GPT-6 SolとLunaが公開──API価格は5.6世代から半額の入力2ドル/出力10ドル、公式表ではOpus 5のmaxを上回る
OpenAIが2026年9月23日、GPT-6 SolとGPT-6 Lunaを同時に公開した。API価格はGPT-5.6の各モデルから50%引き下げで、Solが入力2ドル・出力10ドル、Lunaが0.1ドル・0.5ドル(100万トークンあたり)。公式のAutomationBenchではSol(xhigh)が33.2%・1タスク0.27ドルで、Claude Opus 5(max)の26.9%・11.1倍のコストを上回った。提供はChatGPT WorkとCodexから始まり、通常のChatにはまだ来ていない。

目次
OpenAIが2026年9月23日、GPT-6 Sol と GPT-6 Luna を同時に公開しました。API価格はGPT-5.6の同名モデルからどちらも50%引き下げで、Solが入力2ドル・出力10ドル、Lunaが入力0.1ドル・出力0.5ドル(いずれも100万トークンあたり)。提供はChatGPT WorkとCodexから始まっていて、公式ブログは「通常のChatではまだ使えない」と明記しています。本記事は日本時間9月23日午前3時台に、公式ブログとモデルページを直接読んで書いています。動画版はこちら。
- GPT-6 Solは入力2ドル・出力10ドル(GPT-5.6 Solは4ドル・20ドル)、GPT-6 Lunaは0.1ドル・0.5ドル(同0.2ドル・1.2ドル)。OpenAIは「GPT-5.6のプロモーション価格と比べて50%引き下げ」と書いています。
- 公式のAutomationBenchの表では、GPT-6 Sol(xhigh)が33.2%・1タスク0.27ドル。Claude Opus 5(max)は26.9%で、コストはSolの11.1倍と記載されています。
- 安全側の5項目のうち4項目が桁で改善する一方、「警告の回避」はGPT-5.6 Solの68.2%からGPT-6 Solの64.4%と3.8ポイントの変化にとどまっています。
価格表は「5.6のプロモーション価格と比べて」と書かれている
公式ブログに載っている表は次の内容です。
| モデル | 入力 | 出力 | 引き下げ幅 |
|---|---|---|---|
| GPT-6 Sol(対 GPT-5.6 Sol) | 4ドル → 2ドル | 20ドル → 10ドル | 50%安 |
| GPT-6 Luna(対 GPT-5.6 Luna) | 0.20ドル → 0.10ドル | 1.20ドル → 0.50ドル | 50%安 |
いずれも100万トークンあたりです。値下げの理由についてOpenAIは、キャッシュと推論の改善で安く提供できるようになった分を利用者に還元すると書いています。
we're passing those savings directly on to users and customers by reducing API prices for Sol and Luna by 50% compared with their GPT‑5.6 promotional pricing.
(その削減分をそのまま利用者と顧客に還元し、SolとLunaのAPI価格をGPT-5.6のプロモーション価格と比べて50%引き下げます)
ここは読み飛ばしやすいところですが、比較対象は**GPT-5.6の「プロモーション価格」**です。「通常価格から半額になった」とは書かれていません。
モデルページ側の数字も合わせて置いておきます(2026年9月23日時点)。
| GPT-6 Sol | GPT-6 Luna | GPT-6 Astra | |
|---|---|---|---|
| モデルID | gpt-6-sol |
gpt-6-luna |
gpt-6-astra |
| 入力/出力($/100万トークン) | 2/10 | 0.1/0.5 | 10/50 |
| キャッシュ入力/書き込み | 0.2/2.5 | 0.01/0.125 | 1/12.5 |
| コンテキスト | 1,050,000 | 1,050,000 | 1,050,000 |
| 最大出力 | 128,000 | 128,000 | 128,000 |
| 知識カットオフ | 2026年4月20日 | 2026年5月18日 | 2026年4月30日 |
| reasoning.effort | none/low/medium(既定)/high/xhigh/max | 同左 | low/medium/high/xhigh/max |
Lunaのカットオフ(5月18日)がSolやAstraより新しいこと、そしてSolとLunaにはAstraに無いnone(考えずに答える設定)があることが、ドキュメント上の差分です。27万2千トークンを超える入力は入力とキャッシュが2倍・出力が1.5倍、BatchとFlexは50%、Fastモードは2倍、地域指定の処理は10%増しと記載されています。
同じ日に公開されたAnthropicのClaude Opus 5.5は入力4ドル・出力20ドルなので、GPT-6 Solはちょうど半分の額に並びました(Opus 5.5の記事はこちら)。
AutomationBenchの表は、点数よりコストの倍率のほうが差が大きい
AutomationBenchは、営業・マーケティング・運用・サポート・財務・人事の6分野で、47個のツールを使う業務を端から端まで解かせる評価だとOpenAIは説明しています。公式が出した表は以下です。
| モデル(effort) | スコア | 1タスクあたりのコスト |
|---|---|---|
| GPT-6 Sol(xhigh) | 33.2% | 0.27ドル |
| GPT-6 Astra(low) | 30.3% | Solの3.9倍 |
| Claude Opus 5(max) | 26.9% | Solの11.1倍 |
| Claude Fable 5.1+Opus 5フォールバック(max) | 31.4% | Solの8.9倍超(フォールバック費用は未計上) |
OpenAIはこの結果を「Opus 5のmaxを上回り、コストはOpus 5の9%」と書いています。GPT-6 Lunaについては、highの設定で前世代より5.4ポイント上がり、1タスクのコストは**58%**下がったとしています。
表の最終行には注意が要ります。Claude Fable 5.1の行はOpus 5への切り替えにかかった費用が計上されていません。OpenAIは約40%のタスクで切り替えが発生したと注記しているので、実際のコストは表の数字より高くなります。「8.9倍超」の「超」はそういう意味です。
僅差で届かない代わりに桁を下げる、という出し方をしている
コーディングと長時間タスクの結果は、いずれも「トップは取っていないがコストが大きく違う」という形で書かれています。
- Agents' Last Exam(55の業種にまたがる長時間の実務タスク):GPT-6 Sol(max)が56.4%。OpenAIは、この評価でのClaude Opus 5の最高スコアを上回り、1タスクのコストは60%低いとしています。
- DeepSWE 1.1(実際のコードベースでの長時間の開発作業):GPT-6 Sol(max)が68.8%。Claude Fable 5の同評価での最高は**69.9%(xhigh)で、差は1.1ポイント、コストは約80%低いと記載されています。GPT-6 Luna(max)は66.6%**で、Claude Opus 5とFable 5のmedium設定と同程度、コストはOpus 5比93%・Fable 5比96%低いとしています。
- OSWorld 2.0(オフラインセット):GPT-6 Sol(xhigh)が60.5%、Claude Opus 5(medium)が60.3%。差は0.2ポイントで、コストは約80%低いという書き方です。コンピュータ操作については「最良なのは引き続きGPT-6 Astra」と明記されています。
- FrontierCode 1.1 Main:GPT-5.6 Solから大きく改善し、Claude Fable 5.1のxhighに並ぶ水準を低いコストで出しているとされています。ここは公式本文に具体的な数値がなく、図のみです。
DeepSWEの比較相手が「Fable 5.1」ではなく「Fable 5」である点は、公式の但し書きに理由が書かれています。Claude Fable 5.1のスコアが手に入らなかった項目には、Claude Fable 5の値を使ったとのことです。同じ表の中で世代が混ざるので、読むときに引っかかりやすいところです。
事実の誤りは「約半分」、ただし評価に使った会話は普通の会話ではない
事実の正確さについて、OpenAIはGPT-6 Solが前世代の約半分の誤りに減り、はるかに低いコストでGPT-6 Astraの信頼性に近づいたとしています。GPT-6 Lunaは、効率を上げた設定でGPT-5.6 Solと同水準を約100分の1のコストで出すと書かれています。
この評価の作り方には条件が付いています。使われているのは、利用者が過去に「事実の誤り」を指摘した会話を匿名化したものです。OpenAIは「これらの誤りを誘発する会話は、典型的な利用を代表するものではない」と明記しています。回答の長さによる補正はしていないものの、長さを振った検証ではほとんど依存が見られなかった、とも書かれています。
安全側の5項目は、4つが桁で改善し、1つだけ動いていない
公式ブログのアライメント評価は5項目で、いずれも数値が低いほど良い指標です。図に記載された値を並べます。
| 項目 | GPT-6 Astra | GPT-6 Sol | GPT-5.6 Sol | GPT-6 Luna | GPT-5.6 Luna |
|---|---|---|---|---|---|
| コーディングでの欺き | 0.5% | 1.3% | 10.4% | 2.8% | 9.5% |
| 壊れた検索ツールを使ったことを伝えない | 1.5% | 4.9% | 77.5% | 28.7% | 78.3% |
| レビューの回避を試みる | 0.0% | 0.0% | 7.3% | 0.3% | 4.3% |
| 警告の回避を試みる | 17.4% | 64.4% | 68.2% | 42.4% | 76.5% |
| 許可のない操作 | 0.0% | 11.3% | 51.9% | 0.0% | 計測なし |
前世代からの動きが大きいのは上の3項目と最下段で、「壊れた検索ツールを使ったことを伝えない」は77.5%から4.9%、「許可のない操作」は51.9%から11.3%に下がっています。
一方で**「警告の回避」だけは68.2%から64.4%と3.8ポイントの変化**にとどまり、GPT-6 Astraの17.4%とは開いたままです。OpenAIはこれらの評価について、意図的に難しい状況を試したもので通常利用での失敗率ではないと注記し、詳細はシステムカードにあるとしています。
今日から使えるのはChatGPT WorkとCodex、通常のChatはまだ
提供状況は公式ブログのAvailability節に書かれています。
GPT‑6 Sol and GPT‑6 Luna are available in ChatGPT Work and Codex starting today for all Plus, Pro, Business, Enterprise, and Edu users. Free and Go users can access GPT‑6 Luna in the desktop app. These models are not yet available in Chat.
(GPT-6 SolとGPT-6 Lunaは、本日よりChatGPT WorkとCodexで、Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduのすべての利用者が使えます。FreeとGoの利用者はデスクトップアプリでGPT-6 Lunaを使えます。これらのモデルはChatではまだ使えません)
ChatGPTへは1日かけて順次展開する予定で、見当たらない場合は後でもう一度試してほしい、とも書かれています。APIではgpt-6-solとgpt-6-lunaとして提供されています。
キャッシュ側の変更も同時に入りました。キャッシュから読んだ入力トークンは90%引きになり、reasoning effortを変えたり、ツールを有効・無効にしてもキャッシュが維持されるようになったとのことです。GitHubからの報告として、ここ数か月でプロンプトトークンのうち新規処理が必要な割合が50%以上減ったという数字も紹介されています。
公開の瞬間、ドキュメントとブログには時間差があった
ここは筆者自身の観測です。公式ドキュメントの更新を検知する監視スクリプトを回していたのですが、日本時間2026年9月23日2時58分14秒にdevelopers.openai.com/api/docs/models/gpt-6-sol.mdが404から200に変わりました。その時点でモデルページには価格もコンテキストも揃っていましたが、公式ブログopenai.com/index/introducing-gpt-6-sol-and-luna/はまだ立っておらず、OpenAI公式Xの告知もありませんでした。ブログが読める状態になったのは3時5分頃です。
その4分前の2時54分には、Codexのモデル選択にGPT-6 Lunaだけが先に現れ、GPT-6 Solはまだ一覧にありませんでした(筆者の環境の画面)。クライアント側のフラグ、公式ドキュメント、公式ブログの順に見えるようになった形です。同じ順序は9月3日のGPT-6 Astraのときにも起きていました。
もう1つ実務的な話として、openai.comのHTMLはUser-AgentやAcceptを揃えてもcurlに403を返します(本記事の執筆時に確認)。ブログ本文はブラウザから読むしかなく、一方でdevelopers.openai.comのドキュメントは末尾に.mdを付けると素のMarkdownが200で返ります。速報で本文を取りに行くなら、この2つは経路を分けたほうが早いです。
なお、OpenRouterのモデル一覧には3時11分の時点でgpt-6-solもgpt-6-lunaも登録されていませんでした(gpt-6-astra系のみ)。
確かめていないこと
- システムカードは読んでいません。 本記事のアライメントの数値は、公式ブログに掲載された図のラベルを読み取ったものです。
- パラメータ数と学習データの内容は、本記事が参照した公式ブログとモデルページの範囲では記載が見つかりませんでした。
- 通常のChatへの提供日は、同じ範囲では日付が書かれていません。「1日かけて順次」とあるのみです。
- 筆者自身の環境でGPT-6 SolとLunaを動かしての検証はまだです。本記事は公開当日に公式資料だけで書いています。使ってみた結果は別途出します。
- ベンチマークの数値はすべてOpenAIの自社発表です。OpenAI自身が、競合モデルのスコアは公開されている報告から取ったものであること、評価は研究環境かAPI上で行っており実際のChatGPTとは出力が異なる場合があることを注記しています。
出典
- Introducing GPT-6 Sol and Luna(OpenAI公式ブログ・2026年9月23日): https://openai.com/index/introducing-gpt-6-sol-and-luna/
- GPT-6 Sol モデルページ(OpenAI公式ドキュメント): https://developers.openai.com/api/docs/models/gpt-6-sol
- GPT-6 Luna モデルページ(OpenAI公式ドキュメント): https://developers.openai.com/api/docs/models/gpt-6-luna
- GPT-6 Astra モデルページ(比較に使用): https://developers.openai.com/api/docs/models/gpt-6-astra
- OpenAI API 料金ページ: https://developers.openai.com/api/docs/pricing
- Claude Opus 5.5 モデルページ(価格比較に使用・Anthropic公式): https://platform.claude.com/docs/en/models/opus-5-5/overview
本記事の数値は2026年9月23日午前3時台(日本時間)に各ページを直接開いて確認したものです。提供状況と価格は変わる可能性があるため、続報があり次第このページを更新します。
動画版では、公式の図13枚をそのまま使って同じ内容を14分で解説しています: https://youtu.be/fl42jHc7Ewc
気になった数値や、実際に使ってみた感触があればコメントで教えてください。後日、Claude Opus 5.5とGPT-6シリーズを並べて比較する記事と動画を出す予定です。
出典・参照資料
この記事の解説動画
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