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DeepSeekがAPIの画像入力に初対応──V4-Flash-Vision-Exp公開、1画像最大384トークンで料金はFlash据え置き

DeepSeekが2026年8月21日、API初の画像入力対応モデルdeepseek-v4-flash-vision-expを公開した(公式Change Log・公式X)。料金はテキスト版V4-Flashと同額で、画像は1枚最大384トークンに圧縮される。公式は視覚系エージェント性能を「Opus-4.8に肉薄」と主張している(自社測定)。

DeepSeekがAPIの画像入力に初対応──V4-Flash-Vision-Exp公開、1画像最大384トークンで料金はFlash据え置き
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目次

2026年8月21日19時(日本時間)時点の情報です。DeepSeekは8月21日、APIプラットフォームで画像入力に対応した実験モデル「deepseek-v4-flash-vision-exp」を公開しました(公式ドキュメントのChange Logと公式Xポスト・同日18時17分)。DeepSeekの画像理解はこれまでチャットアプリ/Web限定で、API経由で画像を送れるモデルが公式ドキュメントに載るのはこれが初めてです(過去のChange Log全項目を筆者確認)。料金はテキスト版V4-Flashと同額に据え置かれています。

・DeepSeekが8月21日、API初の画像対応モデルdeepseek-v4-flash-vision-expを公開(公式Change Log・公式X)。アプリ/Web限定だった画像理解がAPIから使えるようになった ・料金はテキスト版V4-Flashと同額(入力100万トークン0.22ドル〜)。画像は800×800相当に縮小され1枚最大384トークン。同じ1000×1000の画像でClaude(標準ティア)は1,296トークン(両社公式ドキュメントの記載を突合) ・DeepSeekは視覚系エージェント性能を「Opus-4.8に肉薄」と説明(自社測定・第三者検証はまだない)。モデルの重みは執筆時点で未公開

何が出たか

項目 内容(出典: DeepSeek公式ドキュメント)
モデル名 deepseek-v4-flash-vision-exp(実験版)
公開日 2026年8月21日(Change Log記載日・公式Xポストは同日18:17 JST)
提供形態 APIのみ。OpenAI互換 / Anthropic互換 / Responses APIの3形式すべてで画像入力可
ベース テキスト能力はDeepSeek-V4-Flashと同等(公式説明)
コンテキスト 100万トークン / 最大出力38.4万トークン
対応画像 JPEG・PNG・GIF・WebP。1リクエスト最大600枚、1辺8192pxまで
料金 V4-Flashと同額(下の表)
重み公開 執筆時点でHugging Faceのdeepseek-ai名義に該当リポジトリなし(筆者確認)

画像の渡し方は3通りで、base64インライン・外部URL・Files APIのfile_id参照が使えます。制約として、画像を入れられるのはuserメッセージのみで、systemやassistantメッセージに画像を入れると400エラーになります(Vision guideのRestrictions節)。同じくRestrictions節によると、現在APIで画像を受け付けるモデルはこの1つだけです。

公式Xポストによると、同日リリースされたエージェント実行環境「DeepSeek Harness 0.1.1」がこのモデルに標準対応しています。

画像は「1枚最大384トークン」に圧縮される

Vision guideのToken Usage節にトークン化のルールが明記されています。すべての画像は推論前に自動リサイズされ、合計ピクセル数がおおよそ800×800相当になるよう縮小されます。その結果、1画像あたりのトークン数は最大384で頭打ちになります。公式ドキュメントは「2000×2000の画像と5000×5000の画像は同じトークン数を消費する」と説明しています。

この数字を、他社の公式ドキュメントと並べるとこうなります(いずれも各社公式ドキュメントの記載値。2026年8月21日に筆者が原文を確認)。

1000×1000pxの画像1枚 消費入力トークン
deepseek-v4-flash-vision-exp 最大384(800×800相当に縮小・上限値)
Claude(標準ティア) 1,296(Anthropic公式ドキュメントの換算表)

トークン数で3分の1以下、さらに後述の単価差が掛かります。なおDeepSeek側は上限値・Claude側は当該サイズの実値という非対称な比較である点は留意してください。画像を粗くてよい用途には、512×512まで落とすdetail: low指定も用意されています。

料金──テキスト版Flashと完全に同額

Models & Pricingページの記載です(2026年8月16日発効のピーク/オフピーク制)。

100万トークンあたり オフピーク ピーク
入力(キャッシュヒット) $0.007 $0.014
入力(キャッシュミス) $0.22 $0.44
出力 $0.66 $1.32

ピーク時間帯はUTC月曜〜金曜の01:00-04:00と06:00-10:00、日本時間だと平日10-13時と15-19時です(公式ドキュメント注記「Monday through Friday (all other hours are off-peak)」)。それ以外(平日の上記時間帯を外れる時間・土日終日)は半額のオフピーク料金になります。画像トークンは入力トークンとして同じ単価で課金されます(同ページ注記)。

性能──公式は「Opus-4.8に肉薄」と主張

8月21日付のChange Logは次のように説明しています。

On agent benchmarks that require visual understanding, DeepSeek-V4-Flash-Vision-Exp delivers a significant leap over DeepSeek-V4-Flash, bringing its multimodal agent capabilities close to Opus-4.8. (視覚理解を要するエージェントベンチマークでは、V4-Flashから大きく跳躍し、マルチモーダルエージェント能力はOpus-4.8に肉薄する)

公表されたスコアはTerminal Bench 2.1が83.9、DeepSWEが59.3、ZeroBench(Pass@5)が35.0、チャート読解のChartographyが64.3などです。テキスト能力は「V4-Flashと同等」としています。ただしこれらはすべてDeepSeek自身の測定で、脚注によるとDeepSeek Harnessのminimalモード・最大effort設定での値、DSBench系は同社の内部テストセットです。第三者による検証は執筆時点で見当たりません。

経緯──コミュニティは3週間早く「目」を付けていた

  • 4月24日: V4 Preview公開(Pro/Flash、オープンウェイト)
  • 4月29日: チャットアプリに画像認識モードを限定ベータ展開。South China Morning Post報道によると、研究者Chen Deli氏がXで「the little whale can now see(小さなクジラも目が見えるようになった)」と投稿
  • 6月18日: アプリ/WebでVisionが広く利用可能に(当時のX投稿・Hacker Newsスレッドでの第三者観測)
  • 7月31日: V4-Flash-0731公開(オープンウェイト・テキストのみ)
  • 8月13日: V4-Pro GA、DeepSeek Harness公開
  • 8月21日: 本件・API版vision-exp公開

ここでひとつ、筆者が調べていて面白かった点があります。Hugging Faceを検索すると、「DeepSeek-V4-Flash-Vision」を名乗る第三者製モデルが8月2日〜9日に複数投稿されているのです。リポジトリのメタデータには、Moonshot AIのKimi K2.6由来のビジョンエンコーダ「MoonViT」をベースモデルとして組み合わせた旨が記載されています。つまりオープンウェイトのV4-Flashに他社の"目"を移植する改造が、公式リリースの約3週間前にコミュニティで行われていた格好です(これらはDeepSeek公式とは無関係の第三者製で、今回の公式モデルとの技術的関係は不明です)。

また、この記事を書いている時点(公式ポストから約1時間後)で、本件を扱った日本語記事は筆者の検索範囲では見つかりませんでした。英語圏でもHacker Newsに小さなスレッドが立った程度です。

ベンチマークは自社測定で第三者検証はまだない

  • ベンチマークスコアと「Opus-4.8に肉薄」はすべてDeepSeekの自社測定です。第三者検証はまだありません
  • 実験(Exp)版であり、公式も安定性・挙動を保証していません。筆者もまだAPIの実呼び出しは試していません
  • モデルの重みは執筆時点で未公開です(Hugging Faceのdeepseek-ai名義を筆者確認)。公開されるかどうかの公式言及も見当たりません
  • トークン比較の表はDeepSeekが「上限値」、Anthropicが「当該サイズの換算値」という非対称な比較です

重み公開の予定は出典のどこにも書かれていない

記事についての感想・「ここを検証してほしい」はYouTubeのコメントまたはXアカウントまで。もらったフィードバックは次の記事・検証に反映します。

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出典・参照資料

更新・訂正履歴

  • 6件の出典(DeepSeek Change Log・Vision guide・Models & Pricing・公式Xポスト・Anthropic Vision doc・SCMP)をすべて取得し全数値・引用を突合。ベンチマークスコア(Terminal Bench 2.1=83.9、DeepSWE=59.3、ZeroBench Pass@5=35.0、Chartography=64.3)、引用文「bringing its multimodal agent capabilities close to Opus-4.8」、料金表(V4-Flashと同額の$0.007/$0.014/$0.22/$0.44/$0.66/$1.32)、コンテキスト1M/最大出力384K、画像384トークン上限・800×800縮小、Claude標準ティア1,296トークン(Anthropic公式表と一致)、Hugging Faceの第三者製「DeepSeek-V4-Flash-Vision」リポジトリとMoonViT/Kimi-K2.6の記載、SCMPのChen Deli氏の引用はすべて出典と一致し、誤りは見つからなかった。1点補正: 本文でピーク時間帯を『UTC 01:00-04:00と06:00-10:00』とだけ書いていたが、出典のModels & Pricingページの注記は『Peak hours are 01:00 - 04:00 and 06:00 - 10:00 UTC, Monday through Friday (all other hours are off-peak)』と平日限定であることを明記しており、記事にはこの限定が抜けていた(土日は終日オフピークになる)。本文に『月曜〜金曜』『平日』を補って修正した。なお4月24日の『V4 Preview公開(オープンウェイト)』の記述は、DeepSeek公式Change Logの同日エントリには『V4-Pro and V4-Flash』のAPI提供開始としか書かれておらず、『Preview』『オープンウェイト』の語は同エントリにはないため、この部分は今回の出典では確認できていない(誤りとは断定できないが、独立した出典は無い)。

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