パワーディレクター・DescriptのAI動画編集機能を比較する──公式情報から分かる、定番2本にない使い方
CapCut・Premiere Pro以外の選択肢として、PowerDirector(CyberLink)とDescriptの公式サイトをそれぞれ確認した。PowerDirectorは外部AI生成モデル(Veo 3.1・Kling 3.0など)を編集画面に統合する「AIモデルラボ」、Descriptは文字起こしベースの編集が軸だが、公式ページに列挙された対応25言語には日本語が含まれていなかった。

目次
「パワーディレクター ai 動画編集」「descript ai 動画編集」と検索する人は、CapCutやPremiere Pro以外の選択肢を探している可能性が高い。この記事では、CyberLink PowerDirectorとDescriptそれぞれの公式サイトを実際に確認し、AI機能と価格を整理する。
先に断っておくと、この記事は両ソフトのトライアル版を実際に操作した記録ではない。公式サイト・公式ヘルプページに書かれている内容の範囲での整理であり、理由は末尾の章に書いた。
- PowerDirectorのAI機能で他にない特徴は「AIモデルラボ」。Veo 3.1・Kling 3.0・Seedance・GPT Image 2・Fluxといった外部の画像/動画生成AIモデルを、編集画面から切り替えて使える
- PowerDirector Mac版はサブスクリプション専業で買い切り版なし。12か月プラン6,700円(月あたり約558円)、1か月プラン2,480円
- Descriptは文字起こしからの編集が軸だが、価格ページに列挙された文字起こし対応25言語のリストに日本語は含まれていなかった(2026年8月27日確認)。ただし別ページの「AI Video Translator」機能の対応言語には日本語が明記されており、日本語が翻訳元・翻訳先のどちらとして使えるかは本記事では判別できなかった
PowerDirectorのAI機能──外部生成AIモデルを編集画面に統合する「AIモデルラボ」
CyberLink公式サイトの製品機能ページを確認すると、PowerDirector 365にはCapCutやPremiere Proと同系統のAI機能(背景除去・自動顔ぼかし・高画質化など)に加えて、他では確認できなかった機能が1つあった。「AIモデルラボ」だ。公式ページの説明を引用する。
作りたい画像や動画に合わせて、最適な AI モデルを選べます。Veo 3.1、Kling 3.0、Seedance、GPT Image 2、Flux など、最新の画像生成・動画生成モデルに対応。複数のモデルをまとめて試せるので、仕上がりを比較しながら、より効率よく作品を作成できます。
CapCutやPremiere Proが自社開発のAI機能(Firefly、Dreaminaなど)を中心に据えているのに対し、PowerDirectorは他社の主要な画像・動画生成モデルを編集画面の中から横断的に呼び出せる、という設計になっている。
その他、公式ページで確認できたAI機能は以下の通り。
| 機能 | 説明(公式ページより) |
|---|---|
| AI 背景除去 | グリーンスクリーン不要で、写真や動画から背景を自動で除去。被写体だけを切り抜いて、別のクリエイティブに活用できる |
| AI ウィンド除去 | AIが風ノイズを自動検知し、除去してクリアな音声に仕上げる |
| AI スピーチ強調 | AIアルゴリズムにより録音の音声を際立たせ、はっきりとした音声を実現する |
| AI 動画高画質化 | 画質の低い映像をワンクリックで補正。アップスケール・ノイズ除去・明るさ調整をまとめて実行 |
| AI 自動顔ぼかし | 動画内の複数の顔を自動検出し、適用したい顔だけを選んでモザイク・ぼかしをかけられる |
| AI 動作入れ替え | 動画に映っている人の動きを使って、キャラクターや写真の人物を同じように動かせる |
| AI 画像から動画生成 | 写真に自然な動きや光の表現を加えて動画にする |
| AI モーショントラッキング | フレーム単位の高精度な追跡で、動画内のオブジェクトに文字や画像を追従させる |
素材面では、Getty ImagesとMeta Sound Collectionのライブラリが内蔵されており、公式FAQには「個人利用・商用利用のどちらにも活用できます。クライアントワーク、収益化された YouTube 動画、広告など、さまざまな制作物に利用できます」と明記されていた。CapCutの素材のように「限定商用可」「非商用限定」といった区分がなく、内蔵ストック素材は一律で商用利用可能という位置づけだ。
価格は、Mac版の公式購入ページのFAQによると、12か月プラン6,700円(月あたり約558円)、1か月プラン2,480円の2種類。永続ライセンスの買い切り版はなく、無料で使えるのは機能制限のある無料ダウンロード版のみだった。
DescriptのAI機能──文字起こしベースの編集と、対応言語の落とし穴
Descript公式サイトのFeatures一覧を確認すると、中心にあるのは「動画編集をドキュメントやスライドを編集するのと同じ感覚で行える」という文字起こしベースの編集だ。音声・映像を自動で文字起こしし、そのテキストを削除・並べ替えすることで映像そのものを編集する、という仕組みになっている。
公式サイトに列挙されていたAI機能は以下の通り。
- Enhance video(録画するだけで見た目・音声・ミスをAIが自動補正)
- Generate media(プロンプトから動画・画像を生成)
- Captions(ワンクリックで字幕追加)
- AI speech(音声クローン作成、またはストックのAI音声から選択)
- Studio Sound(ノイズ除去)
- Remove Filler Words(「えー」「あの」などのフィラーワード除去)
- Eye Contact(視線補正)
- Automatic Multicam(マルチカメラの自動切り替え)
- Underlord(生成AIアシスタント。API・MCP経由でコードやAIアシスタントから動画編集を操作できる)
料金プランは公式Pricingページで確認した通り、Free($0・文字起こしベース編集を試せる)、Hobbyist(年払い換算$16/月、10メディア時間/月、書き出しは1080pで透かしなし)、Creator(年払い換算$24/月・「Most Popular」表示、30メディア時間/月、4K書き出し、最新AIモデルでの動画生成を含む20以上のAIツール)、Business(年払い換算$50/月、40メディア時間/月、チーム共有のBrand Studio)の4段階だった。すべて米ドル建てで、円建てのプランは確認できなかった。
日本語ユーザーにとって重要なのは、文字起こし機能の対応言語だ。Descriptの文字起こしページには「25言語に対応」と明記されており、Pricingページには対応言語が具体的に列挙されていた。
Automatically transcribe your recordings into text in 25 languages, including Catalan, Croatian, Czech, Danish, Dutch, English (US), Finnish, French (FR), German, Greek, Hindi, Hungarian, Italian, Latvian, Lithuanian, Malay, Norwegian, Polish, Portuguese (BR), Romanian, Slovak, Slovenian, Spanish (US), Swedish, and Turkish.
この25言語のリストを数えても日本語は含まれていない。中国語・韓国語も同様に含まれていなかった。文字起こしベースの編集がDescriptの中核機能である以上、日本語の音声・映像を素材にした編集では、この文字起こし機能をそのまま使えない可能性が高い。
ただし、公式サイトには「Video Translator」という別の専用ページがあり、そこには文字起こしの25言語リストとは異なる言語群が明記されていた。
"AI voices in English, Chinese, French, German, Spanish & 25+ more" ... Chinese, English, French, German, Hindi, Italian, Japanese, Korean, Polish, Spanish
この「AI Video Translator」(吹き替え・リップシンク付き翻訳機能)が対応する言語には、日本語・中国語・韓国語が明記されていた。文字起こし専用の25言語リストとは別に、より広い言語セットで動く機能が存在するということだ。ただし、このページの記載だけでは、日本語が「翻訳先(吹き替え出力)」としてのみ対応しているのか、「翻訳元(日本語音声を読み取る側)」としても対応しているのかは判別できなかった。文字起こし機能自体の対応言語に日本語が入っていないことを踏まえると、日本語ナレーションの動画を「素材として読み込む」用途ではなく、英語などの動画を「日本語に吹き替える」出力側の用途で対応している可能性がある。この点は本記事では確認しきれておらず、断定を避ける。
Descriptの言語対応を機能別に整理すると、次のようになる。
| 機能 | 対応言語(公式ページの記載) | 日本語 |
|---|---|---|
| 文字起こし(Transcription) | 25言語(カタルーニャ語・クロアチア語・チェコ語・デンマーク語・オランダ語・英語など、日本語・中国語・韓国語を含まない) | 含まれない |
| AI Video Translator(翻訳・吹き替え) | 「25+」言語、うち明記されているのは中国語・英語・フランス語・ドイツ語・ヒンディー語・イタリア語・日本語・韓国語・ポーランド語・スペイン語 | 含まれる(ただし翻訳元として使えるかは未確認) |
自分がDescriptを使わない理由と、対応言語チェックの重要性
筆者はVOICEVOXによる日本語音声合成とffmpegベースの文字起こし・テロップ生成パイプラインを自作して動画制作をしている。Descriptのように「文字起こしを編集すれば映像が編集される」という発想自体は魅力的だが、公式ページで確認した限り日本語の文字起こしが対応言語リストに入っていないため、少なくとも日本語ナレーション主体の動画制作においてはそのままでは使えない可能性が高い。海外向けの英語コンテンツを作る場合と、日本語のYouTube解説動画を作る場合とでは、同じ「文字起こしベースの編集」でも前提が変わる、という点は購入前に必ず確認すべきポイントだと感じる。
トライアル版を操作せずに書いた理由、日本語が翻訳元として使えるかは未確認
この記事は当初、PowerDirectorとDescriptのトライアル版を実際に操作して機能を確認する想定だった。しかし今回の執筆環境ではデスクトップアプリケーションのインストール・GUI操作ができないため、公式サイト・公式ヘルプページに書かれている内容の範囲に限定して記事を構成した。実際の操作感(処理速度、UIの分かりやすさ、AI機能の精度など)は、本記事の情報からは分からない。これらを知りたい場合は、両ソフトとも無料トライアルが用意されているため、実際に触って確認することをすすめる。
- Descriptの「AI Video Translator」ページが挙げる言語リストに日本語が含まれる点は原文で確認したが、これが「日本語音声を翻訳元として読み込める」ことを意味するのか、「他言語の動画を日本語に吹き替える出力先としてのみ対応する」ことを意味するのかは、本記事で確認した範囲のページ記載からは判別できなかった。文字起こし機能の対応言語リストに日本語が含まれていないことから、後者(出力先のみ)である可能性を本記事では示唆したが、これは推測であり、Descript公式のFAQ・ヘルプセンター記事など、より詳細な一次資料までは確認していない
- PowerDirectorの「AIモデルラボ」に列挙されているVeo 3.1・Kling 3.0・Seedance・GPT Image 2・Fluxといった外部モデルが、全プラン共通で使えるのか、上位プラン限定の機能があるのかという利用制限の詳細は、本記事で確認したページには明記されておらず、確認できていない
CapCutの機能・商用利用条件はCapCutのAI動画編集機能と商用利用の条件、DaVinci Resolve・Premiere Proの比較はDaVinci Resolve・Premiere ProのAI編集機能はどこまで使えるかにまとめている。音声合成ツール全般の比較はAI音声合成・読み上げツール比較を参照してほしい。
確認したCyberLink・Descriptの情報源
- PowerDirector 365 Mac 版 - 製品機能 | CyberLink(2026年8月27日確認)
- PowerDirector Mac 版 購入ページ | CyberLink(2026年8月27日確認)
- Descript Tools(2026年8月27日確認)
- Descript Pricing(2026年8月27日確認)
- Descript Transcription(2026年8月27日確認)
価格・対応言語・機能は各社のアップデートで変わりうるため、契約前には必ず公式サイトの最新情報を確認してほしい。
出典・参照資料
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