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OpenAI、EUのChatGPT EnterpriseでCodex(コーデックス)とChatGPT Workが出力トークンの半分超と発表中小企業の週間利用者は5月比8.1倍、国別では22%から85%

執筆:約10分で読めます

OpenAIが2026年10月14日、EU企業のエージェント型AI利用を調べたレポートを公開した。同社の調査では、EUのChatGPT EnterpriseでCodexとChatGPT Workが出力トークンの半分超を占め、中小企業の週間利用者は5月から8.1倍。国別の割合はスロベニア22%からリトアニア85%まで開いた。

OpenAI、EUのChatGPT EnterpriseでCodex(コーデックス)とChatGPT Workが出力トークンの半分超と発表──中小企業の週間利用者は5月比8.1倍、国別では22%から85%
目次

OpenAIは2026年10月14日(現地)、OpenAI Economic Researchによる新しいレポート「The EU’s next chapter in AI is agentic」を公開した。同社の発表によると、EUのChatGPT Enterprise顧客のサンプルでは、Codex(コーデックス)とChatGPT Workが出力トークンの半分超を占めている。EUの中小企業ではCodexとChatGPT Workの週間利用者が2026年5月から8倍超に増えた、と同社は書いている。

3行まとめ

  1. OpenAIの調査では、EUのChatGPT Enterpriseサンプルで、CodexとChatGPT Workが出力トークンの半分超を占める。
  2. EUの中小企業(関連ユーザー200人以下)の週間利用者は2026年5月から8.1倍に増え、増加は全加盟国で見られたという。
  3. 国別の割合はスロベニア22%からリトアニア85%まで開き、EUの先進企業は世界の先進企業を下回ると同社は結論づけた。

本記事の内容は、日本時間10月14日18時台に公式ページで確認したものです。

何が発表されたのか

OpenAIの公式ページは、このレポートを「Global Affairs」の記事として10月14日付で掲載している。ページには、データを操作できる画面(Interact with the data)とPDFへのリンクがある。

同社は冒頭で、EUの企業が「質問をする」段階から、計画から完了までをエージェントに任せる段階へ動いていると説明している。レポートの焦点は、企業と中小企業での利用の強さの違い、そして人々がChatGPTに持ち込む仕事の種類の違いだという。

ここでの「エージェント型」は、公式の別ページ(Enterprise Signals)の説明に沿うと、モデルにコンピューターを操作するためのツールを与え、情報を探し、ファイルを編集し、複数の手順の作業を自律的に、または監督のもとで進めさせる使い方を指す。CodexとChatGPT Workがその例として挙げられている。

数字を並べると何が分かるのか

OpenAIの公式ページに書かれた数字は次のとおり。

項目 OpenAIが書いた内容
EUのChatGPT Enterpriseサンプル CodexとChatGPT Workが出力トークンの半分超
EUの中小企業の週間利用者(CodexとChatGPT Work) 2026年5月以降8.1倍、全加盟国で増加
中小企業の定義 関連ユーザー200人以下の企業
国別の出力トークンに占める割合 スロベニア22%〜リトアニア85%(ChatGPT Enterpriseアカウント)
9月のEUの先進企業 EUの一般的な企業の4倍超のトークン(ユーザー1人あたり)
EU外の先進企業 EUの先進企業の2倍超(同上)
世界の先進企業に占めるEU企業 10%

先進企業(フロンティア企業)は、アクティブユーザー1人あたりの出力トークン数で上位10%に入る企業と定義されている。この比較の対象はChatGPT EnterpriseとBusinessのアカウントのみだ。

つまり同社の整理は二層になっている。EU全体では利用が広がり、中小企業にも及んでいる。一方、EUの先進企業は一般的な企業を大きく引き離しているが、世界の先進企業にはまだ届かない。同社はこの差を「利用の強さの大きな差」と呼び、広く使う段階から深く使う段階への移行が機会だと書いている。

同社が挙げた対策は3つで、企業が試行の段階を越えること、働く人にAIを使うための技能と自信を持ってもらうこと、高度な機能をもっと手に入れやすく、手の届く価格にすることだ。

同社の幹部は何と言ったのか

公式ページには、OpenAIのCFOであるSarah Friar氏のコメントが載っている。

“Europe is now in a new era of AI, with tools that can carry out tasks for people. More than half of the AI use among our EU enterprise and business customers now involves these tools, and the number of small business users has grown 8x across the region.” (欧州はいま、人に代わって作業を実行できるツールを備えたAIの新しい時代にある。EUの企業・ビジネス顧客のAI利用の半分超が、いまやこうしたツールを使っており、小規模事業者のユーザー数は地域全体で8倍に増えた。)

引用はコメントの前半で、後半は「それでもEUにはAI利用が伸びる余地が十分ある」という趣旨だ。なお、コメントの「半分超」は企業・ビジネス顧客と書かれ、本文の「ChatGPT Enterpriseのサンプルで出力トークンの半分超」とは対象の言い方が少し違う。

別のデータ「Enterprise Signals」とは何が違うのか

EU向けレポートは本文中で、OpenAIが世界の企業顧客を対象に公開している「Enterprise Signals」にリンクしている。こちらは2026年8月12日更新のページで、EUに限った数字ではない。混同を避けるため、別の表にしておく。

項目 Enterprise Signalsの数字(世界の企業顧客)
Codexが占める割合 2026年6月時点で、CodexとChatGPTの出力トークン合計の64%
先進企業と一般企業の差(ユーザー1人あたりの出力トークン) 6月時点で先進企業は一般企業の8.3倍(1月は2.6倍)
プラグインの週間利用 先進企業のアクティブユーザーの21%、一般企業は9%
部門別のCodex週間利用者の増加(2月以降) 法務108倍、営業41倍、採用41倍、マーケティング26倍、エンジニアリング5倍

こちらでは、Codexの利用者が最も速く増えているのは開発者以外の知識労働者だと同社は説明している。EU向けレポートの8.1倍と、この部門別の倍率は、対象も期間も違う別の数字だ。

同ページには、トークンの量は事業価値の不完全な指標だという断り書きもある。短い回答が高い価値を持つこともあれば、長い回答がほとんど価値を生まないこともある、と同社は書いている。EU向けレポートの比較も、トークン数に基づく点は同じだ。

日本の読者にとって何が関係するのか

今回取得したレポートの紹介ページには、日本の数字や日本での提供についての記載はない。レポートはEUを対象にしている。

関係するのは、CodexとChatGPT Workという道具の使われ方を、OpenAIがどんな指標で測っているかが具体的に分かる点だろう。出力トークンの割合、アクティブユーザー1人あたりのトークン数、上位10%と中位の企業の比較、という3つの物差しだ。日本の企業が自社の利用を見るときも、同じ物差しが使えるかを考える材料になる。ただし、これは筆者の見方であり、OpenAIの主張ではない。

公式ページを見て気づいたこと

日本時間18時30分台に公式ページを取得して確認した。ページの本文には、中小企業の週間利用者の図の見出しと、先進企業の比較の図の凡例(Global Frontier (ex-EU)、EU Frontier、Global Typical (ex-EU)、EU Typicalの4系列)は入っていたが、グラフの個々の値は取得したテキストからは読み取れなかった。国別の割合は、スロベニア22%とリトアニア85%という両端が本文に書かれているだけで、他の国の値は取得したテキストに無かった。

リンク先のPDF(europes-agentic-opportunity.pdf)も取得はできた(HTTP 200)が、今回の作業では文字として読める形で中身を確認できなかった。このため、国別の全順位や、各国の作業の種類の違いの中身は、本記事では扱えていない。

紹介ページだけでは分からないこと

  • レポートの国別の全データ、方法の詳細、PDFの本文は今回確認していない。表にした数字はすべて公式紹介ページとEnterprise Signalsに書かれたものだ。
  • 数字はOpenAI自身が自社の顧客データから出したもので、第三者による検証は今回確認した範囲では見当たらない。
  • 「EUのサンプル」がどのように抽出されたか、中小企業の週間利用者の元の人数は、紹介ページには書かれていない。倍率は出ているが、絶対数は分からない。
  • 今回取得したレポートの紹介ページに、日本についての記載はない。
  • 筆者は両ツールを自分で試していない。本記事は公式ページの記載にもとづく。

出典と確認時刻

本記事は続報があり次第更新します。

この記事でよく聞かれること

OpenAIのEU向けレポートで、エージェント型AIの利用はどれくらい進んでいるのですか?
OpenAIが2026年10月14日に公開したレポートによると、同社のEUのサンプル(ChatGPT Enterprise)では、CodexとChatGPT Workが出力トークンの半分超を占めています。EUの中小企業(関連ユーザー200人以下と定義)では、CodexとChatGPT Workの週間利用者が2026年5月から8倍超に増え、増加はすべての加盟国で見られたと同社は書いています。
EUの国によって、エージェント型AIの使われ方は違うのですか?
OpenAIの調査では、ChatGPT Enterpriseのアカウントのうち、CodexとChatGPT Workが出力トークンに占める割合はスロベニアの22%からリトアニアの85%まで開きました。同社は、使う強さだけでなく、ChatGPTに持ち込まれる仕事の種類も国によって違うと書いています。
EUの先進企業は、世界の先進企業と比べてどうなのですか?
OpenAIは、アクティブユーザー1人あたりの出力トークン数で上位10%の企業を先進企業(フロンティア企業)と定義しています。9月のEUの先進企業は、EUの一般的な企業の4倍超のトークンをユーザー1人あたりで出力しましたが、EU外の先進企業はEUの先進企業の2倍超でした。世界の先進企業に占めるEU企業の割合は10%だったと同社は書いています。
このレポートの数字は日本の企業にも当てはまりますか?
今回取得したレポートの紹介ページには、日本についての数字や記載はありません。レポートの対象はEUの企業と中小企業の利用データ(国別の割合はChatGPT Enterprise、先進企業の比較はChatGPT EnterpriseとBusinessのアカウント)で、日本の企業の利用状況は読み取れません。
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