2026年9月4日 金曜日
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xAIのGrok Build、Agent Client Protocol対応の中身──他アプリからgrok-4.6を呼び出す3つの方法

xAI公式ドキュメントを開くと、コーディングエージェント「Grok Build」はインタラクティブTUI・ヘッドレス実行・Agent Client Protocol(ACP)経由の組み込みという3つの使い方に対応していると明記されています。当サイトは2026年5月の「Grok Build 0.1」発表と7月のオープンソース公開を扱ってきましたが、今回はその現行版の公式ドキュメントを一次情報として読み、ACP対応・カスタムモデル設定・grok-4.6 APIの直接利用まで確認しました。

xAIのGrok Build、Agent Client Protocol対応の中身──他アプリからgrok-4.6を呼び出す3つの方法
執筆・編集:
目次

2026年8月27日、xAI公式ドキュメント(docs.x.ai)を実際に開いて確認した内容です。 当サイトはGrok Build 0.1の投入(2026年5月・二次情報経由)と、Xの全コードベースオープンソース化宣言と同日のGrok Buildオープンソース公開(2026年7月・Rust製・Apache 2.0)という2つの局面を扱ってきました。今回は、そのGrok Buildの現行版について、公式ドキュメントの「Getting Started」ページを一次情報として確認します。

3行まとめ

  • Grok Buildは「インタラクティブTUI」「スクリプト・Bot向けのヘッドレス実行」「Agent Client Protocol(ACP)経由で他アプリに組み込む」という3つの使い方に対応した拡張可能なコーディングエージェント
  • インストールはcurl -fsSL https://x.ai/cli/install.sh | bash(macOS/Linux)。Grok Buildを動かしているのと同じgrok-4.6モデルは、xAI APIから直接呼び出すこともできる
  • ~/.grok/config.tomlにカスタムモデルを追加でき、grok inspectコマンドで設定ソース・instructions・skills・plugins・hooks・MCPサーバーの検出状況を確認できる

3つの使い方

公式ドキュメントの冒頭に、Grok Buildの位置づけが1文で書かれています(原文からの訳)。

「Grok Buildは強力で拡張可能なコーディングエージェントです。インタラクティブTUI、スクリプトやBotでのヘッドレス実行、または他アプリからのAgent Client Protocol(ACP)経由で使えます」

TUI(Text User Interface)はマウス操作にも対応したフルスクリーンの対話画面で、ターミナル上でエージェントと対話しながらコーディングする体験を提供する、とされています。この3つの使い方のうち、「ACP経由で他アプリに組み込む」という項目は、当サイトが確認した限りこれまでの日本語・英語記事のいずれでも詳しく扱われていない切り口です。

インストールと起動

# macOS / Linux
curl -fsSL https://x.ai/cli/install.sh | bash

# Windows(PowerShell)
irm https://x.ai/cli/install.ps1 | iex

プロジェクトディレクトリでgrokを実行すると対話セッションが始まります。初回起動時はブラウザが開いて認証が行われますが、ブラウザを使えない環境ではAPIキーでの認証も可能です。

export XAI_API_KEY="xai-..."
grok

公式ドキュメントが挙げている最初のプロンプト例は「Explain this repo.」(このリポジトリを説明して)や「@src/main.rs Walk me through this file.」(このファイルを説明して)といった、対象ファイルを@で指定する形式です。

ヘッドレス実行

grok -p "Explain this codebase"
grok -p "Explain the architecture" --output-format streaming-json

-pフラグで対話を介さず1回限りのプロンプトを実行でき、--output-format streaming-jsonを付けるとストリーミングJSON形式で出力されます。公式ドキュメントは、この形式が「スクリプト・自動化・他アプリへの組み込みに最適」としています。

カスタムモデルの設定

Grok Buildは任意のカスタムモデルに対応しており、ユーザーレベルの設定ファイル~/.grok/config.toml(Windowsでは%USERPROFILE%\.grok\config.toml)に追記する形で登録します。

[model.my-model]
model = "model-id"
base_url = "https://api.example.com/v1"
name = "Display Name"
env_key = "API_KEY"

[models]
default = "my-model"

設定後はgrok inspectコマンドで、現在のディレクトリでGrok Buildが検出した設定ソース・instructions・skills・plugins・hooks・MCPサーバーを確認できます。モデルの切り替えはヘッドレスモードではgrok -p "Hello" -m my-model、TUI内では/model <name>で行います。

Grok Buildを動かしているモデルは、APIからも直接呼べる

公式ドキュメントは、Grok Buildの動力源であるgrok-4.6がxAI API上でも直接利用可能だとして、次のようなサンプルコードを示しています(curl・Python xai_sdk・OpenAI互換SDK・JavaScript @ai-sdk/xaiの4パターン)。

curl https://api.x.ai/v1/responses \
  -H "Authorization: Bearer $XAI_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "model": "grok-4.6",
    "input": "Fix this function and explain the bug: function median(a){a.sort();return a[a.length/2]}"
  }'

つまりGrok Buildは「専用のクローズドなツール」ではなく、公開APIとして使えるのと同じモデルを、CLIというフォームファクタで包んだもの、という位置づけです。

Agent Client Protocol(ACP)の中身:grok agent stdioとJSON-RPC

冒頭で触れた「ACP経由で他アプリに組み込む」という使い方について、Getting Startedページ自体には詳細がなく、リンク先の「Headless & Scripting」ページに具体的な仕様が書かれていました。

Use ACP when you want IDE or tool integration rather than a terminal session.

grok agent stdio

This runs Grok as an ACP agent over JSON-RPC on stdin/stdout. [...] session/prompt returns completion metadata; the assistant text itself arrives as session/update chunks.

(ターミナルセッションではなく、IDEやツールへの組み込みを行いたい場合はACPを使う。grok agent stdioを実行すると、Grokは標準入出力上のJSON-RPCによるACPエージェントとして動作する。session/promptは完了メタデータを返し、実際の応答テキストはsession/updateチャンクとして届く)

ドキュメントに掲載されているNode.jsのサンプルコードを読むと、やり取りの流れが具体的に分かります。JSON-RPC 2.0形式で{jsonrpc: "2.0", id, method, params}を標準入力に書き込み、次のメソッドを順に呼び出す設計です。

呼び出し順 メソッド 内容
1 initialize protocolVersion: 1とクライアントの対応機能(ファイル読み書き・ターミナル操作の可否)を送る
2 authenticate xai.api_keyまたはcached_tokenのいずれかの認証方式で認証
3 session/new 作業ディレクトリ(cwd)とMCPサーバー設定を渡してセッションを開始
4 session/prompt プロンプトを送信。戻り値は完了メタデータのみ
(随時) session/update 応答テキストがagent_message_chunkとして断片的に届く

つまりACPは、GrokをターミナルUIから切り離し、任意のエディタ・IDE・自作アプリから「標準入出力ごしのJSON-RPCサーバー」として制御するための仕組みだと分かります。なお、Kimi Code CLIの公式ドキュメント(Kimi側の別記事「Kimi Code CLIの中身」で確認済み)にもkimi acpという同名のサブコマンドが存在します。両者が同一の外部規格(Agent Client Protocol)に準拠した実装なのか、それぞれ独自に同名の仕組みを作ったのかは、今回確認した両社のドキュメントの記載だけでは断定できません。

「SpaceXAI」表記について

xAIのrelease notesを確認すると、Grok 4.6・Grok 4.5の紹介文はいずれも「SpaceXAI's frontier model」「SpaceXAI's model」という表記になっています。この「SpaceXAI」というブランド表記自体については、別記事の訂正履歴で既に、2026年7月時点のGrok Buildオープンソース公開ページ(Wayback Machine保存)が「Grok Build is open source. SpaceXAI's coding agent and CLI.」と表記していたことを確認済みです。本記事で改めて確認したGrok Build公式ドキュメント自体は「xAI」表記のままだったため、xAI社内でもページによって表記が揺れている可能性があります。

Skills・Pluginsページも読んだが、ACPとの直接の接点はなかった

「Skills, Plugins & Marketplaces」ページも追加で確認しましたが、こちらはGrok Build自体の拡張機能(スキル・プラグイン・マーケットプレイス)についての説明で、ACP経由の外部組み込みとは別の話題でした。ACPの技術仕様のうち、protocolVersion: 1という数値そのものが今後どう更新されていくのか(バージョン2以降の存在有無)、Agent Client Protocolという規格自体がxAI独自のものか、業界共通の外部仕様に準拠したものかは、今回確認した公式ドキュメントの範囲では判断できませんでした。

Grok Buildの初出日については、公式ドキュメント本文に明記がなく、これまでの当サイトの記事の通り「Grok 4.3と同時期(2026年5月)に0.1として登場し、その後7月にオープンソース化」という経緯以上のことは今回のドキュメント確認だけでは特定できませんでした。また、ACPのサンプルコードは公式ドキュメントに掲載されたものを転記しており、実際に自分の手元でこのNode.jsコードを実行してJSON-RPCのやり取りを検証したわけではありません。

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