2026年9月7日 月曜日
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Vidu「Reference to Video」は動きだけを借りる機能ではなかった──公式FAQで確認した実際の仕組み

Vidu AIの「Reference to Video」は、最大7枚の参照画像・動画から「キャラクター・スタイル・構図・カメラワーク・シーン・エフェクト」を要素ごとに取り出し、複数カットにまたがる一貫性を保つための機能。公式FAQは「Image to Videoとの違いはキャラクターの一貫性を保てる点」と説明しており、動きだけを転写する専用機能とは位置づけが異なる。API公式ドキュメントを追加で確認したところ、対応モデルの幅と1秒あたりのクレジット消費量まで具体的な数字が確認できた。

Vidu「Reference to Video」は動きだけを借りる機能ではなかった──公式FAQで確認した実際の仕組み
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目次

「Reference to Video」という名前だけを見ると、「参照動画から動きだけを抜き出して別のキャラクターに適用する」機能に聞こえるかもしれない。しかしVidu AIの公式ページを確認したところ、実際の位置づけはそれより広く、「キャラクター・スタイル・構図・カメラワーク・シーン・エフェクトといった要素を参照から取り出し、複数カットにまたがる一貫性を保つための機能」だった。本稿は公式FAQに加えて、開発者向けAPIドキュメント(platform.vidu.com)の記述もあわせて確認し、実際の仕組みと料金体系を整理する。

3行まとめ

  1. Reference to Videoの公式定義は「参照動画・参照画像を使って、キャラクター・アイデンティティ・スタイル・カメラワーク・シーンの継続性を制御しながら、一貫性のあるマルチショット動画を作る手法」。動きの転写だけに限定した機能ではない
  2. Image to Videoとの違いは、公式FAQが明確に「Image to Videoは1枚の画像をシンプルに動かすだけで継続性の制御は少ないが、Reference to Videoは参照画像・参照動画を使って複数シーンにわたるキャラクターの一貫性を確保する」と説明している
  3. 消費者向けWebページは「Vidu Q3の機能」という見え方だが、API公式ドキュメントを確認すると、reference2videoは実際にはVidu Q3-mix・Q3-turbo・Q3・Q2-Pro・Q2・Q1・2.0という7種類のモデルに対応しており、モデルごとに秒間クレジット消費量まで公開されていた

「Image to Video」との違いを公式がどう説明しているか

VidudのFAQページには、この機能が何であるかを説明する質問が並んでいる。まず基本の定義。

"Reference to Video is an AI video generation method that uses reference videos or images to create consistent, multi-shot videos. It allows you to control character identity, style, camera movement, and scene continuity for storytelling and professional content creation."

日本語にすると「Reference to Videoは、参照動画または参照画像を使って一貫性のあるマルチショット動画を作るAI動画生成手法。ストーリーテリングやプロフェッショナルなコンテンツ制作のために、キャラクターのアイデンティティ・スタイル・カメラワーク・シーンの継続性を制御できる」。

似た名前の「Image to Video」との違いについても、FAQは明確に線引きしている。

"The main difference is that Reference to Video ensures character consistency across multiple scenes using reference images or videos, while Image to Video is designed to animate a single image with simple motion and less control over continuity."

つまりImage to Videoは「1枚の画像をシンプルに動かすだけ」で複数シーンの継続性はほぼ制御できないのに対し、Reference to Videoは複数シーンにまたがってキャラクターの一貫性を維持することに主眼が置かれている。

参照から取り出せる「6つの要素」

FAQのもう1問「Reference to Videoで参照として使える要素は何か」への回答は次の通り。

"You can turn elements like character, style, composition, camera movement, scene, and effects into references from images or videos, and use them to guide and control Reference to Video generation for better character consistency."

具体的には、キャラクター・スタイル・構図・カメラワーク・シーン・エフェクトの6要素を、画像または動画から抽出して参照にできる。候補の想定タイトルにあった「動きだけを別動画から借りる」というのは、この6要素のうち「camera movement(カメラワーク)」の部分だけを切り出した使い方に相当し、機能全体としてはもっと広い範囲をカバーしている、というのが公式情報から確認できる実態だ。

用途としては「ストーリー性のある動画、広告、一貫したキャラクター・安定したシーン・複数カットの継続性が必要なAIインフルエンサー系コンテンツを作るときに使うべき」とFAQは案内している。ページ本文には「@Cowboy」「@Bar」「@Lady」のように、参照ごとに@記法のタグを付けてプロンプト内で呼び出す使用例も掲載されている。この@記法は後述するAPIドキュメントの「subjects」機能と対応しており、複数の参照(登場人物・場所など)をプロンプト内で個別に指定できる仕組みだと裏付けが取れた。また複数の参照を組み合わせて管理する「RefHub」というライブラリ機能も用意されている。

公式ページにはImage to Videoとの比較表もあり、この記事の説明を補足する形で次の項目が示されている。

比較項目 Reference to Video Image to Video
主な用途 複数カットにまたがる一貫性重視の動画生成 1枚の画像またはキーフレームのアニメーション化
入力形式 参照動画・複数の参照(画像/動画/プロンプト) 単一の画像またはキーフレーム
制御レベル 高(キャラクター・スタイル・構図・カメラ・エフェクトを制御) 中(主に動き・見た目のアニメーションのみ)
一貫性 強い(キャラクターの同一性・シーンの継続性を維持) 限定的(複数シーンの一貫性は想定されていない)
適する用途 ストーリーテリング・広告・AIインフルエンサー・複数シーン制作 手早いコンテンツ・製品アニメーション・SNS向け短尺クリップ
出力の性質 複数カット・物語構造を持つ動画 短尺・ループ可能またはシンプルな動きの動画
複雑さ 中〜高

消費者向けページは「Q3の機能」に見えるが、APIでは7モデルに対応していた

Reference to Videoのページにはトップナビゲーションで「Vidu Q3」が並んで表示されており、この見た目だけを追うと、機能はVidu Q3という最新世代モデル専用のように読める。実際、Vidu Q3の公式ページには次のような仕様が明記されている。

  • 音声込みで一括生成: セリフ・ナレーション・効果音・音楽を含めて、映像と音声を同時に生成する「ネイティブオーディオ」対応
  • 1回の生成で最大16秒: 1回の生成で完結した16秒の動画を作れる(継ぎ接ぎが減り、物語の流れが途切れにくい)
  • フレーム単位のカメラ制御: カメラの動き・間(ペーシング)をフレーム単位で精密に指定できる
  • 対応言語は英語・日本語・中国語の3言語: 音声出力の対応言語として明記されている
  • 複数話者対応: 自然な複数人の会話に対応

しかし開発者向けAPIドキュメント(platform.vidu.com/docs/reference-to-video)を確認すると、reference2videoというAPIエンドポイント(POST https://api.vidu.com/ent/v2/reference2video)は、実際にはQ3以外の世代のモデルも受け付けていることが分かった。ドキュメントには2種類の呼び出し方が記載されている。

  1. subjects方式(名前付き参照。@記法・RefHubに相当): 対応モデルはviduq3-turboviduq3viduq2viduq1vidu2.0の5種類。「viduq3-mixは現時点でこの機能に非対応」と明記されている
  2. images/videos方式(画像・動画のURLを直接渡す簡易版): 対応モデルはviduq3-mixviduq3-turboviduq3viduq2-providuq2viduq1vidu2.0の7種類

つまり、消費者向けWebサイトの見た目だけでは「Q3専用機能」に見えるが、API経由では旧世代のQ2・Q1・2.0モデルでもReference to Videoと同じ「参照から一貫性を保つ」仕組みが使える。この点は、消費者向けページの文言だけでは確認できなかった内容で、API公式ドキュメントで裏付けが取れた。

音声出力は「Q3・Q3-turboではデフォルトでオン」と明記されていた

前回の確認では「Reference to Video自体が音声機能を持つかどうかは推測にとどまる」としていたが、API文書のsubjects方式のリクエストボディにはaudioという真偽値パラメータが明記されており、次のように説明されている。

"By default, audio is set to true for viduq3 and viduq3-turbo, and false for other models"

つまりモデルにviduq3またはviduq3-turboを指定した場合、Reference to Videoの生成でも音声(セリフ・BGM込み)がデフォルトでオンになる。他のモデル(Q2・Q1・2.0)ではデフォルトで音声なし(無音動画)になる。これはVidu Q3ページの「ネイティブオーディオ」がReference to Video機能にも実際に及んでいることを示す、API側からの裏付けだ。

一方、images/videos方式(簡易版)のリクエストボディにはaudioパラメータの記載がなく、代わりにbgm(背景音楽の自動追加、真偽値)というパラメータがある。ただしレスポンスボディの方にはaudioフィールドが含まれており、生成結果に音声が使われたかどうかは返ってくる仕組みになっている。

参照画像・参照動画の技術要件

API文書には、参照として使える画像・動画の技術的な制約も明記されていた。

  • 画像: PNG・JPEG・JPG・WebPのいずれか。最小128×128ピクセル、アスペクト比は1:4〜4:1の範囲内、1枚あたり最大50MB
  • 画像の枚数: viduq3-mix・viduq3-turbo・viduq3・viduq2・viduq1・vidu2.0では1〜7枚。viduq2-proのみ特殊で、動画をアップロードしない場合は1〜7枚、動画も使う場合は1〜4枚に制限される
  • 動画参照はviduq2-proのみ対応: 動画1本(最大8秒)、または2本(それぞれ最大5秒)まで。フォーマットはmp4・avi・mov。全ての参照(画像+動画)の合計は13秒分の枠を共有し、画像1枚は1秒分としてカウントされる
  • プロンプトの上限: 5000文字。@1@2のように番号やsubject名で参照を呼び出せる(公式サンプルでは「"@1 and @2 are cooking together, and both say they love hot pot."」という例文が示されている)

動画を参照にできるのはviduq2-proだけで、他の6モデルは画像のみが参照として使える、という制限は消費者向けページの説明文からは読み取れなかった部分で、API文書で初めて確認できた。

生成時間・解像度・アスペクト比はモデルごとに異なる

reference2videoのリクエストボディに記載されている、モデル別の生成時間・解像度の上限は次の通り。

モデル 生成時間(デフォルト/範囲) 解像度(デフォルト/選択肢)
viduq3-mix 5秒 / 1〜16秒 720p / 720p・1080p
viduq3-turbo・viduq3-pro 5秒 / 3〜16秒 720p / 540p・720p・1080p
viduq2-pro 5秒 / 0〜10秒(0は自動) 720p / 540p・720p・1080p
viduq2 5秒 / 1〜10秒 720p / 540p・720p・1080p
viduq1 5秒固定 1080p固定
vidu2.0 4秒固定 360p / 360p・720p

アスペクト比はデフォルト16:9で、16:9・9:16・3:4・4:3・1:1のいずれかを選べる。ただし3:4と4:3はQ2系モデルのみの対応と明記されている。

このほか、off_peak(オフピークモード。生成に最大48時間かかる代わりに消費クレジットが下がる。未完了タスクは自動キャンセルされクレジットが返却される)、auto_subjects(RefHubのようなインテリジェント・エンティティ・ライブラリ機能を自動利用するかの真偽値)、callback_url(タスク完了時に結果を通知するコールバック、署名検証つき)といったパラメータも用意されている。

料金:消費者向けページとAPI向けページで別の体系だった

Viduの料金ページ(www.vidu.com/pricing)を確認すると、クレジットには3種類ある。

  • サブスクリプションクレジット: プランに含まれるクレジットで、有効期限は30日
  • 購入クレジット: 追加購入できるクレジットで、有効期限は2年
  • ボーナスクレジット: イベント・コンペティション・Artist Programを通じて獲得できるクレジットで、有効期限は2年

クレジットの入手方法としては、新規登録時のトライアルクレジット・プラン加入・毎日のログインボーナス・公式イベントやコンペティションへの参加、の4通りがFAQに列挙されている。また支払いに関しては、Stripe経由でサブスクリプションした場合、月額プランは毎月・年額プランは毎年自動で課金される仕組みで、返金には対応していない(解約は要問い合わせ)ともFAQに明記されている。

ただし、この料金ページ自体は各プランの価格・クレジット数を表示する部分がJavaScriptで動的に読み込まれる作りになっており、今回確認した範囲では「Loading pricing plans...」の表示のままで具体的な金額を取得できなかった。消費者向けプランでReference to Videoを1回使うと何クレジット消費するか、という数字は、このページからは今回も確認できなかった。

API向けページには、reference2videoのモデル別料金が具体的な数字で載っていた

一方、開発者向けAPIプラットフォーム(platform.vidu.com/docs/pricing)には、消費者向けページにはなかった具体的な料金表が公開されていた。これは「API経由でreference2videoを呼び出す場合」の従量課金価格であり、消費者向けWebアプリのサブスクリプションクレジットと同じ単価かどうかは、今回確認した範囲では分からない。両者は別ページ・別体系として扱う。

まず基準として「1クレジット = $0.005」と明記されている。そのうえで、reference2video(Reference to Video)のモデル別・解像度別の秒間クレジット消費量は次の通り。

モデル 解像度 通常料金(1秒あたり) オフピーク料金(1秒あたり)
Vidu Q3-mix 720p 24クレジット($0.12) 非対応
Vidu Q3-mix 1080p 29クレジット($0.145) 非対応
Vidu Q3-turbo 540p 4クレジット($0.02) 2クレジット($0.01)
Vidu Q3-turbo 720p 10クレジット($0.05) 5クレジット($0.025)
Vidu Q3-turbo 1080p 13クレジット($0.065) 7クレジット($0.035)
Vidu Q3 540p 7クレジット($0.035) 4クレジット($0.02)
Vidu Q3 720p 12クレジット($0.06) 6クレジット($0.03)
Vidu Q3 1080p 15クレジット($0.075) 7クレジット($0.035)

Q2系はQ3系と違って「秒あたり定額」ではなく「初期コスト+秒あたり追加」という課金構造になっている。

モデル 解像度 料金
Vidu Q2 540p 15クレジット + 5クレジット/秒($0.075 + $0.025/秒)
Vidu Q2 720p 25クレジット + 5クレジット/秒($0.125 + $0.025/秒)
Vidu Q2 1080p 75クレジット + 10クレジット/秒($0.375 + $0.05/秒)
Vidu Q2-Pro 540p 20クレジット + 5クレジット/秒($0.10 + $0.025/秒)
Vidu Q2-Pro 720p 30クレジット + 5クレジット/秒($0.15 + $0.025/秒)
Vidu Q2-Pro 1080p 85クレジット + 10クレジット/秒($0.425 + $0.05/秒)

Vidu Q1のreference2videoは5秒固定・1080p固定で80クレジット($0.4)、オフピークだと40クレジット($0.2)。

このページにはあわせて2つの注記があった。「オフピーク料金は通常料金の半額。クレジットに小数が出た場合は切り上げ」、そして「img2video・reference2videoで音声機能を使うと、基本タスクに15クレジットが加算される」(Q2系モデルの説明箇所に記載)というものだ。Vidu Q3-mixだけはオフピークモード自体が「Not Supported」と明記されている。

前回確認できなかった「Reference to Videoの1回あたりのクレジット消費量」は、少なくともAPI経由での利用であれば、モデル・解像度ごとに具体的な数字が公式ドキュメントに存在していた。消費者向けWebアプリでの消費量だけは、今回もページの技術的な制約(JavaScriptレンダリング)により確認できていない。

参照画像の上限は7枚、動画は最大2本まで

ページのメタ説明(構造化データ)には「最大7枚の参照画像をアップロードして、一貫性のあるキャラクター・オブジェクト・シーンのAI動画を生成する」と明記されている。この「7枚」という上限は、消費者向けページとAPI文書(images/videos方式の場合)の両方で一致していた。ただしAPI文書によれば、動画を参照に使う場合(viduq2-proのみ対応)は画像の上限が4枚に下がり、代わりに動画を最大2本(それぞれ5秒)まで追加できる。

今回の検証で確認できなかったこと

  • 消費者向けWebアプリ(www.vidu.com)でReference to Videoを1回生成すると何クレジット消費するかは、料金ページがJavaScriptレンダリングのため今回も取得できなかった。APIとして呼び出す場合の価格は、上記の通りモデル・解像度別に確認できている
  • 実際に生成した際の一貫性の精度(キャラクターがどの程度崩れずに保たれるか)は未検証で、公式の説明文・APIドキュメントの記述以上のことは書いていない
  • 日本語UIでの提供状況は確認していないが、Vidu Q3のFAQには音声出力の対応言語として日本語が明記されている
  • API文書のsubjects方式にはvoice_idという、参照ごとに音声キャラクターを指定できるパラメータも存在した。ただしReference to Video機能でこのパラメータを実際に使った場合の生成結果までは検証していない

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