Kimi K3.1 Pro(キミ ケーサンテンイチ プロ)登場公式ベンチ14種目中6種目で1位、Opus 5.5と競りながらAPIは半額。重みは11月4日までに公開
日刊AIニュース10月24日(土)号:前日のAIのニュース9本を短くまとめました(約7分)›
Moonshot AIが2026年10月24日(日本時間)、Kimi K3.1 Proを発表しました。公式ブログの14種目の表では6種目で1位、Terminal-Bench 4.0は65.7%でOpus 5.5(66.4%)と0.7ポイント差です。APIは入力2ドル・出力10ドルで前のK3より3分の1安く、Opus 5.5の半分。重みは11月4日までに公開予定です。

目次
2026年10月24日 午前2時台・日本時間時点の発表内容をまとめた記事です。重みの公開など、続報があり次第この記事を更新します。
Moonshot AI(ムーンショットAI)が、新しいモデル「Kimi K3.1 Pro」と、その2〜3倍の速さで答える「Kimi K3.1 Pro Highspeed」を発表しました。公式ブログに載った14種目のベンチマークの表では、K3.1 Proが6種目で1位、コーディングの代表的な試験Terminal-Bench 4.0は65.7%で、1位のClaude Opus 5.5(66.4%)と0.7ポイント差です。APIの値段は100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルで、前のKimi K3より3分の1安く、Opus 5.5のちょうど半分になりました。重みは11月4日までに公開すると公式は書いています。動画でも解説しました(下の埋め込み)。
- 公式の14種目の表で6種目1位(SWE Marathon 51.7、ツールありのHumanity's Last Exam 70.0など)。Terminal-Bench 4.0は65.7%でOpus 5.5と0.7ポイント差、BenchCADなどでは負け
- APIは入力2ドル・出力10ドル(K3は3ドル・15ドル、Opus 5.5は4ドル・20ドル)。Highspeedは4ドル・20ドル
- 重みは11月4日までに公開予定。前のK3の重みは1.56TBで、手元で動かすにはGPUサーバー1台・最低約4,700万円(販売店の見積りの下限から換算)
何が出て、どこで使えるのか
| 項目 | 内容(出典) |
|---|---|
| モデル | Kimi K3.1 Pro/Kimi K3.1 Pro Highspeed(K3.1 Proの2〜3倍の速さ)(公式ブログ) |
| 位置づけ | K3を土台に、ポストトレーニングの計算量を大幅に増やした版。公式は「3Tクラスで最も高性能なオープンウェイトモデル」と書く(公式ブログ) |
| 文脈 | 100万トークン(1,048,576)(公式ブログ・APIの説明) |
| 考える強さ | 常に思考あり。low/high/max から選ぶ(既定は max)(APIの説明) |
| 使える場所 | Kimi.comとアプリ、Kimi Work(3.1.0以上)、Kimi Code、Kimi API(公式ブログ) |
| 重み | 「by Nov 4, 2026」に公開予定(公式ブログ) |
| APIの条件 | 1ドル以上のチャージで使えるようになる(APIの説明) |
公式ブログによると、何百もの分野をまとめて強化学習するために、学習の仕組みから長い文脈の推論、試験用の環境の品質確認までを作り直し、「全分野で一貫して伸びた」としています。
公式の表で1位だったのは14種目中6種目
公式ブログのベンチマークの図(全モデルを思考の強さ最大で測定)から、K3.1 Proが1位だった種目を抜き出しました。比べている相手は、Claude Opus 5.5、Claude Fable 5.1、GPT-6 Astra、DeepSeek-V4.1-Flash-1017、GLM-5.3です。
| 種目 | K3.1 Pro | 2位 |
|---|---|---|
| SWE Marathon(長い開発) | 51.7 | Opus 5.5 46.3 |
| Agents' Last Exam | 43.2 | Opus 5.5 42.6 |
| OfficeQA Pro v2(財務書類) | 64.4 | Opus 5.5 62.2 |
| Humanity's Last Exam(ツールあり) | 70.0 | Opus 5.5 67.7 |
| GDP.pdf | 34.6 | GPT-6 Astra 34.2 |
| ZeroBench(画像・ツールあり) | 63.0 | Opus 5.5 61.0 |
2位がほとんどOpus 5.5で、K3.1 Proが競っている相手がはっきり分かる並びです。僅差の2位も5種目あり、Terminal-Bench 4.0(Opus 5.5 66.4に対し65.7)、Kimi Code Bench 3.0 Long-horizon(GPT-6 Astra 66.5に対し61.2・社内の試験)、Frontier Finance(Fable 5.1 60.8に対し58.6)、GDPval-AA(Opus 5.5 1866に対し1846)、ChartoGraphy(GPT-6 Astra 91.0に対し90.2)です。
負けている種目
- Terminal-Bench Science 0.1: 38.1で4位。1位のGPT-6 Astraは68.1で、差が大きい種目です
- OSWorld V2.1(パソコン操作): 79.6で3位(Opus 5.5 81.8、Fable 5.1 80.7)
- BenchCAD(ツールあり): 92.7で3位(Opus 5.5 96.2、GPT-6 Astra 95.9)
図の下には「Claude Models may include fallbacks and GPT Models may include cyberguards」(Claudeは一部で別の動作に切り替わった可能性、GPTはサイバー対策が入った可能性がある)という注記があります。どの数字もMoonshot AIが自社で並べたもので、第三者の測定ではありません。
3D・金融・事実の正確さ
公式ブログは、今回伸ばした分野としてコーディング・3D制作・金融の調査を挙げています。
- 3D: BenchCADはツールありで92.7%。ブログによると、MCPの接続がなくても、BlenderやCADのソフトをスクリプトで動かして3Dの部品や場面を作れます。作例にはFreeCADで組んだジェットエンジンの模型などが載っています。kimi.comでは3Dモデルを作って3Dプリント用に書き出せる「3D Make」も始まりました
- 金融: OfficeQA Pro v2は64.4で、ブログは「state-of-the-art」と書いています。社内の試験では、K3と比べて財務モデルづくりが7.2ポイント、根拠つきの調査レポートが11.6ポイント伸び、会社の経営を続ける試験はK3の約4.2倍でした
- 事実の正確さ: 間違えやすい問題を集めた社内の試験(Kimi Hallu Bench Hard)で、主張ごとの誤りの率がK3の23.4%から8.3%に下がったとしています。ただしブログ自身が「普段の使い方での誤りの率ではない」と断っています
人体モデルの歩行を、原因を探して直した作例
ブログで一番具体的なのが、歩行シミュレーターの作例です。骨格の部品296個・筋肉の部品402個からなるオープンソースの人体モデル(human-atlas)を使い、K3.1 Proが167回の作業と420回の見直しで歩き方の制御を直していきました。数秒で倒れていた人体が、左右の足を交互に出して11.2秒歩き続けるところまで来たそうです。
腕の動きが報酬の調整で良くならなかったとき、K3.1 Proは報酬をいじり続けるのではなく、シミュレーターの物理を自分で調べ、肩の筋肉の計算に36か所の誤りを見つけて直してから学習し直した、とブログは書いています。
サイバー攻撃の力は、わざと削ってから公開する
オープンウェイトで出すにあたって、Moonshot AIはサイバー攻撃の能力を調べ、学習データから攻撃に関わる部分を取り除いたと書いています。脆弱性を突く社内の試験(xdev-bench-hard)では、取り除かなかった版が90.5%、公開する版が81.0%でした。それでも「公開から3か月以上たつ最先端の有料モデルより下」だとしています。
First, we aim not to release open weights that would extend the absolute frontier of cyber capability.
(まず、サイバー能力の最先端そのものを押し広げるような重みは公開しない方針だ)
APIの値段はOpus 5.5の半分
| モデル | 入力 | 出力 | キャッシュ読み |
|---|---|---|---|
| Kimi K3.1 Pro | 2ドル | 10ドル | 0.20ドル |
| Kimi K3.1 Pro Highspeed | 4ドル | 20ドル | 0.20ドル |
| Kimi K3(前の版) | 3ドル | 15ドル | 0.30ドル |
| Claude Opus 5.5 | 4ドル | 20ドル | 0.20ドル |
| Claude Sonnet 5.5 | 2ドル | 10ドル | 0.10ドル |
| GPT-6.1 Sol(標準) | 2ドル | 10ドル | 0.10ドル |
100万トークンあたり。Kimiは2026年10月24日、ほかは10月23日に各社の料金ページで確認しました。キャッシュの書き込みはK3.1 Proで5分保持が2ドル、1時間保持が4ドルと別に料金があります。K3.1 Proは、Opus 5.5とほぼ並ぶ点数をOpus 5.5の半分の値段で出す形で、Sonnet 5.5やGPT-6.1 Solとは同じ値段です。
発表の1時間前、Kimi Codeにはもう並んでいた
ここは筆者の観測です。Moonshot AIからは前日に新モデルの案内を受けていて、公開の瞬間を拾えるよう、Kimiの公式ブログやHugging Face、APIの料金ページなど21か所を30秒〜1分おきに見ていました。
- 10月23日18時15分、kimi.aiのブログのメニューに「Kimi K3.1 Pro tech blog」のリンクが一度現れ、その夜のうちに消えました
- 10月24日0時50分すぎ、Kimi Codeのモデル一覧にK3.1 Proが出ているという投稿をX(@notjazii)で見かけ、筆者の環境のKimi Codeを2.3.1に上げてログインし直すと、モデル一覧に
k3.1-proとk3.1-pro-highspeed(どちらも文脈1,048,576)が並びました。一言だけ返させると、K3.1 Proは22秒、Highspeedは8秒で返ってきました - 2時9分4秒に、APIの料金ページに「Kimi K3.1 Pro has launched!」が出ました。公式ブログが開いたのは、その35秒後の2時9分39秒です
前の世代のK3(2026年7月)も、Kimi CodeとAPIに先に出てから公式の発表という順番でした。今回も同じ流れで、発表は前回より約2時間早い時刻でした。
手元で動かすなら:重み1.56TB、GPUサーバー最低約4,700万円
重みが公開されても、個人で動かせる大きさではありません。同じ土台の前の版K3の重みは、Hugging Faceのファイルの合計で1,560,936,091,448バイト(約1.56TB)でした。K3.1 Proのパラメータ数は公式ブログでは「3Tクラス」とだけ書かれていて、正確な数は重みの公開待ちです。
1.56TBを1台に載せられるGPUサーバーは、NVIDIAのB300を8枚積んだもの(メモリ計2.3TB)です。価格は販売店の見積りで30万〜55万ドル、下限の30万ドルを1ドル156.92円で換算すると約4,700万円になります。Kimi K3の公式ブログは、効率よく動かすには「64枚以上のアクセラレータのスーパーノード」を勧めています。
考察:中国の輸出規制案「2兆パラメータの線」と公開の時期
ここからは筆者の考察で、Moonshot AIや中国政府が関係を認めたものではありません。
中国の商務部と科学技術部は10月16日、輸出を禁止・制限する技術の目録の改定案(公告2026年第48号)を出しました。案では、パラメータ2兆以上の大規模モデルの重みなどが「制限」の対象になります。一方で、オープンソースにする場合は自動許可などの簡単な手続きとされ、報道官は「届け出ればすぐ出せる(即报即出)」と説明しています。詳しくは規制案の解説記事にまとめています。
K3.1 Proは3Tクラスなので、この線を越えます。重みの公開予定は11月4日までで、規制案の意見募集が締め切られる11月15日より前です。10月に中国勢が重みを出したDeepSeek-V4.1-Flash-1017(7,632億)とMiniMax M3.1 Flash(2,205億)はどちらも線の下だったので、K3.1 Proは、規制案が出てから線を越える大きさで重みを出す例になる可能性があります。11月4日に予定どおり重みが出るかどうかで、規制案がオープンなモデルにどう影響するのかが一つ見えてきます。
この記事で確かめられなかったこと
- 正確なパラメータ数: 公式ブログは「3T-class」とだけ書いています。K3は2.78兆でした
- ベンチマークの中立性: すべてMoonshot AIが自社で並べた数字です。Claude・GPTは一部の条件が違う可能性があると公式自身が注記しています
- 公式のX投稿: 記事を書いた2時半の時点では、@Kimi_Moonshotの発表の投稿はまだ確認できませんでした
- 重み: 10月24日時点で未公開。Hugging Faceのリポジトリも外からは見えません
出典と確認した時刻
- Kimi公式ブログ「Kimi K3.1 Pro Tech Blog: Advancing Open Intelligence」(2026年10月24日2時9分39秒に公開を確認)
- Kimi APIの料金ページとK3.1 ProのAPIの説明(同2時9分4秒に確認)
- Hugging Face moonshotai/Kimi-K3 のファイル一覧(10月24日確認)
- 各社の料金ページ(Anthropic・OpenAIは10月23日確認)
- GPUサーバーの価格は、販売店の見積りとAmerican Computeの2026年10月の報告。為替は1ドル156.92円(2026年10月23日)
このあと、K3.1 Proをいろいろな作業で試した検証動画も続けて出していきます。試してほしい使い方があれば、動画のコメントで教えてください。
この記事でよく聞かれること
- Kimi K3.1 Proとは何ですか
- Moonshot AIが2026年10月24日(日本時間)に発表した大規模言語モデルです。公式ブログによると、前のKimi K3を土台に学習の仕上げ(ポストトレーニング)の計算量を大幅に増やした版で、同社は「3Tクラスで最も高性能なオープンウェイトモデル」としています。文脈は100万トークンです。
- Kimi K3.1 ProはOpus 5.5より強いですか
- 公式ブログの14種目の表では、K3.1 Proが1位の種目が6つ(SWE Marathon・Agents' Last Exam・OfficeQA Pro v2・ツールありのHumanity's Last Exam・GDP.pdf・ZeroBench)で、Terminal-Bench 4.0はOpus 5.5の66.4%に対して65.7%でした。BenchCADやTerminal-Bench Scienceなど負けている種目もあります。数字はMoonshot AIが自社で並べたものです。
- Kimi K3.1 ProのAPIの料金はいくらですか
- Kimi APIの料金ページ(2026年10月24日確認)では、100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドル・キャッシュ読み0.20ドルです。前のK3(3ドル・15ドル)より3分の1安く、Claude Opus 5.5(4ドル・20ドル)の半分です。2〜3倍速いK3.1 Pro Highspeedは入力4ドル・出力20ドルです。
- Kimi K3.1 Proの重みはいつ公開されますか
- 公式ブログは「The full model weights will be released by Nov 4, 2026」と書いています。2026年10月24日時点ではまだ公開されていません。前のK3は、APIの提供からおよそ11日後に重みが公開されました。
- Kimi K3.1 Proはどこで使えますか
- 公式ブログによると、Kimi.comとKimiのアプリ、Kimi Work、Kimi Code、Kimi APIで発表当日から使えます。Kimi Codeでは /model コマンドでK3.1 Proを選びます。APIのモデル名は kimi-k3.1-pro と kimi-k3.1-pro-highspeed で、利用には1ドル以上のチャージが必要です。
出典・参照資料
この記事の解説動画
YouTubeで見る ↗大きいニュースはYouTubeでも解説しています。Xでは新着記事をお知らせしています。
コメント
まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?
AIについて聞きたいことはありますか?
質問箱で無料で受け付けています。回答は公開され、他の方の参考にもなります。
質問箱を見る →