Google「Pics」発表、Nano Banana 2搭載でオブジェクト単位編集できるCanva対抗の画像ツール
GoogleがI/O 2026でAI画像ツール「Pics」を発表。Nano Banana系モデルを基盤に、画像内の要素をオブジェクト単位で移動・編集でき、Google Slidesに統合される。

目次
3行まとめ
- GoogleがI/O 2026でAI画像ツール「Pics」を発表、Google SlidesなどWorkspaceに統合される
- 画像内の要素をオブジェクト単位で移動・編集でき、埋め込みテキストの編集や翻訳にも対応すると報道
- 現時点は発表段階で当初はテスター限定、夏以降にWorkspace上位プラン等へ展開予定と報じられる
Google I/O 2026で発表された内容
GoogleはI/O 2026で、AI画像生成・編集ツール「Google Pics」を発表した。The Next Web と Beebom の報道によると、Picsは「Nano Banana」系の画像モデルを基盤とし、Google Workspace、特にGoogle Slidesに統合される。生成した画像はGoogle Driveに保存され、共有できる。
最大の特徴は、画像内の各要素を「個別のオブジェクト」として扱う点だ。両媒体の報道では、ユーザーは画像内の特定の要素だけを選んで移動・リサイズ・変形でき、全体を作り直さずに一部だけを修正できるとされる。さらに画像内に埋め込まれたテキストの編集や、フォント・サイズを保ったままの言語翻訳にも対応すると報じられている。生成画像にはGoogleのSynthIDウォーターマークが付く。
なお、モデル名は The Next Web が「Nano Banana 2」と記す一方、Beebom はSundar Pichai氏のキーノート発言として「Gemini Nano Banana の基盤の上に構築」と表現しており、表記には媒体差がある。
公式ページはモデル名に版番号を付けていない
この食い違いは、Google自身の製品ページを見ると片側に寄せられる。Google Workspaceの公式Pics製品ページ(workspace.google.com/products/pics/)を2026年8月14日に確認したところ、機能紹介の見出しは "Stunning images with Nano Banana" で、版番号は付いていない。本文の説明も "Create images for any project that match your preferred style, using Google's most advanced AI imaging models."(好みのスタイルに合う画像を、Googleの最も高度なAI画像モデルで作れる)とあるだけで、型番でモデルを特定していない。
つまり「Nano Banana 2」はGoogleの公式表記ではなく、The Next Web側の記述だ。ただしこれで分かるのは公式が版を書いていないという事実までで、内部で動いているのが第2世代かどうかは公式ページからは確定できない。Beebomが引いたキーノート発言と公式ページの表記は、どちらも版番号なしという点で一致している。
公式ページに書かれている提供条件
同じページとFAQ("Curious about Google Pics?")に、提供条件が書かれている。2026年8月14日に確認した内容は次のとおり。
| 項目 | 公式ページの記述(2026年8月14日確認) |
|---|---|
| モデル名 | 見出しは "Stunning images with Nano Banana"、本文は "Google's most advanced AI imaging models"。版番号の記載なし |
| 現在の状態 | "We're testing Pics with a small number of users now, but we'll expand this to more people soon."(少人数でテスト中) |
| 一般提供の対象 | "Workspace customers with Business Standard and higher plans, as well as Google AI Pro & Ultra subscribers" |
| 一般提供の時期 | "in the coming months"(今後数か月以内)。具体的な日付の記載なし |
| 編集機能 | "Powerful controls to move, resize, and transform individual objects, modify and translate text, or update a specific area of the image." |
| Slides連携 | "Use Google Pics to add and edit images directly within Google Slides, or save your creations to Google Drive for easy access and sharing." |
| 生成枚数の上限 | 記載なし |
| SynthID | 記載なし |
| 対象地域・言語 | 記載なし |
対象プランについては、報道と公式で食い違いはなかった。Workspace側はBusiness Standard以上、個人側はGoogle AI ProとUltraの契約者が一般提供の対象になる、というのが公式の書き方だ。無償のGoogleアカウントやBusiness Starterがどうなるかは書かれていない。
早期アクセスの導線は3つ挙げられている
FAQの "How can I get early access?" には、順番待ちに乗る方法が3つ並んでいる。ひとつはWorkspaceのDiscordコミュニティに参加すること。ふたつめはWorkspace Experimentsに参加し、Workspace Experimentsのニュースレターに登録すること。みっつめは組織向けで、"If you're a business using Google Workspace, you can test Pics as soon as it's available by enabling Gemini Alpha features for you and your organization."(Google Workspaceを使う企業なら、自分と組織に対してGemini Alpha機能を有効にすることで、提供され次第Picsを試せる)と書かれている。
Workspace Experimentsのページ(workspace.google.com/experiments/)にもPicsは掲載されており、"Generate and refine images in Google Pics, a new AI-powered tool for visual creation in Google Workspace." と説明されている。同ページの導線は個人アカウントでのサインインを求める作りで、対象地域や言語についての記載は見当たらなかった。
SynthIDについてはPics固有の公式言明が見つからない
Beebomは「Google Pics で生成された画像はすべてSynthIDのウォーターマークが入る」と断定して書いている。だが2026年8月14日時点で、公式のPics製品ページにSynthIDの文字は無い。The Next Web自身も、Googleは Pics の出力について独立した来歴(provenance)の説明をまだ出していない、と注記している。
Google DeepMindのSynthIDページには "The watermarks are embedded across Google's generative AI consumer products, and are imperceptible to humans – but can be detected by SynthID's technology."(ウォーターマークはGoogleの生成AI消費者向け製品全体に埋め込まれ、人間には知覚できないがSynthIDの技術で検出できる)とある。一般方針としてはそう書かれているが、Picsに適用されるという名指しの記述は確認できなかった。したがってこの記事では「入る」とは書かない。SynthIDそのものの仕組みと限界はSynthIDとC2PAを公式資料で突き合わせた検証にまとめてある。
管理者向けブログにPicsの告知はまだ出ていない
Workspaceの機能公開は通常、管理者向けのGoogle Workspace Updatesブログで告知される。2026年8月14日に確認したところ、同ブログの2026年5月アーカイブにも2026年8月アーカイブにもPicsに関する投稿は無く、サイト内検索で "Pics" を引いても結果は0件だった。
告知が出ていないというのは確認できた事実だ。そこから「I/Oから約3か月経った8月14日時点でも一般提供は始まっていない」と読むのは筆者の推測で、告知の運用が変わった可能性は排除できない。ただ公式ページ自身が今も "testing Pics with a small number of users" と現在形で書いているので、状況は5月の発表時からあまり動いていないと見ている。
オブジェクト単位編集がもたらす違い
従来のAI画像生成は、一部だけ直したくてもプロンプトを変えて全体を作り直すことが多く、構図やテキストの再現が崩れやすかった。Picsが報道どおりオブジェクト単位の編集を実現するなら、「ここの文字だけ直す」「この要素だけ動かす」といった作業がやりやすくなる。これは画像内テキストや構図を細かく扱う用途で、CanvaやAdobe Expressとの差別化点になり得る。Slidesへの統合は、資料作成の流れの中で画像を直接編集できる導線として位置づけられている。
どう受け止めるか
現時点では発表段階で、実機での編集精度やテキスト翻訳の品質は未検証だ。展開時期も、当初はテスター限定(The Next Web は「Workspace Experiments」、Beebom は「Trusted Testers」と表現)で、夏以降にWorkspaceの上位プランおよびGoogle AI Pro/Ultra契約者へ広がる予定とされ、一般提供の正確な日程や対象は報道時点で確定していない。差別化点として語られるオブジェクト編集が実用に足るかは、提供開始後に各自で確かめる必要がある。
「Nano Banana 2」と同一かどうかは公式表記から確定できない
- 実機を触っていない。オブジェクト単位の編集精度、埋め込みテキストの翻訳品質、Slides上での操作感はいずれも未検証だ。公式ページの文言を確認しただけで、性能を確かめたわけではない。
- 日本での提供可否は分からない。公式Pics製品ページは日本語でも表示されるが、それはページの多言語化であって提供地域の保証ではない。公式ページに対象地域・対象言語の記述は見当たらなかった。
- 生成枚数の上限、解像度、商用利用の条件はいずれも公式ページに記載が無い。他のGoogle AI製品の枠と共通なのか別枠なのかも書かれていない。
- モデルの世代は確定できない。公式表記は版番号なしの "Nano Banana" で、これが「Nano Banana 2」と同一かどうかを判定できる一次情報は見つけていない。
- "in the coming months" に具体的な日付は無い。I/Oから約3か月が経った2026年8月14日時点でも、時期を示す新しい公式情報は確認できなかった。
(出典:Google Workspace 公式Pics製品ページ、Workspace Experiments、Google Workspace Updates ブログ、Google DeepMind SynthID ページ、The Next Web、Beebom/一次ソースの確認日:2026年8月14日)
出典・参照資料
- 一次資料Google Pics — Google Workspace 公式製品ページ ↗
- 一次資料Workspace Experiments — Google Workspace ↗
- 一次資料Google Workspace Updates(2026年5月アーカイブ) ↗
- 一次資料SynthID — Google DeepMind ↗
- 二次資料Google announces Pics, a Workspace-native AI image generator | The Next Web ↗
- 二次資料Google Pics Announced at Google I/O 2026 | Beebom Gadgets ↗
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