PFN、沖縄セルラー電話のインターン選考で「タレスカAI面接」の効果検証を発表ES下位1/3・AI面接上位1/3の11人中5人がインターン選考に合格
日刊AIニュース10月27日(火)号:前日のAIのニュース12本を短くまとめました(約8分)›
Preferred Networks(PFN)は2026年9月15日、AI面接サービス「タレスカAI面接」が沖縄セルラー電話の2028年卒夏インターンシップ選考で「書類では見えないポテンシャル」の可視化を確認したと発表した。PFNによると、エントリーシート(ES)評価が下位1/3だった学生から18人がインターン選考に合格し、ES下位1/3ながらAI面接で上位1/3の評価だった11人に絞ると5人が合格した。PFNは9月9日にも、シミックグループ4社がES提出を廃止してAI面接による選考に切り替えると発表している。

目次
本記事は2026年9月25日(日本時間)時点で確認できる内容に基づく。 Preferred Networks(PFN)は2026年9月15日、AI面接サービス「タレスカAI面接」を沖縄セルラー電話株式会社(KDDIの連結子会社)の2028年卒夏インターンシップ選考で使い、選考結果に基づく効果検証を完了したと発表した。PFNによると、エントリーシート(ES)評価が下位1/3だった学生から18人がインターン選考に合格し、ES下位1/3ながらAI面接で上位1/3の評価を得た学生11人のうち5人がインターン選考合格に至った。PFNは9月9日にも、シミックグループ4社の新卒採用選考への導入を発表している。沖縄セルラーはESを残したままAI面接を加え、シミックグループはES提出を廃止してAI面接による選考に切り替えるとしており、選考への組み込み方は2社で異なる。
3行まとめ
- PFNの発表によると、沖縄セルラー電話の2028年卒夏インターン選考では、AI面接を170人が受検して108人が通過(受検率92.4%)し、後段のグループディスカッション(GD)選考を通過した75人がインターン選考合格となった。
- ES評価が下位1/3だった学生からは18人がインターン選考に合格(うち12人はGD評価も中央値以上)。ES下位1/3ながらAI面接で上位1/3の評価だった11人では、9人がGD選考に進み、5人が合格した。
- PFNは9月9日、シミックグループ4社(ES提出を廃止し「トークエントリー選考」を導入)への「タレスカAI面接」採用も発表済み。沖縄セルラーの検証について、PFN担当者はコメントで「今回は1社・初年度の検証」と述べている。
選考ステージ別の通過人数
PFNの発表によると、沖縄セルラーの2028年卒夏インターンシップ選考では、ES・AI面接・GDの各段階でそれぞれ独立した評価が実施された。PFNは、この独立性を活かし、AI面接が書類だけでは見えにくい学生の力をどう捉え、その評価が後段の面接官による対話評価でも認められたかを選考データで確認することを、検証の目的に挙げている。
| 選考ステージ | 通過人数 | 内容 |
|---|---|---|
| ES(エントリーシート)選考 | ― | 書類による一次スクリーニング。通過者にAI面接を案内 |
| AI面接 | 108名(受検170名・受検率92.4%) | 4指標でAIが評価。採用担当者が面接録画データを確認して最終判断 |
| GD(グループディスカッション)選考 | 75名 | AI面接通過者を人(面接官)が独立に評価。通過者はインターン選考合格 |
(数値は個人が特定されない集計・匿名化データ、とPFNは注記している)
表の「AI面接」の行にある通り、AIが4指標で評価した後も、採用担当者が面接の録画データを確認したうえで最終判断する仕組みになっている。6月17日のPFNの導入発表でも、沖縄セルラーは「最終的な合否判断は採用担当者が行うことを前提に」AI面接を補助ツールとして使うとされていた。
書類の順位で沈んだ学生を、AI面接がどう拾ったか
PFNが今回の発表で示した中心的な数字は次の2つの経路だ。
1つ目は、ES評価とGD評価(どちらも人による評価だが、ESは書類、GDは実際の対話・振る舞いを見る)を比較した経路。ES評価が下位1/3だった学生の中から18人がインターン選考に合格し、うち12人はGD評価でも中央値以上を獲得した。書類だけでは見えない力を持つ学生が一定数存在することを示す結果だとPFNは説明している。
2つ目が、AI面接を経由した経路だ。ES評価では下位1/3だったにもかかわらず、AI面接では上位1/3の評価を得た学生が11人いた。このうち9人が後段のGD選考に到達し、5人がインターン選考合格に至っている。PFNはこの結果について、「AI面接の評価が、人による対話評価でも追認されたことは、AI面接が書類では捉えにくい『対話に表れる力』を評価していることを示唆しています」と説明している。
| 経路 | 人数 |
|---|---|
| ES下位1/3からインターン選考合格 | 18名 |
| └ うちGD評価も中央値以上(対話でも高評価) | 12名 |
| ES下位1/3ながらAI面接で上位1/3の評価 | 11名 |
| └ GD選考まで到達 | 9名 |
| └ インターン選考合格 | 5名 |
離島・県外からの通過者と、夜間の受検
PFNの発表によると、沖縄セルラーは24時間・場所を問わず受検できる仕組みにより、離島・県外を含む多様な学生に受検機会を提供した。AI面接通過者108人の出身校数は44校(受検者全体では56校)。県外大学からの通過者はUターン37人、Iターン15人だった(発表にUターン・Iターンの定義は書かれていない。一般には、Uターンは地元出身者が地元に戻ること、Iターンは他地域の出身者が移り住むことを指す)。
AI面接を受検した170人を対象にした任意回答のアンケート(発表本文に回答者数の記載はない)では、「24時間受検の有用性」が5段階評価で平均4.85(9割以上が「5.大変役立った」と回答)、「選考機会の公平さ」が平均4.78だった。回答者の約3割が夜間〜早朝(18:00〜翌6:00)に受検しており、従来の対面面接では対応できない時間帯のニーズを吸収できていることがうかがえる、とPFNは説明している。
沖縄セルラーとPFN、双方の担当者コメント
沖縄セルラー電話株式会社 総合企画本部 人事戦略部 人材開発グループ 新卒採用担当の金城樹人氏はコメントで次のように述べている。
今回のインターンシップ選考では、書類だけでは見極めきれなかった学生の力を『タレスカ AI 面接』が多面的に可視化してくれました。実際の受け答えを評価する AI 面接は、後段のグループディスカッションでの評価と書類以上に一致し、書類では上位に届かなかった学生を拾い上げ、対話の場でも認められて選考合格まで進む例が生まれました。
PFNのAI Products & Solutions事業本部 ビジネス開発マネージャーの井上拓哉氏(「タレスカAI面接」担当)は、検証の位置づけについてこう述べている。
AI面接は、書類では見えない力を本当に捉えられているのか。サービス提供者として最も問われるこの問いに、導入企業様の実際の選考データで向き合った検証となりました。(中略)今回は1社・初年度の検証であり、今後も沖縄セルラー様とともに検証と改善を重ね、候補者と企業の双方にとって納得感のある選考のかたちを広げてまいります。
「今回は1社・初年度の検証」という限定は、サービス提供者であるPFN自身のコメントに含まれている。
6月の導入発表から、9月の2本まで
PFNの説明では、「タレスカAI面接」は、PFNが2025年2月に提供を始めた人材採用支援サービス「タレントスカウター」が前身で、2026年6月に「タレスカ」としてブランドリニューアルされた。AIアバターとの対話を通じて、求職者の潜在能力・コミュニケーション能力・問題解決能力・ビジネス理解力などを評価するとしている。
沖縄セルラーへの導入自体は今回が初報ではない。PFNは2026年6月17日付で、沖縄セルラーが2026年度の新卒採用選考(2028年卒学生対象)に「タレスカAI面接」を試験導入したことを発表していた。9月15日の発表は、その導入発表から約3カ月後に出た、選考結果に基づく効果検証の報告にあたる。
さらにPFNは2026年9月9日、シミックホールディングス株式会社およびグループ会社3社(シミックヘルスケア・インスティテュート、シミックファーマサイエンス、シミックCMO)の計4社が、2028年4月入社の新卒採用選考に「タレスカAI面接」を採用したと発表している。この発表によると、対象4社ではエントリーシート提出を廃止し、AIアバターとの対話形式で選考する「トークエントリー選考」を導入する。
この記事を書くためにPFNのプレスリリース配信履歴(PR TIMESの企業フィード)を遡ったところ、6月17日から9月15日までの約3カ月に「タレスカAI面接」関連の発表が5本あった(6月17日の沖縄セルラー導入、6月19日の「日本HRチャレンジ大賞」受賞、7月13日の「HRアワード2026」入賞、9月9日のシミックグループ導入、9月15日の今回の効果検証)。このうち導入企業の発表は沖縄セルラーとシミックグループの2社分で、ES提出の廃止まで踏み込んだのはシミックグループのほうだ。沖縄セルラーはESを残したまま、その後段にAI面接を加えている。
9人中5人と、108人中75人
ここまでの数字は、いずれも沖縄セルラーの選考プロセスの内部で、ES・AI面接・GDという3つの評価段階を突き合わせたものだ。AI面接で高く評価された学生が後段のGDでも認められた例があることは示されているが、入社後の活躍や長期的な適性との関係は今回の発表の対象に入っていない(2028年卒のインターン選考の段階の数字である)。PFN担当者自身が「今回は1社・初年度の検証」と述べている通り、他社・他年度に同じ結果が出るかは、この発表だけでは判断できない。
発表の数字どうしを割り算すると、別の見え方もある(割合は本記事による計算)。AI面接の通過者108人に対し、GD選考の通過者は75人で約69%。一方、ES下位1/3・AI面接上位1/3の11人のうちGD選考に到達したのは9人で、合格は5人、9人に対して約56%だった。9人という小さな母数なので差の大小は論じられないが、この組がGD全体の通過率を上回ったわけではない。PFNの発表は、この組から合格者が出たこと自体を「追認」と位置づけている。
もう一点、24時間受検の満足度アンケート(4.85/4.78)は、AI面接を受検した170人を対象にした任意回答調査で、回答者数は発表本文に記載がない。任意回答である以上、満足度が高かった層が回答しやすいという偏りの可能性は排除できない。
参照した発表と、そこから読み取れなかった3点
数字の出典は、PFNが2026年9月15日・9月9日・6月17日にPR TIMES経由で配信した3本のプレスリリース。数字はいずれもこの3本の本文に記載された値を転記した。6月19日・7月13日の受賞・入賞の2本は配信履歴の確認に使い、沖縄セルラーの背景はタレスカ公式サイトの導入事例ページで確認した。
①AI面接で使われている「4指標」の具体的な内容、②アンケートの実際の回答者数(170人中何人が回答したか)、③インターン選考のあと、沖縄セルラーの2028年卒の選考でタレスカAI面接がどう使われるか、の3点は、今回参照した3本のプレスリリース本文と公式サイトの沖縄セルラー導入事例ページには記載がなかった。導入事例ページには、金城氏が「沖縄で働くことへの意欲」を大切にしたい評価の観点として挙げたくだりがあるが、4指標の一覧ではない。
出典・参照資料
- 一次資料Preferred Networksの「タレスカAI面接」が沖縄セルラー電話のインターンシップ選考において「書類では見えないポテンシャル」の可視化を確認 — Preferred Networks(PR TIMES・2026年9月15日) ↗
- 一次資料Preferred NetworksのAI面接サービス「タレスカAI面接」、シミックグループ新卒採用選考に採用 — Preferred Networks(PR TIMES・2026年9月9日) ↗
- 一次資料沖縄セルラー電話がPreferred NetworksのAI面接サービス「タレスカAI面接」を新卒採用に導入 — Preferred Networks(PR TIMES・2026年6月17日) ↗
- 一次資料Preferred Networksが提供するAI面接サービス「タレスカAI面接」が「第15回 日本HRチャレンジ大賞」にて「人材サービス優秀賞(採用部門)」を受賞 — Preferred Networks(PR TIMES・2026年6月19日) ↗
- 一次資料Preferred Networksが提供するAI面接サービス「タレスカAI面接」が厚生労働省後援 日本の人事部「HRアワード2026」に入賞 — Preferred Networks(PR TIMES・2026年7月13日) ↗
- 一次資料導入事例:沖縄セルラー電話株式会社 — タレスカ公式サイト(Preferred Networks) ↗
- 一次資料タレスカ(タレントスカウター)公式サイト — Preferred Networks ↗
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