Meta、Muse Spark 1.1を発表──エージェント系ベンチ4つで1位、初のAPI提供も同時開始
Meta(Superintelligence Labs)がマルチモーダル推論モデル「Muse Spark 1.1」を発表。MCP Atlas・JobBench・HLE・Finance Agentの4ベンチで1位。Meta Model APIを初めて立ち上げ、開発者向けAPI市場に本格参入。コスパグラフではOpus 4.8の4分の1のコストで同等性能。

3行まとめ
- Meta Superintelligence Labsがマルチモーダル推論モデル「Muse Spark 1.1」を発表、エージェント系ベンチ6つ中4つで1位
- Meta Model APIを初めて立ち上げ、開発者向けAPI市場に本格参入。Replit・Cline・Boxが早期パートナー
- コスパグラフではOSWorldでOpus 4.8の約4分の1のコストで同等スコア。コーディング系ではOpus・GPTの後ろ
何が起きたか
Meta AI公式発表によると、2026年7月9日、Meta Superintelligence Labsはマルチモーダル推論モデル「Muse Spark 1.1」を発表した。エージェントタスク、ツール使用、コンピュータ操作、コーディングに特化したモデルで、1Mトークンのコンテキストウィンドウを持つ。同時にMeta Model APIをパブリックプレビューとして立ち上げた。
動画でも解説しています: Meta Muse Spark 1.1の性能を正直に読む
ベンチマーク(Meta公表値)
エージェント系(Muse Spark 1.1が強い領域)
| ベンチマーク | Muse Spark 1.1 | Opus 4.8 (max) | GPT 5.5 (xhigh) | Gemini 3.1 Pro |
|---|---|---|---|---|
| MCP Atlas | 88.1 | 82.2 | 75.3 | 78.2 |
| JobBench | 54.7 | 48.4 | 38.3 | 15.9 |
| Humanity's Last Exam | 62.1 | 57.9 | 52.2 | 51.4 |
| Finance Agent v2 | 57.2 | 53.9 | 51.8 | 43.0 |
| Toolathlon-Verified | 75.6 | 76.2 | 73.5 | 61.1 |
| OSWorld-Verified | 80.8 | 83.4 | 78.7 | 76.2 |
コーディング系(Opus・GPTが強い領域)
| ベンチマーク | Muse Spark 1.1 | Opus 4.8 (max) | GPT 5.5 (xhigh) |
|---|---|---|---|
| Terminal Bench 2.1 | 80.0 | 82.7 | 83.4 |
| SWE-Bench Pro | 61.5 | 69.2 | 58.6 |
| DeepSWE 1.1 | 53.3 | 59.0 | 67.0 |
| Meta Internal Coding | 68.3 | 69.0 | 67.1 |
主な特徴
Meta AI公式によると:
- マルチエージェント設計: メインエージェントとして計画→サブエージェントに並列委任。サブエージェントとしても動作
- コンピュータ操作: クリックとスクリプト自動化を自動で使い分け
- コンテキスト管理: 1Mトークンのコンテキストを能動的に管理(圧縮・過去の取り出し)
- マルチモーダル: スマホ動画から商品写真を抽出→Facebook Marketplaceに自動出品するデモを公開
Meta Model API
Metaが自社モデルをAPIで外部提供するのは今回が初めて。OpenAI互換のAPIパッケージとして提供。早期パートナーとしてReplit・Cline・Boxが参加。
API単価は100万トークンあたり入力$1.25・出力$4.25
Meta公式のModel APIドキュメント「Pricing and rate limits」によると、単価は100万トークンあたり以下の通り(2026年8月14日確認)。
| モデルID | キャッシュ入力 | 入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
muse-spark-1.1 |
$0.15 | $1.25 | $4.25 |
muse-spark-1.2 |
$0.15 | $1.25 | $4.25 |
muse-spark-1.2-contributor |
$0.002 | $0.10 | $0.20 |
Contributorティアが1桁安いのは学習データ提供と引き換え
同じドキュメントは、Contributorティアを「大幅に割引されたトークン単価と引き換えに、あなたのプロンプトと補完をMetaの将来のモデルの学習に使う許可を与えるもの」と説明している。対してStandardティアには「あなたのプロンプトと補完はMetaのモデルの学習には使われない」と明記がある。
つまり$0.10/$0.20は値引きではなく交換条件つきの価格で、他社APIの通常単価と直接並べる対象にはならない。他社と比較するならStandardティアの$1.25/$4.25の方を使うことになる。
モデル仕様と接続方式
公式の「Models」ページの仕様表では、3モデルとも入力はテキスト・画像・動画・PDF、出力はテキスト、コンテキストウィンドウは1,048,576トークン。本文冒頭の「1Mトークン」はこの値を指す。ただし同じページの地の文は「Muse Sparkは多モーダルで、テキスト・画像・動画・音声・PDFを入力として受け取り、テキストを生成する」とオーディオを含めて説明しており、ページ内で入力モダリティの記述が割れている(2026年8月14日確認)。
公式Overviewによると、ベースURLは https://api.meta.ai/v1。「OpenAI SDK、Anthropic SDK、およびOpenAI互換のエージェントCLIとドロップイン互換」と記載され、Responses・Chat Completions・Messagesの3プロトコルに対応する。
レート制限はStandardが3,000 RPM/400万 TPM
| ティア | RPM(毎分リクエスト数) | TPM(毎分トークン数) |
|---|---|---|
| Standard | 3,000 | 4,000,000 |
| Contributor | 100 | 3,000,000 |
加えて background: true を指定したバックグラウンド応答は上記とは別枠で数えられ、既定値は「チームあたり毎分600件の投入」。課金は従量制で、公式ドキュメントは「最低利用額や事前コミットメントはなし」としている。
日本から使えるかは公式サイト内で記述が食い違っている
提供リージョンについて、Meta公式サイトの記述が一致していない(いずれも2026年8月14日確認)。
| 公式ページ | 記述 |
|---|---|
| 製品ページ「Meta Model API」 | Public preview. Now available with expanded global access.(パブリックプレビュー。現在は拡大されたグローバルアクセスで利用可能) |
| モデルページ「Muse Spark 1.1」 | Now in public preview for US developers(現在、米国の開発者向けにパブリックプレビュー中) |
| 開発者ブログ(7月8日付、"Jul 08, 2026 — 12 min read"表記) | Today, Muse Spark is accessible in public preview on Meta Model API to developers in the US.(本日、米国の開発者が利用できる) |
確認した範囲の公式ドキュメント(製品ページ・モデルページ・開発者ブログ・pricing/models/overview)には対応国リストは見当たらず、日本という国名も出てこない。7月8日付の開発者ブログの米国限定表記から、製品ページの言う「グローバルアクセス拡大」へ動いたとは読めるが、日本が対象に入ったかどうかは公式の記述からは確認できない。
2026年8月時点でもGA表記は見当たらない
「Pricing and rate limits」「Models」の両ドキュメントには GA / generally available / preview のいずれの語もなく、StandardとContributorはティア名であって提供段階を示すものではない。一方で製品ページは2026年8月14日時点でも冒頭に「Public preview」と書いている。発表から約1か月が経つが、GA化を告げる公式の記述は確認できなかった。
コスパ
OSWorld 2.0のコスト対性能グラフでは、同じスコア50を出すのにMuse Spark 1.1は$8以下、Opus 4.8は$30近くかかるとされている。エージェント系タスクでのコスパは、同スコアをOpus 4.8の4分の1近いコストで出せる計算になる。
ただしこの$8/$30はOSWorld 2.0で同じスコアに達するまでの総コストとしてMetaが示した値で、トークン単価とは別の指標。単価だけを他社と並べて読む場合はClaude・GPT・GeminiのAPI単価早見表と突き合わせる必要がある。
確認できていないこと
- 最大出力トークン数と知識カットオフ日は、公式ドキュメントに記載が見当たらず確認できていない
- レート制限の引き上げ条件(上位ティアの有無や申請方法)についての記述も見当たらない
- 日本からAPIキーを発行して課金できるかは、実際に試して確かめていない。上記はすべて公式ページの記述を読んだだけの情報
- Contributorティアで学習に使われるデータの保存期間やオプトアウト可否は、公式ドキュメントに詳細がない
- 単価・レート制限は2026年8月14日に確認した値。パブリックプレビュー中の改定はありうる
更新・訂正履歴
- 2026-08-14: 開発者ブログの日付誤り(7月9日→正しくは7月8日、"Jul 08, 2026"表記)を訂正。同ブログからの引用に欠けていた文頭"Today,"を補い訳文に反映。重複表現2箇所(Anthropic SDK対応の言い換え、最大出力トークン数の重複記載)を削除。公式Modelsページの入力モダリティ記述がページ内で割れている点(仕様表はaudioなし、地の文はaudioあり)を明記。対応国リストの断定を「確認した範囲では見当たらず」に限定
出典: Introducing Muse Spark 1.1 — Meta AI
本記事のベンチマーク数値はMeta AIの公式発表(2026年7月9日付)に基づく。Meta Internal Coding Benchは自社ベンチマークであり、外部ベンチと結果が異なる場合がある。コスパグラフの数値はMeta公表の推定値。
出典・参照資料
この記事の解説動画
YouTubeで見る ↗AIニュースの解説を動画でも
YouTubeでは注目ニュースの背景を解説し、Xでは新着記事をお知らせしています。
コメント
まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?
AIについて聞きたいことはありますか?
質問箱で無料で受け付けています。回答は公開され、他の方の参考にもなります。
質問箱を見る →新しい記事をメールで受け取る
AIの新しい発表を、出典付きで整理して届けます。