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Black Forest Labsのオープン画像生成モデル FLUX.3 Image Klein(フラックス3 イメージ クライン)がDiffusers(ディフューザーズ)で初日から利用可能に枠の座標で配置を指定、蒸留版はH100で1024×1024が1.93秒

執筆:約14分で読めます

Hugging Faceは2026年10月15日、Black Forest Labsのオープンウェイト画像生成モデル「FLUX.3 Image Klein」がDiffusersで初日から動くと発表した。プロンプトにバウンディングボックスを書いて配置を指定でき、蒸留版はH100で1024×1024の生成が1.93秒(Hugging Face測定)。ライセンスは非商用が基本で、商用は年商500万ドル未満などの条件つき。

Black Forest Labsのオープン画像生成モデル FLUX.3 Image Klein(フラックス3 イメージ クライン)がDiffusers(ディフューザーズ)で初日から利用可能に──枠の座標で配置を指定、蒸留版はH100で1024×1024が1.93秒
目次

Hugging Faceは2026年10月15日(現地の日付)、Black Forest Labsのオープンウェイト画像生成モデル「FLUX.3 Image Klein(フラックス3 イメージ クライン)」が、画像生成ライブラリDiffusers(ディフューザーズ)で初日から動くとブログで発表した。1つのモデルで文章からの画像生成と複数の参照画像を使った編集ができ、新機能として、プロンプトにバウンディングボックス(枠の座標)を書いて配置を指定する「レイアウト制御」が加わった。

3行まとめ

  1. FLUX.3 Image Kleinは5.6Bパラメータのオープンウェイト画像生成モデルで、プロンプトと最大10枚の参照画像から1枚を返す。Diffusersは初日から対応(Hugging Face発表)
  2. 蒸留版は16ステップ・CFGなしで、H100でのテキストからの1024×1024が1.93秒(Hugging Face測定)。FP8・NVFP4の量子化版もある
  3. ライセンスはFLUX Kommunity License v.1.0。非商用が基本で、年間総収入500万ドル未満の利用者には出力の商用利用の例外がある

本記事の内容は、日本時間10月16日0時台に公式ページで確認したものです。

何ができるモデルなのか

モデルカードによると、FLUX 3 Image Kleinは文章からの画像生成と画像編集のためのオープンウェイトモデルで、プロンプトと最大10枚の参照画像を受け取り、1枚の画像を返す。文章からの生成、参照画像1枚の編集、複数参照の合成は同じモデルで動く。テキストエンコーダーはQwen3-VL-4B-Instructで、カードは「5.6Bというラベルは画像を作るトランスフォーマーのことで、テキストエンコーダーは別」と書いている。

Hugging Faceのブログが「新しいもの」として挙げるのがレイアウト制御だ。領域ごとにid・bbox・descを持つJSONのリストを説明文の後ろに足し、説明文の中で<id>の形で領域を指す。枠は[y_min, x_min, y_max, x_max]の順で、縦(y)が先、値は0〜1000の目盛り。ブログは「目盛りが正規化されているので、同じ枠がどの画像サイズでも使える」と説明している。

編集では、各領域に参照画像のどこから持ってくるか(src_bbox)と出力のどこに置くか(tgt_bbox)を書く。2つの枠が同じなら、その領域は動かない。ブログの例は、毛糸でできた騎士の人形を左上へ動かし、背景・崖・針・ドラゴン・炎は固定するというものだ。モデルカードは、移動のほかに色の変更、置き換え、削除もプロンプトで指定できるとし、削除ではtgt_bboxをnullにすると書いている。

使い方は2つのチェックポイントで分かれる。

チェックポイント 中身 ステップ数 ガイダンス 用途(モデルカード)
black-forest-labs/flux-3-image-klein 蒸留版 16 なし 生成と編集、セルフホスト。BFL APIの裏のチェックポイント
black-forest-labs/flux-3-image-klein-base ベース(蒸留なし) 50 3.5 ファインチューニング、LoRA学習、研究

ブログは、LoRAの学習スクリプトとして文章からの生成用と画像編集用の2種類(DreamBooth LoRA)がDiffusersに入っていると書いている。学習はベース版で行う(モデルカードも、学習にはベース版を使うよう書いている)。ブログによると、FLUX.3はModular Diffusersのパイプラインとして提供され、パイプラインの部品(ブロック)を取り出したり、自作のブロックを足したりできる。

速さとメモリはどれくらいか

Hugging Faceのブログは、蒸留版(16ステップ)を単体のNVIDIA H100 80GBで、オフロードなし、既定のアテンション実装で測った結果を載せている。ウォームアップ後の3回の平均だ。

作業 出力サイズ 時間 ピークメモリ
文章から画像 1024×1024 1.93秒 23.8GiB
参照画像1枚(1024×1024)からの画像 1024×1024 3.87秒 23.8GiB
レイアウト編集(参照1枚・1360×768) 1360×768 4.10秒 23.8GiB

参照画像を付けると時間はおよそ2倍になる。ブログは理由として、参照画像のトークンが文章・生成中の画像と同じ列に入り、1024×1024の参照は呼び出しごとに4,096トークンを足すためと説明している。

メモリの表は、モデル読み込み後のピークと推論後のピークを分けている。

形式(GPU) 読み込み後(GiB) 推論後(GiB)
nvfp4(RTX6000) 13.4 15.3
fp8r(H100) 14.35 16.27
bf16(H100) 18.80 20.72

小さいGPU向けにはFP8とNVFP4の重みがある。ブログによると、from_single_fileで読み込める。ただし速くなるのは対応GPUだけだ。fp8rは計算能力8.9以上(Ada、Hopper、Blackwell)で高速カーネルが使え、nvfp4はBlackwellでflashinfer-pythonとflashinfer-cubinを同じバージョンにそろえたときに限る。それ以外のGPUでは、重みをステップごとに戻して使うため、メモリは減るが速くはならない、とブログは表に書いている。

モデルカードには別の測定がある。Black Forest Labsのリファレンス実装を使い、B200で1024×1024、プロンプトアップサンプラーなしのピークは、蒸留版でBF16が31GB、FP8が26GB、NVFP4が25GB。ベース版ではそれぞれ31GB、29GB、26GBだ。ブログの表とは測定したGPUも項目も違うので、数字を並べて比べるものではない。

使うには:入手とライセンス

試す手順はブログによると、最新のdiffusersとtransformersを入れ、ModularPipeline.from_pretrained("black-forest-labs/flux-3-image-klein")で読み込む。ブログはHugging Face上のSpaceで試せるとも書いている。

一方、モデルカードの導入手順はpip install git+https://github.com/huggingface/diffusers.gitで、ブログのpip install -U diffusers transformersとは異なる。どちらが今の時点で動くかは、筆者は試していない。

2つのモデルカードは、リポジトリは公開だが、ファイルを見るには連絡先を共有して条件に同意する必要があると表示している(ゲート付き)。

ライセンスについてのモデルカードの記載は次のとおり。

  • ライセンスはFLUX Kommunity License v.1.0。非商用利用に加え、年間総収入(関連会社を含む)が500万米ドル未満の「Qualifying Users」による出力の商用利用が、ライセンスの条件つきで認められる
  • 商用の例外は、商用のファインチューニングや配布を一律に許すものではない
  • 軍事目的、監視、生体認証処理などは対象外の用途に挙がる。他のAIモデルの改善に出力を使うことも、FLUXに似た機能のモデルについては対象外
  • テキストエンコーダーのQwen3-VL-4B-Instructは Apache-2.0

カードは、このカードの記述はライセンスの制限や変更とみなさないとも断っている。使う前にライセンス全文を確認する必要がある。

前のFLUX.2と何が違うのか

Hugging Faceのブログはアーキテクチャの節で、FLUX.2との違いをいくつか挙げている。

  • 2段階のトランスフォーマー: 段階1では文章・生成中の画像・参照画像がそれぞれ自分の重みを持つ5ブロックを通り、互いを見ない。段階2では3つを1本につないで、重みを共有する28ブロックで処理する。FLUX.2のダブルストリームブロックは別々の重みを持つが最初から互いを見られる、とブログは比較している
  • トークンごとのタイムステップ: FLUX.1・FLUX.2では1つのタイムステップの埋め込みが全トークンを調整していた。FLUX.3では、生成中の画像のトークンには現在のタイムステップ、文章と参照画像のトークンには常に0(「きれいな、生成の必要がない」)を使う
  • 4次元の位置情報: 位置を(t, h, w, l)の4軸で表す。参照画像は出力と同じ(h, w)座標を使うので、「参照の同じ場所」という指定がモデルにとって意味を持ち、src_bbox・tgt_bboxによる編集の土台になる、とブログは書く
  • VAEはFLUX.2と同じ構造。テキストエンコーダーはQwen3-VLで、36層のうち8層の隠れ状態を重ねて使う

蒸留版については、ブログが「フローマップ」だと説明している。移動先のタイムステップも与えられるので、16ステップのそれぞれで大きく進めるという。

筆者が公式ページで確認したこと

日本時間10月16日0時26分〜27分に、ブログとモデルカード2つ、Black Forest Labsのプロンプトガイドを順に取得した。モデルカードの「Downloads last month」は、蒸留版が3,241、ベース版が134だった。Diffusersのドキュメントのページ(docs/diffusers/main/en/api/pipelines/flux3)は、同じ時刻に取得するとHTTP 404を返した。ブログの本文には「Docs: FLUX.3 in Diffusers」の項目があるので、ドキュメントの公開が発表より少し遅れている可能性があるが、理由は確認できていない。そのためこの記事ではそのページにはリンクしない。

画質の比較・API料金・日本語対応は今回のページに無かった

  • 品質の比較: 今回取得した公式ページには、他の画像生成モデルとの品質比較やベンチマークの数字は見当たらなかった。速さとメモリの数字はHugging Faceの測定で、生成画像の良し悪しを示すものではない
  • 制約: モデルカードは、生成した文字は不正確になったりゆがんだりすることがあり、短いプロンプトでは平凡な出力になり、枠の外に要素がはみ出す・小さな要素が出ない・指定した領域の外が変わることもある、と限界を書いている
  • 日本での扱い: 今回取得したページに、日本での提供や日本語のプロンプトへの対応についての記載は見当たらなかった。モデルカードの言語表示は English だった
  • APIの料金: モデルカードは蒸留版が「BFL APIでFLUX 3 Image Kleinとして提供されている」と書くが、今回取得したページにはAPIの料金は載っていない
  • 安全対策: モデルカードは、公開前にCSAMとNCIIのリスクを評価・軽減したと書き、詳細はBlack Forest Labsの別の投稿「Capable, Open, and Safe: Combating AI Misuse」を案内している。今回はその投稿を取得していないので、内容は確認していない
  • Black Forest Labs自身の発表ページは今回取得しておらず、本記事の数字はHugging Faceのブログと、Hugging Face上のモデルカードによる。プロンプトガイドの冒頭に「Introducing FLUX 3 Image Klein, open weights」のバナーがあることだけは確認した

参照した4ページ

確認した時刻は日本時間2026年10月16日0時26分〜0時27分。本記事は続報があり次第更新します。

この記事でよく聞かれること

FLUX.3 Image Kleinとは何ですか?
Black Forest Labsのオープンウェイト画像生成モデルです。モデルカードによると、画像を作るトランスフォーマー部分は5.6Bパラメータで、プロンプトと最大10枚の参照画像から1枚の画像を返します。文章からの生成、参照画像1枚の編集、複数参照の合成を同じモデルで行います。Hugging Faceのブログによると、Diffusersで初日から動きます。
FLUX.3 Image Kleinの「レイアウト制御」とは何ですか?
プロンプトの末尾に、領域ごとのid・bbox・descを並べたJSONのリストを足して、どこに何を置くかを指定する機能です。ブログによると、枠は[y_min, x_min, y_max, x_max]の順で0〜1000の正規化された値なので、同じ枠がどの画像サイズでも使えます。モデルカードは、枠は配置と大きさの目安であり、ピクセル単位の厳密なマスクではないと書いています。
FLUX.3 Image Kleinは商用で使えますか?
モデルカードによると、ライセンスはFLUX Kommunity License v.1.0で、非商用利用に加え、年間総収入(関連会社を含む)が500万米ドル未満の「Qualifying Users」には出力の商用利用の例外があります。ただし、商用のファインチューニングや配布を一律に許すものではないとカードは書いています。実際に使う前にライセンス全文の確認が必要です。
FLUX.3 Image Kleinを動かすのにGPUメモリはどれくらい必要ですか?
Hugging Faceのブログの測定では、モデル読み込み後のピークがbf16(H100)で18.80GiB、fp8r(H100)で14.35GiB、nvfp4(RTX6000)で13.4GiBです。蒸留版のエンドツーエンド測定(H100 80GB、オフロードなし)ではピーク23.8GiBでした。モデルカードの別測定(リファレンス実装、B200、1024×1024、プロンプトアップサンプラーなし・蒸留版)ではBF16が31GB、FP8が26GB、NVFP4が25GBです。
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出典・参照資料

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