grok-imagine-video-1.5がネイティブ1080p対応に──text-to-videoは内部で2段階処理という仕組み
xAIが2026年7月のrelease notesで、動画生成モデル「grok-imagine-video-1.5」がtext-to-video・image-to-video・reference-to-video(プリセット音声オプション付き)に対応し、T2V・I2Vはネイティブ1080pになったと発表しました。公式ドキュメントには、テキストから動画を生成する処理が内部的にtext-to-image→image-to-videoの2段階で行われているという実装の説明もありました。

2026年8月27日、xAI公式ドキュメント(docs.x.ai)を実際に開いて確認した内容です。 xAIのrelease notesの「July」セクションに、動画生成モデルgrok-imagine-video-1.5のモダリティ拡張についての記載があります。原文は次の通りです(訳文を併記)。
"
grok-imagine-video-1.5now supports text-to-video, image-to-video, and reference-to-video (including optional preset voices), with native 1080p for T2V and I2V. Text-to-video on this model runs as text-to-image then image-to-video under the hood."(訳:
grok-imagine-video-1.5は、text-to-video・image-to-video・reference-to-video(オプションのプリセット音声を含む)に対応するようになった。T2VとI2Vはネイティブ1080p。このモデルのtext-to-videoは、内部的にはtext-to-image、その後image-to-video、という処理で動いている)
3行まとめ
grok-imagine-video-1.5がtext-to-video(T2V)・image-to-video(I2V)・reference-to-video(R2V、プリセット音声オプション付き)の3モダリティに対応。T2V・I2Vはネイティブ1080p- text-to-videoは内部的に「まずtext-to-imageで静止画を生成し、そのあとimage-to-videoで動画化する」という2段階処理として実装されている、と公式ドキュメントに明記
- 発表は2026年7月(release notesの「July」セクション)。8月にはGrok Bot・Grok 4.6が追加されており、xAIは動画生成とコーディングエージェントの両方を同じ期間に強化している
3つのモダリティ
release notesの記載によれば、grok-imagine-video-1.5が対応するモダリティは次の3つです。
- text-to-video(T2V):テキストのプロンプトから動画を生成する
- image-to-video(I2V):静止画を入力として動画化する
- reference-to-video(R2V):参照素材(reference)を元に動画を生成する。オプションでプリセット音声(preset voices)を付けられる
このうちT2VとI2Vは「ネイティブ1080p」と明記されています。「ネイティブ」という表現は、アップスケール処理を経ずに1080p解像度で直接生成される、という意味だと考えられますが、その技術的な裏付け(内部の生成解像度など)についてrelease notesの1文以上の説明はありませんでした。
Video Generationガイド本文(.mdで直接確認)を読むと、release notesには無かった具体的な仕様が確認できました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解像度 | 1080p(Full HD)・720p(HD)・480p(既定、処理が速い)の3段階 |
| 1080p対応 | T2V・I2Vのみ。reference-to-video(R2V)は720pが上限 |
| 動画の長さ | durationパラメータで1〜15秒 |
| アスペクト比 | 1:1・16:9/9:16(既定は16:9)・4:3/3:4・3:2/2:3 |
| 料金 | 出力1秒あたり$0.080 |
| レート制限 | 秒間10リクエスト |
| 利用可能リージョン | us-east-1、us-west-2 |
つまり、旧版の記事で「対象がT2V・I2Vのみなのか、R2Vも含むのか判別できない」としていた点は、ガイド本文の「Reference-to-video is capped at 720p.(reference-to-videoは720pが上限)」という記載で判別できた。ネイティブ1080pはT2V・I2V限定で、R2Vは対象外と明記されている。
text-to-videoの内部処理:2段階方式
今回の記載でもっとも具体的な実装情報は、「Text-to-video on this model runs as text-to-image then image-to-video under the hood.」という一文です。つまりユーザーがテキストのプロンプトだけを入力してtext-to-videoを実行しても、モデル内部では
- まずtext-to-image処理で1枚の静止画を生成
- その静止画をimage-to-video処理で動画化
という2段階を経ている、ということです。この設計は、動画生成の実務上いくつかの含意があります。text-to-imageの段階で構図やスタイルが実質的に固定されるため、動画の見た目の一貫性はtext-to-image部分の生成品質に強く依存する可能性があります。また、text-to-videoで気に入らない結果が出た場合、そのモデルの構造上は「気に入る静止画をimage-to-videoで動画化する」という2段階目だけをやり直すアプローチのほうが、狙った絵に近づけやすいかもしれません。なお中間生成画像がユーザーに返るかどうかは、公式のVideo Generationガイドが明記しています。「text-to-videoは内部でtext-to-imageのあとimage-to-videoを使う。モデルはプロンプトから最初のフレームを生成し、それをアニメーション化する。リクエストは1回のtext-to-videoのままで、中間画像は返らない」(原文: 「the intermediate image is not returned」)。つまり2段階目だけをやり直したい場合は、自分で用意した静止画をimage-to-videoに渡す形になります。
プリセット音声というオプション
reference-to-videoに付随する「optional preset voices(オプションのプリセット音声)」について、release notesの1文以上の詳細をVideo Generationガイド本文で確認できました。プリセット音声はvoice_id(例:{"voice_id": "eve"})で指定し、音声はText-to-Speech機能と同じ声のラインナップから選べる、と説明されています。1リクエストあたり最大3つの音声を指定可能で、プロンプト内では<AUDIO_0>のようにインデックスで参照する仕組みです。なお、自前の音声ファイルを参照に使う機能(voice references with your own audio files)は現状「信頼されたパートナーに対してのみ、リクエストベースで提供」と注記されており、一般提供はされていません。選べる声の日本語対応状況までは、本記事のためにText-to-Speechの声一覧まで遡って確認する作業は行っておらず、確認できていません。
また、Reference-to-Videoガイドを読むと、reference-to-videoはimage-to-videoと違って「最初のフレームを固定しない」という設計上の違いも明記されていました。参照画像から人物・物・服装といった視覚要素を動画に取り込みつつ、最初のフレームは参照画像そのものに固定されない、という説明です。バーチャル試着・商品配置・キャラクターの一貫性を保ったストーリーテリングといった用途を想定していると書かれています。
発表時期とその後の動き
この機能追加は、xAIのrelease notesで「July」セクションに分類されています。同じJulyセクションには、Grok Voice Think Fast 2.0の追加も並んでおり、xAIが2026年7月に音声・動画の両モダリティをまとめて強化していたことがうかがえます。その後8月には、Grok BotやGrok 4.6が投入されており、xAIの製品ラインは動画生成・音声・コーディングエージェントという複数方向に同時展開していることが、release notesの時系列からも読み取れます。
実際に生成を試していない点
筆者はxAIのAPIキーを持っておらず、本記事執筆にあたって実際にgrok-imagine-video-1.5で動画を生成する検証は行っていません。そのため「ネイティブ1080p」という主張の実際の画質や、テキストから動画への2段階処理が生成結果にどう表れるか(中間生成された静止画とプロンプトの意図がどれだけ一致するかなど)は、公式ドキュメントの記載を転記する以上のことは言えません。この点は最初に明記しておきます。
料金(1秒あたり$0.080)とネイティブ1080pの対象範囲(T2V・I2Vのみ、R2Vは720p上限)は、モデルページとVideo Generationガイドの本文を追加で確認して判明した。一方、grok-imagine-video-1.5自体の初出日(このバージョン番号のモデルがいつ最初にリリースされたか)は、モデルページにgrok-imagine-video-1.5-2026-05-30というエイリアスがあることから2026年5月30日前後と推測できるが、これは日付付きエイリアス名からの推測であり、公式アナウンスで明言された初出日そのものではない。実際の生成品質・処理時間・音声の言語対応についても、本記事では実際にAPIを叩いての検証は行っておらず、公式ドキュメントの記載を転記するにとどめている。
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