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Anthropic(アンスロピック)、Claude(クロード)を使った創薬の初期成果を6社分公開筋ジストロフィー研究のMithril Medicine買収も発表

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日刊AIニュース10月27日(火)号:前日のAIのニュース12本を短くまとめました(約8分)›

Anthropicは2026年10月27日、Claudeを使った創薬の提携6社(Generate Biomedicines、Divergence Labs、BigHat Biosciences、Enveda、The Column Group、Bristol Myers Squibb)の初期成果を公表した。あわせて筋ジストロフィーを研究するMithril Medicineの買収も明らかにした。ただし成果の大半は前臨床の段階で、数字はAnthropicの発表による。

Anthropic(アンスロピック)、Claude(クロード)を使った創薬の初期成果を6社分公開──筋ジストロフィー研究のMithril Medicine買収も発表
目次

Anthropic(アンスロピック)は現地時間2026年10月27日、Claude(クロード)を使った創薬の初期成果を公開しました。BigHat Biosciences、Bristol Myers Squibb、Divergence Labs、Enveda、Generate Biomedicines、The Column Groupの6組織との研究提携が対象です。あわせて、希少な筋ジストロフィーの治療法を開発してきたMithril Medicineを買収したことも明らかにしました。Anthropic自身は、この研究を「初期段階で、大半は前臨床」と位置づけています。

3行まとめ

  1. Anthropicは2026年10月27日、Claudeを使った創薬の提携6社の初期成果を公開。Divergence Labsでは約3万5,000件の抗体設計を約1か月で作り、Enveda(エンベダ)では書類確認が25時間超から3時間未満(89%減)になったという
  2. 筋ジストロフィーを研究するMithril Medicineを買収。創業者のCody Tranbarger氏は現在Anthropicで研究を続け、人での臨床試験は早ければ2028年末の見込み
  3. 数字はAnthropicのページの記述で、成果の大半は前臨床。第三者による検証は今回確認した範囲では見当たらない

本記事の内容は、日本時間10月28日5時台に公式ページで確認したものです。

何が発表されたのか

Anthropicの生命科学チームは、公式の研究ページ「Early progress on accelerating drug development with Claude」で、過去数か月の取り組みをまとめました。同社の説明では、創薬は標的の特定、分子の設計、量産に向けた最適化、臨床試験に必要な規制書類の作成、試験の設計と運営など多くの作業からなり、課題は工程全体に散らばっています。そこで同社は、実際の創薬プログラムに深く入り込んで課題を探す方針をとったといいます。

この取り組みの狙いとして、Anthropicは3点を挙げています。

  • 創薬の幅広い作業でモデルの強みと限界を理解する(学んだことをもとに、すでに特定の改善を優先課題にしたと同社は述べています)
  • 生命科学の業界全体にとっての事例を作る
  • 順調に進めば、プログラム自体が新薬につながる可能性がある(食物アレルギー、希少な小児疾患、複数のがんが対象)

同社は今後、この取り組みを大幅に拡大する計画だと述べています。

6組織で何が試され、どんな数字が出たのか

Anthropicのページに載っている内容を、組織ごとに表にしました。数字はすべてAnthropicの記述によるものです。

組織 工程 内容 発表された数字
Generate Biomedicines モダリティ設計 固形がん向けのCAR-T細胞療法を目指し、遺伝子の指示の一部を短くする設計をClaude Codeで提案。Generateの科学者6人が使用 標準版より約70%短い設計が、実験でより有効。免疫細胞が作る受容体は約10倍、腫瘍細胞をより効率よく殺し、活性も長く持続
Divergence Labs ヒット生成 食物アレルギー向けに、免疫細胞からIgEを引き剥がす2本の「腕」を持つ薬を設計。Claudeが目標を詳細な設計計画に変換し、ほぼ自律的に設計 約1か月で約3万5,000件の抗体設計。初期試験で、IgEに結合する設計が3件、引き剥がす設計が20件。20件のうち3件は標準薬より多く引き剥がす様子
BigHat Biosciences リード最適化 2種類の抗体断片の結合力・安定性・凝集しにくさを改善。Claudeが同社のラボデータ基盤Reccyにつながって変更を提案 約10週間で約1,010の変異体を作成・試験。最良の版は結合が10倍超強く、がん標的のリードは溶液中で18℃高く安定、長持ち用のリードは凝集が100倍超遅い
Enveda 製造・申請書類 製造書類をClaudeにつなぎ、問題を指摘させる。規制文書2点の初稿も作成 1,061ページのテストで、人間の査読者が見つけた11件をすべて検出し、見逃されていた7件も指摘。人の確認時間は25時間超から3時間未満(89%減)。規制文書の1本は初稿に4時間(手作業では約3か月)
The Column Group(TCG) 会社の立ち上げ Claudeで通常より多く複雑な創薬プログラムを動かす新会社Pleiadesを設立中 最初のClaudeスキル(標的が追う価値があるかの評価)を45の標的・疾患の組で評価
Bristol Myers Squibb 臨床試験計画 初期段階の薬の試験計画を評価し、成功確率を見積もる 2027年に取り組みを拡大する計画。数値の成果はAnthropicのページには書かれていない

数字の読み方で気をつけたい点

表の数字はどれも、Anthropicのページに載っている要約です(各項目に技術報告書へのリンクが付いています)。条件の違う数字を単純には比べられません。たとえばDivergence Labsの「3万5,000件」は、これから絞り込んで試験にかける設計案の数です。薬として有効だと確認された数ではありません。同社の記述でも、初期試験で結合が見つかったのは3件、引き剥がせたのは20件でした。

BigHatの例では、途中で標準的な熱安定性と凝集の指標が誤解を招くと研究チームが疑い、Claudeと研究者が生データを再解析して別の指標と手順の変更を提案したとあります。BigHatの科学者が手順を磨いて実行し、主要な予測は当たったという流れです。AIの提案をそのまま採用したのではなく、人と往復して修正した経過が書かれています。

Bristol Myers Squibbについては、Michael Pourdehnad氏(Senior Vice President、Head of Early Clinical Development, Hematology, Oncology and Cell Therapy)のコメントが引用されています。

"From a single prompt, Claude generated a robust initial analysis that helped inform our assessment of different development options, which would otherwise take days to complete." (1回の指示から、Claudeは堅牢な初期分析を作り、開発案の評価に役立った。通常は数日かかる作業だという。)

Mithril Medicineの買収とは何か

Anthropicは、Claudeを使った自社の創薬研究も始めたと説明しています。その一環が、2種類の希少な筋ジストロフィーの治療法を開発してきたMithril Medicineの買収です。同社は「1人の会社」だとされています。

創業者のCody Tranbarger氏は、外部の11のラボとの契約、段取り、実験の整理にClaudeを使い、運営の多くを任せていました。その結果、Mithrilはある型の筋ジストロフィーの治療候補について、アイデアからマウスでの有望な結果まで18か月未満で到達したとAnthropicは述べています。Tranbarger氏は現在Anthropicに所属して研究を続け、新しいプログラムをいくつか始める予定です。

見通しも書かれています。候補薬が持ちこたえれば、人での臨床試験を始められる状態は早ければ2028年末になる、というのがAnthropicの見込みです。技術報告書は同社が別に公開しています。買収額や条件は、今回確認した公式ページには記載がありませんでした。

まだ初期段階というAnthropicの自己評価

発表の本文には、慎重な記述が明示されています。

"All of this research is still at an early stage. In particular, so far it is mostly preclinical" (この研究はすべてまだ初期段階にある。特に、これまでのところ大半は前臨床である。)

つまり、薬を人で試す段階には、ほとんどの案件がまだ届いていません。Anthropicは、プログラムが進むにつれて臨床試験にもClaudeの役割を広げ、すでに臨床段階にある開発プログラムを持つ組織とも組む計画だと述べています。

研究者は何を使えるのか

同じページでAnthropicは、この研究以外の取り組みにも触れています。関連する4つの公式ページを開き、内容を確認しました。

取り組み 公式ページに書かれている内容
Claude Science 研究者向けのAIワークベンチ。2026年6月30日の発表時点でmacOSとLinux向けのベータ、Pro・Max・Team・Enterpriseが対象。Team・Enterpriseは管理者の有効化が必要
Life Sciences Verification Program(LSVP) 2026年9月17日の発表時点で、生命科学の専門家向けに、生物学関連の安全対策をより緩めたMythos・Opus・Sonnetモデルへのアクセスを提供。ベータで、当初はチームと機関向け、個人のProとMaxは今後拡大の予定
AI for Science 研究者にClaudeのAPIクレジットを提供する枠組み(2025年5月5日に発表)
ゲスト研究者の公募 2026年10月22日に発表。大学・非営利団体・政府系研究所の研究責任者とその研究グループが対象。8〜12週間、Anthropicの研究者と共同で取り組み、モデルとハーネスはAnthropic側が無料で動かす。応募受付は約14日間

LSVPの発表ページによると、データの扱いにも条件があります。LSVPの通信は、不正利用を調べるために30日間のデータ保持が必須です。また、ベータ中はBAA(医療情報の保護に関する契約)対応の組織では使えません。保護対象の医療情報(PHI)を扱う顧客は、別の非BAAの組織を使うよう案内されています。

日本の読者にとっての論点

日本時間10月28日5時台に公式ページを確認した時点では、取得した5ページはいずれも英語版でした。日本での提供条件や日本の製薬企業との提携は、今回確認した公式ページには書かれていませんでした。筆者が確認した範囲で言えるのは、「日本の研究者が今すぐ何を使えるか」はこれらのページからは読み取れない、ということです。

また、Anthropicは、考え方・手法・初期結果をより詳しく説明する技術報告書とプレプリントとして、Generate、Divergence、BigHat、Enveda、Anthropic自身(Mithril関連)の分をリンクしています(The Column GroupとBristol Myers Squibbの項には技術報告書のリンクはありません)。本記事ではこれらの本文までは開いておらず、Anthropicのページに書かれている要約を読んだ範囲での整理です。

読み切れていないこと

  • 各社の技術報告書(Generate、Divergence、BigHat、Enveda、Anthropic自身のMithril関連)は、本記事では本文を確認していません。数字はAnthropicの記述に基づいています
  • Mithrilの買収額・条件、Pleiadesの資金や体制は、今回確認したページには書かれていません
  • 薬としての有効性や安全性は、人での試験を経ていない段階です。「新薬ができた」という発表ではありません
  • 筆者はClaudeや関連製品を自分で試していません。本記事は公開ページの確認に基づきます

出典と確認時刻

確認時刻は、日本時間2026年10月28日5時28分〜29分です。本記事は続報があり次第更新します。

Claudeの最近の変更

Claudeのいま(稼働状況・料金と上限・変わったことの一覧)

この記事でよく聞かれること

Anthropicは創薬でClaudeをどう使っていると発表したのですか?
Anthropicは2026年10月27日、過去数か月でGenerate Biomedicines、Divergence Labs、BigHat Biosciences、Enveda、The Column Group、Bristol Myers Squibbの6組織と研究提携を結んだと発表しました。設計案の作成、製造書類の確認、規制文書の下書き、臨床試験計画の評価など、創薬の複数の工程でClaudeを使っています。同社自身の創薬研究も始めており、筋ジストロフィーのMithril Medicineを買収したと述べています。
Claudeを使った創薬の成果は、人での試験まで進んでいますか?
Anthropicは、今回の研究は初期段階で、大半は前臨床だと説明しています。つまり多くは、薬を人で試す段階にまだ至っていません。Mithril Medicineについては、薬の候補が保たれれば、人での臨床試験の開始は早ければ2028年末になると同社は見込んでいます。
Mithril Medicineとは何で、Anthropicはなぜ買収したのですか?
Anthropicによると、Mithril Medicineは2種類の希少な筋ジストロフィーの治療法を開発してきた1人の会社です。創業者のCody Tranbarger氏はClaudeを使い、外部ラボ11か所との契約・段取り・実験を整理し、運営の多くを任せていたといいます。マウスでの有望な結果まで18か月未満で到達したとされ、同氏は現在Anthropicで研究を続けています。買収額は、今回確認した公式ページに記載がありませんでした。
研究者はClaudeを創薬に使えますか?
Anthropicは関連する枠組みとして、研究者向けのワークベンチClaude Science(ベータ)、生命科学向けに安全対策を緩めたLife Sciences Verification Program、Claudeのクレジット提供、ゲスト研究者の公募を挙げています。Life Sciences Verification Programは2026年9月17日の発表時点で個人プランは未対応でした。日本での提供条件は、今回確認した公式ページには書かれていません。
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出典・参照資料

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