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PFNとPFCI、AI半導体「MN-Core 2」の計算資源をMatlantis向けに年内提供へGPU比最大4倍程度は一部タスクに限定

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日刊AIニュース10月24日(土)号:前日のAIのニュース9本を短くまとめました(約7分)›

Preferred Networks(PFN)とPreferred Computing Infrastructure(PFCI)は2026年9月18日、独自開発のAI半導体「MN-Core 2」による計算資源を、材料探索シミュレーター「Matlantis」の計算の一部を対象に2026年中に提供開始する計画を発表した。発表文によると、結晶構造計算など一部のシミュレーションでGPU比最大4倍程度の速度を確認済み。一部のユーザー企業・団体への試験提供で実用性を検証し、現在は年内の提供開始に向けて開発を進めているとしている。

PFNとPFCI、AI半導体「MN-Core 2」の計算資源をMatlantis向けに年内提供へ──GPU比最大4倍程度は一部タスクに限定
目次

2026年9月25日未明(日本時間)時点の情報です。 Preferred Networks(PFN)とPreferred Computing Infrastructure(PFCI)は2026年9月18日、PFNグループのMatlantis株式会社が販売する材料探索用シミュレーター「Matlantis™」の計算の一部を対象に、PFNが独自開発するAI半導体「MN-Core™ 2」による計算資源を2026年中に提供開始する計画を発表した。発表文によると、結晶構造計算など一部のシミュレーションでは、GPU比最大4倍程度の速度がすでに確認されている。PFN公式ニュースリリース(pr20260918)の本文を取得して確認できた内容は以下の通り。

3行まとめ

  1. PFNとPFCIは2026年9月18日、AI半導体「MN-Core 2」の計算資源を、材料探索シミュレーター「Matlantis」の計算の一部を対象に2026年中に提供開始する計画を発表した。 提供の経路はPFCIのAI向けクラウドサービス「Preferred Computing Platform(PFCP)」で、結晶構造計算など高速化が可能なシミュレーションについては、Matlantisの全ユーザーが既存の利用環境を変更せずにMN-Core 2を使えるようになるとしている。
  2. 速度の根拠は、結晶構造計算など一部のシミュレーションでのGPU比最大4倍程度。 電池材料用の結晶などの構造で、同じ精度を維持したままGPUの最大4倍程度の速度でシミュレーションできることが確認されていると発表文は説明しており、Matlantisの全シミュレーションが4倍速くなるという発表ではない。
  3. 発表文は「2026年中に提供開始する計画」としており、9月18日時点で全ユーザー向けの提供はまだ始まっていない。 一部のMatlantisユーザー企業・団体への試験提供でMN-Core 2の実用性を検証し、「現在2026年中の提供開始に向けて開発を進めています」としている。

発表の中身を数字と固有名詞で

項目 内容
発表日 2026年9月18日(PFN公式ニュースリリース)
発表主体 株式会社Preferred Networks(PFN、代表取締役社長:岡野原大輔、東京都千代田区)/株式会社Preferred Computing Infrastructure(PFCI、代表取締役社長:土井裕介、東京都千代田区)
対象サービス Matlantis株式会社(PFNグループ会社)が販売する材料探索用の汎用原子レベルシミュレーター「Matlantis」の計算の一部
提供する計算資源 PFN独自開発のAI半導体「MN-Core 2」(PFCIのAI向けクラウドサービス「PFCP」上にあるもの)
提供時期 2026年中(発表文の表現は「計画」。一部ユーザー企業・団体への試験提供で実用性を検証し、現在は提供開始に向けて開発中)
速度の位置づけ 結晶構造計算など、高速化が可能なシミュレーションでGPU比最大4倍程度。電池材料用の結晶などの構造では、同じ精度を維持したまま最大4倍程度の速度を確認(PFN発表)
Matlantisの利用者規模 世界150超の企業・学術団体等が次世代電池・触媒・半導体素材などの新材料探索に活用(PFN発表)
ユーザー側の変更 高速化が可能なシミュレーションでは、Matlantisの全ユーザーが既存の利用環境を変更せずにMN-Core 2を計算資源として利用可能になる(PFN発表。英語版は「select」=選べると表現)
コスト・料金 今回の発表文には記載なし

GPUで動いてきたMatlantisに、MN-Core 2の計算資源が加わる

Matlantisは、PFNの説明によると、96種類の元素の任意の組み合わせがどのような物性を持つかを、AI技術を応用して従来手法の最大数千万倍速くシミュレーションできるクラウドサービスで、PFNグループのMatlantis株式会社が販売している。シミュレーションには、PFNがAI技術で開発した材料基盤モデル(機械学習原子間ポテンシャル)「Matlantis PFP」が使われており、発表文によると、現在は計算資源としてGPU(画像演算装置)を使っている。

今回の発表は、そのMatlantisの計算の一部を対象に、PFN独自開発のAI半導体「MN-Core 2」による計算資源を提供する、という中身になる。提供の経路は、PFCIが提供するAI向けクラウドサービス「Preferred Computing Platform(PFCP)」上にあるMN-Core 2の計算資源をMatlantis株式会社に渡す形で、結晶構造計算など高速化が可能なシミュレーションでは、Matlantisの全ユーザーが既存の利用環境を変えることなくMN-Core 2を計算資源として使えるようになる、と発表文は説明している。日本語版は「利用することが可能になります」という書き方だが、同日に出た英語版のリリースは次のように書いている。

This will enable all Matlantis users to select MN-Core 2 as their computing resource for eligible high-speed simulations

(これにより、Matlantisの全ユーザーが、対象となる高速シミュレーションで計算資源としてMN-Core 2を選べるようになる)

英語版の書き方からは、ユーザーが計算資源としてMN-Core 2を選ぶ形と読める。選び方の具体的な画面や手順は、日英どちらの版にも書かれていない。

MN-Core 2はどれくらい速いのか──最大4倍程度は一部のシミュレーションに限る

発表文の副題には「MN-Core 2でGPUよりも高速な計算が可能な一部タスクにおいて」という限定が付いている。本文で名指しされている具体例は、結晶構造計算と、電池材料用の結晶などの構造で、後者についてはMN-Core 2がGPUの最大4倍程度の速度で、同じ精度を維持したままシミュレーションできることが確認されている、と発表文は書いている。全てのシミュレーションが一律で4倍速くなる、という発表ではない。

速い理由としてPFNが挙げているのは2点で、MN-Core 2は演算量あたりのローカルメモリの容量がGPUより大きいこと、そしてソフトウェアによる制御の自由度が高いことだとしている。この2つの特性が、特定の構造のシミュレーションで計算処理の高速化につながる、という説明になっている。

「年内に提供開始」の中身──発表文の「現在」は開発の段階にかかっている

発表文は「2026年中に提供開始する計画を発表しました」という書き方で、提供開始の具体的な月日は書かれていない。現状についての記述は「MN-Core 2による計算資源を一部のMatlantisユーザー企業・団体に試験提供してその実用性を検証、現在2026年中の提供開始に向けて開発を進めています」の1文で、「現在」が付いているのは開発を進めている部分になる。英語版はこの部分を「PFN is currently developing the capability for release within 2026, following trial evaluations with select Matlantis users to verify practical efficacy.」(PFNは、一部のMatlantisユーザーとの試験評価で実用性を確かめたのに続いて、2026年中のリリースに向けて現在開発を進めている)と書いており、こちらも「currently」が付いているのは開発のほうで、試験評価は開発より前の段階として書かれている。試験提供がいつ始まったのか、9月18日時点でも続いているのかは、どちらの版にも書かれていない。

対象ユーザーについては、高速化が可能なシミュレーションで「Matlantisの全ユーザー」が使えるようになると書かれている。発表文に書かれていないのは、提供開始の月日と、対象になる計算の全体像のほうになる。

PFNグループの中でMN-Core 2はどこに位置するか

発表文はこの提供を、PFNが「AI半導体から計算基盤、基盤モデル、プロダクト・ソリューションまで自社開発することで、AIの技術スタックのすべてに関する知見を統合してきました」ことの延長として説明している。発表文の副題は「AI半導体から計算基盤、基盤モデル、サービスまでPFNグループがフルスタックで提供へ」で、添えられた図もこの4層を、AI半導体=MN-Core、計算基盤=PFCP、基盤モデル=PFP、サービス=MATLANTISとして並べている。Matlantis PFPの計算資源はこれまでGPUだったので、今回の提供で、対象の計算については4層すべてがPFNグループ製でそろう形になる。PFNは「自社グループ製の技術の組み合わせがMatlantisのユーザー目的に最適であることから」今回の提供に至った、と述べている。

コストの数字は発表に含まれていない

この記事を書くにあたり、取得したPFNの発表本文を「コスト」「価格」「料金」「費用」「円」で機械的に検索したが、該当する記述は一件も無かった。同日の英語版も「cost」「price」「pricing」「fee」で探したが、やはり無かった。MN-Core 2の効果について発表文にある数字は速度(GPU比最大4倍程度)だけで、MN-Core 2の計算資源をMatlantis向けに使うことでコストがどう変わるかは、今回の発表では触れられていない。同様に、試験提供を受けたユーザー企業・団体の数や名称、提供開始の具体的な月、対象になるシミュレーションの種類の全体像(結晶構造計算や電池材料用の結晶以外にどこまで広がるか)も、9月18日付のこの発表には書かれていない。

照合に使ったPFN発表文(9月18日付)

  • PFN公式ニュースリリース「PFNとPFCI、独自開発AI半導体MN-Core 2による高速な計算資源を材料探索用シミュレーターMatlantis向けに年内に提供開始」(2026年9月18日・preferred.jp/ja/news/pr20260918、2026年9月25日取得)
  • 同英語版「PFN and PFCI to Accelerate Materials Simulator Matlantis with Proprietary MN-Core 2 AI Chips in 2026」(2026年9月18日・preferred.jp/en/news/pr20260918、2026年9月25日取得。計算資源を「選べる」点と、試験評価と開発の前後関係の確認に使った)
  • 本記事の数字・固有名詞は上記リリース本文と直接照合した。提供開始や対象範囲の拡大があれば追記する。
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