AI時短ラボ
検索

OpenCode(オープンコード)で不正アクセス、Consoleに預けたOpenAI・AnthropicのAPIキーが漏れた可能性公式「Console利用者の1.4%に影響」、調査は継続中

執筆:約13分で読めます

日刊AIニュース10月17日(土)号:前日のAIのニュース17本を短くまとめました(約8分)›

コーディングエージェントのOpenCodeは2026年10月18日(日本時間)、大規模な蒸留攻撃に関わる不正アクセスがあり、OpenCode Consoleの利用者の1.4%に影響したと公式Xで発表した。利用者に届いたメールでは、ワークスペースに保存したOpenAIやAnthropicなどのキーが漏れた可能性があるとしている。

OpenCode(オープンコード)で不正アクセス、Consoleに預けたOpenAI・AnthropicのAPIキーが漏れた可能性──公式「Console利用者の1.4%に影響」、調査は継続中
目次

コーディングエージェントのOpenCode(オープンコード)は、日本時間2026年10月18日2時56分、公式Xで不正アクセスを受けたと発表しました。発表によると、昨夜、大規模な蒸留攻撃に関わる不正アクセスがあり、OpenCode Console(オープンコード コンソール)の利用者の1.4%に影響しました。利用者に届いたメールには、ワークスペースに保存していたOpenAIやAnthropicなどのAPIキーが漏れた可能性があると書かれています。動画版はYouTubeにあります。

3行まとめ

  1. OpenCodeが不正アクセスを公表。公式Xによると影響はOpenCode Consoleの利用者の1.4%で、Anthropic・OpenAI・Googleと対処中
  2. 利用者へのメールでは、Consoleのワークスペースに保存したOpenAI・Anthropicなどの外部のキーが漏れた可能性がある、としている
  3. 公式は「メールが来ていなければ影響なし」と付け足したが、調査は継続中。Consoleに外部のキーをつないでいた人は取り消して作り直すのが先

本記事は、日本時間10月18日4時ごろまでに確認できたことをまとめています。OpenCodeの調査は続いているため、続報があり次第この記事を更新します。

OpenCodeの発表とメールに書かれていること

OpenCodeは公式Xに、次のように投稿しました。

We had a security breach last night related to a large scale distillation attack that impacted 1.4% of OpenCode Console users

We have notified them all this morning via email

The incident is ongoing so we cannot share more details at this point but we are working with Anthropic, OpenAI, and Google to remediate

(訳:昨夜、大規模な蒸留攻撃に関連したセキュリティ侵害があり、OpenCode Consoleの利用者の1.4%に影響した。該当する全員に今朝メールで知らせた。事案は継続中のため現時点で詳細は出せないが、Anthropic、OpenAI、Googleと対処にあたっている)

蒸留攻撃とは、強いAIに大量に質問して答えを集め、その答えで別のAIを鍛えて、強いAIの力をまねさせるやり方です。

約12分後の3時8分、OpenCodeは同じ内容に1文を足した投稿を出しました。

If you did not get an email you were not impacted, it was a subset of users who had external providers linked

(訳:メールが届いていなければ影響はない。外部のプロバイダーをつないでいた一部の利用者だけだ)

利用者に届いたメールは、セキュリティの話題を発信しているMatt Johansen氏が、0時30分の投稿に画像で添えていました(画像はRedditのr/opencodeに投稿されたものです)。件名は「Action Required: Potential provider key breach」です。本文には、廃止作業中だった古いシステムに不正アクセスがあったこと、ワークスペースに保存していたOpenAIやAnthropicなどのサードパーティのキーが漏れた可能性があること、キーを取り消して作り直し、最近の使われ方を確かめるよう求めることが書かれています。Johansen氏は同じ投稿で「Confirmed. OpenCode hacked. Keys stolen.(確認した。OpenCodeがハックされ、キーが盗まれた)」と書き、その前の投稿では、キーを勝手に使われて料金がかさんでいるという連絡が届いているとしていました。

日本時間(10月18日) 誰が 内容
0:30 Matt Johansen氏(X) OpenCodeがハックされキーが盗まれた、と投稿。利用者に届いたメールの画像付き
2:56 OpenCode公式(X) 蒸留攻撃に関わる不正アクセスを発表。Console利用者の1.4%に影響
3:08 OpenCode公式(X) メールが届いていなければ影響なし、外部のプロバイダーをつないでいた一部の利用者だけ、と付け足し

テック系メディアのStartup Fortuneは、OpenCodeを開発しているのはAnomaly Innovations(旧SST)だと報じています。同メディアによると、メールは攻撃に使われたかどうかは確認できていないとしたうえで、これまでの調査ではほかのデータが漏れた形跡は見つかっていないとも書いているとのことです。時短ラボはメールの全文を直接は確認できていません。

「1.4%」はどこから見た数字か

1.4%と聞くと小さく感じますが、分母に気をつける必要があります。公式の1本目の投稿では、1.4%は「OpenCode Consoleの利用者」全体に対する割合です。一方で2本目の投稿は、影響を受けたのは「外部のプロバイダーをつないでいた一部の利用者」だとしています。

つまり、外部のキーを預けていた人だけで数え直せば、当たった割合は1.4%より大きくなります。どれくらい大きいかは、外部のキーをつないでいた人の数が公表されていないため分かりません。なお、OpenCodeの公式サイトは「毎月1,600万人以上の開発者が使っている」と書いていますが、そのうちConsoleの利用者が何人かは出ていないので、1.4%から人数を出すことはできません。

Consoleの説明書には、Providersの機能について「すでにお金を払っているプロバイダーのアカウントをつなぐ」と書かれています。キーを預けていたのは、APIにお金を払って使っている人たちです。

APIキーが漏れると困ること

「勝手に使われる」だけでは済みません。困ることは大きく4つあります。

  1. 請求が自分に来る: 使われた分の料金は、キーの持ち主に請求されます。自動チャージにしていると、気づくまで積み上がります
  2. 自分の名義で規約違反をした形になる: 他社のAIをまねるための大量の質問は、各社が利用規約で禁じている使い方です。それが自分のキーから行われた形になり、最悪の場合、アカウントや組織ごと止められるおそれがあります
  3. 自分の仕事が止まる: 他人の大量の利用で、使える上限が食われます。アカウントが止められれば、そのキーで動かしていたアプリや自動化も止まります
  4. 気づきにくい: APIの使われ方は、各社の管理画面を見に行かないと分かりません。しかも、キーを取り消すまで何度でも使えます

時短ラボの環境で、キーの置き場所を確かめた

OpenCodeでキーを置く場所は大きく2つあります。ウェブのOpenCode ConsoleのProvidersに預ける方法と、パソコンのOpenCodeに登録する方法です。

Consoleの説明書には「Console stores the credential and serves each provider through its gateway(Consoleが認証情報を保管し、各プロバイダーを自社のゲートウェイ経由で提供する)」とあります。キーはOpenCodeの側に置かれる形で、今回のメールが対象にしているのはこちらです。

手元の側は、撮影用に分けた環境で、偽のキー(本物ではない文字列)を使って試しました。OpenCodeのバージョン2.0.21で opencode auth login からAnthropicを選んで偽のキーを入れると「Connected to Anthropic」と表示され、opencode auth list に「stored」と出ました。保存先は、パソコンの中の ~/.local/share/opencode/ にある opencode.db というファイルで、中の認証情報の表にAnthropicの登録が入っていました。OpenCodeの説明書(旧版)も、/connect で入れたキーは ~/.local/share/opencode/auth.json に保存されると書いています。登録は opencode auth logout で外せました。

手元のパソコンに入れたキーは、今回のメールの対象には入っていません。また、ログインせずに無料のモデルだけを使っていた場合は、そもそもキーを預けていないため、今回の話には当たらないとみられます。

OpenCode Consoleに外部のキーをつないでいた人が、今すぐやること

  1. OpenAI・Anthropic・Googleなどの管理画面で、そのキーを取り消して、新しいキーを作り直す
  2. 各社の管理画面で、最近の使用量と請求を見て、身に覚えのない利用がないかを確かめる
  3. 使いすぎの上限を決めて、自動チャージは止めておく

作り直したキーは、使っているアプリや自動化の設定にも入れ直してください。メールにも、作り直したキーをアプリに入れ直すよう書かれています。また、キーの管理画面はメールの中のリンクから開くのではなく、各社のサイトを自分で開いてたどるほうが安全です。

時短ラボの見方:メールが来ていなくても、調査が終わるまでは取り下げておく

ここからは時短ラボの見方です。APIキーの漏えいは、お金・信用・仕事のすべてに響くので、被害が出てからでは取り返しがつきにくいものです。公式は「メールが届いていなければ影響はない」としていますが、同じ投稿で調査は継続中とも書いています。

そのため、メールが来ていなくても、公式の調査が終わって安全と分かるまでは、OpenCode Consoleにつないだ外部のキーは取り下げておくことをすすめます。作り直した新しいキーも、調査が終わるまではConsoleにつなぎ直さないほうがよいと考えています。取り消しと作り直しは、数分で済む作業です。

まだ分かっていないこと

  • どのように侵入されたのか、どのシステムだったのか(メールでは「廃止作業中の古いシステム」とだけ書かれています)
  • 漏れたキーが実際にどれだけ使われたのか
  • 外部のキーをつないでいた利用者が何人いるのか

Startup Fortuneは、OpenCodeのステータスページや更新履歴、公式サイトには告知が出ておらず、知らせはメールだけだったとするHacker Newsでの指摘も伝えています。時短ラボが日本時間4時ごろに確認した範囲でも、公式の告知は上の2本のX投稿だけでした。

この記事が拠った資料と、確かめられなかったこと

  • OpenCode公式Xの2本の投稿(日本時間10月18日2時56分・3時8分)の原文を確認しました
  • 利用者に届いたメールの文面は、Matt Johansen氏の投稿に添えられた画像(r/opencodeに出たもの)から紹介しています。時短ラボはメールを受け取っておらず、全文や送信時刻は確認できていません
  • Startup Fortuneの記事は、メールが2通送られたことや送信の時刻も伝えていますが、記事内の時刻表記が公式の投稿時刻と食い違うため、本記事では使っていません
  • 時刻はすべて日本時間です

続報が出たら、この記事に追記します。OpenCodeを使っている人が周りにいたら、この記事か動画を教えてあげてください。

この記事でよく聞かれること

OpenCodeで何が起きたのですか?
OpenCodeは公式Xで、昨夜、大規模な蒸留攻撃に関わる不正アクセスがあり、OpenCode Consoleの利用者の1.4%に影響したと発表しました(日本時間2026年10月18日2時56分)。利用者に届いたメールには、廃止作業中の古いシステムに不正アクセスがあり、ワークスペースに保存していたOpenAIやAnthropicなどのキーが漏れた可能性があると書かれています。調査は続いており、詳しいことは公表されていません。
メールが来ていなければ大丈夫ですか?
OpenCodeは同日3時8分の投稿で「メールが届いていなければ影響はない。外部のプロバイダーをつないでいた一部の利用者だけだ」と付け足しました。一方で同じ投稿で、調査は継続中で詳しいことは出せないとも書いています。時短ラボとしては、OpenCode Consoleに外部のキーをつないでいた人は、メールが来ていなくても、公式の調査が終わって安全と分かるまではキーを取り下げておくことをすすめます(時短ラボの見方です)。
パソコンのOpenCodeに入れたAPIキーも漏れたのですか?
メールが対象にしているのは、OpenCode Consoleのワークスペースに保存したキーです。手元のOpenCodeで登録したキーは、OpenCodeの説明書によると自分のパソコンの中のファイルに保存されます。時短ラボが偽のキーで試したところでも、保存先は手元のファイルでした。ログインせずに無料のモデルだけを使っていた場合は、キーを預けていないため今回の対象には当たらないとみられます。
今すぐ何をすればいいですか?
OpenCode Consoleに外部のキーをつないでいた人は、①OpenAI・Anthropic・Googleなどの管理画面でキーを取り消して作り直す ②最近の使用量と請求を確かめる ③使いすぎの上限を決めて自動チャージを止める、の3つです。作り直したキーは、使っているアプリや自動化の設定にも入れ直してください。
シェア: ポスト はてブ

出典・参照資料

YouTubeで見る ↗
AI時短ラボ

大きいニュースはYouTubeでも解説しています。Xでは新着記事をお知らせしています。

コメント

まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?

AIについて聞きたいことはありますか?

質問箱で無料で受け付けています。回答は公開され、他の方の参考にもなります。

質問箱を見る →

関連記事

コーディングエージェントのコンテナからCVEを99%消す──Echo×NanoClawの舞台裏を読むの記事画像

コーディングエージェントのコンテナからCVEを99%消す Echo×NanoClawの舞台裏を読む

検証
AIエージェントの`rm -rf`を実行前に止める「Doberman」──自己申告ベンチマークを読むと見えてくる限界の記事画像

AIエージェントの`rm -rf`を実行前に止める「Doberman」 自己申告ベンチマークを読むと見えてくる限界

検証
GitHubにすら置かれていないコーディングエージェント「kaagum」──Guile言語・自前UIなし・ACP専用という徹底ぶりの記事画像

GitHubにすら置かれていないコーディングエージェント「kaagum」 Guile言語・自前UIなし・ACP専用という徹底ぶり

検証
1.52MBのバイナリが3.5msでコンテナを起動する──ルートレスサンドボックス「kern」をAI生成コードの実行にどう使うかの記事画像

1.52MBのバイナリが3.5msでコンテナを起動する ルートレスサンドボックス「kern」をAI生成コードの実行にどう使うか

検証
MCPサーバーの41%が無認証──それを封筒で包んで守るMCPS(MCP Secure)を読むの記事画像

MCPサーバーの41%が無認証 それを封筒で包んで守るMCPS(MCP Secure)を読む

研究
AI Skillsに「品質ゲート」を通す──NVIDIAが公開したオープンソース評価基盤SkillEvaluatorを読むの記事画像

AI Skillsに「品質ゲート」を通す NVIDIAが公開したオープンソース評価基盤SkillEvaluatorを読む

検証
『26.1%のスキルに脆弱性』──外部Agent Skillsを入れる前に走らせるNVIDIAのセキュリティスキャナ「SkillSpector」の記事画像

『26.1%のスキルに脆弱性』 外部Agent Skillsを入れる前に走らせるNVIDIAのセキュリティスキャナ「SkillSpector」

検証
Claude Code・Codex・Devin──「APIキーを配らない」認証への移行が同時に進んでいるの記事画像

Claude Code・Codex・Devin 「APIキーを配らない」認証への移行が同時に進んでいる

検証