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ITパスポート(アイティーパスポート)とはIPAが実施する、ITの基礎知識を問う国家試験。受験資格なし・120分100問・受験手数料7,500円、合格は総合600点以上かつ3分野それぞれ300点以上。生成AIは2024年4月の試験からシラバスに入った。IPAによると選べる試験日は2026年12月27日までで、その後は一時休止の予定【2026年10月版】

執筆:約32分で読めます

ITパスポート試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する、ITの基礎知識を問う国家試験で、受験資格は特に定められておらず、CBT方式で120分・100問、受験手数料は7,500円(消費税込み)。合格基準は総合評価点600点以上かつ3分野それぞれ300点以上(各1,000点満点)で、IPAの統計では令和7年度は受験者271,352人・合格者132,012人(合格率48.6%)。シラバスには2023年8月7日の発表(Ver.6.2・2024年4月の試験から適用)で生成AIが加わり、現行は2026年1月8日掲載のVer.6.5。筆者が2026年10月13日2時台にIPAとiパスのページを開くと、試験システムの入れ替えのため申込で選べる試験日は2026年12月27日までで、その後は試験を一時休止する予定(再開時期は「決まり次第」告知)と書かれ、2027年度からの新試験制度への移行も予定として載っていた。

ITパスポート(アイティーパスポート)とは──IPAが実施する、ITの基礎知識を問う国家試験。受験資格なし・120分100問・受験手数料7,500円、合格は総合600点以上かつ3分野それぞれ300点以上。生成AIは2024年4月の試験からシラバスに入った。IPAによると選べる試験日は2026年12月27日までで、その後は一時休止の予定【2026年10月版】
目次

2026年10月13日・日本時間時点の情報です。 ITパスポート(アイティーパスポート)試験は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施する、ITに関する基礎知識を証明する国家試験で、IPAの専用サイトは「iパス」という名前で案内しています。受験資格は特に定められておらず、受験手数料は7,500円(消費税込み)で、試験会場のコンピューターで解答するCBT方式により通常は年間を通じて随時実施されています。ただしIPAの案内によると、試験システムの入れ替え(システムリプレース)のため、いま申し込んで選べる試験日は2026年12月27日までで、その後は試験を一時休止する予定です。再開の時期は「決まり次第」知らせるとされ、IPAは2027年度から新しい試験制度に移る予定とも書いているため、これから受ける人は日付の確認が要ります。

3行まとめ

  1. ITパスポート試験は、IPAが実施する国家試験。120分・100問の四肢択一で、受験資格は特に定められておらず、受験手数料は7,500円(消費税込み)。合格基準は総合評価点600点以上(1,000点満点)、かつストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3分野それぞれ300点以上(iパス、2026年10月13日取得)。
  2. IPAの統計では、令和7年度(2025年4月〜2026年3月)は受験者271,352人・合格者132,012人で合格率48.6%。直近の令和8年8月度は受験者20,637人・合格者9,703人で47.0%(2026年9月28日現在)。
  3. 生成AIは、IPAが2023年8月7日に発表したシラバスVer.6.2(2024年4月の試験から適用)で加わり、現行はVer.6.5(2026年1月8日掲載)。IPAによると、2026年9月28日以降の申込で選べる試験日は2026年12月27日までで、その後は試験システムの入れ替えのため一時休止の予定(再開時期は「決まり次第」告知)。新試験制度のITパスポート試験は2027年度春頃に始まる予定と、IPAは検討状況として公表している。

ITパスポート試験とは何か。IPAは「あなたのIT力を証明する国家試験」と書く

IPAの試験情報ページは、ITパスポート試験を「あなたのIT力を証明する国家試験」という見出しで説明しています。略号は「IP」、英語名称は「Information Technology Passport Examination」、実施方式・実施時期は「CBT方式により随時実施」です。対象者像は次のとおりです。

「職業人及びこれから職業人となる者が備えておくべき、ITに関する共通的な基礎知識をもち、ITに携わる業務に就くか、担当業務に対してITを活用していこうとする者」

iパスのサイトは、同じ試験を次のように説明します。

「iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。」

IT企業で働く人だけの試験ではない、というのがIPAの書き方で、iパスのFAQも「技術系の社会人、理系の学生だけではなく、事務系の社会人、文系の学生なども対象としています。」と書きます。期待する技術水準には、コンピュータシステム・データベース・ネットワーク・情報セキュリティ・情報デザイン・情報メディアの知識、企業活動や関連業務の知識、関連法規や情報倫理に従って活動できること、そして「新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)や新しい手法(アジャイルなど)の概要に関する知識」が挙がっています。法律上の位置づけは、iパスのサイトの下部にあります。

「ITパスポート試験は情報処理技術者試験の一試験区分であり、「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験です。」

名前の由来も、iパスのサイトに書かれています。「日本から世界に羽ばたく際に身分を証明するために「パスポート」が必要であるように、IT化が進んだ現代社会に羽ばたくために社会人として必要な基礎的能力を有していることを国が証明する試験(パスポート)として「ITパスポート」が誕生しました。」開始は「2009年」で、「国家試験として初めてCBT方式を導入しました」とあります。

名前が似た試験と取り違えない

一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が実施する「生成AIパスポート」は、主催団体が違う別の試験です。受験料・形式・日程は生成AIパスポート試験の記事に、AI関連の資格を並べた表はAI資格まとめに、G検定はG検定の記事にあります。この記事は、IPAのITパスポート試験だけを扱います。

合格すると、どんな場面で使われるのか。iパスのサイトが挙げる3つの場面

iパスの「合格のメリット」のページが挙げる場面です。IPA側の説明で、個々の企業や大学の扱いを筆者が確かめたものではありません。

  • 就職活動。 「新卒採用時のエントリーシートで、iパスの合格やスコアを確認する企業が増えています。」
  • 大学。 「iパスに合格していることを条件に、入試優遇措置や単位認定を行っている大学が多数あります。」
  • ほかの試験。 「iパス750点以上で試験科目が一部免除される「ITコーディネータ試験~専門スキルコース~」を受験できます。」

ITパスポート試験の形は何か。120分・100問・四肢択一のCBT方式で、受験手数料は7,500円

iパスの「試験内容・出題範囲」「受験要領」「FAQ」を2026年10月13日2時台に開いて、数字を表にしました。

項目 内容
方式・時期 CBT方式。年間を通じて随時
試験時間 120分。午前・午後・夕方の3つの時間帯で実施(会場により異なる)
出題数・形式 小問100問。四肢択一式
出題分野 ストラテジ系(経営全般)35問程度、マネジメント系(IT管理)20問程度、テクノロジ系(IT技術)45問程度
採点方式 IRT(項目応答理論)。総合評価は92問で行い、残り8問は今後出題する問題の評価に使う
合格基準 総合評価点600点以上、かつ分野別評価点がそれぞれ300点以上(いずれも1,000点満点)
受験手数料 7,500円(消費税込み)。理由のいかんにかかわらず返還されない
受験資格・回数・有効期間 受験資格は「特段ありません」、「何回でも受験できます」、合格の「有効期間はありません」(FAQ)

CBT(Computer Based Testing)とは、iパスのサイトによると「コンピュータを利用して実施する試験方式」で、受験者は「コンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いて解答」します。試験は「すべての都道府県で毎月実施」され、日時と会場は自分で選びます。

採点は、点数をそのまま足す素点方式ではなく、IRTという方式です。iパスの出題範囲のページは「IRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいて解答結果から評価点を算出します。」と書き、IPAの試験要綱Ver.5.6は、IRTを使う区分をITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者の3つとし、ほかの区分は素点方式としています。本記事が確認したIPAとiパスのページには、「何問正解すれば合格」という固定の問題数は書かれていませんでした。

過去問題は、iパスの受験要領によると「試験問題は非公開です」とされ、FAQによると「出題した試験問題から100問を公開しています。掲載は毎年4月頃を予定しています。」

何点で合格か。総合600点以上、かつ3分野それぞれ300点以上

合格基準は、iパスの「試験内容・出題範囲」に次のとおり書かれています。

「総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること」

FAQは、600点を超えても分野別で落ちる場合を、そのまま問答にしています。

「合格基準を満たすには、総合評価点が600点以上であるとともに、すべての分野別評価点が300点以上である必要があります。分野別評価点のうち一つでも300点未満の分野があると、合格基準を満たしません。」

試験終了後に画面へ出る結果と、合格は別です。

「受験者端末に表示される試験結果が合格基準を満たしていても、その時点で合格とはなりません。経済産業大臣が合格者を決定します。」

IPAの「評価点分布(総合)令和8年8月分」で、600点以上の7つの帯(900〜1,000点の49名から、600〜649点の3,692名まで)を筆者が足すと9,706名でした。同じ月の合格者は9,703名です。この足し算はIPAが示した数字ではなく、差の3名が分野別300点で落ちた人数だと断定する資料も取得していません。

ITパスポート試験の受け方。利用者IDの登録から合格証書まで

ここからの手順は、iパスの「受験案内」の記載によるものです。筆者はアカウントを作らず、ログインも個人情報の入力もしていないため、ログイン後の画面は開いていません。

  1. 利用者IDを登録する。 受験には利用者IDとパスワードの登録が必要で、有効なメールアドレスが要ります。登録すると仮パスワードがメールで届き、FAQによると、そのメールから2時間以内に利用者情報を登録しないと利用者IDは無効になります。推奨環境は「Windows 11」と「Microsoft Edge」で、「携帯電話等のアドレスも登録可能ですが、当サイトは一般的なパソコンで操作することを前提としています」とあります。

  2. 受験を申し込む。 利用者メニューの「受験申込」から地域、試験会場、試験日、開始時間を選び、アンケートに答え、内容を確認して支払いに進みます。会場は全国47都道府県にあり、3か月先までの空席状況はiパスの「試験開催状況一覧」で見られます。郵便・電話・FAXでの申込は受け付けていません。

  3. 支払う。 方法はクレジットカード、コンビニ、バウチャーで、コンビニ払いは受験手数料のほかに払込手数料187円がかかります。バウチャー(前売りの受験チケット)の購入申込受付は2026年7月31日で終わっていて、すでに持っているバウチャーで支払うことはできる、とiパスの受験申込みのページは書いています。選べる試験日は、支払い方法と申込時刻で変わります。

    支払い方法 申込の時刻 選べる試験日
    クレジットカード・バウチャー 0:00〜11:59 申込日の翌日から
    クレジットカード・バウチャー 12:00〜23:59 申込日の翌々日から
    コンビニ 終日 申込日の5日後から
  4. 確認票をダウンロードする。 iパスのトップは「ITパスポート試験では受験票は送付されません。確認票を試験日前までに余裕をもってダウンロード、印刷してください」と書いています。確認票には受験番号・利用者ID・確認コードが載ります。

  5. 試験当日に持っていく。 受付は試験開始の30分前からです。持ち物は、確認票(印刷できない時は3つの番号の控え)、有効期限内の顔写真付き本人確認書類(原本に限る)、机の上に置けるもの以外を入れるカバンの3点です。本人確認書類には、パスポート、運転免許証、マイナンバーカード(顔写真付き)、在留カード、顔写真付きの学生証などが挙がり、スマートフォンのアプリ上の学生証や社員証は使えません。腕時計を含む時計は試験室へ持ち込めません。

  6. 結果を確かめる。 試験結果は受験終了後にその場で確認できます。合格発表は月ごとで、令和8年10月受験分は11月20日(予定)、合格証書の発送は12月予定です。合格証書は簡易書留で届き、「不合格者には、一切通知しません」と書かれています。

申込内容の変更は試験日の3日前までで、2日前から当日までは理由のいかんにかかわらず変更できません。複数回の試験を同時に申し込むことはできません。開催時間内であれば遅刻による入室制限はありませんが、遅れた分だけ試験終了時刻を繰り下げることはしません。

いま申し込むなら何を確かめるか。選べる試験日は2026年12月27日まで、その後は一時休止の予定

休止は、試験のシステムリプレース(試験システムの入れ替え)のためです。IPAの「CBT方式で実施するITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験及び基本情報技術者試験における2026年5月以降の試験実施について」(公開日2026年3月13日・最終更新日2026年8月3日)は、休止時期の変更を次のように書いています。

「2026年4月27日以降に試験実施を一時休止することを予定していましたが、予定していたシステムリプレースを延期したため、この休止時期を2027年1月以降に延期いたします。」

同じページの表は、休止時期の変更後を「2026年12月28日以降」としていて、本文の「2027年1月以降」と書き方が違います。ほかのページも分かれていて、IPAの「受験申込み ITパスポート試験」は「2026年12月28日以降に試験の休止を予定」、iパスの「受験申込み」のページは「2027年1月以降に試験実施を一時休止することを予定」と書いています。一方、選べる試験日の上限が2026年12月27日だという点は、この案内ページとiパスの受験申込手順・FAQで同じです。案内ページの表は次のとおりです。

受験申込みを行う日 選べる試験開催日
2026年9月27日まで 受験申込みを行う日から3か月先の同日までの試験開催日
2026年9月28日以降 受験申込みを行う日から2026年12月27日までの試験開催日

同じページには「試験会場によっては、2026年12月27日よりも前に試験実施が休止となる場合もあります。」「再開時期は決まり次第ウェブページでお知らせします。」「2027年1月以降の試験実施については、2026年秋頃にウェブページでお知らせいたします。」ともあります。

筆者が10月13日2時台に開いたiパスのトップとIPAの案内ページには、再開日の告知は見つかりませんでした(「再開」の語を文字に当てて探し、見つかったのは申込受付やバウチャーの再開と、上の「決まり次第」の文だけでした)。2時21分に取り直したIPAの案内ページとiパスのトップは2時1分のものと同じ内容で、IPAの新着情報の一覧(10月9日掲載分まで)にも、ITパスポート試験の再開や2027年1月以降の実施を知らせる項目はありませんでした。CBT方式で現行の試験を受けるなら、12月27日までの空席を確かめながら日程を決めることになります。

身体の不自由などでCBT方式で受けられない人向けの筆記の試験(特別措置試験)は別の日程です。IPAの「令和8年度後期 特別措置試験の試験実施日について」は、ITパスポート試験の試験日を2027年3月20日(土曜日)と載せ、申込受付期間は「決まり次第ウェブページに掲載します」としています。

2027年度から新試験制度に変わるのか。IPAは「ITパスポート試験」の内容を変更する予定と書く

IPAの「試験制度の見直しについて」のページを、ログインせずに開いた画面(2026年10月13日2時7分・幅1280px)。「2027年度開始予定 情報処理技術者試験 制度見直しについて」の画像と、「2027年度から新試験制度に移行することを予定しています。」の文が出ている

IPAの「試験制度の見直しについて」は、「2027年度から新試験制度に移行することを予定しています。」と書いています。3月31日公開(4月28日更新)の検討状況のページには、ITパスポート試験について次のことがあります。

  • 区分は「内容変更」で、試験時間は120分、出題数は100問のまま。
  • 見直しのポイント:「出題分野を現在の“ストラテジ系”“マネジメント系”“テクノロジ系”から「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」に再整理。」「DXで求められるマインド・スタンスや、データマネジメントの基礎に関する内容の新規追加。」「AI時代に対応したセキュリティ・倫理の出題を強化。」
  • 開始時期は「2027年度春頃」。「なお、現行試験制度については、2026年度の試験実施をもって終了する予定です。」
  • 新設の「データマネジメント試験」(仮称)は、「ITパスポート試験の次のステップの試験として位置づけ」。

IPAは同じページに「公表内容は現時点での検討状況であり、今後、変更が生じる場合があります」とも書いています。2026年8月31日掲載のサンプル問題は4問で、分野の見出しは「マインド・スタンス分野」「データマネジメント分野」「情報倫理・AI 倫理分野」でした。IPAは、これが実際の試験と同じ作成過程を経たものではないと注記しています。

新試験制度の受験手数料と合格基準は、本記事が開いたIPAの4ページ(見直し、検討状況、サンプル問題、シラバス案)には、メニューの見出し以外に書かれていませんでした。休止の期間と、新制度の開始(2027年度春頃)がどうつながるかを説明した記述も、確認した範囲では見つかりませんでした。

ITパスポートの合格率と受験者数は。令和7年度は受験271,352人・合格132,012人、合格率48.6%

IPAとiパスの統計は、受験申込時のアンケートに基づく情報で、令和8年8月時点(2026年9月28日現在)のものです。年度は4月から翌年3月です。出典は、iパスの統計ページにあるExcelの推移表です。

年度 応募者 受験者 合格者 合格率
令和3年度(2021年度) 244,254 211,145 111,241 52.7%
令和4年度(2022年度) 253,159 231,526 119,495 51.6%
令和5年度(2023年度) 297,864 265,040 133,292 50.3%
令和6年度(2024年度) 309,068 273,905 134,617 49.1%
令和7年度(2025年度) 307,266 271,352 132,012 48.6%
令和8年度(2026年度)4〜8月 104,908 92,634 45,700 49.3%

合格率は合格者を受験者で割った値で、筆者が令和7年度を割ると132,012 ÷ 271,352=48.65%となり、IPAの表の48.6%と合っていました。令和3年度から令和7年度まで、合格率は表のとおり毎年下がっています。理由はIPAの資料に書かれていないので、この記事では書きません。

直近の月は、iパスの「試験結果〔令和8年8月度〕」に内訳があります。

令和8年8月度 応募者 受験者 合格者 合格率
合計 23,077 20,637 9,703 47.0%
社会人 17,081 15,196 7,863 51.7%
学生 5,996 5,441 1,840 33.8%

学生の内訳では、大学が42.2%(受験2,270人)、専門学校が28.1%、高校が24.8%(受験2,144人)でした。令和8年9月・10月受験分の合格発表は10月21日・11月20日(いずれも予定)で、本記事の時点ではまだ出ていません。

生成AIはシラバスにいつ加わったのか。2023年8月7日の発表、Ver.6.2、2024年4月の試験から

iパスの「試験内容・出題範囲」のページを、ログインせずに開いた画面(2026年10月13日2時7分・幅1280px)。試験要綱Ver.5.6(2026年7月6日掲載)、シラバスVer.6.5(2026年1月8日掲載)、2027年度(予定)のシラバス案Ver.0.1(2026年8月31日掲載)が並んでいる

シラバスとは、IPAによると「試験における知識・技能の細目」で、学習の目標と具体的な内容を書いた資料です。iパスの出題範囲のページには、現行の版として、試験要綱Ver.5.6(2026年7月6日掲載。「ITパスポート試験の内容は変更していません」と注記)と、シラバスVer.6.5(2026年1月8日掲載。「『下請法』を削除し、『中小受託取引適正化法』を追加」と注記)が並んでいました。

生成AIが加わった時期は、IPAの発表ページ「ITパスポート試験におけるシラバスの一部改訂について(生成AIに関する項目・用語例の追加など)」(公開日2023年8月7日)に書かれています。

「「ITパスポート試験 シラバス」に、生成AIの仕組み、活用例、留意事項等に関する項目・用語例を追加」

適用時期は「2024年4月の試験から」、版はVer.6.2です。生成AIに関するサンプル問題(3問)は、同じページの更新履歴によると2023年8月31日に公開されました。現行Ver.6.5のPDFにある改訂履歴は次のとおりです(筆者が開いて読みました)。

版 時期 変更点(PDFの改訂履歴)
Ver.6.2 令和5年8月 用語例の追加、用語の見直し・整理(生成AIに関する項目・用語例の追加など)
Ver.6.3・6.4 令和5年12月・令和7年4月 用語例の追加、用語の見直し・整理
Ver.6.5 令和8年1月 用語例の追加、用語の見直し・整理

Ver.6.5のPDFを文字にして検索すると、活用例に「生成 AI の活用(文章の添削・要約,アイディアの提案,科学論文の執筆,プログラミング,画像生成など)」、留意事項の用語例に「ハルシネーション,ディープフェイク,AI サービスのオプトアウトポリシー」、AI技術の用語例に「大規模言語モデル(LLM)」「プロンプトエンジニアリング」がありました。一方、ChatGPT・Gemini・Copilot・Claude・OpenAIという語は、筆者がVer.6.5・Ver.6.2・シラバス案Ver.0.1の3つのPDFを文字にして検索した範囲では、1件も見つかりませんでした。シラバスが挙げるのは、製品名ではなく概念の名前です。

2023年の生成AIサンプル問題の問2は、次の問いです(出典:ITパスポート試験 生成AIに関するサンプル問題)。

「生成 AI が,学習データの誤りや不足などによって,事実とは異なる情報や無関係な情報を,もっともらしい情報として生成する事象を指す用語として,最も適切なものはどれか。」

選択肢はアノテーション、ディープフェイク、バイアス、ハルシネーションで、解答例は「エ」(ハルシネーション)です。生成AIの仕組みは、生成AIとは何かを整理した記事にあります。

2027年度(予定)のシラバス案Ver.0.1(2026年8月31日掲載)では、生成AIが項目として独立しています。PDFの冒頭は「本資料の内容は公表時点の検討状況に基づくものであり,変更する可能性があります。」と断っていて、確定した内容ではありません。載っているのは、「生成 AI 利活用」(RAG による知識連携、プロンプトエンジニアリングなど)、「AI エージェント利活用」(AI エージェント、自律性と人間の関与、ガードレールなど)、「生成 AI 技術」(大規模言語モデル(LLM)、コンテキスト内学習、トークン、検索拡張生成(RAG))です。

基本情報技術者試験・情報セキュリティマネジメント試験との違いは何か

CBT方式で年間を通じて随時受けられるIPAの試験は、ITパスポート(IP)、情報セキュリティマネジメント(SG)、基本情報技術者(FE)の3つです。IPAとCBT-Solutions(SGとFEの申込を受け付ける会社。IPAの申込ページがリンクしている)のページから並べました。

観点 ITパスポート(IP) 情報セキュリティマネジメント(SG) 基本情報技術者(FE)
IPAの対象者像(要旨) ITを利活用する職業人・これから職業人となる者 情報システムの利用部門で、情報セキュリティリーダーとして、情報セキュリティが確保された状況を実現し、維持・改善する者 ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもつ者
試験時間 120分 科目A・Bで120分 科目A 90分、科目B 100分
出題数・形式 100問・四肢択一 60問(科目Aは四肢択一、科目Bは多肢選択) 科目A 60問(四肢択一)、科目B 20問(多肢選択)
合格基準 総合600点以上、かつ分野別各300点以上 総合評価点600点以上 科目A・Bの評価点がそれぞれ600点以上
受験手数料 7,500円(消費税込み) 7,500円(10%消費税込み) 7,500円(10%消費税込み)

再受験について、ITパスポートのFAQは「何回でも受験できます」と書きます。SGとFEは、CBT-Solutionsのページが「受験日として指定が可能な日は、前回の受験日の翌日から起算して30日を超えた日以降です」と書いています。

IPAは基本情報技術者試験のページで「ITエンジニアとしてキャリアをスタートするには、まず基本情報技術者試験から受験することをお勧めします」と書いています。これはITエンジニア志望者に向けたIPAの文です。どれを選ぶかの目安として、筆者は、ITを使う側の基礎ならITパスポート、部門の情報セキュリティ担当ならSG、システムを作る仕事ならFEと分けて考えます(筆者の提案で、IPAの案内ではありません)。

筆者が2026年10月13日に確かめたこと。IPAとiパスのページ、PDF、統計、撮影

筆者は2026年10月13日2時1分から2時21分(日本時間)にかけて、ログインせずに次を確かめました。

  • 2時1分。 IPAの試験区分、受験申込み、スケジュールと手数料、2026年5月以降の試験実施のページをcurlで保存しました。手数料のページは「7,500円(情報処理技術者試験は消費税込み。情報処理安全確保支援士試験は非課税。)」と書いていました。
  • 2時2分。 iパスの受験要領・受験申込手順・試験当日・FAQ・合格発表・試験内容と出題範囲を保存しました。受験手数料は、受験要領と受験申込手順の2か所で「7,500円(消費税込み)」でした。
  • 2時3分。 シラバスVer.6.5・Ver.6.2、試験要綱Ver.5.6、シラバス案Ver.0.1、生成AIのサンプル問題のPDFを保存し、pdftotextで文字にしました。「生成AI」の語を、空白を除いて数えると、Ver.6.5が3回、Ver.6.2が3回、シラバス案Ver.0.1が6回でした。
  • 2時4分。 iパスの統計(試験結果・推移表・評価点分布)を保存し、令和7年度の合格率を割り算で検算しました。
  • 2時7分。 headless Chromium(画面を出さずに動かすブラウザ)で、IPAのITパスポート試験ページ、iパスの「試験内容・出題範囲」、IPAの「試験制度の見直しについて」を、幅1280×高さ800と幅390×高さ844で撮影しました。幅390のスマートフォンの大きさでは、iパスのサイトは画面の幅に合わせて組み替えられず、パソコン用の画面のまま左側だけが見えて右側が切れました。
  • 2時8分・2時12分。 CBT-SolutionsのSGとFEの試験概要ページで、受験手数料と合格基準(SGは「総合評価点が基準点(600点)以上」、FEは「各科目の評価点が基準点(600点)以上」)を確かめました。新試験制度のITパスポート試験サンプル問題(2026年8月31日掲載)は4問で、解答例を確かめました。
  • 2時21分。 休止の告知が変わっていないかを見るため、IPAの「2026年5月以降の試験実施について」とiパスのトップ・受験申込みのページを取り直し、2時1分〜2時2分に保存したものと中身が同じことを確かめました。あわせてIPAの新着情報の一覧と、後期の特別措置試験のページを保存しました。

ログイン後の画面と新制度の細部は、この記事では確かめていない

  • iパスの利用者ID登録、受験申込、確認票ダウンロードの画面は開いていません。6つの手順は、案内ページの記載を読んだものです。
  • 試験会場で実際に受験していません。試験の難しさの体感、勉強時間の目安、会場ごとの違いは扱っていません。
  • シラバスは「生成AI」「ハルシネーション」などの語を検索して該当箇所を読んだもので、全項目の通読ではありません。製品名が出ないという結果も、文字にしたPDFでの検索に限った話です。
  • 新試験制度の受験手数料・合格基準、休止明けの日付は、確認したIPAのページに書かれていませんでした。2027年度春頃の開始も予定で、IPAは変更の可能性を書いています。IPAは2027年1月以降の試験実施を「2026年秋頃」に知らせるとしているため、この記事の確認日(10月13日)より後に案内が出ている場合があります。

本文で名指しした出典と、取得した時刻

本文で名指しした資料は、すべて記事冒頭のsourcesに入れています。取得は2026年10月13日2時1分〜2時21分(日本時間)で、IPAの試験情報と新着情報の一覧、iパスのウェブサイトと統計のPDF・Excel、IPAのシラバスと試験要綱とサンプル問題のPDF、CBT-SolutionsのSGとFEの試験概要ページです。画面の撮影は2時7分で、3ページを幅1280pxと幅390pxで撮りました。

この記事でよく聞かれること

ITパスポートとは何ですか
ITパスポート試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する、ITに関する基礎的な知識を証明する国家試験です。IPAの試験情報ページは「あなたのIT力を証明する国家試験」と書き、対象者像を「職業人及びこれから職業人となる者が備えておくべき、ITに関する共通的な基礎知識をもち…」とします(2026年10月13日取得)。受験資格は、iパスのFAQが「特段ありません」と書いています。
ITパスポートの受験料はいくらですか
7,500円(消費税込み)です。iパスの受験要領とIPAの「スケジュール、手数料など」のページが同じ金額を書き、どちらも2026年10月13日に確認しました。支払い方法はクレジットカード、コンビニ、バウチャーで、コンビニ払いは別に払込手数料187円がかかります。バウチャーの購入申込受付は2026年7月31日で終わっていて、手元のバウチャーで支払うことはできるとiパスは書いています。受領した手数料は理由にかかわらず返還されません。
ITパスポートは何点で合格ですか
総合評価点が600点以上(1,000点満点)で、かつストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の分野別評価点がそれぞれ300点以上(各1,000点満点)であることです(iパス、2026年10月13日取得)。採点はIRT(項目応答理論)に基づくとIPAは書き、素点方式の試験区分とは分けています。試験終了後に画面へ出る結果が基準を満たしても、合格は経済産業大臣の決定後に確定します。
ITパスポートの合格率はどれくらいですか
IPAの統計では、令和7年度(2025年4月〜2026年3月)は受験者271,352人・合格者132,012人で合格率48.6%、令和8年8月度は受験者20,637人・合格者9,703人で47.0%でした(2026年9月28日現在)。令和8年8月度は社会人の合格率が51.7%、学生が33.8%と、受験者の属性で差があります。
ITパスポートは何問・何分で、どこで受けますか
100問(四肢択一)・120分で、試験会場のコンピューターで解答するCBT方式です。全国47都道府県の会場から、午前・午後・夕方の3つの時間帯(会場により異なる)で選べ、通常は年間を通じて随時実施されています(iパス、2026年10月13日取得)。ただし2026年9月28日以降の申込で選べる試験日は2026年12月27日までです。申込はiパスのWebサイトのみで、郵便・電話・FAXでは受け付けていません。
ITパスポートに生成AIは出ますか
シラバスに入っています。IPAは2023年8月7日に、シラバスVer.6.2で生成AIの仕組み・活用例・留意事項などに関する項目・用語例を追加すると発表し、適用時期を2024年4月の試験からとしました。現行のVer.6.5(2026年1月8日掲載)にも「生成AI」「ハルシネーション」「ディープフェイク」などの語が載っています。ChatGPTなどの製品名は、筆者が検索した範囲ではシラバスに出てきません。
ITパスポートはいま申し込めますか。新しい試験制度はいつからですか
申し込めますが、IPAによると2026年9月28日以降の申込で選べる試験日は2026年12月27日までで、その後は試験システムの入れ替えのため試験を一時休止する予定です。休止の始まりは、IPAのページにより「2026年12月28日以降」「2027年1月以降」と書き方が違います。再開時期についてIPAは「決まり次第ウェブページでお知らせします」と書いています。新試験制度のITパスポート試験は「2027年度春頃」の開始予定で、現行制度は2026年度の試験実施をもって終了する予定と、IPAは検討状況として公表しています(いずれも2026年10月13日確認)。
基本情報技術者試験との違いは何ですか
IPAの区分では、ITパスポートはITを利活用する職業人向けで、基本情報技術者はITを活用したサービスやソフトウェアを作る人向けです。ITパスポートは120分・100問、基本情報技術者は科目A(90分・60問)と科目B(100分・20問)で、受験手数料はどちらも7,500円(消費税込み)です(IPAとCBT-Solutionsのページ、2026年10月13日取得)。
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