2026年8月28日 金曜日
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Meta、Muse Spark 1.1を発表──エージェント系ベンチ4つで1位、初のAPI提供も同時開始

Meta(Superintelligence Labs)がマルチモーダル推論モデル「Muse Spark 1.1」を発表。MCP Atlas・JobBench・HLE・Finance Agentの4ベンチで1位。Meta Model APIを初めて立ち上げ、開発者向けAPI市場に本格参入。コスパグラフではOpus 4.8の4分の1のコストで同等性能。

Meta、Muse Spark 1.1を発表──エージェント系ベンチ4つで1位、初のAPI提供も同時開始
執筆・編集:
目次

3行まとめ

  1. Meta Superintelligence Labsがマルチモーダル推論モデル「Muse Spark 1.1」を発表、エージェント系ベンチ6つ中4つで1位
  2. Meta Model APIを初めて立ち上げ、開発者向けAPI市場に本格参入。Replit・Cline・Boxが早期パートナー
  3. コスパグラフではOSWorldでOpus 4.8の約4分の1のコストで同等スコア。コーディング系ではOpus・GPTの後ろ

何が起きたか

Meta AI公式発表によると、2026年7月9日、Meta Superintelligence Labsはマルチモーダル推論モデル「Muse Spark 1.1」を発表した。エージェントタスク、ツール使用、コンピュータ操作、コーディングに特化したモデルで、1Mトークンのコンテキストウィンドウを持つ。同時にMeta Model APIをパブリックプレビューとして立ち上げた。

動画でも解説しています: Meta Muse Spark 1.1の性能を正直に読む

ベンチマーク(Meta公表値)

エージェント系(Muse Spark 1.1が強い領域)

ベンチマーク Muse Spark 1.1 Opus 4.8 (max) GPT 5.5 (xhigh) Gemini 3.1 Pro
MCP Atlas 88.1 82.2 75.3 78.2
JobBench 54.7 48.4 38.3 15.9
Humanity's Last Exam 62.1 57.9 52.2 51.4
Finance Agent v2 57.2 53.9 51.8 43.0
Toolathlon-Verified 75.6 76.2 73.5 61.1
OSWorld-Verified 80.8 83.4 78.7 76.2

コーディング系(Opus・GPTが強い領域)

ベンチマーク Muse Spark 1.1 Opus 4.8 (max) GPT 5.5 (xhigh)
Terminal Bench 2.1 80.0 82.7 83.4
SWE-Bench Pro 61.5 69.2 58.6
DeepSWE 1.1 53.3 59.0 67.0
Meta Internal Coding 68.3 69.0 67.1

主な特徴

Meta AI公式によると:

  • マルチエージェント設計: メインエージェントとして計画→サブエージェントに並列委任。サブエージェントとしても動作
  • コンピュータ操作: クリックとスクリプト自動化を自動で使い分け
  • コンテキスト管理: 1Mトークンのコンテキストを能動的に管理(圧縮・過去の取り出し)
  • マルチモーダル: スマホ動画から商品写真を抽出→Facebook Marketplaceに自動出品するデモを公開

Meta Model API

Metaが自社モデルをAPIで外部提供するのは今回が初めて。OpenAI互換のAPIパッケージとして提供。早期パートナーとしてReplit・Cline・Boxが参加。

API単価は100万トークンあたり入力$1.25・出力$4.25

Meta公式のModel APIドキュメント「Pricing and rate limits」によると、単価は100万トークンあたり以下の通り(2026年8月14日確認)。

モデルID キャッシュ入力 入力 出力
muse-spark-1.1 $0.15 $1.25 $4.25
muse-spark-1.2 $0.15 $1.25 $4.25
muse-spark-1.2-contributor $0.002 $0.10 $0.20

Contributorティアが1桁安いのは学習データ提供と引き換え

同じドキュメントは、Contributorティアを「大幅に割引されたトークン単価と引き換えに、あなたのプロンプトと補完をMetaの将来のモデルの学習に使う許可を与えるもの」と説明している。対してStandardティアには「あなたのプロンプトと補完はMetaのモデルの学習には使われない」と明記がある。

つまり$0.10/$0.20は値引きではなく交換条件つきの価格で、他社APIの通常単価と直接並べる対象にはならない。他社と比較するならStandardティアの$1.25/$4.25の方を使うことになる。

モデル仕様と接続方式

公式の「Models」ページの仕様表では、3モデルとも入力はテキスト・画像・動画・PDF、出力はテキスト、コンテキストウィンドウは1,048,576トークン。本文冒頭の「1Mトークン」はこの値を指す。ただし同じページの地の文は「Muse Sparkは多モーダルで、テキスト・画像・動画・音声・PDFを入力として受け取り、テキストを生成する」とオーディオを含めて説明しており、ページ内で入力モダリティの記述が割れている(2026年8月14日確認)。

公式Overviewによると、ベースURLは https://api.meta.ai/v1。「OpenAI SDK、Anthropic SDK、およびOpenAI互換のエージェントCLIとドロップイン互換」と記載され、Responses・Chat Completions・Messagesの3プロトコルに対応する。

レート制限はStandardが3,000 RPM/400万 TPM

ティア RPM(毎分リクエスト数) TPM(毎分トークン数)
Standard 3,000 4,000,000
Contributor 100 3,000,000

加えて background: true を指定したバックグラウンド応答は上記とは別枠で数えられ、既定値は「チームあたり毎分600件の投入」。課金は従量制で、公式ドキュメントは「最低利用額や事前コミットメントはなし」としている。

日本から使えるかは公式サイト内で記述が食い違っている

提供リージョンについて、Meta公式サイトの記述が一致していない(いずれも2026年8月14日確認)。

公式ページ 記述
製品ページ「Meta Model API」 Public preview. Now available with expanded global access.(パブリックプレビュー。現在は拡大されたグローバルアクセスで利用可能)
モデルページ「Muse Spark 1.1」 Now in public preview for US developers(現在、米国の開発者向けにパブリックプレビュー中)
開発者ブログ(7月8日付、"Jul 08, 2026 — 12 min read"表記) Today, Muse Spark is accessible in public preview on Meta Model API to developers in the US.(本日、米国の開発者が利用できる)

確認した範囲の公式ドキュメント(製品ページ・モデルページ・開発者ブログ・pricing/models/overview)には対応国リストは見当たらず、日本という国名も出てこない。7月8日付の開発者ブログの米国限定表記から、製品ページの言う「グローバルアクセス拡大」へ動いたとは読めるが、日本が対象に入ったかどうかは公式の記述からは確認できない。

2026年8月時点でもGA表記は見当たらない

「Pricing and rate limits」「Models」の両ドキュメントには GA / generally available / preview のいずれの語もなく、StandardとContributorはティア名であって提供段階を示すものではない。一方で製品ページは2026年8月14日時点でも冒頭に「Public preview」と書いている。発表から約1か月が経つが、GA化を告げる公式の記述は確認できなかった。

コスパ

OSWorld 2.0のコスト対性能グラフでは、同じスコア50を出すのにMuse Spark 1.1は$8以下、Opus 4.8は$30近くかかるとされている。エージェント系タスクでのコスパは、同スコアをOpus 4.8の4分の1近いコストで出せる計算になる。

ただしこの$8/$30はOSWorld 2.0で同じスコアに達するまでの総コストとしてMetaが示した値で、トークン単価とは別の指標。単価だけを他社と並べて読む場合はClaude・GPT・GeminiのAPI単価早見表と突き合わせる必要がある。

確認できていないこと

  • 最大出力トークン数と知識カットオフ日は、公式ドキュメントに記載が見当たらず確認できていない
  • レート制限の引き上げ条件(上位ティアの有無や申請方法)についての記述も見当たらない
  • 日本からAPIキーを発行して課金できるかは、実際に試して確かめていない。上記はすべて公式ページの記述を読んだだけの情報
  • Contributorティアで学習に使われるデータの保存期間やオプトアウト可否は、公式ドキュメントに詳細がない
  • 単価・レート制限は2026年8月14日に確認した値。パブリックプレビュー中の改定はありうる

更新・訂正履歴

  • 2026-08-14: 開発者ブログの日付誤り(7月9日→正しくは7月8日、"Jul 08, 2026"表記)を訂正。同ブログからの引用に欠けていた文頭"Today,"を補い訳文に反映。重複表現2箇所(Anthropic SDK対応の言い換え、最大出力トークン数の重複記載)を削除。公式Modelsページの入力モダリティ記述がページ内で割れている点(仕様表はaudioなし、地の文はaudioあり)を明記。対応国リストの断定を「確認した範囲では見当たらず」に限定

出典: Introducing Muse Spark 1.1 — Meta AI

本記事のベンチマーク数値はMeta AIの公式発表(2026年7月9日付)に基づく。Meta Internal Coding Benchは自社ベンチマークであり、外部ベンチと結果が異なる場合がある。コスパグラフの数値はMeta公表の推定値。

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