ポール・クリスティアーノ氏がOpenAI Foundationの理事に──RLHFの基礎を築きARCを創設、米NIST CAISIで2政権にまたがりフロンティアモデルを評価してきた研究者が、安全・セキュリティ委員会(委員長ジコ・コルター氏)にも参加。OpenAI Group PBC理事会では議決権のないオブザーバー。CAISI上級技術顧問は継続し、OpenAI関連の案件と全モデル評価から自らを除外
OpenAIは2026年9月9日、ポール・クリスティアーノ氏がOpenAI Foundationの理事に就任したと発表した。同氏はOpenAI Group PBC理事会の議決権を持たないオブザーバーも務め、財団理事会の安全・セキュリティ委員会(SSC、委員長ジコ・コルター氏)に加わる。SSCはOpenAI Group PBCを含むOpenAI全体の安全・セキュリティ対策を統括する。クリスティアーノ氏は2017〜2021年にOpenAIでアラインメント研究を率い、RLHFの基礎研究に貢献、その後アラインメント研究センター(ARC)を創設。米国商務省NISTのAI基準・イノベーションセンター(CAISI)とその前身の米AI安全研究所で2政権にまたがり、国家安全保障に関わる能力を含むフロンティアモデルの評価に取り組んだ。現在もCAISIの上級技術顧問で、脚注によればOpenAIに関連するすべての案件と全モデル評価から自らを除外する。

2026年9月18日・日本時間時点の情報です。 OpenAIの発表(9月9日)を読んだ。人事の記事だが、「誰が安全側の監督に入ったか」は同社のミスアラインメント報告の枠組みや政策提言と同じ週の動きなので、単独で残す。
3行まとめ
- 何の役職か。 OpenAI Foundation(OpenAI Group PBCを支配する非営利の財団)の理事。同時にOpenAI Group PBC理事会の議決権を持たないオブザーバーと、財団理事会の**安全・セキュリティ委員会(SSC)**の委員。SSCは委員長ジコ・コルター氏のもとで、Group PBCを含むOpenAI全体の安全・セキュリティ対策を統括する。
- どういう人か。 2017〜2021年にOpenAIでアラインメント研究を率い、RLHF(人間のフィードバックによる強化学習)の基礎研究に貢献。退社後にアラインメント研究センター(ARC)を創設。米国商務省NISTのAI基準・イノベーションセンター(CAISI)とその前身の米AI安全研究所で2つの政権にまたがり、国家安全保障に関わる能力を含むフロンティアモデルの評価と、安全・セキュリティリスクの軽減策に取り組んだ。発表文は「業界の安全対策が十分かどうかについて独立した立場から意見を発信してきた」「既成概念を問い直す人材」と書く。
- 利益相反の扱い。 現在もCAISIの上級技術顧問で、脚注1に「上級技術顧問として、OpenAIに関連するすべての案件と、すべてのモデル評価から自らを除外する」とある。発表文はこの就任を2025年10月の資本再編で確立したガバナンス体制(カリフォルニア州・デラウェア州の司法長官が1年かけて審査した確約を含む)の強化と位置づける。
独立評価者が被評価組織の理事に
- 本人のコメントは「この一年でAIの能力は急速に進歩したが、アラインメントは依然として難しい技術課題。そのためSSCの責任はこれまで以上に重要かつ困難になっている」。会長のブレット・テイラー氏は「政府でフロンティアAIの安全性と基準に携わった経験と技術的判断力」を理由に挙げる
- 8月の幹部の相次ぐ退任の後で、社外の安全研究者を監督側に入れた形。ただし議決権があるのは財団理事会側で、Group PBC理事会ではオブザーバーにとどまる
- 「安全対策が十分か独立した立場から発信してきた」人物が、評価機関の顧問を続けながら被評価側の財団理事になる。除外の脚注はその整理で、運用がどう見えるかは今後の話
発表原文で確認した役職と除外規定
この記事の下調べで、筆者は9月18日にOpenAIの発表(日本語版)をブラウザで取得し、役職・経歴・脚注の除外規定がその原文にあることを確認した。CAISIやARCの一次資料は開いていない。筆者は本人にも関係者にも取材していない。
理事会の構成・任期・報酬は未公表
- 財団理事会の現在の構成(誰が何人いるか)
- 任期と報酬
- SSCの他の委員
出典はOpenAIの発表
- ポール・クリスティアーノ氏、OpenAI Foundation 理事に就任(OpenAI・2026年9月9日)
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