4日で発表された漏えいは約3,548万件カプコン1,177万件・ふるさとチョイス445万件・リクルート371万件、お名前.comではFX口座の不正な操作も
日刊AIニュース10月22日(木)号:前日のAIのニュース26本を短くまとめました(約13分)›
2026年10月19日から22日の4日間に、国内外で情報漏えいや不正アクセスの発表が相次いだ。カプコン1,177万4,247件、ふるさとチョイス445万4,097件、リクルート最大370万9,551件など、発表された件数を足すと約3,548万件(単純合計)。お名前.comのデスクトップクラウドでは、GMOが「取引口座で第三者による不正な操作」の報告を受けたと発表し、警察に相談した。

目次
2026年10月19日から22日までの4日間に、国内外で情報漏えいや不正アクセスの発表が相次ぎました。カプコンが1,177万4,247件、ふるさとチョイスが445万4,097件、リクルートが最大370万9,551件など、各社・当局が発表した件数を足すと約3,548万件になります(最大・のべの数を含む単純合計で、同じ人の重なりがあります)。お名前.comのデスクトップクラウド(FXの自動売買用の貸しパソコン)では、GMOが「取引口座で第三者による不正な操作が行われた」との報告を受けていると発表し、10月22日に警察に相談しました。
この記事の内容は、2026年10月22日夜(日本時間)時点で確認できた公式の発表と報道に基づきます。PHPの重大な脆弱性php2shellについては、1本目の記事と翌朝の続報もあわせて読んでください。
3行まとめ
- 10月19〜22日の4日間に発表された漏えいの件数を足すと約3,548万件。カプコン1,177万件、ユミルリンクのべ約900万件、ふるさとチョイス445万件、コミックシーモア最大約420万件、リクルート最大371万件、阪急阪神百貨店約126万件
- お名前.comのデスクトップクラウドでは、FXの取引口座で第三者による不正な操作の報告があり、GMOは警察に相談。補償について約束した事業者は、確認できた範囲ではまだない
- PHPの穴(php2shell)は、悪用がもう確認されている。ただし、この穴が原因だと公表した会社は、10月22日夜時点でまだない
この件は、YouTube「AI時短ラボ」の動画「4日で漏えい3548万件 カプコン・ふるさとチョイス・リクルート、お名前.comはFX口座を勝手に取引 PHPの穴は悪用を確認」でも、日付順に解説しています。
4日間に発表された、主な漏えい
件数の大きい順に並べました。件数と項目は、各社の発表の書き方のままです。
| 発表日 | 会社・サービス | 件数 | 漏れた主な情報 | 原因(発表の書き方) |
|---|---|---|---|---|
| 10/22 | カプコン(CAPCOM ID) | 1,177万4,247件(全世界) | メールアドレス、ログイン回数など。196件はパスワードを勝手に変更(リセット済み) | 公表なし(「攻撃手段の特定と対応を完了」) |
| 10/19 | ユミルリンク(メール配信) | のべ約900万件 | メールアドレスなど | 「プログラムの脆弱性」で担当者の認証を取られた |
| 10/20 | ふるさとチョイス(トラストバンク) | 445万4,097件 | 氏名、メール、住所、電話番号、変換したパスワード、寄附控除の試算額 | 「不正アクセスによって検知した脆弱性」 |
| 10/21 | コミックシーモア(NTTソルマーレ・第4報) | 最大約420万件(システムの記録の上) | メールアドレスなど。別の319件は変換したパスワードも | 経路は特定して遮断(中身は非公表) |
| 10/21 | リクルート(カーセンサー) | 最大370万9,551件 | 問い合わせた人の氏名・住所など、販売店の登録情報 | 「第三者からの不正なアクセス」 |
| 10/19 | 阪急阪神百貨店(H2Oリテイリング) | 約126万件(ほぼ全ての会員) | 氏名、住所、電話番号、生年月日など | 「第三者による不正アクセス」 |
| 10/19 | SONICWIRE(クリプトン・フューチャー・メディア) | 36万2,137件(10/22確定) | 氏名、メール、変換したパスワード | 経路の詳細は非公表。把握に Claude Mythos を使ったと記載 |
| 10/21 | 大阪大学(委託先NECの協力会社から) | 7万7,851人 | 卒業生・在学生・教職員の氏名、ID、メールなど | NECが契約にない協力会社とクラウドでファイルを共有 |
ほかにも、アルカディア(防災メールの配信)経由で20府県警の警察官・職員約12万5,000人分が流出したおそれがあると、警察庁への取材で分かったと報じられています(時事通信)。メール配信のブラストメール(ラクス)への不正アクセスでは、JR四国のメルマガ会員約3万件、富山県の約7,000件などの漏えいのおそれを、使っていた側が発表しました。
海外では、オランダのスーパー大手Ahold Delhaizeが欧米の多くのブランドでサイトとアプリを止め(店舗は営業)、台湾のクラウドZeaburは環境変数約321万件・アカウント約32万件分を読まれたと報告して年末でのサービス終了を決め、AIアプリの部品LiteLLMは悪意あるコードを入れた版が配られたと開示しました。
お名前.comのデスクトップクラウドで、何が起きたか
お名前.comのデスクトップクラウドは、FXの自動売買(MT4/MT5など)を一日中動かしておくために使われる、Windowsの貸しパソコンです。
- 第1報(10月21日):GMOインターネットは、一部の利用者のサーバー環境に不正なプログラムが置かれたと発表しました。影響の可能性があるのは最大2万6,739件で、全プランのサーバーを順に止めました。
- 第2報(10月22日):GMOは、利用者から「本サービスのサーバー上でご利用の取引ツールに関連して、お取引口座で第三者による不正な操作が行われた」との報告を受けていると公表しました。サーバー内に保存されていた取引口座のログイン情報等が取得され、不正に利用された可能性があるとしています。10月22日に警察に相談しています。
FXの業者側でも、OANDA証券やTitan FXがお名前.comの件として注意を呼びかけています。FXTFは、事業者名を伏せたうえで、他社のVPS(貸しパソコン)への攻撃でログインや取引が行われた可能性を検知したと知らせています。
X(旧Twitter)では、口座の情報を抜かれ、お金を引き出されるのではなく、わざとめちゃくちゃな取引を繰り返されて口座を空にされたという利用者の報告が相次いでおり、数百万円を失ったという声も複数あります。個々の投稿の金額は、本人の報告です。
補償については、10月22日夜時点で、GMOのお知らせに記載はありません。FXの業者も、確認できた範囲では約束しておらず、OANDA証券は「今後の運用等の方針につきましては、現在協議を進めております」としています。AI時短ラボとしては、影響の可能性が最大2万6,739件と大きく、取引が盗まれた本物のログイン情報で行われた可能性があることから、全額の補填は現実的に厳しいと見ています(ここは筆者の見立てです)。
使っていた人に向けて、GMOは次のことを呼びかけています。
- 本サービスのサーバー以外の端末から、取引ツールと取引口座のパスワードを至急変更し、ログオフする
- 取引履歴と残高を確認し、身に覚えのない取引は取引先の事業者へ連絡する
- 二段階認証を設定する
PHPの穴(php2shell)は、どこまで悪用されているか
2026年10月21日に修正版が出たPHPの重大な脆弱性php2shellについて、Amazon(AWS)は「実際に広く悪用されている」と発表しています。最初の攻撃の試みは、修正版の公開の4日前の10月17日に、自社の囮のサーバー網で観測されました。Cloudflareの社長は、攻撃の試みが公開前の10時間で数千件、公開から45分で数万件、2時間で数十万件、その後は数百万件になったと投稿しています(ORFがdpa配信として報道)。これは試みの数で、入られた数ではありません。
VulnCheckの集計では、修正前の版が見えているサーバーが147万4,985台あります。一方で、php2shellで入られたと公表した会社は、10月22日夜時点で確認できていません。バルテックは当初「PHPの脆弱性を標的としたサイバー攻撃」と伝えましたが、その後、自社のお知らせで「誤報」と訂正しています。
国内では、10月21日の昼から夜にかけて、確認できただけで192の会社や団体が、公式にサービスの停止や予告を出しました。すき家は止めた理由を公式に「重大なセキュリティ上のリスク(PHP)」と書いています。愛媛県は、PHPを使う107のサイトのうち、22日16時の時点で修正を当て終えたのは21だったと発表しました(FNN)。JPCERT/CCは10月22日に注意喚起を出しています。
4日分の発表を数え直して、分かったこと
この記事と動画の件数は、4日分の公式の発表と報道を国内外で集め、原文に当てて数え直したものです。途中で数字が変わった所がいくつもありました。SONICWIREは19日の時点の「最大約42万件」から、22日の更新で36万2,137件に確定しています。ふるさとチョイスの停止は、報道の一部にあった「5時50分」ではなく、適時開示では「15時50分」でした。米国のある医療グループの約140万人分は、会社の発表が10月15日で、今回の4日間の範囲から外しました。足し算に入れたのは、人やアカウントの件数として発表された数だけで、環境変数の数、文書の数、メールの通数、サーバーの台数は入れていません。
使っていた人が、今やること
- 今回の一覧に、自分が使っているサービスがないか確かめる
- 会社からの「お知らせ」を装ったメールが来ても、リンクは押さずに、公式のサイトから確かめる
- 同じパスワードを使い回しているなら、変えておく
確認できていないこと
- 多くの会社は、侵入の原因を公表していません。原因が分かれば、この記事を更新します
- 約3,548万件は、各社・当局が発表した件数の単純合計です。「最大」「のべ」「可能性」の数を含み、同じ人の重なりがあります
- お名前.comの不正な操作の件数・金額は、GMOも業者も公表していません。数百万円の被害は、X上の利用者の報告です
- アルカディア経由の警察の約12万5,000人分は、警察庁自身の発表をまだ確認できていません(報道が警察庁への取材として伝えた数字)
本記事は続報があり次第更新します。
この記事でよく聞かれること
- 2026年10月19日から22日に、どこが情報漏えいを発表しましたか?
- 大きいところでは、カプコン(CAPCOM ID 1,177万4,247件)、ふるさとチョイス(445万4,097件)、コミックシーモア(システムの記録の上で最大約420万件)、リクルートのカーセンサー(最大370万9,551件)、阪急阪神百貨店を運営するH2Oリテイリング(H2O ID約126万件のほぼ全員分)、メール配信のユミルリンク(のべ約900万件)、大阪大学(7万7,851人)などです。海外でも、Ahold Delhaize、Zeabur、LiteLLM、Bullhorn、延世大学などの発表がありました。
- お名前.comのデスクトップクラウドでは何が起きましたか?
- GMOインターネットは10月21日の第1報で、利用者の貸しパソコン(サーバー)最大2万6,739件に不正なプログラムが置かれたと発表しました。10月22日の第2報では、利用者から「取引口座で第三者による不正な操作が行われた」との報告を受けていること、サーバーに保存されていた取引口座のログイン情報等が取得され不正に利用された可能性があること、10月22日に警察に相談したことを公表しています。
- お名前.comのデスクトップクラウドを使っていた人は何をすればいいですか?
- GMOは、本サービスのサーバー以外の端末から、MT4/MT5などの取引ツールと取引口座のパスワードを至急変更し、取引履歴と残高を確認し、身に覚えのない取引は取引先の事業者へ連絡し、二段階認証を設定するよう呼びかけています。
- 今回の漏えいは、PHPの脆弱性(php2shell)が原因ですか?
- 2026年10月22日夜時点で、php2shellが原因だと公表した会社は確認できていません。多くの会社は原因を公表していません。一方で、php2shellそのものは、Amazonが「実際に広く悪用されている」と発表していて、最初の攻撃の試みは修正版の公開の4日前の10月17日でした。
出典・参照資料
- 一次資料カプコン:当社サービスへの不正アクセスに関するお知らせ(2026年10月22日) ↗
- 一次資料チェンジホールディングス 適時開示(ふるさとチョイス・2026年10月20日) ↗
- 一次資料リクルート:カーセンサーへの不正アクセスについて(2026年10月21日) ↗
- 一次資料エイチ・ツー・オー リテイリング:不正アクセスによる個人情報漏えいについて(2026年10月19日) ↗
- 一次資料NTTソルマーレ:コミックシーモアへの不正アクセスについて(第4報) ↗
- 一次資料クリプトン・フューチャー・メディア:SONICWIREへの不正アクセスについて ↗
- 二次資料ユミルリンク 適時開示の報道(INTERNET Watch) ↗
- 一次資料大阪大学:委託先における個人情報の漏えいについて ↗
- 一次資料NEC:当社委託先への不正アクセスについて ↗
- 一次資料お名前.com デスクトップクラウド 第1報 ↗
- 一次資料お名前.com デスクトップクラウド 第2報 ↗
- 一次資料OANDA証券のお知らせ ↗
- 一次資料Titan FX のお知らせ ↗
- 一次資料FXTF のお知らせ ↗
- 二次資料日本経済新聞(2026年10月22日) ↗
- 一次資料バルテック:サービス停止のお知らせ(訂正) ↗
- 一次資料すき家:サービス停止のお知らせ ↗
- 一次資料ラクス(ブラストメール)第2報 ↗
- 二次資料時事通信:警察官らの個人情報流出の恐れ(2026年10月21日) ↗
- 一次資料LiteLLM:Security incident(2026年10月21日) ↗
- 一次資料PingCAP:Security update October 2026 ↗
- 二次資料iThome:Zeabur の調査報告 ↗
- 二次資料The Register:Ahold Delhaize confirms cyberattack ↗
- 二次資料The Register:Bullhorn cyberattack ↗
- 一次資料Amazon Threat Intelligence identifies PHP2Shell exploitation prior to public disclosure in MadPot — AWS Security Blog ↗
- 二次資料ORF:Cloudflare の社長の投稿を伝える記事(dpa) ↗
- 一次資料VulnCheck:PHP2Shell vulnerabilities ↗
- 一次資料JPCERT/CC 注意喚起 JPCERT-AT-2026-0033 ↗
- 二次資料FNN:愛媛県のPHP利用サイトの対応 ↗
この記事の解説動画
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