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自然言語処理(NLP)とは人が日常で使う言葉(日本語・英語など)をコンピューターに処理させる技術。自然言語とは何か、LLMとの関係、できること、難しい理由を、辞書・学会・各社の説明と手元の実験で【2026年10月版】

執筆:約25分で読めます

自然言語処理(NLP、エヌエルピー)とは、日本語や英語のように人間が日常で使っている言葉(自然言語)を、コンピューターに処理させる技術の分野のこと。かな漢字変換、機械翻訳、検索、チャットAIの下支えまで含まれる。LLM(大規模言語モデル)は、この分野の課題を解く方法の一つ(本記事の整理)。デジタル大辞泉・ブリタニカ、言語処理学会、情報処理学会NL研、IBM・AWS・Google Cloudの説明を2026年10月8日に開き、形態素解析ライブラリJanomeで日本語を区切る実験もした。

自然言語処理(NLP)とは──人が日常で使う言葉(日本語・英語など)をコンピューターに処理させる技術。自然言語とは何か、LLMとの関係、できること、難しい理由を、辞書・学会・各社の説明と手元の実験で【2026年10月版】
目次

2026年10月8日・日本時間時点の情報です。 自然言語処理(NLP、エヌエルピー)とは、日本語や英語のように人間が日常で使っている言葉(自然言語)を、コンピューターに処理させる技術の分野のことです。無料か有料かという話ではなく、かな漢字変換や機械翻訳から、ChatGPTのようなチャットAIの下支えまでを含む、学問と技術の名前です。LLM(大規模言語モデル)はこの分野の課題を解く方法の一つで、同じものではありません(この位置づけは本記事の整理です。IBMの解説も、LLMをNLPの手法の一つの型として並べています)。

3行まとめ

  • 自然言語は、日本語・英語のように社会で自然に生まれて使われてきた言葉。デジタル大辞泉は「⇔人工言語」と書き、Wikipediaはプログラミング言語を反対側(人工言語・形式言語)に入れる。
  • **自然言語処理(NLP)**は、その言葉をコンピューターに処理させる技術分野。言語処理学会は1994年4月1日設立で、学会誌(原則年4回)と年次大会(年1回)を続けている。
  • LLMは、NLPの課題(翻訳・要約・質問応答など)を解く方法の一つ(本記事の整理)。2026年3月の言語処理学会の年次大会(NLP2026)のテーマセッションの趣旨は「自然言語処理は大規模言語モデル(LLM)により急速に普及・発展した」と書き出す。

この記事では、辞書と学会、クラウド各社の説明を2026年10月8日に開き直して、言葉の意味を区別します。さらに筆者が手元で日本語を単語に区切る実験をして、なぜ難しいのかを確かめました。LLMそのものの説明はLLMとは、機械学習の基礎は機械学習とはに任せ、ここでは重ねません。

「自然言語」とは何か:人工言語と対になる言葉

「自然言語」の「自然」は、「自然な話し方」や「自然な文章」の意味ではありません。国語辞典と百科事典の定義を、コトバンク(2026年10月8日5時15分に取得)で読みました。

  • デジタル大辞泉:「社会において自然に発生して用いられている言語。⇔人工言語。」
  • 精選版 日本国語大辞典:「社会において自然に発生し、自然に用いられている言語。⇔人工言語・形式言語。」
  • ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典:「狭い意味では,人工語に対して,既存の,民族に固有の言語をいう。自然語ともいう。もっと広い意味では,人工国際語まで含めて人間の言語をさすのに用い,コンピュータのための機械言語に対立させる。」

どの辞典も、反対側に置くのは「人工言語」(辞書によっては形式言語、機械言語)です。Wikipediaの「自然言語」の項も、言語学・論理学・計算機科学の専門用語で、「英語」「中国語」「日本語」といった「○○語」の総称、対義語は人工言語・形式言語、すなわちプログラミング言語や論理式、と説明します。ただし筆者が開いた時点でこの項には「出典が全く示されていないか、不十分です」という注意書きがあったので、定義の根拠は上の辞典のほうに置きます。

つまり、PythonやJavaScriptのようなプログラミング言語は、書き方の規則が厳密に決まった人工言語です。日本語は規則に曖昧さが残り、話し手が状況で解釈を変えながら通じ合う自然言語です(Wikipediaの「自然言語」の項の説明を要約)。エスペラントのような「人が作った言葉」は、辞書によって扱いが分かれます。ブリタニカは広い意味では人工国際語まで含めると書き、Wikipediaは「人工言語」の分類が多義的だと書いています。

自然言語処理(NLP)とは何か:出どころ別の言い方

同じ言葉を、出どころごとに並べます。(取得は2026年10月8日5時15分〜16分)

出どころ 言い方(原文)
Wikipedia 「人間が日常的に使っている自然言語をコンピュータに処理させる一連の技術であり、人工知能と言語学の一分野」
IBM 「コンピューター・サイエンスと人工知能(AI)のサブフィールドで、機械学習を使用してコンピューターが人間の言語を理解してコミュニケーションできるようにします」
AWS 「コンピュータが人間の言語を解釈、操作、理解できるようにするテクノロジー」
Google Cloud 「AI のブランチである NLP(自然言語処理)は、機械学習を使用してテキストとデータを処理し、解釈します。」
情報処理学会 NL研 研究分野として「計算機を用いた言語処理に関わる諸技術(形態素解析、統語解析、意味解析、談話解析、自然言語生成、対話、言語知識表現・獲得、機械翻訳、その他言語解析の応用)」と、そのための言語資源(言語資料・統計、辞書、文法等)を挙げる

IBM・AWS・Google Cloudは企業の説明で、読者向けの製品紹介を兼ねるページです。学会の側からは、情報処理学会の自然言語処理研究会(NL研)が、上の括弧の中身を研究分野として並べています。計算機に言葉を処理させる、という中心は、どの出どころでも同じです。

言語処理学会(The Association for Natural Language Processing)は、トップページに「わが国の言語処理の研究成果発表の場として,また国際的な研究交流の場として,1994年4月1日に設立されました」と書き、2015年4月1日から一般社団法人になったとも記します。学会誌の名前も「自然言語処理」で、2026年9月15日に33巻3号が出ていました。

「理解」と「処理」は別の言葉か

Wikipediaの「自然言語処理」の項は、自然言語を「理解」させる「自然言語理解」と「処理」の違いについて、以前は意味を扱うかどうかの差という説があったが、統計や確率などの手法が広まって意味合いは違ってきた、と書いています。Google Cloudは、自然言語理解(NLU)を「NLP のサブトピック」とし、文章が何を意味するかを理解するために使うと説明します。

どちらの言い方も、初心者が最初に覚える範囲では、NLPは言葉を扱う技術全体、NLUはそのうち意味の理解にあたる部分と読んでおけば足ります(筆者の整理。専門家の間で境目の考え方が動いてきたことは、Wikipediaも書いています)。

自然言語処理で何ができるのか:身近な例

Wikipediaは応用技術として、自動要約生成、情報抽出、情報検索・検索エンジン、機械翻訳・翻訳ソフト、固有表現抽出、自然言語生成、光学文字認識、質問応答システム、音声認識、音声合成、校正・スペルチェッカ、かな漢字変換などを挙げます。「応用例としては機械翻訳や仮名漢字変換が挙げられる」とも書きます。

AWSは、企業がNLPを使う業務として、大きな文書の処理・分析・アーカイブ、顧客のフィードバックやコールセンターの録音の分析、チャットボットによる自動カスタマーサービス、質問への回答、テキストの分類と抽出を挙げています。IBMも、検索エンジンの原動力、顧客サービスのチャットボット、音声コマンドで動くGPS、スマートフォンの質問応答型デジタル・アシスタントなどを例に挙げます。

読者の手元で言い換えると、次のような場面です。(出どころは上の各社・Wikipediaの列挙に沿った、筆者の言い換えです)

  • スマホでローマ字を打つと漢字かな交じりの文に直る(かな漢字変換)
  • 外国語のページを日本語で読む(機械翻訳)
  • 言葉で調べると関係するページが出る(検索)
  • 質問を書くと文章で答えが返る(チャットボット・質問応答)
  • 長い文章を短くまとめてもらう(要約)

AI全般の中での位置づけについて、国のAI事業者ガイドライン(第1.2版・総務省掲載PDF)は「2000年代以降、ディープラーニング等による「画像認識」、「自然言語処理(翻訳等)」、「音声認識」が活用されるようになり」と書いています。自然言語処理は、画像認識・音声認識と並べて、AIが実用になった分野の一つとして書かれています。

自然言語処理とLLMは何が違うのか:分野と方法

LLMの意味はLLMとはに書いたので、ここでは関係だけを整理します。

自然言語処理は、解きたい課題と技術を含む分野の名前。LLMは、その課題を解くために作られたモデルの種類。これは本記事の整理です。出どころを3つ挙げます。

  1. GPT-3の論文(arXiv:2005.14165・2020年5月28日提出)の要旨は、大量の文章での事前学習について「many NLP tasks and benchmarks」(訳:多くのNLPの課題とベンチマーク)で大きな向上が示されてきた、と書き出します。NLPを課題の集まりとして扱い、そこで使うモデルの話をしています。
  2. 言語処理学会の第32回年次大会(NLP2026・2026年3月9日〜13日)の公式サイトに載ったテーマセッション「大規模言語モデル時代の数式NLP」の趣旨は、「自然言語処理は大規模言語モデル(LLM)により急速に普及・発展した一方で」と書き出し、数式はまだ十分に扱えていないと続けます。セッションを提案した研究者たちの文で、学会としての定義文ではありませんが、LLMによって自然言語処理が広まり発展した、と分野の研究者が書いている例です。
  3. IBMは、NLPの3つのアプローチ(ルールベース・統計的・ディープラーニング)を挙げ、ディープラーニングNLPの下位分類の一つに、トランスフォーマー・モデルのうち次の単語を予測するように訓練された「自己回帰モデル」を置いています。その例として挙げるのがGPT、Llama、Claude、Mistralです。LLMがNLPの技術の中の一つの型として説明されています。

言葉の関係を表にします。

言葉 指すもの 例
自然言語 人間が日常で使う言葉そのもの 日本語、英語
自然言語処理(NLP) その言葉をコンピューターに処理させる技術分野 かな漢字変換、機械翻訳、検索
LLM(大規模言語モデル) NLPの課題を解く方法のうち、大量の文章で学習した大きなモデル ChatGPT・Claudeの中身

ChatGPTのようなサービスの区別は生成AIとはに、AIという言葉全体はAIとは何の略かにあります。

昔の自然言語処理と、いまのものは同じか

Wikipediaの「自然言語処理」の項は、1960年ごろ(コンピューターの登場初期)に自然言語処理へ過剰な期待があり、SHRDLUなどの初期のシステムが世界を限定して成功したため行き過ぎた楽観主義に陥ったが、現実の曖昧さや複雑さが分かると期待は基本的になくなった、と書いています。同じ項は、現在の言語AI技術について、多次元のベクトルから単語や文書の意味の近さを相互関係から推定しているもので、「AIの言語理解」は「人間の言語理解」とは根本的に別物だ、とも書きます(この箇所は別の文献を脚注にしている記述)。

いつ何が変わったのか:年表

日付は、arXivは最初の版の提出日、OpenAIは発表ページに載っている日付(米国の日付)、そのほかは各ページの記述です。上の節の「1960年ごろ」の話はWikipediaの記述しか確かめられなかったので、この表には入れていません。

年 何が 出どころ
1994年4月1日 言語処理学会が設立される 言語処理学会トップページ
2013年1月16日 Googleの研究者4人(Tomas Mikolov氏ら)が、単語を数の並び(ベクトル)で表す手法の論文を提出。2013年9月7日の改訂版は、計算用のコードを「https://code.google.com/p/word2vec/」で公開したと書く。この公開先の名前が word2vec(Word2vec) arXiv:1301.3781(論文PDFの第3版)
2017年6月12日 論文「Attention Is All You Need」が提出される。要旨は、注意機構だけに基づく新しい構造「Transformer」を提案し、2つの機械翻訳の課題で品質が優れていたと書く arXiv:1706.03762
2018年10月11日 論文BERTが提出される。要旨は、ラベルの無い文章から双方向の表現を事前学習し、質問応答や言語推論など幅広い課題に使えると書く arXiv:1810.04805
2019年2月14日 OpenAIがGPT-2を発表。発表文は、インターネット上の40GBの文章で次の単語を予測するだけで学習し、課題ごとの学習なしに読解・機械翻訳・質問応答・要約を初歩的にこなすと書く OpenAI「Better language models and their implications」
2020年5月28日 GPT-3の論文が提出される。要旨は、言語モデルを大きくすると、少ない例だけで課題をこなす性能が大きく上がると書く arXiv:2005.14165
2022年11月30日 OpenAIがChatGPTを公開。発表文は、会話の形でやりとりするように学習させたモデルと書く OpenAI「Introducing ChatGPT」
2026年3月 言語処理学会の第32回年次大会(NLP2026)。テーマセッションの趣旨に「自然言語処理は大規模言語モデル(LLM)により急速に普及・発展した」とある 言語処理学会 NLP2026 公式サイト

Transformerの中身はTransformerとはに、言葉をAIが読む単位はトークンとはにあります。

筆者が日本語を単語に区切らせてみた:なぜ難しいのか

ここからは筆者が自分の手で動かした実験です。2026年10月8日5時16分、Pythonの仮想環境にJanome(日本語の形態素解析ライブラリ)0.5.0を入れて実行しました。形態素解析は、文を意味のある小さな単位に区切り、品詞を付ける処理です(筆者の説明)。Wikipediaは、中国語・日本語・タイ語は単語の間を空けて書かないので、「単語の区切りを特定するのにテキストの解析が必要となり、それは非常に複雑な作業となる」と書いています。

手順は次のとおりです。Pythonが入っていればアカウントも料金も要りません。

  1. ターミナルで python3 -m venv venv を実行する(作業用の入れ物を作る)
  2. ./venv/bin/pip install janome を実行する
  3. 次のように書いたファイルを ./venv/bin/python で動かす
from janome.tokenizer import Tokenizer
t = Tokenizer()
for k in t.tokenize("外国人参政権"):
    print(k.surface, k.part_of_speech.split(",")[0])

結果は次の表のとおりです(出力の全文は筆者の作業フォルダに保存)。

入力した文 Janomeの区切り(品詞)
自然言語処理とは人間の言葉をコンピュータに処理させる技術です 自然(名詞)/言語(名詞)/処理(名詞)/と(助詞)/は(助詞)/人間(名詞)/の(助詞)/言葉(名詞)/を(助詞)/コンピュータ(名詞)/に(助詞)/処理(名詞)/さ(動詞)/せる(動詞)/技術(名詞)/です(助動詞)
すもももももももものうち すもも/も/もも/も/もも/の/うち
ここではきものをぬいでください ここ/で/は/きもの/を/ぬい/で/ください
ここで履物を脱いでください ここ/で/履物/を/脱い/で/ください
外国人参政権 外国/人参/政権

読み取れたことは3つです。

  • 普通の文はほぼ正しく区切れる。 1行目と2行目は、人間が読む区切りと同じに見えました(筆者が目で見て判断)。
  • ひらがなだけの文は、区切り方が複数ある。 「ここではきものをぬいでください」は、「ここで/はきもの」とも読めますが、Janomeは「は/きもの」の形で1通りだけ返しました。漢字まじりに直すと「履物」と1語で出ます。
  • もっともらしい誤りも出る。 「外国人参政権」は、「外国人/参政権」と読むのが普通ですが、Janomeは「外国/人参/政権」と、野菜の「人参」を取り出しました。

Janomeは、パッケージの説明によるとMeCab-IPADICという辞書と、その統計的なモデルを使って区切る道具で、LLMとは仕組みが違います。この結果をもって「自然言語処理の精度」は語れません。確かめられたのは、同じ字の並びが複数の読み方を持ち、道具はその一つを選んで返す、ということだけです。

Wikipediaの「自然言語処理」の項は、同じ難しさの例として英語の「We gave the monkeys the bananas because they were hungry.」と「...because they were over-ripe.」を挙げます。品詞の並びは同じなのに、theyが指すものは前者がサル、後者がバナナです。区別するには、サルは空腹になる、バナナは熟れ過ぎることがある、という意味の知識が必要だと説明されています。語の意味の曖昧さ、文の構造の曖昧さ、省略された主語、文字どおりに解釈できない言い方なども、この項は課題に挙げています。

自然言語処理を自分で試したり、学んだりするには

次の入口は、いずれもログインなしで開けます(筆者が確認できたもの)。

  1. 上のJanomeのように、形態素解析を自分の手で動かす。
  2. 言語処理学会の会誌「自然言語処理」の論文を読む。学会は、創刊号から全ての論文がJ-STAGEで無料公開されていると書いています(2026年10月8日5時15分に取得したページ)。初心者向けの解説ではなく研究論文なので、最初は題名と要旨を眺める程度でよいと思います(筆者の提案)。学会の「自然言語処理に興味をお持ちの方へ」のページは、学会のYouTubeチャンネルと言語処理技術セミナーを案内しています(リンク先の中身は本記事では見ていません)。
  3. 機械学習の基礎を押さえる(機械学習とは)。IBMやGoogle Cloudも、NLPを機械学習と結びつけて説明しています。
  4. チャットAIで体験する。仕組みの中心にあるのはLLMで、これはLLMとはに書きました。

言語処理学会のトップ画面に何が出たか

2026年10月8日5時17分、ヘッドレスのChromium(ログインなし)で、言語処理学会のトップページ、情報処理学会NL研のページ、コトバンクの「自然言語」のページを、1280×800と390×844で撮影しました。

言語処理学会のトップは、左上に「言語処理学会 The Association for Natural Language Processing」のロゴ、右上にJP/ENの切り替え、「入会のご案内」「会員ページ」のボタンがあり、その下に「当学会について」「会誌「自然言語処理」」「年次大会」「活動報告」「言語リソース」「メーリングリスト」の並びでした(撮影した画面の文字は5時17分の保存ファイルにある)。トピックの最新は2026年10月2日の「著作権規程を公開しました」でした。「自然言語処理とは」を一文で説明するページは、筆者が開いたトップ、会誌のページ、「当学会について」のページ(同日5時21分に取得)には見当たりませんでした。「当学会について」は学会の設立と目的、定款や規程の一覧で、その中に「自然言語処理に興味をお持ちの方へ」という項目があり、開くと学会のYouTubeチャンネルと言語処理技術セミナーへのリンクだけが並んでいました。

学会・国の資料・Janomeで、確かめられなかった点

  • 国の資料での「自然言語処理」の定義。 筆者が確認できた国の資料は、AI事業者ガイドライン(第1.2版)が「自然言語処理(翻訳等)」という言葉を使っている箇所だけです。ガイドラインの本編を文字化して「自然言語」で検索すると、該当は第1部の説明文の1か所だけで、用語の定義欄に自然言語処理の見出しは見つかりませんでした。別添(付属資料)には「自然言語」の語が3か所ありますが、「Z社」として書かれた事例の説明の中の「自然言語処理」などで、定義ではありません。総務省の令和元年版情報通信白書の該当ページ(AIに関する基本的な仕組み)の本文にも、「自然言語」の語は見つかりませんでした。
  • 言語処理学会が「自然言語処理」を一文で定義した文章。 学会のトップ、会誌のページ、「当学会について」のページには見当たらず、代わりに情報処理学会NL研の研究分野の列挙を使いました。学会が別のページや会誌の記事で定義を書いている可能性は残ります。
  • Wikipediaにしか当たれなかった記述。 1960年ごろに過剰な期待があったという話と、AIの言語理解は人間の言語理解とは根本的に別物だという記述は、Wikipediaの記述で、元の文献に当たっていません。年表のWord2vec・GPT-2・ChatGPTの日付は、原論文とOpenAIの発表ページで確かめました。Wikipediaにある「2013年のGoogleのWord2vecは今でも使われている」「2019年、GPT-2、BERTなど、ディープラーニングを応用した手法で大きなブレークスルーがあった」という評価は、この記事では扱っていません。
  • Janomeの結果の一般性。 表の5つの文を1つのライブラリで試しただけで、他のツールやLLMで同じ区切りになるかは確かめていません。
  • 各社の説明の最新性。 IBM・AWS・Google Cloudのページの更新日は、取得したページから読み取れませんでした。10月8日に開いた時点の文面です。

参照した資料

本文で名指しした資料は、URLを下の出典欄に載せています。辞書の定義はコトバンク(デジタル大辞泉、精選版 日本国語大辞典、ブリタニカ国際大百科事典)、学会は言語処理学会(トップ・会誌のページ・NLP2026のページ・「当学会について」とその先のページ)と情報処理学会NL研、企業の説明はIBM Think・AWS・Google Cloud、論文はarXivの4本(1301.3781、1706.03762、1810.04805、2005.14165)、OpenAIの発表ページ2本(GPT-2・ChatGPT)、国の資料はAI事業者ガイドライン(第1.2版)の本編と別添、令和元年版情報通信白書、実験はPyPIのJanome 0.5.0です。取得と実験は2026年10月8日の5時15分から5時25分に行いました。

この記事でよく聞かれること

自然言語処理とは何ですか?
自然言語処理(NLP)は、日本語や英語のように人間が日常で使っている言葉を、コンピューターに処理させる技術の分野です。Wikipediaは「人間が日常的に使っている自然言語をコンピュータに処理させる一連の技術であり、人工知能と言語学の一分野」と書き、IBMは「コンピューターが人間の言語を理解してコミュニケーションできるようにします」と説明しています(2026年10月8日に確認)。
自然言語とは何ですか?プログラミング言語とどう違いますか?
自然言語は、社会で自然に発生して使われている言語のことで、日本語・英語・中国語などです。デジタル大辞泉は「社会において自然に発生して用いられている言語。⇔人工言語」と書きます。対になる言葉は人工言語・形式言語で、Wikipediaはプログラミング言語や論理式をこちらに入れています。「自然な話し方」という意味の言葉ではありません。
自然言語処理とLLM(大規模言語モデル)は同じものですか?
同じではありません。自然言語処理は言葉を扱う技術分野の名前で、LLMはその課題を解く方法(モデル)の一つです。これは本記事の整理で、GPT-3の論文も要旨で「NLP tasks」(NLPの課題)という言い方をしています。IBMの解説は、NLPのディープラーニングの手法の一つに自己回帰モデルを置き、その例にGPTやClaudeを挙げています。
自然言語処理は何に使われていますか?
かな漢字変換、機械翻訳、検索エンジン、チャットボット、文章の要約、音声認識などに使われています。Wikipediaは応用として機械翻訳や仮名漢字変換を挙げ、AWSはチャットボット、文書の分類、顧客の声の分析などの業務利用を挙げています。
自然言語処理は無料で試せますか?
試せます。日本語を単語に区切る形態素解析のライブラリJanomeは無料で入れられ(PyPIの登録情報ではApache License 2.0)、筆者は2026年10月8日にバージョン0.5.0で動かしました。学会誌「自然言語処理」の論文も、言語処理学会によると創刊号からJ-STAGEで無料公開されています。
自然言語処理はなぜ難しいのですか?
言葉には複数の読み方ができる曖昧さがあるからです。日本語は単語の間に空白を入れないので区切り方から決める必要があり、Wikipediaは、中国語・日本語・タイ語では単語の区切りを特定するのに解析が必要と書いています。筆者の実験でも、Janomeは「外国人参政権」を「外国/人参/政権」と区切りました。
自然言語処理を学ぶには何から始めればよいですか?
まず形態素解析(文を単語に区切って品詞を付ける処理)を自分の手で動かすのが入口の一つです。本記事の手順で、Pythonがあれば数分で試せます。そのうえで、言語処理学会の会誌や、IBM・AWS・Google Cloudの解説を読み、機械学習の基礎に進む流れが考えられます(筆者の提案)。
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出典・参照資料

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