Google DeepMind、世界の森林・土地を6タイプに10m単位で分類する地図ForTy(フォーティ)を公開正解率90%(同社検証)、2017〜2025年の変化もEarth Engineで無料
日刊AIニュース10月22日(木)号:前日のAIのニュース26本を短くまとめました(約13分)›
Google DeepMindとGoogle Researchは2026年10月22日、WRI・IIASAと共同で、世界の土地を原生林・植林地・農園など6タイプに10m単位で分類する地図Forest Typology(ForTy)2020を公開した。9,000地点超の検証で森林タイプの正解率は90%と同社が説明し、2017〜2025年の時系列とともにGoogle Earth Engineで無料公開されている。

目次
Google DeepMind(グーグル・ディープマインド)とGoogle Researchは2026年10月22日(ページの公開時刻は日本時間23時30分)、World Resources Institute(WRI)、International Institute for Applied Systems Analysis(IIASA)と共同で、世界の土地を10m×10mごとに6タイプへ分類する地図「Forest Typology(フォレスト・タイポロジー、ForTy(フォーティ))2020」を公開しました。あわせて、2017〜2025年の変化を年ごとに追う早期公開の時系列も出しています。いずれもGoogle Earth Engine(アースエンジン)で、オープンライセンスの下で無料で使えると公式ブログは説明しています。
3行まとめ
- Google DeepMindとGoogle Researchが、WRI・IIASAと共同でForTy 2020を公開。原生林・植林地・農園など6タイプを10m単位で分類する世界地図
- 9,000地点超の検証で、森林タイプの正解率は90%、森林と非森林の区別は95%(Google DeepMind発表)
- 2017〜2025年の年ごとの時系列も早期公開。地図と時系列はGoogle Earth Engineで無料公開
本記事の内容は、日本時間2026年10月22日23時台に公式ページで確認したものです。
何が公開されたのか
公式ブログの冒頭にある問いは「いま見ているのはどんな種類の森林か」です。ブログによると、宇宙から見ると、原生林、ユーカリの植林地、アブラヤシの農園は同じ緑の区画に見えることがあります。ところが炭素や生物多様性の量はまったく違います。
ForTyはこの違いを分類する地図です。FAO(国連食糧農業機関)の定義にもとづく6つの区分は、ブログでは次のとおりです。
| 区分 | ブログの説明 |
|---|---|
| Primary forest(原生林) | 人間による撹乱の目立つ跡がない在来林 |
| Naturally regenerating forest(自然再生林) | 伐採や火災のあと、自然に回復した森林 |
| Planted forest(植えた森林) | 人が植えたり種をまいたりして、長い周期で管理する森林 |
| Plantation forest(プランテーション林) | 成長の速い樹種を集約的に管理する、1種類が多い木材農場 |
| Tree crops and agroforestry(樹木作物・アグロフォレストリー) | アブラヤシ、ゴム、カカオ、果樹など、木材以外を育てる農地 |
| Other land(その他の土地) | 草地、耕作地、都市、水域など上記以外 |
多くの世界地図は「木があるかないか」しか示さない、というのがブログの問題設定です。2025年に同じ組織が公開した「Natural Forests of the World 2020」は、天然林とそれ以外の樹木被覆を分ける10m解像度の地図でした。ForTyはそこから進んで、天然林の中身(原生か再生か)と、人工林の種類まで分けます。
精度は、どう検証したのか
ブログによる検証の説明は次のとおりです。
- IIASAとWRIとともに、世界中から無作為に選んだ9,000地点超で検証した
- 各地点で、訓練を受けた2人の専門家が高解像度の画像と数年分の衛星記録を調べ、実際の土地の種類を判定した
- ForTyは森林タイプを90%の確率で正しく当て、森林と非森林の区別は95%だった
- Google DeepMindは、他の世界の森林地図を上回ったとしている
これらはすべて発表側の数字です。比較した他の地図の名前や点数は、今回取得した公式ブログの本文には書かれていません。論文(ブログは「described in Scientific Data」としています)を読む必要があります。
モデルの作り方についてブログが書いている点は3つあります。
- 区分には「土地の使われ方」が絡むため、見た目だけでは判別が難しい。そこで、専門家の調査、国・地域のデータセット、モデルが苦戦した場所の追加確認から、約170万か所のラベル付き地点を集めた
- 入力の中心に、AlphaEarth Foundations(アルファアース・ファウンデーションズ)の埋め込みを使っている。10mの画素ごとに数年分の衛星観測を圧縮した要約で、植え方の配置、成長周期、収穫のリズムといった細かな手がかりを拾えるという
- 各クラスに確率スコアを付ける。たとえばEUの森林破壊防止規則(EUDR)の対応でリスクを見る企業は、モデルが高い確信を持つ画素だけを採用する厳しい閾値にできる。森林面積全体を見積もる研究者は、確率の全体を使える
2017〜2025年の時系列で、何がわかるのか
同じ手法を2017年から2025年の毎年に当てた時系列が、早期公開として加わりました。ブログによると、森林が消えた場所と戻った場所だけでなく、変化の種類も見えます。たとえば天然林が木材用の植林地になった、放棄地が少しずつ森林に再生した、といった違いです。
ブログが強調しているのは「見えにくい変化」です。天然林を伐採して植林地にすると、土地はすぐにまた緑になるため、標準的な樹木被覆の地図では変化を拾えないことがある。ForTyの時系列は、そうした損失と増加の両方を見えるようにする、という説明です。
誰が、いつから使えるのか
ブログによると、Forest Typology 2020の地図と新しい時系列は「現在」、Google Earth Engineでオープンライセンスの下、無料で使えます。ブログ末尾には「Explore the Forest Typology 2020 map」「Explore the time series」「Download the data」「Use in Earth Engine」の4つの入口が並んでいます。
対象として挙げているのは、政府、企業、自然保護団体、科学者です。用途は、森林破壊のないサプライチェーンづくり、森林向け資金の振り向け、守るべき天然林の特定です。EUDRについてブログは、コーヒー、カカオ、パーム油などは2020年に森林で、その後農地に転換された土地から来てはならないこと、家具などの木材製品は、原生林から転換されたプランテーション林・植えた森林や、自然再生林から転換されたプランテーション林に由来してはならないことを説明し、ForTy 2020をその「重要な基準点(key baseline)」と位置づけています。
日本の読者にとっては、日本からの利用可否や日本語の資料に関する記載は、今回取得したブログ本文にはありませんでした。Earth Engineの利用条件(アカウントの種類など)も本文では説明されていません。
前の地図と何が違うのか
| Natural Forests of the World 2020 | ForTy 2020+時系列 | |
|---|---|---|
| 問い | 2020年に天然林だったか、否か | どんな種類の森林か(6区分) |
| 時間 | 2020年の1時点 | 2017〜2025年の年ごと(早期公開) |
| 解像度 | 10m | 10m |
左の列は、ブログが前年の地図について書いた内容にもとづきます。ブログはこの2つを、同じ共同チームによるものとして並べています。
23時34分に取得したページから言えること
日本時間23時34分にこのブログを取得したところ、本文のテキストは取れましたが、「Read the paper」や「Use in Earth Engine」の行き先URLは取得物に含まれていませんでした(取得できたリンクはGeminiの入口2件だけ)。地図そのものは開いていないため、操作感や実際の表示は確認していません。また、ブログ本文には製品名が「FortTy」と1か所誤記されていました。本記事は「ForTy」で統一しています。
ブログ本文からは分からない4点
- 検証の内訳(クラスごとの正解率、地域差、比較した他の地図)は、今回取得した公式ブログには書かれていません。90%・95%は全体の数字です
- 時系列は「early release」で、ブログは「今後数か月、パートナーやユーザーとともに改善する」と書いています。2017〜2025年の各年の精度は、今回の本文では示されていません
- ライセンスの正式名称、データ形式、容量などの条件は本文にありませんでした
- 第三者による評価は、今回確認した範囲では見つかっていません
参照した公式ブログ
- Google DeepMind「Beyond tree cover: mapping the world’s forest types」(2026年10月22日公開、著者はMaxim NeumannとCharlotte Stanton): https://deepmind.google/blog/beyond-tree-cover-mapping-the-worlds-forest-types/
公式ページは日本時間2026年10月22日23時34分に取得して確認しました。本記事は続報があり次第更新します。
この記事でよく聞かれること
- ForTy(Forest Typology)とは何ですか?
- Google DeepMindとGoogle Researchが、World Resources Institute(WRI)とInternational Institute for Applied Systems Analysis(IIASA)と共同で公開した、世界の土地を10m×10mごとに6タイプへ分類する地図です。6タイプは、原生林、自然に再生した森林、植えた森林、プランテーション林、樹木作物とアグロフォレストリー、その他の土地です。
- ForTyの精度はどのくらいですか?
- Google DeepMindの発表によると、世界中から無作為に選んだ9,000地点超でWRI・IIASAと検証し、森林タイプを正しく当てた割合は90%、森林と非森林の区別は95%でした。同社は他の世界の森林地図を上回ったとしています。区分ごとの正解率や比較した地図の名前は今回確認した公式ブログには書かれておらず、論文側で確認が必要です。
- ForTyは無料で使えますか?
- 公式ブログによると、Forest Typology 2020の地図と新しい時系列は、オープンライセンスの下でGoogle Earth Engineで無料公開されています。ライセンスの正式名称は、今回取得したブログ本文には書かれていません。
- 時系列データでは何がわかりますか?
- 2017〜2025年の各年について、森林が失われた場所と回復した場所に加え、天然林が植林地や農園に置き換わったなど、変化の種類まで追えるとGoogle DeepMindは説明しています。時系列は「early release(早期公開)」で、今後数か月かけて改善するとしています。
出典・参照資料
大きいニュースはYouTubeでも解説しています。Xでは新着記事をお知らせしています。
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