2026年8月28日 金曜日
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Z.aiがGLM-5.3-Flashを公開──Opus級に迫って価格は10分の1、覆面モデルOx Alphaの正体だった

Z.aiが2026年8月26日、GLM-5.3-FlashをMITライセンスで公開した。GLM-5系初のネイティブマルチモーダルで総320B・アクティブ18B・1Mコンテキスト。先週OpenRouterで人気1位になった覆面モデルOx Alphaの正体がこれだったことも公式に明かされ、テスト配信は全量が中国製AIチップで処理されていた。

Z.aiがGLM-5.3-Flashを公開──Opus級に迫って価格は10分の1、覆面モデルOx Alphaの正体だった
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2026年8月27日未明・日本時間時点の情報です。

Z.aiが8月26日、新モデル**「GLM-5.3-Flash」**の重みをMITライセンスで公開した。GLM-5系で初めて画像をネイティブに扱えるマルチモーダルで、公式の売り文句は「Opus級に迫る性能を、前世代の10分の1の価格で」。そして、先週OpenRouterで人気1位になった覆面モデル「Ox Alpha」の正体がこれだったことも、公式が同時に明かした。9分の動画版はこのページの動画から。

・総320Bのうち1トークンあたり実際に動くのは18B。1Mコンテキスト・ネイティブマルチモーダル・MITライセンスで重み公開 ・Claude Code上の自社ベンチで最大設定29.0とOpus 4.8の29.5にほぼ並ぶ(Z.ai発表値)。Artificial Analysis知能指数57を1タスク$0.045(割引後)で回す ・リリース前に「ox-alpha」の偽名で覆面テストされ週間人気1位に。その配信は全量が中国製AIチップで処理されていた

何が出たか

項目 内容
モデル名 GLM-5.3-Flash(MITライセンス
規模 総320B・アクティブ18B・45層
コンテキスト 100万トークン
入力 テキスト・画像(GLM-5系初のネイティブマルチモーダル)
事前学習 30兆トークンのマルチモーダルコーパス(新規ベースモデル)
配布 Hugging Face(公開済み)・SGLang / vLLM / TokenSpeed対応
提供 GLM Coding Planに展開済み(上位GLM-5.3の3倍の利用枠)

覆面モデルOx Alphaの正体だった

公式ブログによると、Z.aiはリリース前にこのモデルを「ox-alpha」の偽名でOpenCodeとOpenRouterに匿名で置き、ユーザーの反応を集めていた。結果は「その週で最も人気のモデル」。公式Xポストも「以前Ox Alphaとしてプレビューされ、中国のAIチップだけで完全に動作」と明記している。

当サイトは8月21日の記事と動画で、コミュニティのtokenizer指紋検証(11項目中11項目一致)を根拠に「正体はZhipu(Z.ai)のGLM次世代」を最有力としていた。今回の発表で、この予想は的中となった。

成績:前世代から大幅伸び、GDPvalでは首位(Z.ai発表値)

コーディング・エージェント系6ベンチマークで前世代GLM-5.2をほぼ全種目で上回った。DeepSWEは46.2→63.4、事務自動化のAutomationBenchは26.2→48.8とほぼ倍増。仕事タスクの総合力を測るGDPval-AAは1773で、Claude Opus 4.8やGPT-5.6 Terraを含む比較6モデルの首位。実在ツールを使いこなすToolathlonも78.4で首位に立った。

Claude Code上で回した自社ベンチ(Z.ai Code Bench)では、推論の労力を最大にした設定で29.0を出し、Claude Opus 4.8の29.5にほぼ並んだ。ただし公式グラフを読む限り、並ぶために使った出力トークン量はOpusより多め。なお同じグラフには、AnthropicのFable 5が頭一つ抜けた首位のまま載っている。

これらの多くはZ.ai社内の評価値で(GDPval-AAのみArtificial Analysis測定)、第三者による網羅的な検証はまだない。

価格:知能指数57を1タスク$0.045で

第三者機関Artificial Analysisの知能指数(Intelligence Index v4.1.1)で57を取りながら、1タスクあたりのコストは**$0.045(割引後価格)**。公式ブログは「この水準の知能は、従来はおよそ10倍のコストでしか手に入らなかった」と主張している。冒頭の「10分の1の価格」は前世代GLM-5.2との比較だ。

仕組み:読み方のハイブリッド化と、半分の層

安さの種明かしは設計にある。GLM系で初めて、アテンションにリニア型とスパース型のハイブリッドを採用した。4層のうち3層は履歴を固定サイズに圧縮しながら覚えるリニア型、残り1層が全体から重要な場所を探し当てるスパース型。目印データを4本から1本に圧縮するIndexPoolという工夫で、1Mトークン時の遅延とメモリも削る。mHC(Manifold-Constrained Hyper-Connections)という層のつなぎ方でスケーリング効率を底上げしつつ、層の数は45層とGLM-4.5の92層からほぼ半分にした。

結果、同系上位のGLM-5.3と比べてアテンション計算量は3分の1、KVキャッシュは4.4分の1。一方でKVキャッシュの小ささではKimi-K3やDeepSeek-V4-Flashにまだ僅かに届かないと、公式自身が認めている。

目を持つコーディング

今作の特徴は、視覚をコーディングの工程に組み込んだ点だ。画面まわりの開発では、コードが正しく見えても描画すると崩れている失敗が多い。そこで「作る・見る・直す」を繰り返す軌跡データを合成して学習させ、フロントエンド開発では画面の出来栄えを実際のユーザー操作に沿ってエージェントが判定する強化学習まで入れた。

...一方でBabyVisionなどでは53.4対70.9でGemini 3.7 Flashに大きく負けており、視覚は全勝ではない。

配信は全量、中国製AIチップだった

覆面テストにはもう1つの顔があった。公式ブログによると、この1週間のox-alphaを含む配信は、全量が中国製AIチップの大規模クラスタで処理されていた。数万枚規模の国産アクセラレータにSGLangベースの専用推論エンジンを組み、最適化の積み上げで配信性能を初期構成の3倍に改善。トークン単価は「主流のNVIDIA GPU並み」に達したと主張している。この最適化作業自体をGLM-5.3で動くエージェントが手伝った──AIが自分を配信するシステムを自分で改良した──ことも明かされている。

Z.ai発表値をそのまま信じられない点

  • ベンチマークスコアの多くはZ.ai社内評価で、第三者検証はまだない
  • 「NVIDIA GPU並みの単価」もZ.aiの主張で、外部からの裏付けはない
  • 視覚系はBabyVision・MVbench・MMVUでGemini 3.7 Flashに負けており全勝ではない
  • Claude Code実測の出力トークン比較は公式グラフからの読み取り

同じ日に、Qwenも

同じ8月26日には、Alibabaも「動くのはたった6B」のQwen3.8-Flash-Nextを公開している。「最上位級の知能を桁違いに安く」という競争が、中国の2社で同日に進んだ1日だった。無料週明けの正式価格と独立ベンチの掲載が、次の答え合わせになる。続報が出たらこの記事を更新する。

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