Orkasとは──Claude Code・Codex・Hermesも配下に置き、9体のAIエージェントを1つのチャットで動かす無料のデスクトップアプリ
オープンソースのデスクトップアプリ「Orkas」は、目標を伝えると司令役のAIが手順に分け、同梱の9体の専門エージェントや、手元のClaude Code・Codex・OpenCode・OpenClaw・Hermesに仕事を振り分けると開発元は説明している。MITライセンスで無料、GitHubのスターは10月4日時点で2,150。9月22日版ではホーム画面の入口が刷新され、公開ビルドから会話のサンプリングが取り除かれた。インストーラー版は初回起動時にサインインを求める。

目次
2026年10月4日(日本時間)時点の情報です。オープンソースのデスクトップアプリ「Orkas」が、9月22日に新しい版(v2026.9.22)を公開した。Orkasは、目標を伝えると司令役のAI「Commander」が手順に分け、同梱の専門エージェントや、手元に入っているClaude Code・Codexなどのコーディングエージェントに仕事を振り分ける、と開発元はGitHubのREADMEで説明している。ライセンスはMITで、アプリは無料だ。10月3日、当サイトの記事掲載の窓口に、Orkasの掲載担当者から9月22日版の製品情報が届いた。この記事は、それを入口にして、READMEとリリースノート、公式サイトのセキュリティページを読んで整理したものだ。掲載の対価は受け取っていない。
3行まとめ
- Orkasは、司令役のAIが9体の専門エージェントを動かし、手元のClaude Code・Codex・OpenCode・OpenClaw・Hermesも配下として使えるデスクトップアプリ(README)。MITライセンスで無料、GitHubのスターは10月4日時点で2,150。
- 9月22日版では、ホーム画面の入口が刷新され、AIチームやエージェントの作成、Claude Code・Codexの接続、スキル管理への入口が整理された。公開ビルドから会話のサンプリングと必須ではない分析も取り除かれた(リリースノート)。
- 自分のAPIキーを使えば、払うのはモデル提供元への料金だけ。ただしインストーラー版は初回起動時にサインインを求め、公式の「Orkasモデル」を使うとクレジット課金になる(READMEと公式サイト)。
| 項目 | 内容(出典) |
|---|---|
| 種類 | オープンソースの、複数エージェントを動かすデスクトップアプリ(README) |
| ライセンス・料金 | MIT・アプリは無料。自分のキーなら支払いはモデル提供元だけ。任意の「Orkasモデル」はクレジット制(会員またはクレジットパック)(README) |
| 対応OS | macOS(Apple Silicon・Intel)とWindows 10以降はインストーラーあり。Linux(glibc 2.34以上・x64/arm64)はソースから起動(README) |
| 同梱のエージェント | 9体(DeepResearcher、ContentWriter、PptMaker、ProductDeveloper、OfficeWorker、VideoStudio、ImageStudio、UIDesigner、SeoGeoAgent)。マーケットには計30体(README) |
| 配下で動かせる外部のCLI | Claude Code、Codex、OpenCode、OpenClaw、Hermes-Agent(README) |
| 9月22日版 | v2026.9.22(2026年9月22日公開・GitHubのリリース) |
| GitHub | スター2,150・フォーク88(2026年10月4日にGitHub APIで確認)。リポジトリの作成は2026年4月29日 |
| 新規の特典 | 公式モデル用のボーナス500クレジット(公式サイトのセキュリティページ) |
「チャット1本でAIのチームに仕事を振る」の中身
READMEが最初に挙げる例はこうだ。「上位5社の競合を調べて、まとめて、スライドにして」と頼むと、Commanderが目標を手順に分け、DeepResearcherが出典を集めて確かめ、ContentWriterがレポートを書き、PptMakerがスライドを作る。結果は1つのチャットと共有の計画にまとまり、完成したファイルが手元のディスクに残る、とREADMEは書いている。
設計の説明も公開されている。READMEによると、仕事を振る権限を持つのはCommanderだけで、振り方は3種類ある。
| 振り方 | 利用者にエージェントの返事が見えるか | 結果がCommanderに戻るか |
|---|---|---|
hand_off_to |
見える | 戻らない(エージェントの返事がそのまま答えになる) |
dispatch_to |
見える | 戻る(Commanderが次の手順に進む) |
run_worker |
見えない | 戻る |
READMEは、Commanderが dispatch_to を選ぶ前に「次に何をするか」を具体的に言わなければならず、それが無ければ hand_off_to を選ぶ決まりにしていると説明する。複数のエージェントが話した後に、すでに読んだ内容をもう一度まとめ直して終わる、という無駄を防ぐための決まりだという。
Claude CodeやHermesを配下に置く仕組み
READMEによると、Orkasは自分のエージェントとは別に、5つの外部のCLIエージェントを手元のサブプロセスとして動かせる。コーディング用のClaude Code・Codex・OpenCodeと、個人用エージェントのOpenClaw・Hermes-Agentだ。READMEの比較表は、OpenClawを「メッセージアプリ越しに常駐する1体の個人アシスタント」、Nous ResearchのHermes-Agentを「自分で改善していく個人エージェント」と説明したうえで、どちらもOrkasの「CLIバックエンド」として組み込める、と書き分けている。
当チャンネルは、Nous ResearchのHermes Agentをレンタルサーバー(VPS)上で動かし、AI業界のリーク情報の見張りに使っている。1体のHermesに決まった仕事を任せる使い方をしている立場から読むと、OrkasはHermesの代わりになる道具ではない。Hermesを含む複数のエージェントの上に立って仕事を振る、司令塔の役回りだ。READMEの比較表も、その違いを前提に書かれている。Hermesの設定そのものはHermes AgentにKimi K3をつなぐ記事で、OpenClaw周りの注意点はClaw Orchestratorの記事で扱った。
9月22日版で変わったこと
リリースノートが挙げている変更は次のとおりだ。
- ホーム画面から、リサーチ、事務作業、画像、動画、デザイン、開発、集客、ECの仕事を直接始められるようになった
- AIチームやエージェントの作成、Claude Code・Codexなど手元のコーディングアシスタントの接続、スキルの管理の入口が更新された
- ECの出品・顧客対応・広告・分析向けのエージェントとスキルが同梱された
- 組み込みのツールが、より多くのモデル提供元で動くようになった
修正の項目には、次の一文がある。
"Keep the open build privacy-focused by removing conversation sampling and nonessential analytics, with synchronization checks that prevent them from returning."
(会話のサンプリングと必須ではない分析を取り除いて公開ビルドをプライバシー重視に保ち、それらが戻ってこないよう同期のチェックを入れた)
「取り除いた」という書き方からは、それ以前の公開ビルドには会話のサンプリングが入っていたと読める。9月22日版のリリースノートでこの件に触れているのはこの一文だけで、本記事が確認した範囲では、どの版からどの範囲のデータが対象だったかは分からなかった。
料金とサインイン──「無料」の範囲
READMEによると、アプリはMITライセンスで無料だ。自分のモデルのキーを持ち込めば、払うのはモデル提供元への料金だけで、Orkasは手数料を取らない。キーを管理したくない人向けに、アプリには公式の「Orkasモデル」も入っていて、こちらはOrkasがクレジットで課金する(会員またはクレジットパック)。公式サイトのセキュリティページは、ダウンロードした人に公式モデル用のボーナス500クレジットが付くと書いている。
アカウントについて、READMEのFAQはこう答えている。インストーラーで入れたデスクトップアプリは、初めて起動したときにサインインを求める。GitHubのソースから組み立てた版にはアカウントの仕組みがなく、そのまま起動する。どちらの場合も、モデルのキーは自分のもので、手元に残る。
「ローカルファースト」が守るもの、守らないもの
公式サイトのセキュリティページによると、自分のキーを使う場合、キーはAES-256-GCMで暗号化してから手元の設定ファイルに保存し、クラウド同期の対象から外している。使うときにメモリ上で復号し、手元のマシンから提供元のAPIを直接呼ぶので、キーとモデルとの通信はOrkasのサーバーを通らない。一方で、公式モデルはOrkasが運営するモデルのサービスを通る、と同じページに書かれている。
同じページは、暗号化が守れる範囲も自分で限定している。
"this guards against casual disclosure — a backup that runs OCR, a stray log or crash dump, another app reading the folder, a glance in a text editor — not a forensic attacker holding both your disk and the app."
(これが防ぐのは、うっかり漏れるケースだ。OCRをかけるバックアップ、紛れ込んだログやクラッシュダンプ、フォルダを読む別のアプリ、テキストエディタでちらっと見られる、といった場合である。ディスクとアプリの両方を押さえた、フォレンジックの攻撃者に対するものではない)
ローカルファーストは「完全にオフライン」という意味でもない。READMEは、アプリそのものはオフラインで動くが、モデルの呼び出しにはネットワークが要ると書いている。Ollama や LM Studio のようなローカルのモデルをOpenAI互換の窓口として登録すれば、クラウドなしで動かせる、ともある(LM Studioの使い方はこちらの記事)。
筆者がまだ確かめていないこと
- この記事のために、Orkasをインストールして動かしてはいない。エージェントの性能、使い勝手、出来上がるファイルの質は、すべて開発元の説明に基づいており、当サイトの実測ではない
- GitHubのスター数とフォーク数は、2026年10月4日に確認した時点の数字だ
- 製品情報は、Orkasの掲載担当者から当サイトの窓口に届いたもので、掲載の対価はない。載せるかどうかと中身は、編集部が決めた
実際に動かして確かめてほしい使い方があれば、コメントで教えてほしい。Claude CodeやCodexとの使い分けを試す候補にする。
出典・参照資料
大きいニュースはYouTubeでも解説しています。Xでは新着記事をお知らせしています。
コメント
まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?
AIについて聞きたいことはありますか?
質問箱で無料で受け付けています。回答は公開され、他の方の参考にもなります。
質問箱を見る →