2026年9月4日 金曜日
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Claude・GPT・GeminiのAPI無料枠を並べてみた──「無料」の中身は3社でまったく違った

AI APIの「無料枠」という言葉を3社の公式ページで比較すると、常設の無料枠があるのはGoogle Geminiだけで、Anthropicは新規登録時の少額クレジット、OpenAIは実質1回の試し打ちだけだった。無料枠だけでミニツールを動かそうとして分かった条件の違いを、2026年8月27日に確認できた事実だけでまとめた。

Claude・GPT・GeminiのAPI無料枠を並べてみた──「無料」の中身は3社でまったく違った
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私は動画制作の検証作業でClaude・GPT・GeminiのAPIを日常的に使っていて、3社の請求ダッシュボードを定期的に見比べる台帳を自分用に作っている(単価の読み方は別記事にまとめた)。その延長で今回、「3社の無料枠を組み合わせれば、課金なしでミニツールが動かせるのでは」と思い立ち、2026年8月27日に3社の公式ページを開いて条件を並べてみた。結論から言うと、「無料枠」という同じ言葉が指しているものが3社でまったく違い、単純に組み合わせられるものではなかった。

  • 常設の無料枠(課金設定なしで使い続けられる枠)があるのはGoogle Geminiだけ。AnthropicとOpenAIは「新規登録時の一度きりの無料クレジット」「実質1回の試し打ち」で、継続利用には課金設定が要る
  • Geminiの無料枠は「無料の代わりにデータをGoogleの製品改善に使われる」という条件つき。公式ページに"Used to improve our products: Yes"(無料)/"No"(有料)と明記されている
  • 画像生成モデル(Nano Banana系)はGeminiの中でも無料枠の対象外。「無料で使える生成AI API」を画像まで広げると、条件はさらに狭くなる

3社の公式ページで確認した無料枠の中身

項目 Anthropic(Claude API) OpenAI(GPT API) Google(Gemini API)
常設の無料枠 なし なし(実質) あり(一部モデル)
新規登録時の扱い 少額の無料クレジットを付与 クイックスタート画面で1回だけ試し打ち可能 課金設定なしでそのまま継続利用可
継続利用の条件 クレジット消費後は課金設定が必須 課金設定(クレジット追加)が必須 課金設定は任意。無料枠のまま使い続けられる

Anthropicの公式料金ページのFAQには、こう明記されている。

Are there free tiers or trials? New users receive a small amount of free credits to test the API. Contact sales for information about extended trials for enterprise evaluation.

「small amount」としか書かれておらず、具体的な金額は公式ページ上では確認できなかった。新規アカウントに一度だけ付与されるクレジットで、使い切れば終わりという設計だ。

ただし、これは「モデル呼び出し自体の無料枠」の話に限った場合の話で、Anthropicの料金ページには別枠の月次無料枠がもう一つ見つかった。ツール使用の料金セクションによると、コード実行(Code execution)ツールには「Each organization receives 1,550 free hours of usage per month(組織ごとに月1,550時間分の無料枠がある)」と明記されている。これは新規登録時の一度きりのクレジットとは別に、毎月リセットされる枠だ。ただし、そもそもAPIを呼び出すには課金設定(支払い方法の登録)自体が前提になるため、「課金設定なしで使い続けられる」というGeminiの無料枠とは性質が異なる。あくまで「課金設定済みのアカウントの中に、追加費用なしで使える月次の枠がある」という位置づけであり、この点は本記事冒頭の要約を厳密にするため補足しておく。

OpenAIは少し複雑で、レート制限ページの利用ティア表には「Free」という行があり、条件は「対象地域のユーザーであること」、上限は「$100/月」と書かれている。一見、月100ドル分まで無料に見えるが、実際にAPIキーを発行して試すと事情が違った。クイックスタートのページには、最初の1回のリクエストを試したあとにこう表示される。

Congrats on running a free test API request! ... Add credits to keep building

つまり実質的な「無料」はクイックスタート画面での試し打ち1回分で、それ以上使うには「Add credits(クレジットを追加)」——課金設定が前提になる。表の「$100/月」は、課金設定をした後の利用枠の上限という位置づけに近い。

Googleだけが違った。Gemini API Pricingのページには、モデルごとに「Standard / Free Tier」列と「Paid Tier」列が並んでいて、たとえばGemini 3.7 Flashは次のようになっている。

Input price: Free of charge(Free Tier)/$0.75 through December 31, 2026, $1.50 starting January 1, 2027(Paid Tier) Output price (including thinking tokens): Free of charge(Free Tier)/$3.75 through December 31, 2026, $7.50 starting January 1, 2027(Paid Tier)

課金設定をしなくても、このモデルは入力・出力ともに文字通り「Free of charge」と書かれている。レート制限のドキュメントにも「Free tier」の利用資格は「Active project or free trial」とだけあり、有料ティアに上げるには「まずAI Studioで課金を設定する必要がある」と説明されている——逆に言えば、課金を設定しない限りFreeのままでいい、ということだ。

Geminiの無料枠は「データ提供」とセットだった

3社の価格表を横に並べていて目に留まったのがこの一行だった。同じGemini 3.7 Flashの価格表には、Free TierとPaid Tierを比較するもう1行がある。

Used to improve our products: Yes(Free Tier)/No(Paid Tier)

無料で使う代わりに、入力したデータがGoogleの製品改善に使われることに同意する形になっている。有料ティアではこれが「No」に切り替わる。

価格表のこの一行だけでは、具体的に何がどう使われるかまでは分からない。人間レビュアーが入力・出力を読む場合があること、EEA・スイス・英国は無料でもPaid Services扱いになること、Cloud Billingが紐づいたアカウントだとAI Studio自体がPaid Service扱いになることまでは、Gemini API利用規約の原文を確認した別記事のほうが詳しい。本記事はあくまで「3社の無料枠を比較していて見つけた条件の違いの一つ」として書いており、規約の細部を知りたい場合はそちらを読んでほしい。動画の台本チェックのように、公開前の企画や固有名詞を含む文章をAPIに投げる用途では、この条件を無視できない。

なお同じページで、無料枠には「Grounding with Google Search」(Google検索を使った裏取り機能)が「Not available」と明記されていた。有料ティアでは月5,000回まで無料の検索リクエストが付くが、これはあくまで課金設定をした上での話で、Free Tierには含まれない。

画像生成モデルは無料枠の対象外だった

「無料の生成AI」を画像まで広げようとすると、さらに条件が狭くなる。Gemini API Pricingのページで、Nano Banana系の画像生成モデル(Gemini 3.1 Flash Image、Gemini 2.5 Flash Imageなど)の価格表を確認すると、Free Tier列はすべて「Not available」だった。

Gemini 2.5 Flash Image (Nano Banana) ... Standard Free Tier ... Input price Not available ... Output price Not available

テキスト生成のGemini 3.7 FlashはFree of chargeなのに、画像生成モデルは同じGemini APIの中でも無料枠がない。「無料 ai api 枠」を調べるとき、テキストと画像を分けて確認しないと足をすくわれる。

3社を組み合わせて0円運用しようとすると

ここまでを踏まえると、「Claude・GPT・GeminiのAPI無料枠を組み合わせて、課金なしでミニツールを動かす」という当初の思いつきは、実質的には「Geminiのテキストモデル1本に絞る」という話になる。Anthropicのクレジットは使い切れば終わり、OpenAIはそもそも継続利用に課金設定が前提だからだ。3社を対等に積み上げられるという想定が、公式ページを開いた時点で崩れた。

個人開発でAPI課金を避けたい場合、現実的な選択肢は「Geminiの無料枠モデルで作れる範囲に収める」か、「少額の課金設定をして単価を比較した上で使う」のどちらかになる。中小企業のAI導入を0円から始める手順は別記事で扱っているので、APIではなく完成済みのAIサービスから入りたい場合はそちらのほうが近い。

AI Studioにログインしないと分からなかった数字

Geminiのレート制限ドキュメントには「Requests per minute (RPM)」「Tokens per minute (TPM)」「Requests per day (RPD)」という3つの軸があると書かれているが、モデルごとの具体的な数値は「View your active rate limits in AI Studio」——つまりログインしたAI Studioのダッシュボードでしか確認できない作りになっていた。公開ドキュメント上に一律の数字が載っているわけではないので、この記事では「無料枠がある/ない」という条件までを事実として書き、1分あたり何回までといった具体的な回数は書かなかった。実際に使う場合は、自分のプロジェクトでAI Studioにログインして確認してほしい。

Claude・ChatGPT・Geminiそれぞれのアプリ版(API版ではなく無料で使えるチャット版)の制限は、Claude無料版ChatGPT無料版Gemini無料版の各記事にまとめている。APIとアプリでは無料の条件がまったく別物なので、混同しないよう分けて確認するのがおすすめだ。

無料枠が「ある」「ない」を確認した公式ページ

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