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動画を「会話しながら」直す──Gemini Omni Flashの対話型編集を料金・仕様から読み解く

GoogleのGemini Omni Flashは、テキストから3〜10秒の動画を生成したあと自然言語での対話で反復編集できるモデル。2026年8月27日にGA版`gemini-omni-1.1-flash`へ昇格し、動画延長・フレーム補間・解像度指定(360p〜4K)が新たに使えるようになった。プレビュー版は9月30日に廃止予定。料金・スペック・利用制限を公式ドキュメントから確認した。

動画を「会話しながら」直す──Gemini Omni Flashの対話型編集を料金・仕様から読み解く
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動画生成AIの多くは「1回作って終わり」だが、Gemini Omni Flashは生成した動画を対話形式で直し続けられる点を売りにしている。2026年6月30日にパブリックプレビュー(gemini-omni-flash-preview)として公開されたこのモデルは、2026年8月27日付の公式Changelogで正式版(GA)gemini-omni-1.1-flashに昇格した。公式ガイド・モデルページ・Changelog(いずれもai.google.dev)を確認し、GA版で増えた機能とプレビュー版の終了日を確認した。

  • GA版のモデルIDはgemini-omni-1.1-flash。プレビュー版gemini-omni-flash-previewは2026年9月30日に廃止予定と公式Changelogに明記されている
  • GA版で「動画延長(extend)」「開始・終了フレーム補間」「解像度指定(360p/720p/1080p/4K)」の3機能が新たに使えるようになった。出力は3〜10秒・24fps、コンテキストウィンドウは1,048,576トークン
  • 720p動画の出力単価は100万トークンあたり$17.50で、「720p動画1秒=5,792トークン」という換算根拠が公式に明記されている。計算すると1秒あたり約$0.10。この単価はプレビュー版・GA版で同一

公式ガイドが挙げる3つの特徴

公式ガイドはOmni Flashを「高速な動画生成と対話的な動画編集のためのマルチモーダルモデル」と位置づけ、3つの特徴を挙げている。

  1. ネイティブなマルチモダリティ:テキスト・画像・音声・動画を同時に処理し、一貫性のある制御しやすい出力を生む
  2. 対話的編集:Interactions APIによって、自然言語での会話を通じて動画を反復的に編集・改善できる。「変更したい点を説明すると、保持したい部分を残したままモデルが編集を適用する」
  3. 世界知識:物理法則の理解とGeminiが持つ歴史・科学・文化的文脈の知識を組み合わせ、フォトリアリズムから意味のあるストーリーテリングまでをつなぐ

2026年8月27日:GA昇格で3機能が追加された

公式Changelogの当該項目にはこう書かれている。

Gemini Omni Flash generally available (GA): Released gemini-omni-1.1-flash, the GA version of our fast, conversational video generation and editing model. This release includes significant new capabilities:

  • Video extension: Seamlessly extend existing videos by generating continuations at the end of a clip using the extend task or directly with a prompt.
  • Interpolation (first + last frame): Generate a video transitioning between two images using the image_to_video task with up to 2 images.
  • Resolution control: New resolution parameter in video_config supports 360p, 720p (default), 1080p, and 4k outputs. 1080p and 4K outputs are generated using upscaling.

The existing gemini-omni-flash-preview endpoint will be deprecated on September 30, 2026.

(Gemini Omni FlashがGA:高速・対話型の動画生成/編集モデルのGA版gemini-omni-1.1-flashをリリース。今回の更新には重要な新機能が含まれる。動画延長:extendタスクまたはプロンプトで、既存動画の末尾に続きを生成して延長できる。補間(開始・終了フレーム):image_to_videoタスクに最大2枚の画像を渡し、2枚の間を遷移する動画を生成できる。解像度制御:video_configの新しいresolutionパラメータが360p・720p(既定)・1080p・4Kの出力に対応。1080pと4K出力はアップスケールで生成される。既存のgemini-omni-flash-previewエンドポイントは2026年9月30日に廃止予定)

モデルページ(ai.google.dev/gemini-api/docs/models/gemini-omni-flash)が示すGA版のスペックは次のとおり。

項目 内容
モデルID(Stable/GA) gemini-omni-1.1-flash
モデルID(Preview・9/30廃止予定) gemini-omni-flash-preview
コンテキストウィンドウ 1,048,576トークン
出力動画の長さ 3〜10秒
フレームレート 24fps
解像度 360p / 720p(既定) / 1080p(アップスケール) / 4K(アップスケール)
編集・延長用の入力動画 アップロード時は10秒以内
最終更新(モデルページ) 2026年8月27日

「解像度」はプレビュー時点では720p固定だったが、GA版ではresponse_formatresolutionパラメータで4段階から選べるようになっている。

実際のAPI呼び出し例(公式ガイドより)

Pythonでの最小コードはこうだ。

from google import genai

client = genai.Client()
interaction = client.interactions.create(
    model="gemini-omni-1.1-flash",
    input="A marble rolling fast on a chain reaction style track, continuous smooth shot."
)
with open("marble.mp4", "wb") as f:
    f.write(base64.b64decode(interaction.output_video.data))

現在の公式ガイドのコードサンプルは、GA昇格に合わせてモデルIDがgemini-omni-1.1-flashに置き換わっている(gemini-omni-flash-previewを指定しても9月30日までは動作する)。アスペクト比はresponse_format"9:16"(縦動画)と"16:9"(横動画・既定)を選べる。ガイドは「interaction.output_videoという便利フィールドはSDK限定の機能で、REST APIを直接使う場合はsteps配列の中からtype: "video"のコンテンツを取り出す必要がある」と注記しており、SDK経由かREST直叩きかで実装が変わる点は覚えておく必要がある。

料金の読み方:秒単位表示の裏にあるトークン換算

公式価格ページの注記はこうだ。

Billing is based on total output token consumption, calculated at a rate of 5,792 tokens per second of 720p video. Under Standard pricing, this equates to an effective price of approximately $0.10 per second.

(課金は総出力トークン消費に基づき、720p動画1秒あたり5,792トークンというレートで計算される。標準料金のもとでは、これはおよそ1秒あたり$0.10の実効価格に相当する)

出力単価は100万トークンあたり$17.50(テキスト出力は$9.00)、入力単価はテキスト・画像・動画・音声すべて100万トークンあたり$1.50だ。3〜10秒の動画を1本生成するだけなら実質数十セント程度だが、「対話しながら反復編集する」使い方では、編集のたびに動画トークンが再課金される可能性がある点は料金ページの記載からは断定できず、本記事では確認できていない。

動画生成モデル横断の立ち位置

参考までに、ByteDanceの動画生成モデル「Seedance 2.0」の性能比較記事(当サイトの既報)では、Text to VideoのEloレーティングでOmni Flash(1,241)がMiniMax H3(1,238)やSeedance 2.0を上回る一方、Image to Videoでは3位(1,191)に留まっているという第三者リーダーボードの数値が紹介されている。これはOmni Flash単体の評価ではなく他社モデルとの相対比較であり、評価軸によって順位が変わる点は元記事でも指摘されている。

対話型編集・動画延長には地域・時間の制限がある

公式ガイドの「Limitations」欄には、対話型編集や動画延長を使う上での制約が具体的に列挙されている。確認できた主な項目は次のとおり。

制約項目 内容
編集・延長対象の動画 アップロードする動画は10秒以内(モデルが生成した動画をマルチターンで延長する場合を除く)
延長の方向 動画末尾への追加のみ。先頭への追加や途中への挿入は不可
EEA・スイス・英国 アップロードした動画の編集・延長は利用不可(モデル生成動画の編集・延長は利用可)
未成年が写る画像 EEA・スイス・英国ではアップロード・編集が不可
音声参照 現行APIでは音声のみのアップロードは非対応
動画参照 最大3クリップ、各3秒まで。複数動画をまたいだ参照・推論は非対応
Provisioned Throughput 非対応

対話しながら喋っている人物に台詞を追加することも「非対応」と明記されている(無言のキャラクターならマルチターン延長で音声追加が可能、という条件付き)。

編集1回あたりの再課金額は今回も確認できなかった

本記事は公式ガイド・料金ページ・モデルページ・Changelogの記載を情報源としている。自分で実際にAPIを呼んで動画を生成し、対話型編集を試す検証は本記事の作業範囲外とした。「対話型編集を何往復か繰り返した場合の累計コスト」「編集1回あたりに再課金されるトークン量の実測」は、GA昇格後の現行ドキュメントを確認し直しても具体的な記載が見当たらず、引き続き確認できていない。課金の説明は「総出力トークン消費に基づく」という一文のみで、マルチターンの各ターンがそれぞれ独立して課金対象になるのか、差分のみが課金されるのかは公式ドキュメントから読み取れなかった。GA版はプレビュー版と価格が同一だが、GA後に価格改定が入る可能性もあり、その点も本記事執筆時点では確認していない。

関連記事: ByteDance「Seedance 2.0」動画生成AI / 「AIクレジット」とは何か / Claude・GPT・Gemini API料金の読み方

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