Excel(エクセル)で文字列を結合する方法&演算子・CONCAT・TEXTJOINの書き方と違い、改行を入れてつなぐ式、Copilotの「数式の提案」も公式ヘルプで確認【2026年10月版】
Excel(エクセル)でセルの文字をつなぐには、主に&演算子、CONCAT関数、TEXTJOIN関数の3つがある(古いCONCATENATE関数も互換のために残っている)。区切りの文字を入れたい時や空のセルを飛ばしたい時はTEXTJOIN、短くつなぐだけなら&演算子かCONCATが向く。筆者は2026年10月8日にMicrosoftサポートの日本語ヘルプと英語版を取得して読み比べ、日本語版の式の書式と例に、英語版と食い違う箇所を見つけた。改行を入れる方法と、ExcelのCopilotが式を出す「数式の提案」の公式の説明も確かめた。

目次
2026年10月8日・日本時間時点の情報です。 Excel(エクセル)でセルの文字をつなぐ(結合する)方法は、主に&(アンパサンド)演算子、CONCAT(コンカット)関数、TEXTJOIN(テキストジョイン)関数の3つがある(同じ用途の古いCONCATENATE関数も、互換性のために残っている)。区切りの文字を入れたい時や空のセルを飛ばしたい時はTEXTJOIN、2つ3つをそのままつなぐだけなら&かCONCATが使える。書式と例はMicrosoftサポートの各関数のページにある。AIに式を出させる方法として、ExcelのCopilot(コパイロット)には「数式の提案」があるが、その公式のページに必要な契約の記載は見当たらず、Excel の Copilot 全体には Microsoft 365 などの契約(サブスクリプション)が必要だとMicrosoftのFAQは書いている。
3行まとめ
- 主なつなぎ方は3つ。&演算子(=A2&B2)、CONCAT(=CONCAT(A2,B2))、TEXTJOIN(=TEXTJOIN(" ",TRUE,A2:B2))。区切りを引数で指定でき、空のセルを飛ばす引数があるのはTEXTJOINで、Microsoftの日本語ヘルプでは Excel 2016 が適用先に載っていない。
- 改行を入れてつなぐ式は、公式のTEXT関数のページにある ="Today is: "&CHAR(10)&TEXT(TODAY(),"mm/dd/yy") の形。セルの[文字列の折り返し]を有効にする手順も同じページに書かれている。
- 2026年10月8日に取得した日本語版ヘルプには、英語版と食い違う式の例が複数あった(CONCATENATEの結果の表示、CONCATの式の引用符、TEXTJOINの結果の文字)。日本語版の例を写す時は、セル番地が引用符で囲まれていないか、引数の区切りが半角のカンマかを確かめる。
文字をつなぐ3つの方法は何が違うか
先に表にする。書式は、筆者が取得したMicrosoftの日本語ヘルプと英語版の表記による。
| 方法 | 書き方 | 区切りを入れる | 空のセルを飛ばす | セルの範囲をそのまま渡す |
|---|---|---|---|---|
| &演算子 | =A2&B2 | つなぐ項目の間に「" "」などを書き足す(ヘルプの例:=B3 & " & " & C3) | 本記事が読んだヘルプには専用の仕組みの記述が無い | ヘルプの例は、セルを1つずつつなぐ形 |
| CONCAT関数 | CONCAT(text1, [text2], ...) | ヘルプは「区切り記号または IgnoreEmpty 引数は提供しません」と書く(「" "」を引数として間に足せば入る) | 同左(専用の引数は無い) | できる(例:=CONCAT(B2:C8)) |
| TEXTJOIN関数 | TEXTJOIN(delimiter, ignore_empty, text1, [text2], ...) | 第1引数で指定する | 第2引数をTRUEにする | できる(例:=TEXTJOIN(", ", TRUE, A2:A8)) |
CONCATENATE(コンカテネート)関数も同じ用途の関数で、後で触れる。
&演算子でつなぐ
&演算子は、関数を使わずに文字をつなぐ記号だ。MicrosoftのCONCATENATE関数のヘルプは、ベスト プラクティスの欄でこう書く。
計算演算子アンパサンド (&) を使うと、関数を使わずに、複数のテキスト項目を結合できます。
続けて「=A1 & B1 は、=CONCATENATE(A1,B1) と同じ値を返します」とあり、「多くの場合、計算演算子アンパサンド (&) を使う方が CONCATENATE を使うよりも、文字列をすばやく簡単に作成できます」と説明している。
次の表で動きを見る。これは筆者が作った例で、結果はヘルプの規則に従った手計算だ(Excelで実行して確かめてはいない)。
| A | B | C | |
|---|---|---|---|
| 1 | 姓 | 名 | 部署 |
| 2 | 田中 | 花子 | 営業 |
| 3 | 佐藤 | 太郎 | 総務 |
=A2&B2
結果は「田中花子」。姓と名の間にスペースを入れるなら、スペースを引用符で囲んで間にはさむ。
=A2&" "&B2
結果は「田中 花子」。文章の中に値を組み込むこともできる。
=A2&B2&"さんは"&C2&"の所属です"
結果は「田中花子さんは営業の所属です」。文字(セルの値ではない言葉)は、式の中では二重引用符「"」で囲む。公式のCONCATENATEのヘルプも、#NAME? が出た時は、通常、文字の引数の引用符が欠けていると書いている。
ヘルプの例には、&そのものを文字として入れる式もある。
=B3 & " & " & C3
CONCATの例で、B3が「Fourth」、C3が「Pine」の時の結果は「Fourth & Pine」と書かれている。
CONCAT関数はセルの範囲をそのまま渡せる
Microsoftのヘルプの冒頭はこうだ。
CONCAT 関数は、複数の範囲や文字列からのテキストを結合しますが、区切り記号または IgnoreEmpty 引数は提供しません。
「CONCAT は CONCATENATE 関数を置き換えます。」ともある。書式は CONCAT(text1, [text2],…) で、引数の説明は次のとおりだ。
- text1(必須):結合するテキスト項目。文字列、またはセルの範囲などの文字列の配列
- [text2, ...](省略可):結合する追加のテキスト項目。最大253個まで
ヘルプの例はこうだ。
=CONCAT("The"," ","sun"," ","will"," ","come"," ","up"," ","tomorrow.")
結果は「The sun will come up tomorrow.」。範囲を渡す例もあり、表のB2:C8を指定した「=CONCAT(B2:C8)」の結果は、a1b1a2b2a4b4a5b5a6b6a7b7(行ごとに左から右へつながる)と書かれている。「=CONCAT(B:B, C:C)」のように列全体を渡す例もあり、ヘルプは「この関数では列と行の完全な参照が許可される」と説明している。
上の筆者の表なら、次の式で姓・名・部署を区切りなしにつなげる。
=CONCAT(A2:C2)
結果は「田中花子営業」。手計算で、Excelでの実行はしていない。間にスペースを入れたい時は、&のときと同じように「" "」を間に書く(=CONCAT(A2," ",B2) は「田中 花子」)。
ヘルプの「ヒント」は、区切りが必要ならTEXTJOINを使うよう案内している。
結合するテキストの間に区切り記号 (スペースやアンパサンド (&) など) を含め、結合されたテキストの結果に表示したくない空の引数を削除するには、 TEXTJOIN 関数を使用できます。
結果の文字列が32767文字(セルの上限)を超えると、CONCATは #VALUE! エラーを返す、とも書かれている。
TEXTJOIN関数は区切りと空セルの扱いを指定できる
書式は TEXTJOIN(delimiter, ignore_empty, text1, [text2], …)。日本語版ヘルプの書式の行は全角の読点区切りで「TEXTJOIN (区切り記号、ignore_empty、文字列 1, [文字列 2],...)」と書かれているが、英語版は半角のカンマで、Excelに打つのは半角のカンマだ。引数はヘルプによると次のとおり。
- delimiter(区切り記号・必須):空のテキスト文字列、二重引用符で囲んだ1つ以上の文字、または有効なテキスト文字列への参照。数値を渡すと文字列として扱われる
- ignore_empty(必須):TRUEの場合、空のセルは無視される
- text1(必須):結合するテキスト項目
- [text2, ...](省略可):追加のテキスト項目。text1を含めて最大252個
ヘルプの例1は、通貨名が入ったA2:A8を「, 」でつなぐ。
=TEXTJOIN(", ", TRUE, A2:A8)
英語版の結果は「US Dollar, Australian Dollar, Chinese Yuan, Hong Kong Dollar, Israeli Shekel, South Korean Won, Russian Ruble」だ。
例2では、ignore_emptyの違いが書かれている。式「=TEXTJOIN(", ", TRUE, A2:B8)」の英語版の結果は「a1, b1, a2, b2, a4, b4, a5, b5, a6, b6, a7, b7」で、ヘルプは次のように続ける(英語版の原文)。
If ignore_empty=FALSE, the result would be: a1, b1, a2, b2, , , a4, b4, a5, b5, a6, b6, a7, b7
(訳:ignore_empty が FALSE なら、結果は a1, b1, a2, b2, , , a4, ... になる。)結果の並びから、a2の行とa4の行の間のセルが空だと読める。FALSEだと、その空の分の区切りがそのまま並ぶ。
筆者の表で試す形はこうだ(手計算・未実行)。
=TEXTJOIN(" ",TRUE,A2:B2)
結果は「田中 花子」。部署の列まで含めて区切りを「、」にするなら =TEXTJOIN("、",TRUE,A2:C2) で、「田中、花子、営業」になる。
例3は、区切りを範囲で指定する形だ。「=TEXTJOIN(A8:D8, TRUE, A2:D7)」で、A8:D8に「,」「,」「,」「;」が入っていて、各行の中は「,」で、行の終わりは「;」でつながる。英語版の結果は「Tulsa,OK,74133,US;Seattle,WA,98109,US;…;end」。
TEXTJOINも、結果が32767文字を超えると #VALUE! を返す。
CONCATENATE関数はいまも使えるが、CONCATに置き換えられた
CONCATENATE関数は、昔からある同じ用途の関数だ。日本語版ヘルプの重要の欄は、こう書いている。
Excel 2016、Excel Mobile、Excel for the web では、この関数は CONCAT 関数に置き換えられました。 CONCATENATE 関数は、引き続き下位互換性がありますが、今後は CONCAT を使用することを検討する必要があります。 これは、CONCATENATE が Excel の将来のバージョンで利用できない可能性があるためです。
書式は CONCATENATE(text1, [text2], ...) で(英語版の表記。日本語版の書式の行は引数の間のコンマが抜けている)、最大255個の項目、合計8,192文字まで指定できると書かれている。新しく書くなら、公式の案内は CONCAT だ。
「よくある問題」の欄には、つなぐ時につまずく点が3つ載っている。
- 結果に二重引用符が出る:引数の間のコンマが抜けている時。ヘルプの例は =CONCATENATE("Hello ""World") で、「Hello"World」と余分な引用符つきで表示される
- 複数の単語がくっつく:間に空白が無い時。=CONCATENATE("Hello", " ", "World!") のように、引用符で囲んだ空白を足す
- #NAME? が出る:通常、テキスト引数の引用符が欠けている
どのバージョンのExcelで使えるか
「適用先」と注の記述を、そのまま表にする(2026年10月8日取得の日本語版)。
| 方法 | 適用先に載っている版 | 注の記述 |
|---|---|---|
| CONCAT | Microsoft 365版(Windows・Mac)、Excel 2024、Excel 2021、Excel 2019、Excel 2016 | 「Office 2019 をお持ちの場合、または Office 365 サブスクリプションをお持ちの場合」に使用できる |
| TEXTJOIN | Microsoft 365版(Windows・Mac)、Excel 2024、Excel 2021、Excel 2019、Microsoft365.com | 「Office 2019 をお持ちの場合、または Microsoft 365 サブスクリプションをお持ちの場合」に使用できる |
| CONCATENATE | Microsoft 365版(Windows・Mac)、Excel 2024、Excel 2021、Excel 2019、Excel 2016 | 重要の欄で CONCAT に置き換えられたと説明 |
読み取れることは2点ある。1つは、TEXTJOINの適用先には Excel 2016 が載っていないこと。もう1つは、CONCATの適用先には Excel 2016 が載っているのに、同じページの注は「Office 2019」または Office 365 サブスクリプションで使えると書いていて、2016 の記載と並べると読み方が分かれることだ。お使いのExcelが2016で、CONCATかTEXTJOINが動くかを知りたい時は、式を入れて試すのが確実だと筆者は考える。筆者は Excel 2016 を手元で動かしていない。
CONCATENATEのヘルプの適用先には Excel 2016 から2024までが並ぶ。&演算子は関数ではなく、専用のページ(計算演算子の使用)は取得できなかったので、版ごとの記載は確かめていない。
改行を入れてつなぐ書き方
改行には2つの場面がある。1つは、セルの中で手で改行する場面。もう1つは、式でつなぐ時に改行を挟む場面だ。
セルの中で手で改行する。 Microsoftのヘルプ「Excel のセル内で新しいテキスト行を開始する」に、手順がある。Windows版は、改行を入れるセルをダブルクリックし、行を区切る位置を選んで「Alt+Enter キーを押して改行を挿入します」。Mac版は「CONTROL+OPTION+RETURN キーを押して、改行を挿入します」。Web版は、セルをダブルクリック(またはセルを選んでF2キー)してAlt+Enter。Android版はセル内をダブルタップ、iPhone・iPad版(Office for iOS)はキーボードの切り替えボタンをタップして数字のキーボードを開いてから、改行したい位置を長押しして、メニューの[改行]をタップする。
式で改行を挟む。 MicrosoftのTEXT関数のページに、よく寄せられる質問として次の問いと答えがある。
セルで Alt + Enter キーを押した場合と同様、TEXT 関数を使用して新しい行 (改行) を追加できますか。
答えの要点は、次のとおりだ。まず、セルを選んでCtrl+1キーで書式設定を出し、[配置]の[文字列の折り返し]を有効にする。次に、改行が必要な位置に ASCII 関数の CHAR(10) を入れる。ヘルプの例は次の式だ。
="Today is: "&CHAR(10)&TEXT(TODAY(),"mm/dd/yy")
ここで使われているのは、&でつなぐ形だ。筆者の表に当てはめると、姓と名を2行に分けてつなぐ式はこうなる(手計算・未実行)。
=A2&CHAR(10)&B2
セルの[文字列の折り返し]を有効にしていれば、1行目に「田中」、2行目に「花子」が出るはずだ。TEXT関数のヘルプは、折り返しを有効にする操作を手順の最初に置いている。有効にしていない時の表示はヘルプに書かれておらず、筆者も試していない。
TEXTJOINの区切りに改行を使う形は、筆者の提案として書く。
=TEXTJOIN(CHAR(10),TRUE,A2:C2)
区切りの引数にCHAR(10)を置く式で、結果は「田中」「花子」「営業」の3行になるはずだ。ただし、取得したTEXTJOINのヘルプに、区切りへ改行を使う例は載っていない(ページ本文に「改行」「CHAR」の語が無いことを、保存した原文に当てて確かめた)。筆者は実行していないので、使う時は手元のExcelで1行だけ試してから、下の行へコピーしてほしい。
CHAR関数のヘルプは、書式を CHAR(数値) とし、1から255の数値で指定した文字を返すと書いている。注に、Excel for the web では CHAR(9)、CHAR(10)、CHAR(13)、CHAR(32) 以上のみがサポートされるとある。CHAR(10) を改行として使えることを直接書いた文は、CHAR関数のページには見当たらず、書いているのは上のTEXT関数のページだ。
ExcelのCopilotの「数式の提案」で式を出す
AIに式を考えてもらう公式の機能に、ExcelのCopilotの「数式の提案」がある。Microsoftのページ「Excel で Copilot の数式の候補をオンまたはオフにする」は、冒頭でこう説明している。
Excel で作業しているとき、Copilot は積極的に数式を提案します。
続く文は、入力した直後に数式を完成させたり、いくつかのサンプル値を再利用可能な数式に変換したりできる、という趣旨だ(日本語版の原文は、この文の途中に「=」の記号が紛れ込んでいる)。ページの「適用先」は Excel for Microsoft 365、Excel for iPad、Excel Web App。
仕組みは、ページの「各オプションの制御内容」の欄に2つ書かれている。
- 数式を完成させるための Copilot の提案を表示する:セルに = を入力するとすぐに、ヘッダー、近くのセル、テーブルなどのデータをもとに完全な数式を提案する。結果のプレビューと、数式の動作の簡単な説明も表示される。入力を続けると、候補はリアルタイムで更新される
- コンテンツ内のパターンに基づいて数式の提案を Copilot に表示する:「住所から郵便番号を抽出したり、氏名から名を抽出したりするなど」のサンプル値を入力すると、パターンを検出して、列の残りを入力する1つの数式を提案する。貼り付けた値ではなく数式が挿入されるので、データが変わると結果も更新される
文字をつなぐ式にも、この機能が使える場面は考えられる。たとえば、姓の列と名の列の隣で = を打つと、つなぐ式が提案される、という使い方だ。ただし、これは筆者の想定で、筆者はこの機能を実際に動かしていない。提案される式が&なのかCONCATなのかTEXTJOINなのかも、確かめていない。
Microsoftのページは、提案をオフにする方法も書いている。Windows版は[ファイル]>[オプション]>[Copilot]で、オフにしたい項目のチェックボックスを外す。Web版は[Copilot 設定]で同じ操作をする。ページの注によると、設定をオフにすると、同じ方法でオンにするまでオフのままで、Excelは次回起動時も選択を記憶する。
無料で使えるか。 このページには、必要な契約の記載が見当たらなかった(「サブスクリプション」「無料」「必要」の語を原文に当てて確かめた)。Excel の Copilot 全体については、MicrosoftのExcel の Copilot のFAQが、AI クレジット プラン付きの Microsoft 365 Personal か Family、Microsoft 365 Premium、商用 Microsoft Copilot、Copilot Chat 対象のビジネスかエンタープライズの契約の、4つのいずれかが必要だと書いている。筆者が2026年10月8日9時54分に描画して読んだ個人向けの価格ページでは、Microsoft 365 Personalが月2,130円、Familyが月2,740円、Premiumが月3,200円と表示され、Familyには「1 - 6 人用 (AI はサブスクリプション所有者のみ利用可能)」と書かれていた。FAQの原文と、同じ価格ページの「Copilot は無料ですか?」への回答(制限付きの Copilot は無料、Excel などとの深い連携は対象の契約に含まれる Copilot で使う、という内容)は、IF・VLOOKUPの記事で引用している。「数式の提案」が無料のアカウントで動くかどうかは、本記事では確かめられていない。Copilotのボタンが見つからない時の確認順は、Copilotが表示されない時の記事にある。
導入の経緯は、Microsoftの公式ブログ(Excel Blog)にある。2025年9月8日付の記事は、「数式の補完(formula completion)」を次のように紹介している。
formula completion proactively suggests and autocompletes formulas as soon as you type “=”.
(訳:数式の補完は、「=」を入力するとすぐに、数式を先回りして提案し、自動で補完する。)提供範囲は、記事の「Availability」の節に、Copilot の利用者(Copilot users)向けに「Excel for the web (US-English only)」と「Insider Beta on Excel for Windows」で順次提供する、とある。記事は2025年10月8日に更新された。2026年10月時点の日本語版Excelでの提供範囲は、この記事で確かめていない。
AIの式の確かめ方は、IFやVLOOKUPの記事でも整理した。Copilotの結果についてFAQは「間違いを犯したり、情報を誤解したり、不正確な結果を生成したりする場合があります」と書いている。提案された式は、1行を手で計算して合うか、範囲が合っているかを見てから使う。ほかの関数とAIの組み合わせは、IF・VLOOKUPなどの関数の記事と、CopilotとGeminiの比較の記事にある。
ヘルプを開いて見えた画面と、日本語版と英語版の食い違い
2026年10月8日の9時51分から10時1分に、ログインせずに、画面を出さないブラウザでMicrosoftのヘルプを開いて読んだ。ここは筆者が見たことの記録だ。
画面。 390×844のスマホ幅で開くと、CONCATのページもTEXTJOINのページも、タイトルの下の「適用先」は折りたたまれていて、タップしないと対応する版が見えない。注の囲みは、本文の説明の直後にある。1280×800のPC幅の数式の提案のページでは、右上に「Microsoft アカウントでサインイン」の吹き出しが出て、左に「Excel での Copilot」の目次が並んでいた。サインインしていないので、サインイン後の画面は見ていない。
日本語版と英語版の食い違い。 日本語版と英語版を読み比べると、次の違いがあった。日本語版の例は、英語版から訳したもので、式や結果の一部が合っていない。
- CONCATENATEの結果。 日本語版の例「=CONCATENATE(C2, ", ", B2)」の説明は、セルC2、コンマと空白の文字列、セルB2の3つを結合する、だが、結果は「Andreas Hauser」と書かれていて、コンマが無い。式どおりなら「Hauser, Andreas」の形になるはずだ。英語版のCONCATの同じ例は、結果が「Hauser, Andreas」だった。なお英語版のCONCATENATEのページの同じ例は「Andreas, Hauser」で、コンマはあるが順が式と逆になっている
- CONCATの式の引用符。 日本語版は「=CONCAT("A2", " ", A3, "に対する輸出伸び率は", A4, "% と予想される")」と、A2を引用符で囲んでいる。引用符で囲むと、セルの値ではなく文字「A2」がそのまま入る。英語版は、A2を引用符で囲まず「=CONCAT("Stream population for ", A2," ", A3, " is ", A4, "/mile.")」と書いている。CONCATENATEの日本語版にも同じ書き方がある
- TEXTJOINの結果の文字。 日本語版の例2の結果は「A1、B1、A2、B2、…」と大文字で、区切りが読点になっている。式の区切りは「", "」で、元のデータは小文字の a1、b1、…だ。英語版の結果は「a1, b1, a2, b2, a4, b4, a5, b5, a6, b6, a7, b7」
- CONCATENATEの書式。 日本語版の書式の行は「CONCATENATE(文字列 1 [文字列 2], ...)」で、引数の間のコンマが無い。英語版は「CONCATENATE(text1, [text2], ...)」
日本語版を見て式を写す時は、セル番地(A2など)を引用符で囲まず、引用符とカンマを半角で打ち、結果は自分の表で確かめるのがよいと筆者は考える。ヘルプの例では、式の中の引用符は真っすぐな半角の「"」で書く。曲がった全角の引用符を貼った時にExcelがどう動くかは、実際には試していない。
式を動かしていない点と、取れなかった公式ページ
- Excel、Copilotは、筆者は実機で動かしていない。本文の式の結果は、ヘルプの規則に従った手計算か、ヘルプに書かれた結果の引用である
- &演算子のMicrosoftの専用ページ「計算演算子の使用」は、取得時にMicrosoftサポートが403を返したため、読めていない。&演算子の説明は、CONCATとCONCATENATEのヘルプの記述に限っている。優先順位など、&演算子の細かい規則は扱っていない
- Excelの「文字列の折り返し」を有効にする手順の専用ページは取得していない。折り返しの説明は、TEXT関数のヘルプの記述に限っている
- TEXTJOINの区切りにCHAR(10)を置く式は、公式ページに例が無く、筆者の提案として書いた。実行していない
- 「数式の提案」が日本語版のExcelで使えるか、無料のアカウントで使えるかは、確かめていない。FAQと価格ページの数字は、FAQが2026年10月8日2時31分に保存された原文、価格ページが9時54分に筆者が描画して読んだものである
- 文字列の一部を取り出す関数(LEFT・MID・RIGHTなど)は、本記事では取得していないので説明していない
- GoogleスプレッドシートやほかのAIでの文字の結合は、扱っていない
本文で名指しした公式ページ13本は、記事の末尾の「出典・参照資料」に、何が書いてあるかと取得の時刻をつけて並べている。日本語版は2026年10月8日の9時50分から10時1分、英語版は9時52分(いずれも日本時間)に取得して本文を照合した。取得した原文と画面の撮影は、筆者の作業フォルダに保存してある。
この記事でよく聞かれること
- Excelで文字をつなぐにはどうすればいいですか?
- &演算子、CONCAT関数、TEXTJOIN関数のどれかを使う。たとえばA2とB2をそのままつなぐなら =A2&B2 か =CONCAT(A2,B2)。間に区切りを入れて空のセルを飛ばしたいなら、TEXTJOIN関数の1つ目の引数に区切りの文字を半角の二重引用符で囲んで書き、2つ目の引数をTRUEにする(式の例は本文)。書式はMicrosoftサポートの各関数のページに載っている(2026年10月8日確認)。古いCONCATENATE関数も互換性のために使える。
- CONCATとCONCATENATEの違いは何ですか?
- Microsoftのヘルプは「CONCAT は CONCATENATE 関数を置き換えます」と書き、CONCATENATEは以前のバージョンとの互換性のために引き続き使えるとしている。CONCATの引数には、文字列かセルの範囲などの文字列の配列を指定できる。
- TEXTJOINはどのバージョンのExcelで使えますか?
- Microsoftの日本語ヘルプの「適用先」には、Microsoft 365版、Excel 2024、Excel 2021、Excel 2019、Microsoft365.comが並び、Excel 2016は載っていない(2026年10月8日確認)。同じページの注に「Office 2019 をお持ちの場合、または Microsoft 365 サブスクリプション」で使えるとある。
- Excelで改行を入れて文字をつなぐ式は?
- 公式のTEXT関数のページは、改行したい位置に CHAR(10) を入れ、セルの[文字列の折り返し]を有効にする方法を書いている。式の例は、文字列とTEXT関数の間に &CHAR(10)& を挟む形(ヘルプの例は Today is: の後で改行して日付を出す)。セルの中で手で改行するだけなら Windows は Alt+Enter、Mac は Control+Option+Return。
- Excelで空のセルを飛ばして、カンマでつなぐには?
- TEXTJOIN関数を使う。2つ目の引数ignore_emptyをTRUEにすると空のセルは無視され、FALSEだと空の分も区切りが入る。ヘルプの例は、区切りをカンマとスペースにして範囲A2:A8をつなぐ形。
- ExcelのCopilotの「数式の提案」は無料で使えますか?
- Excel の Copilot には契約(サブスクリプション)が必要だと、MicrosoftのExcel の Copilot のFAQは書いている(AIクレジット プラン付きの Microsoft 365 Personal か Family、Microsoft 365 Premium、商用 Copilot、Copilot Chat 対象のビジネスかエンタープライズの契約のいずれか)。数式の提案のページ自体には必要な契約の記載が見当たらず、無料のアカウントで動くかは本記事では確かめていない。日本の価格ページではPersonalが月2,130円、Familyが月2,740円(2026年10月8日確認)。
- AIが出したExcelの式はそのまま信じてよいですか?
- そのまま信じず、1行を手で計算して合うかを見る。MicrosoftのExcel の Copilot のFAQは、Copilotが間違いを犯したり不正確な結果を生成したりする場合があると書いている。
出典・参照資料
- 一次資料CONCAT 関数(Microsoft サポート・日本語・書式と例・適用先・2026年10月8日9時51分取得、10時0分にスマホ幅で画面撮影) ↗
- 一次資料CONCATENATE 関数(Microsoft サポート・日本語・&演算子をベスト プラクティスに挙げた記述・2026年10月8日9時51分取得) ↗
- 一次資料TEXTJOIN 関数(Microsoft サポート・日本語・書式と例・2026年10月8日9時52分取得、10時1分にスマホ幅で画面撮影) ↗
- 一次資料CONCAT function(Microsoft サポート・英語版・日本語版との照合・2026年10月8日9時52分取得) ↗
- 一次資料CONCATENATE function(Microsoft サポート・英語版・日本語版との照合・2026年10月8日9時52分取得) ↗
- 一次資料TEXTJOIN function(Microsoft サポート・英語版・日本語版との照合・2026年10月8日9時52分取得) ↗
- 一次資料Excel のセル内で新しいテキスト行を開始する(Microsoft サポート・日本語・Alt+Enter など・2026年10月8日9時52分取得) ↗
- 一次資料TEXT 関数(Microsoft サポート・日本語・CHAR(10) を使って改行を入れる説明・2026年10月8日9時50分に保存された原文) ↗
- 一次資料CHAR 関数(Microsoft サポート・日本語・書式と Excel for the web の注記・2026年10月8日10時1分取得) ↗
- 一次資料Excel で Copilot の数式の候補をオンまたはオフにする(Microsoft サポート・日本語・数式の提案の説明・2026年10月8日9時51分取得、10時0分に画面撮影) ↗
- 一次資料Excel の Copilot に関してよく寄せられる質問(Microsoft サポート・日本語・必要なサブスクリプション4種・2026年10月8日2時31分に保存された原文) ↗
- 一次資料個人向け Copilot の価格プラン(Microsoft・日本語・Personal 月2,130円・Family 月2,740円・Copilot は無料ですか の回答・2026年10月8日9時54分に描画して取得) ↗
- 一次資料Introducing formula completion - A new way to write formulas in Excel using Copilot(Microsoft Excel Blog・2025年9月8日付・2025年10月8日更新・2026年10月8日9時53分取得) ↗
大きいニュースはYouTubeでも解説しています。Xでは新着記事をお知らせしています。
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