検算したものではありません。

3,680億ドルの内訳はどうなっているのか

ブログは5つの分野の数字を挙げている。いずれも2026年の見通しで、Googleのブログの記載どおりに並べる。

分野 2026年の規模 前年比
Eコマース 2,260億ドル(GMV) +18%
オンライン旅行 590億ドル(GMV) +10%
オンラインメディア 440億ドル(収益) +22%
配車・フードデリバリー 400億ドル(GMV) +15%
デジタル金融サービス 1兆6,500億ドル(GTV) +16%

デジタル金融サービスだけは取引総額(GTV)の表記で、規模も1兆6,500億ドルと3,680億ドルより大きい。ブログの文面だけでは、3,680億ドルにどの分野を含めるかは確認できなかった。

ブログはAIの効果として、Eコマースでマルチモーダル検索(画像などで商品を探す方法)やアプリ内アシスタントを使う買い物客がおり、コンバージョン(購入に至る割合)が10%上がり、注文量が最大75%増える例があると書く。オンライン旅行では、旅行計画に使う道具として従来の検索エンジンが首位のまま、生成AIがソーシャルメディアを抜いて2位になった。オンラインメディアではコンテンツの個別化により、質の高いエンゲージメントが10〜20%上がったとしている。

AIエージェントに買い物を任せる人は本当に75%なのか

ブログの2つ目の要点は、消費者の信頼がエージェント型コマース(AIが比較から購入まで代行する買い物)の入口になるという話だ。

  • 日常的な自動化機能(価格追跡など)に頼っている人:72%
  • AIエージェントに価格比較と取引の完了を任せてよいと答えた人:75%
  • 1年前より今のほうがAIツールを信頼していると答えた人:62%
  • 信頼の理由:実績(56%)、慣れ(55%)、出力の正確さ(53%)
  • 安心して使うための条件:プライバシー保護(44%)、AIにできること・できないことの明示(36%)、エージェントの取引を取り消せること(30%)

ブログはこの75%の調査元を書いていない。レポートサイトには、同じ75%が「Google/YouGov名義で2026年7月にSEA-6でAI利用者9,006人に聞いた調査」の結果として載っている。質問は「AIアシスタントが概ね信頼できるとして、次の作業を自分の代わりにAIにやらせても実際に抵抗はないか」で、全員が対象ではなくすでにAIを使っている人への調査である点は押さえておきたい。75%は、設問の中の「最安値を探して商品を買う」への回答だ。

同じ設問の国別・項目別の結果も、レポートサイトに載っている。

項目(SEA-6平均) 平均 最高 最低
最安値を探して購入 75% タイ85% シンガポール59%
フォローアップ予約の自動手配 59% シンガポール65% インドネシア43%
動画配信などの定期購入の管理 52% ベトナム58% マレーシア47%
好みと過去の注文でフード注文 49% シンガポール51% タイ47%
日用品が減ったら再注文 49% シンガポール53% インドネシア43%
予算と好みで旅行を計画・予約 47% タイ60% シンガポール34%
通勤・配車の自動予約 42% シンガポール45% インドネシア35%
旅行の再予約・返金対応 42% シンガポール48% ベトナム37%

「任せてよい」は項目によって42%から75%まで開く。数字と内容から見て、ブログの「75%」はこの表の最上段の項目にあたると筆者は読んでいる。また、サイトの「消費者の購入の流れ」の図は、発見・比較ではAIの利用が多い一方、取引(支払い)の段階はどの分野でもAI利用が「低」とされ、次のように説明している。

Given high values and low tolerance for errors, consumers continue to execute final transactions manually. (金額が大きく、誤りへの許容度が低いため、消費者は最終的な取引を今も手動で行っている。──レポートサイトの記載)

同じサイトに、「任せてよい」という意向の調査と、支払いは今も手動という説明の両方が載っていることになる。

利用者2.43億人の中身は何か

レポートサイトによると、生成AIの利用者2.43億人は、東南アジア全体の就業人口の58%だ。そのほか、サイトは次の数字を挙げている。

  • インターネット利用者:4.46億人(SEA-6)
  • 生成AIの利用頻度:1人あたり週に約2セッション
  • 地域のAI利用の約60%は消費者向け用途。ただしシンガポールとマレーシア(最もAI活用が進んだ2市場)では企業での利用が大半
  • 有料の生成AIアカウントを持つ人:SEA-6の人口の1〜2%。多くは無料プランのままで、上位モデルや利用上限の引き上げが有料化の動機
  • 稼働中のデータセンター容量:約4ギガワット(サイトの注記は「2025年の容量には、当時建設中だった分を含めない」としており、何年時点の値かはページからははっきりしない)

民間資金のAI向け割合も載っている。AI関連企業への民間資金は2025年上半期の9億ドル(全体の32%)から2026年上半期に32億ドル(80%)へ上がった。数字はサイトの図に書かれた値で、案件数は2025年上半期72件、2026年上半期101件だ。

成長に必要な条件として何を挙げているのか

ブログは、2030年までにAI利用が60倍になる見通しに向けて、地域が整えるべき4つの条件を挙げている。

  1. エージェント活用と経済性:1回の質問への回答を超え、複数手順の作業を最後まで任せる使い方へ。AIの運用コストも下がり続ける必要がある。
  2. 物理インフラ:今後5年でデータセンター容量が約3倍に拡大する必要がある。
  3. モデルとエネルギーの効率:シンガポールのデジタルインフラ法案が定める電力使用効率(PUE)の拘束力ある基準や、マレーシアの再エネ供給制度CRESSの枠組みを例示している。
  4. 地域のルール統一:2026年11月に予定されるASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA)が、世界初の地域全体のデジタル貿易協定になるとブログは書く。

日本の読者が気にする点

ブログの脚注によると、対象はSEA-6(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)とSEA-4(ブルネイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー)で、日本は対象外だ。東ティモールはデータの量と質の制約で分析から除かれている。

報告書そのものは、レポートサイトによると無料で入手でき、国別の報告書(今回確認したページではシンガポール)も配布されている。サイトには「Ask Gemini Notebook」という、報告書に質問できる機能(Gemini Notebook搭載)とポッドキャストも置かれていた。Ask Gemini Notebookの利用条件や対応言語は、今回確認したページには書かれていない。

筆者の観測を1つ書く。日本時間13時台にブログとレポートサイトを続けて開いたところ、**ブログの見出しは「3,680億ドル」、レポートサイトの図は「約367B GMV」(約3,670億ドル)**と、10億ドル分だけ表記が違った。さらにオンラインメディアの440億ドルは、ブログでは「収益(revenue)」、サイトのポッドキャスト説明では「GMV」と書かれていた。丸めや用語の揺れの可能性があるが、どちらが正かは今回の2ページからは判断できない。本記事は、見出し数字にはブログの3,680億ドルを使っている。

報告書PDFを読まずに書いた範囲

  • 本記事は2つの公式ページ(ブログとレポートサイト)に基づく。報告書のPDF本体は取得しておらず、算出方法、予測の前提、調査の質問文の全体は確認していない。
  • 2035年の1兆ドルは、Googleらの予測であり、実績ではない。
  • ブログには、AIが作ったと明記された要約が付いている(「Summaries were generated by Google AI」)。本記事ではその要約文ではなく、本文の記載を使った。
  • 「トークンを新しいAI経済の指標にした」という説明は、ブログにある。60倍の予測の根拠となる計算は、今回の2ページには見当たらなかった(ページ内の語を検索して確認)。
  • 日本語版のブログがあるかは確認していない。ページの言語メニューには「日本(日本語)」があるが、取得したのは英語版だ。

Googleの最近の発表は、Gemini 4 Argon(ジェミニ4 アルゴン)の一般提供や小規模事業者向けGeminiのビジネスページの記事でも扱っている。

参照した公式ページと確認時刻

本記事は続報があり次第更新します。

この記事でよく聞かれること

e-Conomy SEA 2026報告は東南アジアのデジタル経済をいくらと見ていますか?
Google公式ブログによると、Google・Temasek・Bain & Companyの第11回報告は、東南アジアのデジタル経済が2026年に前年比17%増の流通総額(GMV)3,680億ドルに達し、2035年には1兆ドルを超える軌道にあるとしています。レポートサイトの図には約367B(3,670億ドル)GMVという表記もあり、ブログの3,680億ドルと1B(10億ドル)ずれています。
東南アジアの生成AI利用者はどのくらいですか?
Googleのブログとレポートサイトによると、生成AIを使っている人は2.43億人で、就業人口の58%にあたります。Googleは、モバイルインターネットの普及より4倍の速さで広がっていると説明しています。
AIエージェントに買い物を任せてよいと考える人はどのくらいいますか?
ブログは、価格を比べて取引まで自動で完了させることを許容する人が75%と書いています。レポートサイトの調査(2026年7月、SEA-6、AI利用者9,006人)では国別にインドネシア84%、タイ85%、シンガポール59%などです。一方、サイトは最終的な支払いは今も手動で行う人が多いとも説明しています。
今回の報告は日本を対象にしていますか?
ブログの脚注によると、対象はSEA-6(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)とSEA-4(ブルネイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー)の10か国です。日本は含まれていません。
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出典・参照資料

AI時短ラボ

大きいニュースはYouTubeでも解説しています。Xでは新着記事をお知らせしています。

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