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ドローンを安全に飛ばす方法100g以上は機体登録が義務、空港周辺・150m以上・人口集中地区は許可、夜間・目視外は承認。UAV(ユーエーブイ)との違いと「教則」第5版も国交省の原文で【2026年10月版】

執筆:約34分で読めます

ドローンを安全に飛ばす方法は、屋外で飛ばす100g以上の機体を国に登録し、禁止空域と承認が要る飛行の方法を避けるか許可・承認を受け、飛行前の確認をして飛ばすことです。国土交通省の教則の最新版は、令和8年(2026年)7月7日公布・7月14日適用の第5版でした。UAVは英語の略称で、航空法の用語は「無人航空機」です。国交省・警察庁・総務省・e-Govの原文を2026年10月13日の午前2時台に取得し、教則の第4版と第5版のPDFを読み比べました。

ドローンを安全に飛ばす方法──100g以上は機体登録が義務、空港周辺・150m以上・人口集中地区は許可、夜間・目視外は承認。UAV(ユーエーブイ)との違いと「教則」第5版も国交省の原文で【2026年10月版】
目次

2026年10月13日・日本時間時点の情報です。 ドローンを安全に飛ばす方法は、国土交通省が航空法に基づいて示すルールのうち、次の3つを守ることです。1つめは、屋外で飛ばす100グラム以上の機体を国に登録し、登録記号を付けてリモートID(機体の識別情報を電波で出す機能)を備えること。2つめは、飛行が禁止された空域(空港などの周辺・地表から150メートル以上・人口集中地区・緊急用務空域)と、承認が要る飛び方(夜間・目視外・人や物から30メートル未満など)に当たるときは、許可・承認を受けること。3つめは、アルコールや薬の影響下で飛ばさず、飛行前の確認をして、航空機を見たら地上に降ろすことです。

登録には手数料がかかります。ルールは航空法だけではなく、警察庁の小型無人機等飛行禁止法や自治体の条例もあり、100グラム未満の機体にも関係します。UAVは英語の略称で、航空法の用語は「無人航空機」です。この記事は、国土交通省・警察庁・総務省・e-Govの原文と、「無人航空機の飛行の安全に関する教則」(以下、教則)の第5版を、筆者が2026年10月13日の午前2時台に取得して読んだ結果です。

3行まとめ

  1. 航空法の「無人航空機」は重さ100グラム以上(本体とバッテリーの合計)の機体で、屋外で飛ばすには登録が必要。登録の義務化は2022年6月20日からで、有効期間は3年(国土交通省)。
  2. 許可が要る空域は4つ(空港等の周辺・緊急用務空域・150メートル以上・人口集中地区)、承認が要る飛び方は6つ(夜間・目視外・30メートル未満・催し上空・危険物の輸送・物件の投下)。無許可の飛行は50万円以下の罰金、事故時の危険防止措置を怠ると2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(e-Govの航空法第157条の9・第157条の6。教則の表は改正前の「懲役」の表記)。
  3. 教則の最新版は第5版(令和8年7月7日公布・7月14日適用)。小型無人機等飛行禁止法の周辺地域は、令和8年7月14日から「おおむね300メートル」が「おおむね1,000メートル」になった(警察庁とe-Govの条文。教則の第4版と第5版も読み比べた)。

ドローンを飛ばす前に、順に確かめることは何か

国土交通省の資料を、飛ばす前に確かめる順に並べ直すと次の7つです。各項目の原文は、後の節で引きます。

  1. 機体の重さ。本体とバッテリーの合計が100グラム以上なら、航空法の「無人航空機」です。
  2. 登録を済ませ、登録記号を機体に表示し、リモートID機能を備えているか。
  3. 屋外か屋内か。国土交通省のガイドラインは、屋内として整理された空間などで飛ばす場合は、これらのルールは適用されないと書いています。
  4. 屋外なら、飛ばす場所が禁止空域(空港等の周辺、緊急用務空域、地表から150メートル以上、人口集中地区)に当たるか。
  5. 夜間、目視の外、人や物から30メートル未満など、承認が要る飛び方に当たるか。
  6. 4または5に当たるなら、許可・承認が要るか、資格と認証で省略できるか。申請は飛行開始予定日の10開庁日以上前が目安です。
  7. 航空法の外の決まり。小型無人機等飛行禁止法(警察庁)、電波法(総務省)、自治体の条例、土地の持ち主の意思表示です。

ドローン・UAV・無人航空機は何が違うのか

3つは同じ機械を指す場面が多い言葉ですが、**航空法の規制の対象になるかどうかを決めるのは「無人航空機」**です。警察庁の法律は、別の言葉の「小型無人機」を使います。原文で並べると次のとおりです。

言葉 原文で見つかった使われ方 本記事が確認した範囲
無人航空機 航空法第2条第22項。「航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であつて構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦…により飛行させることができるもの」。施行規則第5条の2が「重量が百グラム未満のもの」を除く 法律の用語。100グラム以上が対象。国交省の英語のページは「Unmanned Aircraft」と訳す
ドローン 国交省ページの題名は「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」。ガイドラインは「いわゆるドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプター等が該当します」。総務省は「無人航空機等(以下「ドローン等」という。)」 通称。e-Govで取得した航空法と施行規則の本文に「ドローン」の語はなかった
UAV 国土地理院のマニュアル(平成29年3月改正)に「無人航空機 (UAV:Unmanned Aerial Vehicle)」 英語の略称。航空法・施行規則・教則の本文に使われていなかった
UAS 国交省の英語のページに「Unmanned Aircraft System(UAS) Certification」「Leaflet: Drone/UAS flight rules in Japan」 英語の呼び名
小型無人機 小型無人機等飛行禁止法。国交省は「重量や大きさにかかわらず」、教則は「大きさや重さにかかわらず」対象と書く 100グラム未満も含む
模型航空機 航空法。100グラム未満のマルチコプター・ラジコン機等 無人航空機の飛行ルールは適用されない。空港周辺・一定の高度以上は第134条の3の規制、緊急用務空域は飛行禁止(ガイドラインと教則)

国土地理院の「UAV を用いた公共測量マニュアル(案)」は、「我が国における無人航空機 (UAV:Unmanned Aerial Vehicle)を用いた公共測量は平成 25 年度に始まった」と書き、UAVを無人航空機の英語名として使っています。国土交通省国土地理院が平成28年3月に出し、平成29年3月に改正した文書です。

本記事が取得した国交省・警察庁・総務省のページの本文に「UAV」はなく、総務省のページのリンク先アドレスに「uav」が入っているだけでした。ICAOの用語の確認は、ページが自動化アクセスの確認画面で止められたため、行っていません。教則の中の「UAS」は意味が違い、「Undesired Aircraft State(望ましくない航空機の状態)」の略として使われています。

「無人航空機」の重さの基準は何グラムか。登録はいつから義務か

教則は、航空法における無人航空機を3つの条件で説明しています。

「① 航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、② 遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるものであり、③ 重量が 100 グラム以上のもの」

重さは、「無人航空機本体の重量及びバッテリーの重量の合計」で、バッテリー以外の取り外せる付属品は含みません。100グラム未満は「模型航空機」に分類されます。国土交通省の「対象となる機体」のページは、「令和4年6月20日から、重量100g以上の機体が「無人航空機」の扱いに変わり、飛行許可承認申請手続きを含む、航空法の規制対象になりました」と書いています。

登録の義務化も同じ日です。国土交通省の登録ポータルサイトは、「2022年6月20日以降、無人航空機の登録が義務化され、登録されていない無人航空機を飛行させることはできません」と書き、よくある質問で対象を「屋外を飛行させる100g以上のすべてのドローン・ラジコン機」としています。登録は、申請、手数料の納付、登録記号の発行の順で進み、機体に登録記号を表示して飛ばします。航空法第132条の2は、登録を受けていない無人航空機を航空の用に供してはならないと定めています(試験飛行の届出などの例外あり)。

教則から、登録の数字を挙げます。

  • 登録の有効期間は3年。更新しないと効力を失う。
  • 登録記号の文字の高さは、最大離陸重量25キログラム以上の機体は25ミリメートル以上、25キログラム未満は3ミリメートル以上。
  • リモートIDは、製造番号と登録記号、位置・速度・高度・時刻などを1秒に1回以上電波で出す。所有者や使用者の情報は含まれない。搭載が免除されるのは、2022年6月19日までの事前登録期間中に登録した機体など、4つの場合。

操縦が人かプログラムかは、定義の条件ではありません。航空法第2条第22項は「遠隔操作又は自動操縦」と書いています。AIで自動飛行させる機体を別扱いにする記述は、本記事が取得した条文・教則・ガイドラインには見つかりませんでした。農薬散布や測量への活用は、農業のAI活用の記事と建設業のAI活用の記事にあります。

飛行が禁止されている4つの空域は、どこか

航空法は、次の4つの空域での飛行を原則として禁止しています(教則と国土交通省のページ)。

空域 内容 注意点(原文)
空港等の周辺 進入表面・転移表面・水平表面などの上空。新千歳・成田・東京国際・中部・大阪国際・関西・福岡・那覇の8空港は、表面の下の空域と敷地の上空も禁止 境界付近は「必ず空港等設置管理者・空域を管轄する機関に確認」。地理院地図の図面には誤差が含まれることがある
緊急用務空域 捜索・救助など緊急用務を行う航空機のために国土交通大臣が指定する空域 国交省のHPとX(旧Twitter)で公示。ほかの許可があっても飛ばせない
150メートル以上 地表または水面から150メートル以上 海抜ではなく、直下の地表との高度差。煙突や鉄塔から30メートル以内は除外
人口集中地区(DID)の上空 国勢調査で設定される地区。令和2年の国勢調査の結果が適用中 工業専用地域内の区域は除外(国土交通省告示第435号。国交省のお知らせは2026年6月30日付。教則第5版が反映)

教則は、緊急用務空域について「無人航空機の操縦者は、飛行を開始する前に、当該空域が緊急用務空域に該当するか否かの別を確認することが義務付けられている」と書いています。

国土交通省の飛行ルールのページで、緊急用務空域の指定状況の欄に「現在、緊急用務空域は指定されていません。」と出ている画面(2026年10月13日2時8分に筆者が撮影)

自分の場所が人口集中地区や空港の周辺に当たるかは、国土地理院の「地理院地図」で確かめられると、国土交通省のページが案内しています。

全員が守る4つの飛び方と、承認が要る6つの飛び方は何か

飛行の方法は、場所に関係なく全員が守る4つと、守らない場合に承認が要る6つに分かれます。航空法第132条の86の条文と教則の説明を合わせて示します。

全員が守る4つ

  1. アルコールや薬物の影響で正常に飛ばせないおそれがある間は、飛ばさない。教則は「体内に保有するアルコール濃度の程度にかかわらず体内にアルコールを保有する状態では無人航空機の飛行を行ってはならない」と書き、薬物には医薬品も含むとしています。
  2. 飛行前の確認をしてから飛ばす。教則が挙げる項目は、機体の外部点検と作動点検、飛行空域と周囲の状況(緊急用務空域の該当も含む)、気象、燃料またはバッテリーの残量、リモートIDの作動状況です。
  3. 航空機や他の無人航空機とぶつからないようにする。教則は、飛行前に航行中の航空機を見たら飛ばさず、飛行中に見たら地上に降ろすなどの措置をとる、と書いています。航空機が無人航空機に対して進路権を持つと説明しています。
  4. 他人に迷惑を及ぼす飛び方をしない。教則は、高い音を出したり急降下したりすること、人に向かって急接近させることを例に挙げています。

承認が要る6つ(守らない場合)

  1. 夜間に飛ばす。教則は「日没後から日出まで」とし、昼間は国立天文台が発表する日の出から日の入りまでの間としています。
  2. 目視の外で飛ばす。教則は、目視とは自分の目で見ることで、双眼鏡やモニター(FPVを含む)による監視、補助者による監視は含まないと書いています。眼鏡やコンタクトレンズの使用は目視に含まれます。
  3. 人や物件との距離が30メートル未満で飛ばす。「人又は物件」は第三者または第三者の物件で、物件には自動車・鉄道車両・船舶・航空機・建設機械などの車両等と、ビル・住居・橋・鉄塔・電柱・信号機などの工作物が入ります。土地や樹木などの自然物は物件に入りません。
  4. 祭礼、縁日、展示会など、多数の人が集まる催しの場所の上空で飛ばす。教則は、プロスポーツの試合、運動会、花火大会、マラソンなども例に挙げ、風速5メートル毎秒以上の場合は飛行を中止することなどが必要としています。
  5. 爆発物などの危険物を輸送する。無人航空機の飛行のための電池や燃料は危険物の対象にならないと書かれています。
  6. 無人航空機から物を投下する。教則は、水や農薬などの液体や霧状のものの散布も投下に含むとしています。

農薬などの散布は、航空法施行規則第236条の82第1項第2号の要件を満たせば、承認が不要になる場合があります。教則の第5版で追記された内容です。農薬散布の導入事例は農業のAI活用の記事を参照してください。

許可や承認は、どんなときに要るのか。要らないのはどんなときか

空域(4つ)か飛び方(6つ)のどれかに当たる飛行を、航空法は「特定飛行」と呼びます。国土交通省のページは、特定飛行は基本的に飛行許可・承認の手続きが必要で、「適切な許可・承認を取得せずに無人航空機を飛行させる等した場合は、拘禁刑又は罰金に科せられます」と書いています。リスクの大きさで、飛び方は3つのカテゴリーに分かれます(教則と国交省のページより)。

カテゴリー 内容 手続き
Ⅰ 特定飛行に当たらない飛行 航空法上の許可・承認は不要
Ⅱ 特定飛行のうち、立入管理措置(第三者の立入りを制限する措置)をとって行う飛行。第三者の上空は飛ばない 原則として許可・承認。一部は資格と機体の認証で省略できる
Ⅲ 特定飛行のうち、立入管理措置をとらない飛行(第三者の上空)。レベル4飛行を含む 一等無人航空機操縦士が第一種機体認証を受けた機体で飛ばし、運航管理の審査を受けて許可・承認を得る

カテゴリーⅡで許可・承認を省略できるのは、人口集中地区の上空、夜間、目視外、30メートル未満の飛行で、25キログラム未満の機体の場合です。技能証明を受けた人が機体認証を受けた機体で飛ばし、立入管理措置をとり、飛行マニュアル(点検・整備、飛行前の確認、安全管理体制、事故時の連絡体制などを書いた文書)を作って守れば不要になります。夜間と目視外には、技能証明の限定変更が必要です。空港周辺・150メートル以上・催し場所の上空・危険物の輸送・物件の投下・25キログラム以上は、資格と認証があっても個別の許可・承認が要ります。

技能証明(一等・二等の無人航空機操縦士)は、取得が必須ではありません。国土交通省のページは、「無人航空機操縦者技能証明書の取得は、無人航空機の飛行において必須事項ではありません」と書いています。教則によると、技能証明の有効期間は3年、機体認証は第一種が1年、第二種が3年です。

申請について、国土交通省のページは次のように書いています。

  1. 原則、オンラインサービスの「ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)」で申請する。
  2. 飛行開始予定日の少なくとも10開庁日以上前(土日・祝日を除く)に出す。不備があると時間がかかるため、3〜4週間程度の余裕を見る。
  3. 空港周辺・緊急用務空域・150メートル以上は東京空港事務所長または関西空港事務所長宛て、それ以外は東京航空局長または大阪航空局長宛て。

総重量25キログラム以上の機体は、令和7年10月1日以降の新規申請で、第三者賠償責任保険の加入が必要です。教則は、無人航空機の保険は強制保険ではなく、すべて任意保険だと書いています。

飛行の前後と事故のとき、やらなければならないことは何か

特定飛行では、次の義務があります(教則)。

  • 飛行計画を、あらかじめ国に通報する。ドローン情報基盤システムの飛行計画通報機能に入力する。通報が困難な場合は事後でもよい。特定飛行でなくても、通報が望ましいとされている。
  • 飛行日誌を携行し、飛行記録・日常点検記録・点検整備記録を遅滞なく書く。許可書または承認書、技能証明書(受けている場合)も携行する。

事故のときの義務は、特定飛行かどうかに関係しません。教則は、直ちに飛行を中止し、負傷者を救護し、警察や消防に連絡し、日時と場所などを国土交通大臣に報告する、と書いています。事故の対象は、人の死傷(重傷以上)、第三者の物件の損壊(規模や金額を問わない)、航空機との衝突または接触です。

違反すると、どんな罰則があるのか

教則の表(第3章)は、航空法令に違反した場合の罰則を一覧にしています。e-Govで取得した現行の航空法の条文と並べます。刑の名前は、右の列の「拘禁刑」が現行の条文の表記です(理由は表の下)。

違反の内容(教則の表) 教則の表の罰則 e-Govの航空法の条文(現行)
事故のとき、飛行を中止し負傷者を救護するなどの危険防止措置をとらない 2年以下の懲役又は100万円以下の罰金 第157条の6:2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
登録を受けていない無人航空機を飛行させる 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金 第157条の7:1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
アルコール・薬物の影響下で飛行させる 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金 第157条の8:道路・公園・広場などの公共の場所の上空で飛行させた場合に、1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金
登録記号の表示・リモートIDの搭載をしない/禁止空域や承認が要る方法で飛行させる/飛行前の確認や衝突予防をしない/他人に迷惑を及ぼす飛行をする 50万円以下の罰金 第157条の9:50万円以下の罰金(他人に迷惑を及ぼす飛行は、第13号で公共の場所の上空に限る)
飛行計画を通報せずに特定飛行を行う/事故の報告をしない・虚偽の報告をする 30万円以下の罰金 第157条の10:30万円以下の罰金
技能証明を携帯せずに特定飛行を行う/飛行日誌を備えない・記載しない 10万円以下の罰金 第157条の11:10万円以下の罰金

表を作る過程で、2つの食い違いを見つけました。1つめは「懲役」と「拘禁刑」です。教則の中で、航空法の罰則の表は「懲役」、小型無人機等飛行禁止法の説明は「拘禁刑」と書いています。国土交通省の事故等報告のページは「懲役」、許可・承認手続のページは「拘禁刑」です。金額はどの文書でも一致していました。e-Govの航空法の改正履歴で版を比べると、2024年4月1日施行の版の第157条の6は「二年以下の懲役」、2025年6月1日施行の版(「刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律」=令和4年法律第68号による改正)は「二年以下の拘禁刑」でした。教則の表と事故等報告のページの「懲役」は、この改正より前の条文と同じ表記で、現行の条文の刑の名前は「拘禁刑」です。

2つめは条件です。e-Govの第157条の8(アルコール・薬物)と第157条の9第13号(他人に迷惑を及ぼす飛び方)は、「道路、公園、広場その他の公共の場所の上空において」飛行させた場合と書いています。教則の罰則の表には、この条件がありません(教則の行政処分の「点数表」は「他人に迷惑を及ぼすような方法での公共の場所の上空での飛行」と書いています)。公共の場所でなければ飛ばしてよい、という意味ではありません。アルコール・薬物の影響下で飛ばさない義務(航空法第132条の86第1項第1号)は場所を限っておらず、技能証明を持つ人には下の行政処分もあります。

技能証明を持つ人は、罰則に加えて行政処分の対象にもなります。教則によると、事故時の危険防止措置を怠る、アルコール・薬物の影響下で飛ぶ、はどちらも15点で、15点以上は技能証明の効力の取消しの区分です。

「教則」とは何か。最新版は第5版で、第4版から何が変わったか

教則の正式名は「無人航空機の飛行の安全に関する教則」です。国土交通省が、飛行させるのに必要な最低限の知識と、技能証明の学科試験で求められる最低限の知識をまとめた文書で、目的を次のように書いています。

「この教則は、無人航空機を飛行させるのに必要な最低限の知識要件及び学科試験において求められる最低限の知識要件を記載することを目的として作成されたものである。」

無人航空機の飛行の安全に関する教則 第5版の表紙。公布日が令和8年7月7日、適用日が令和8年7月14日と書かれ、初版から第5版までの日付が並ぶ(2026年10月13日に取得したPDFの1ページ目)

版 日付(表紙の表記) 西暦
初版 令和4年9月5日 2022年9月5日
第2版 令和4年11月2日 2022年11月2日
第3版 令和5年4月13日 2023年4月13日
第4版 令和7年2月1日 2025年2月1日
第5版 公布日 令和8年7月7日・適用日 令和8年7月14日 公布 2026年7月7日・適用 2026年7月14日

国土交通省の技能証明のページは、第4版と第5版のPDF、「第4版からの変更履歴【参照用】」を並べ、「令和8年7月14日(火)より、学科試験の内容は、「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)」に準拠します」と書いています。本記事が取得したページに載っている教則は、第5版までです。第5版は全87ページ(第4版は86ページ)で、章は「はじめに」「無人航空機操縦者の心得」「無人航空機に関する規則」「無人航空機のシステム」「無人航空機の操縦者及び運航体制」「運航上のリスク管理」の6つです。

第5版の改訂履歴は、第4版からの主な改訂として、保険の付保範囲拡大、工業専用地域でのDID規制対象外、農薬散布などの承認申請不要、技能証明の更新申請期間の見直し、小型無人機等飛行禁止法の改正の反映の5つを挙げています。筆者は第4版と第5版のPDFから文字を取り出し、このうち3つを突き合わせました。

  • 小型無人機等飛行禁止法の周辺地域:第4版は「これら重要施設及びその周囲おおむね 300m の周辺地域」、第5版は「これら重要施設及びその周囲おおむね1000m の周辺地域」。
  • 技能証明の更新の申請:第4版は「有効期間が満了する日以前6月以内に」、第5版は「有効期間が満了する日の6月前から1月前までの間に」。
  • 工業専用地域:第5版は「工業専用地域内の区域において、無人航空機を飛行させる場合には、DID に係る許可手続き等が不要である」と書き、第4版の本文には「工業専用」の語がなかった。

航空法のほかに、守る決まりは何か

国土交通省の「飛行禁止空域と飛行の方法」のページは、「航空法令の他、関係法令及び地方公共団体が定める条例等を遵守して飛行させてください」と書き、警察庁・総務省・自治体の決まりへのリンクを並べています。

小型無人機等飛行禁止法(警察庁)

警察庁は、「いわゆるドローンは、航空法…重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律…の2つの法律で規制されています」と書いています。この法律は、重要施設とその周囲おおむね1,000メートルの上空での飛行を禁止します。敷地・区域の上空が「レッドゾーン」、その周囲が「イエローゾーン」です。

  • 対象施設:国会議事堂・首相官邸・最高裁判所・皇居、外国公館等、自衛隊と在日米軍の施設、国土交通大臣が指定した8空港、原子力事業所など。
  • 令和8年の改正(6月24日公布・7月14日施行):警察庁は、周辺地域の範囲が敷地・区域とその周囲おおむね1,000メートルに拡大するなどの改正が行われたと書いています。e-Govで取得した同法の条文(令和8年法律第47号による改正、7月14日施行まで反映)も、第3条で「その周囲おおむね千メートルの地域」と書いています。国土交通省は、8空港の周辺を従前の「おおむね300メートル」から「おおむね1000メートル」にする告示を、令和8年7月3日に出しました。
  • 例外と通報:施設管理者の同意などで飛行できる場合も、飛行の48時間前までに警察署を通じて都道府県公安委員会に通報します。国土交通省は、「航空法に基づく許可・承認を受けている場合であっても、小型無人機等飛行禁止法に基づく同意の取得および事前通報は別途必要となります」と書いています。
  • 罰則:警察庁によると、レッドゾーンの飛行と警察官等の命令への違反は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金、イエローゾーンは6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。e-Govの同法の第13条・第14条も同じ内容です。

電波法(総務省)

総務省の電波利用ポータルは、Wi-FiやBluetoothなどの小電力の無線局は免許や登録が不要だが、技術基準適合証明等を受けた適合表示無線設備でなければならない、と書き、技適マークの説明ページへのリンクを置いています。「アマチュア無線を使用したドローンを利益を目的とした仕事などの業務に利用することはできません」とも書いています。

自治体の条例と公園のルール

国土交通省のガイドラインは、「自治体が、条例等に基づき、その管理する公園等の上空におけるドローンの飛行を禁止していることがあるとともに、口頭や文書交付等の行政指導により飛行の中止を求めることがあります」と書いています。

船橋市の公式ページは、「都市公園及び広場等で小型無人飛行機(ドローン等)を飛ばす行為は、操縦不能等により第三者への危険並びに公園施設や近隣住宅への破損も考えられるため、原則禁止とします」と書き、根拠を船橋市都市公園条例第8条8号としています。ページの更新日は令和5年(2023年)10月4日でした。国土交通省の一覧PDF「無人航空機の飛行を制限する条例等」(30ページ)は、1ページ目の最初の行が愛知県都市公園条例の第3条で、「都市公園においては、ドローンの飛行は禁止」と書いてありました。

土地の持ち主・河川・撮った映像・飛行自粛の要請

  • 土地:ガイドラインは、「第三者の所有する土地の上空で無人航空機を飛行させる場合、所有権の侵害とされる可能性があります」と書いています。
  • 河川:ダムやその貯水池を含め、許可・申請が必要な場合や、管理者・自治体が利用のルールを定めている場合があると書いています。
  • 映像:撮影した映像をインターネット上で公開する場合は、総務省の「「ドローン」による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン」に従ってプライバシー等に注意するよう書いています。総務省は平成27年9月11日にこれを公表しました。本記事は、公表の報道資料までを読み、ガイドライン本文のPDFは読んでいません。
  • 飛行自粛の要請:教則は、法令に基づく規制ではないが、警備上の観点などから国土交通省が飛行自粛を要請する空域があり、国交省のホームページとXで公示される、と書いています。

筆者が2026年10月13日の午前2時台に確かめたこと

筆者は、国土交通省・警察庁・総務省・e-Govのページを、ログインせずに開きました。

  • 2時1分21秒:国土交通省の「無人航空機総合窓口サイト」と「飛行ルール」のページを取得しました。総合窓口サイトは、「屋外を飛行させる100g以上のすべての無人航空機(ドローン・ラジコン機)は、登録を申請し、機体に登録記号を表示し、リモートID機能を備えることが法律で義務づけられています」と書いていました。飛行ルールのページの「航空局からのお知らせ」の先頭は、2026年9月29日の「カテゴリーII飛行に関する許可・承認の審査要領等の改正について」でした。
  • 2時2分39秒:教則の第5版と変更履歴のPDFを取得しました。第5版は2,465,218バイト・87ページで、表紙に「第5版 公布日:令和8年7月7日 適用日:令和8年7月14日」とありました。pdftotextで全文を取り出し、表紙を画像にして目でも確かめました。
  • 2時3分50秒〜52秒:国土交通省の英語のページ、警察庁、総務省のページを取得しました。同じ時刻に取りにいったICAOの文書は、curlで403と「Just a moment...」という自動化アクセスの確認画面が返ったため、そこで止めました。
  • 2時5分21秒と50秒:e-Govから航空法と施行規則の条文を取得しました。本文を検索すると、「ドローン」「UAV」の語は0件でした。施行規則の第5条の2は「法第二条第二十二項の国土交通省令で定める機器は、重量が百グラム未満のものとする」と書いています。
  • 2時8分17秒〜19秒:国土交通省のページを、ヘッドレスのブラウザで1280×800と390×844の2つの画面幅で撮影し、2時8分45秒の撮影で、緊急用務空域の欄に「DISARMED 緊急用務空域は指定なし」「現在、緊急用務空域は指定されていません。」と出ているのを確かめました(上の画像)。
  • 2時4分17秒〜2時9分34秒:条例等の一覧PDF(30ページ)、船橋市の公式ページ、国土地理院のマニュアル、国交省のガイドライン(16ページ)を取得しました。一覧PDFは文字が埋め込まれておらず、1ページ目を画像にして読みました。
  • 2時9分51秒:教則の第4版(86ページ)を取得し、第5版と読み比べました。
  • 2時19分28秒:技能証明のページを取り直し、載っている教則が第4版と第5版だけであることをもう一度確かめました。2時20分46秒からは、e-Govから航空法の改正履歴と古い版、小型無人機等飛行禁止法の条文を取得しました。

実機の飛行・場所ごとの判定・条例の現行文は、この記事では確かめていない

  • 実機での飛行。筆者はドローンを登録も飛行もしていません。手順と数字は、公式文書の記述です。
  • 飛ばしたい場所が禁止空域に当たるかの個別の判定。「地理院地図」は開いていません。
  • 画像で示された表。「承認が必要となる飛行の方法」の図や登録手数料の表は、文字として取り出せませんでした。承認が要る飛び方は教則と条文で確かめ、登録手数料の金額は書いていません。
  • 自治体の条例。30ページのPDFは1ページ目だけを画像として読みました。船橋市のページの更新日は2023年10月4日で、現在の条例の文面は確かめていません。
  • DIPS2.0の画面(ログインしていません)、機体認証・型式認証の細かい基準、レベル4飛行の運用。
  • ICAOなど国際的な用語の定義。UAVの使われ方は、日本の公的機関の文書で確かめた範囲です。
  • 教則の第4章〜第6章の内容。目次の確認にとどまります。
  • e-Govの条文は、取得時にAPIが返した版(航空法は令和7年12月1日施行の改正まで、小型無人機等飛行禁止法は令和8年7月14日施行の改正まで)です。今後施行される改正は確かめていません。

迷ったときは、国土交通省の無人航空機ヘルプデスク(電話03-5539-0225・平日9時から17時)が案内されています。電話番号は2026年8月3日に変わったと同省は書いています。電話が集中してオペレーターにつながるまで長時間かかる場合があるとも書き、先によくある質問を見るよう案内しています。

国交省・警察庁・総務省・e-Govから取得した原文と時刻

本文で名指しした文書は、すべて記事末尾の出典欄に並べています。取得は2026年10月13日の午前2時1分から2時9分で、e-Govの改正履歴などは2時20分に追加で取得しました。国土交通省の飛行ルールのページには2026年9月29日・9月4日・7月28日などの更新が並んでいて、内容は随時変わります。飛ばす前に、同ページと緊急用務空域の指定状況をもう一度確かめてください。

この記事でよく聞かれること

重さが100グラム未満のドローンなら、ルールは何もないのですか
何もないわけではありません。国土交通省のガイドラインによると、100グラム未満の機体は航空法の「無人航空機」ではなく「模型航空機」に分類され、無人航空機の飛行ルールは適用されませんが、空港周辺や一定の高度以上の飛行には第134条の3の規定が適用されます。教則によると、緊急用務空域では100グラム未満の模型航空機も飛行禁止の対象です。小型無人機等飛行禁止法の「小型無人機」も大きさや重さにかかわらず対象で、100グラム未満も含まれます。
ドローンの機体登録はいつから義務ですか。必要ですか
国土交通省の登録ポータルサイトによると、登録の義務化は2022年6月20日からで、屋外を飛行させる100グラム以上のすべてのドローン・ラジコン機が対象です。登録の有効期間は3年で、登録記号を機体に表示し、一部の例外を除いてリモートID機能を備える必要があります。登録されていない機体を飛行させると、e-Govの航空法第157条の7により1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象です(教則の表は改正前の「懲役」の表記)。
自宅の庭や私有地で飛ばすなら、許可は要りませんか
私有地でも、空港周辺・緊急用務空域・150メートル以上・人口集中地区のどれかに当たる場合は許可が必要です。国土交通省のガイドライン(令和8年9月29日)は「自身の私有地であっても」許可が必要と書いています。一方、屋内として整理された空間では、航空法の飛行ルールは適用されないとも書いています。他人の土地の上空を飛ばすと、所有権の侵害とされる可能性があるとも書いています。
UAVとドローンの違いは何ですか
UAVは英語のUnmanned Aerial Vehicleの略で、日本の航空法の用語ではありません。航空法の用語は「無人航空機」で、100グラム以上の機体が対象です。ドローンは通称で、国土交通省のページは「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)」と並べて書き、総務省は「無人航空機等(以下「ドローン等」という。)」と定義しています。国土地理院の2017年のマニュアルは「無人航空機 (UAV:Unmanned Aerial Vehicle)」と書いています。
「無人航空機の飛行の安全に関する教則」の最新版はどれですか
本記事が2026年10月13日に取得した国土交通省のページでは、第5版が最新で、公布日は令和8年(2026年)7月7日、適用日は7月14日です。令和8年7月14日から、無人航空機操縦者技能証明の学科試験の内容は第5版に準拠します。第4版は令和7年(2025年)2月1日付でした。
夜間や目視の外で飛ばしたいときは、どうすればよいですか
航空法は、夜間・目視外・人や物から30メートル未満の飛行などを、あらかじめ国土交通大臣の承認を受けて行うよう定めています。技能証明を受けた人が機体認証を受けた25キログラム未満の機体で、立入管理措置をとって飛ばす場合は、飛行マニュアルの作成などを条件に、個別の許可・承認を不要にできると国土交通省は書いています。夜間と目視外は、技能証明の限定変更も必要です。申請は飛行開始予定日の10開庁日以上前が目安です。
公園でドローンを飛ばしてもよいですか
自治体の条例で禁止されていることがあります。国土交通省のガイドラインは、自治体が条例などで公園等の上空の飛行を禁止していることがあると書いています。船橋市の公式ページは、都市公園や広場でのドローンの飛行を原則禁止とし、根拠を市の都市公園条例としています。飛ばす場所を管理する自治体の公式ページで確認してください。
ルールを破ると、どんな罰則がありますか
e-Govの航空法の条文によると、登録していない機体の飛行は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金、アルコール・薬物の影響下で道路・公園・広場などの公共の場所の上空を飛行させると1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金、禁止空域や承認が要る方法での無許可の飛行は50万円以下の罰金です。教則の表は同じ金額を「懲役」と書いていますが、これは2025年6月1日施行の改正より前の条文の表記です。警察庁によると、小型無人機等飛行禁止法のレッドゾーンの飛行は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。
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