2026年8月28日 金曜日
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Claude Opus 4.1退役──後継Opus 4.8への切り替えで確認すべき価格・仕様・API互換性

Claude Opus 4.1(claude-opus-4-1-20250805)は2026年6月5日に非推奨通知、2026年8月5日にAnthropic運営プラットフォーム上で退役し、リクエストは失敗するようになった。公式の推奨移行先はOpus 4.8で、入力$15→$5・出力$75→$25、コンテキスト窓200K→1Mトークンへと数字は大きく改善する一方、temperature/top_p/top_kの指定が400エラーになるなど、コードを直さないと動かなくなる箇所が公式ドキュメントに具体的に書かれている。

Claude Opus 4.1退役──後継Opus 4.8への切り替えで確認すべき価格・仕様・API互換性
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目次

Claude Opus 4.1(claude-opus-4-1-20250805)は2026年8月5日付でAnthropicが運営するプラットフォーム(Claude API・Claude Platform on AWS・Microsoft Foundry)上で退役済みで、今このモデルIDにリクエストを送ると失敗する。公式が案内する移行先はClaude Opus 4.8(claude-opus-4-8)で、価格は入力$15→$5・出力$75→$25の3分の1、コンテキスト窓は200K→1Mトークンに拡大する。ただし単純な「型番を書き換えるだけ」では済まない。Opus 4.7世代から入った仕様変更のせいで、temperature/top_p/top_kを指定したままのコードは400エラーで落ちる。この記事はAnthropic公式ドキュメントに書かれている数字と挙動だけを使って、Opus 4.1個別の退役事情と移行時の引っかかりどころを整理する。提供終了という仕組み自体(3社の通知期間ルール比較)は別記事の使っていたAIモデルが消える日で扱っており、そちらと役割分担している。

  • Opus 4.1は2026年6月5日に非推奨通知、8月5日に退役(通知から61日、Anthropicの「最低60日」コミットメントぎりぎり)。Bedrock・Google Cloudは対象外で、両社が別途スケジュールを設定する
  • 後継のOpus 4.8は価格が入力$15→$5・出力$75→$25、コンテキスト窓200K→1Mトークン、最大出力32,000→128,000トークンに拡大。ただしOpus 4.7以降の新トークナイザーで同じ文章でもトークン数が最大35%増えるため、価格差そのままの節約にはならない
  • temperature/top_p/top_kの非デフォルト値指定、拡張思考のbudget_tokens指定、アシスタントメッセージのprefillは、Opus 4.8では揃って400エラーになる。Opus 4.1のコードをそのまま流用すると確実に落ちる箇所

Opus 4.1に何が起きたか

Anthropicのモデルライフサイクルは Active → Legacy → Deprecated → Retired の4段階で定義されている。公式ドキュメントはRetiredの状態をこう説明している。

"Retired: The model is no longer available for use. Requests to retired models will fail." ── Model deprecations

Opus 4.1の履歴セクションには次の記載がある。

"On June 5, 2026, Anthropic notified developers using Claude Opus 4.1 of its upcoming retirement on the Claude API."

Retirement date Deprecated model Recommended replacement
August 5, 2026 claude-opus-4-1-20250805 claude-opus-4-8

つまり非推奨通知(2026-06-05)から退役(2026-08-05)まで61日。Anthropicは別のセクションで「公開済みモデルには退役の最低60日前に通知する」とコミットしている。

"Anthropic notifies customers with active deployments for models with upcoming retirements, providing at least 60 days' notice before model retirement for publicly released models."

61日は60日ルールを1日だけ上回る、ほぼ最短の通知期間だったことになる。

もう一点、見落としやすいのがプラットフォームの範囲だ。この退役日はAnthropicが直接運営するClaude API・Claude Platform on AWS・Microsoft Foundryにのみ適用される。

"The dates on this page apply to Anthropic-operated platforms... Partner-operated platforms (Amazon Bedrock and Google Cloud) set their own retirement schedules, so a model's lifecycle status and dates can differ."

実際、料金ページのモデル一覧では Opus 4.1 の行に「retired, except on Bedrock and Google Cloud」という注記が付いている。Amazon BedrockやGoogle CloudでOpus 4.1を呼んでいる場合、Claude API側の8月5日という日付をそのまま当てはめてはいけない。各社が公開している個別の対応表(Bedrock・Google Cloudのモデル一覧ページ)を別途確認する必要がある。

数字で見る後継Opus 4.8との違い

Opus 4.1の単体モデルページ(/en/docs/models/opus-4-1/overview)は退役後に削除されており、現在アクセスすると404が返る。以下のOpus 4.1側の数値は、Internet Archiveに保存された2025年11月19日時点のdocs.claude.com公式ページ(退役前のOpus 4.1が現役モデルとして掲載されていた時点のスナップショット)で確認した。

項目 Claude Opus 4.1(退役) Claude Opus 4.8(推奨移行先)
モデルID claude-opus-4-1-20250805 claude-opus-4-8
コンテキスト窓 200Kトークン 1Mトークン(既定、ベータヘッダー不要)
最大出力 32,000トークン 128,000トークン(Batch APIはベータヘッダーで300K)
入力価格 $15 / MTok $5 / MTok
出力価格 $75 / MTok $25 / MTok
5分キャッシュ書き込み $18.75 / MTok $6.25 / MTok
1時間キャッシュ書き込み $30 / MTok $10 / MTok
キャッシュ読み込み $1.50 / MTok $0.50 / MTok
Batch入力/出力 $7.50 / $37.50 $2.50 / $12.50
学習データカットオフ 2025年3月 2026年1月
effortパラメータ 該当なし(2025年11月時点の公式比較表に行自体が存在しない) あり(既定high

コンテキスト窓の200Kという数字は、当時のツールチップ表記「~150K words」も含めてアーカイブ版に明記されている。1Mトークンへのベータ拡張オプション(Sonnet 4.5にはあったcontext-1m-2025-08-07ベータヘッダー)もOpus 4.1の行には記載がなく、200K固定だったことが読み取れる。

価格は表面上3分の1になっているが、そのまま3倍安くなるわけではない。Opus 4.7で新しいトークナイザーが導入されており、公式ドキュメントは次のように説明している。

"Claude Opus 4.7 introduced a new tokenizer, which later Opus models, including Claude Opus 5, also use. It contributes to improved performance on a wide range of tasks, and it may use roughly 1x to 1.35x as many tokens when processing text compared to models before Claude Opus 4.7 (up to ~35% more, varying by content)." ── Migrating to Claude Opus 5

Opus 4.8はこの新トークナイザーを使う側なので、同じ日本語テキストを渡してもOpus 4.1時代よりトークン数が最大35%増える可能性がある。単価3分の1(3倍安い)に対してトークン数が最大1.35倍なので、実質的な削減率は最悪ケースで2倍強(3÷1.35≈2.2倍)にとどまると見ておくのが現実的。/v1/messages/count_tokensで実測しないと正確な比較にならない。

移行で実際に踏むエラー

Opus 4.1のコードをそのままOpus 4.8に向けた場合に踏みやすい、公式ドキュメント記載の破壊的変更を並べる。

1. temperature / top_p / top_k が400エラーになる

料金ページのAPIパラメータ非推奨表に明記されている。

"temperature, top_p, top_k | Deprecated (Claude Opus 4.7 and later) | Returns a 400 error when set to a non-default value on Claude 4.7 and later models"

Opus 4.8はOpus 4.7より後のモデルなのでこの制約に含まれる。移行ガイドは「安全な移行方法はこれらのパラメータをリクエストから完全に削除すること」と明記する。Python SDK(v1.0以降)はこれらの引数自体を定義から外しているため、渡すとTypeErrorになる。

2. 拡張思考のbudget_tokens指定が使えない

"thinking: {type: 'enabled', budget_tokens: N} is no longer supported on Claude Opus 4.7 or later models and returns a 400 error."

Opus 4.1のコードでthinking: {"type": "enabled", "budget_tokens": 32000}のような指定をしていた場合、Opus 4.8ではthinking: {"type": "adaptive"}output_config.effortlow/medium/high/xhigh/max)に書き換える必要がある。しかもOpus 4.8は「thinkingフィールドを省略したリクエストは思考なしで動く」(Opus 5とは逆の挙動)とPrompting Claude Opus 4.8ページに明記されており、既定で有効になると思い込むと逆に効かなくなる。

3. アシスタントメッセージのprefillが使えない

"Prefilling assistant messages returns a 400 error on Claude Opus 4.7 and later models, including Claude Opus 5."

Opus 4.1時代にassistantロールへの前埋め(出力形式の固定などによく使われる手法)をしていたコードは、構造化出力(output_config.format)かシステムプロンプトでの指示に置き換える必要がある。

4. 新しいstop_reasonのハンドリングが要る

Opus 4.1にはなかったstop_reasonが2つ増えている。

"Claude 4.5+ models return a model_context_window_exceeded stop reason when generation stops because of hitting the context window limit, rather than the requested max_tokens limit."

refusalというstop_reason(安全性判断による拒否)も同様にOpus 4.1の世代にはなく、Opus 4.8では扱う必要がある。stop_reasonの値だけで分岐しているハンドラーは、この2値が来たときの分岐を確認したほうがいい。

5. Priority Tierは維持、Opus 5に飛ぶと消える

Opus 4.1・Opus 4.8はともにPriority Tierに対応する。ただしOpus 4.8のモデルページ自体が「Opus 5への移行を検討すべき」と誘導しており、Opus 5の移行ガイドは「Priority TierはOpus 5では非サポート、Opus 4.8は維持する」と明記する。Priority Tier契約がある場合、Opus 4.8止まりで様子を見るかOpus 5まで行くかで判断が変わる一点。

6. 挙動レベルの違い(API仕様ではなく応答スタイル)

Prompting Claude Opus 4.8ページは、400エラーにはならないが体感品質に響く挙動差も挙げている。サブエージェントの生成数が既定で減る傾向、指示の適用範囲をより文字通りにしか解釈しない(他項目への暗黙の一般化をしない)傾向、ツール呼び出しより推論を優先する傾向、フロントエンド生成のデフォルト意匠が「クリーム背景+セリフ体+テラコッタ系アクセント」に寄る傾向の4点で、いずれもプロンプトの明示指示で調整可能とされている。

公式ドキュメントに記載を見つけられなかったこと

  • Opus 4.1と4.8を直接比較した専用の移行ガイドは存在しない。公式が用意しているのは「Opus 4.1 or earlier → Opus 5」への移行ガイドのみで、Opus 4.8止まりで使い続ける場合の変更点は、この記事のようにモデルページ・料金ページ・非推奨ページを突き合わせて再構成したものである
  • Opus 4.1のモデル重みが実際に長期保存されたかは、個別モデル名を挙げた記載を確認できなかった。公式は保存への一般方針は表明しているが、Opus 4.1固有の保存状況は非推奨ページに書かれていない
  • Amazon Bedrock・Google Cloud上でのOpus 4.1の具体的な退役予定日はAnthropic公式ドキュメントに記載がなく、各社のモデル一覧ページへのリンクが示されているのみ
  • 退役後のclaude-opus-4-1-20250805へ実際にAPIリクエストを送ってエラー文言を確認する検証は行っていない。「リクエストは失敗する」は公式ドキュメントの文言に基づくもので、実機での再現確認ではない

モデル仕様書とInternet Archiveの保存ページ

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