DaVinci Resolve・Premiere ProのAI動画編集機能はどこまで使えるか──公式機能を並べて比較
DaVinci ResolveのAI機能(Magic Mask・テキストベース編集など)は無料版に含まれず、Studio版(51,980円)限定。Premiere Proは生成延長・スピーチを強調・文字起こしベースの編集を公式ヘルプで確認し、機能ごとに比較した。

目次
「DaVinci Resolve ai」「Premiere pro ai編集」で検索すると、比較記事の多くはツール全体の機能を紹介するばかりで、AI機能だけを取り出して並べたものはあまり見当たらない。この記事では、DaVinci ResolveとPremiere Proの公式サイト・公式ヘルプページに実際に書かれている内容だけを拾い、AI機能に絞って比較する。
- DaVinci ResolveのAI機能(Magic Mask・テキストベースの編集・DaVinci AI Neural Engineなど)は、公式サイトの記載によれば無料版には含まれず、Studio版(51,980円・買い切り)限定
- Premiere Proは生成延長(Firefly搭載・要ネット接続)、スピーチを強調(AIノイズ除去)、文字起こしベースの編集(サブスクリプション込み)の3つを公式ヘルプで確認できた
- Premiere Proのサブスクリプション価格は、Adobe公式サイトへの直接アクセスがブロックされ、archive.orgにもキャッシュが見つからなかったため本記事では確認できていない
機能を並べた一覧
公式サイト・公式ヘルプページで確認できた範囲を表にした。「無料/有料」はDaVinci Resolveのみ明記されており、Premiere Proは全機能がサブスクリプション契約の範囲内で使える(個別課金の機能は確認できなかった)。
| 機能 | DaVinci Resolve | Premiere Pro |
|---|---|---|
| 自動シーン検出・カット追加 | ○(Studio版のNeural Engine) | ○ シーン編集の検出 |
| クリップの自動延長 | 確認できず | ○ 生成延長(Firefly・要ネット接続) |
| 話者の声を聞き取りやすくする | 確認できず | ○ スピーチを強調 |
| 文字起こしからの編集 | ○(Studio版のテキストベース編集) | ○ 文字起こしベースの編集 |
| ノイズ除去 | ○(Studio版の時間的/AI空間的ノイズ除去) | △ スピーチを強調に内包(ダイアログ限定) |
| 被写体の切り抜き・マスク | ○(Studio版のMagic Mask) | 確認できず |
| 顔認識によるクリップ整理 | ○(Neural Engineの顔認識) | 確認できず |
| 低解像度映像の高画質化 | ○(Studio版のSuper Scale) | 確認できず |
「確認できず」は「その機能が無い」という意味ではなく、今回参照した公式ページの範囲では該当する記載を見つけられなかったという意味だ。特にPremiere Proは機能数が非常に多く、ヘルプページも数百項目に分かれているため、今回確認したのは検索サジェストで実際に需要が見えた4機能(シーン編集の検出・生成延長・スピーチを強調・文字起こしベースの編集)に絞っている。
DaVinci ResolveのAI機能は無料版に含まれていない
DaVinci Resolveには無料版と有料のStudio版(51,980円・税込・買い切り)がある。公式サイトの説明を引用する。
DaVinci Resolve Studio 無償バージョンのすべての機能に加え、DaVinci AI Neural Engine、さらに多くのResolveFX、時間的/AI空間的ノイズ除去、テキストベースの編集、Magic Mask、フィルムグレイン、オプティカルブラーなどに対応。
つまり「無料版のすべての機能+AI Neural Engine関連の機能」がStudio版という構成で、AI機能はほぼ全てStudio版側に入っている。無料版の説明には「60fpsまでのほぼすべての8-bitフォーマットおよびUltra HD 3840x2160までの解像度に対応」としか書かれておらず、AI・Neural Engineという単語は出てこない。
DaVinci AI Neural Engineについては、公式サイトで機能の中身がもう少し具体的に説明されている。
DaVinci AI Neural Engineは、最先端のディープニューラルネットワークと機械学習に加え、人工知能を採用しており、顔認識、オブジェクト検出、スマートリフレーミング、スピードワープリタイム、Super Scale、自動カラー、カラーマッチングなどの機能に使用されています。
例として挙げられているのが「顔認識ツールで、出演者たちの顔の映像を基に、クリップを自動的にビンに分類して整理したり、ショットをリフレーミングしたりできます」という使い方だ。出演者ごとに素材を仕分ける作業を自動化する機能として案内されている。
なお、Fairlight(音声編集機能)のページには「音声分離や音楽リミキサーなどのAIエフェクトも搭載」という記載もあった。ただしこれが無料版・Studio版のどちらに含まれるかは、今回確認したページの範囲では明記されていなかった。
Blackmagic Designの無料版/Studio版比較ページ(公式)を追加で確認したところ、最新の「DaVinci Resolve 21」で新規に加わったAIツールとして、コンテンツの検索を高速化する「IntelliSearch」、焦点の調整に対応する「CineFocus」、顔補正用のツールが挙げられていた。Fairlightのオーディオパン・トラッキングには「IntelliTrack AI」という名称の機能も案内されている。ただしこれらがDaVinci Resolve 21のうち無料版・Studio版のどちらに属するかは、同ページの「新機能紹介」の文章内では区別されておらず、価格表側の機能列挙(前述のAI Neural Engine関連の一覧)にも個別の記載が見当たらなかった。Studio版の価格については同ページでも「¥51,980(税込)」と表示されており、公式サイトの製品ページの記載と一致することを確認した。
Premiere ProのAI機能──生成延長・スピーチを強調・文字起こしベースの編集
Premiere Proの公式ヘルプページから、3つのAI機能を確認した。
生成延長(最終更新2025年9月3日)は、Adobe Fireflyを使ってクリップの端に数フレームを自動生成して継ぎ足す機能だ。公式ヘルプの説明を引用する。
クリックしてドラッグするだけで、ビデオクリップまたはオーディオクリップの先頭または末尾にいくつかのフレームをシームレスに追加できます。これにより、キャラクターの反応を 1 拍長く保ったり、トランジションをスムーズにしたり、バックグラウンドサウンドを延長したり、不要なカメラの動きを隠したりできます。
条件として「ビデオクリップは少なくとも 2 秒間、オーディオクリップは少なくとも 3 秒間の長さである必要があります」とあり、また「クラウド AI モデルを使用しているので、生成延長にアクセスするにはインターネット接続が必要です」とも明記されている。オフライン編集では使えない機能ということになる。
スピーチを強調(最終更新2025年6月12日)は、ダイアログクリップのノイズを除去し聞き取りやすくする機能だ。エッセンシャルサウンドパネルで「強調」を選ぶとバックグラウンドで解析が走り、「ミックス量」スライダーで強調の度合いを調整できる。処理はバックグラウンド実行のため、処理中も編集作業を続けられるとされている。
文字起こしベースの編集(最終更新2024年11月14日)は、素材の文字起こしからテキストを選択してシーケンスに追加していく編集方式だ。公式ヘルプには「サブスクリプションに含まれているので、この機能を使用して文字起こしを編集し、対応する変更をビジュアルで表示できます」とあり、追加課金の機能ではないことが確認できる。文字起こし内で特定の話者のダイアログだけを削除する、といった操作も可能だという。
自分がどちらも使わずffmpegで無音カットしている理由
筆者は普段の動画制作をffmpegとRemotionベースの自作パイプラインで組んでおり、DaVinci ResolveのStudio版もPremiere Proのサブスクリプションも契約していない。無音区間の自動カットは、DaVinci ResolveのNeural EngineやPremiere Proのシーン編集の検出ではなく、ffmpegのsilencedetectフィルタを使って自前のスクリプトで判定させている。
理由は単純で、対話劇形式(VOICEVOXの音声合成に沿ってテロップ・カットを組む形式)の制作フローだと、GUIソフトの中でクリックして進める作業よりも、音声ファイルの尺から自動でカット点を計算してタイムラインを組み立てるスクリプトの方が、同じフォーマットの動画を繰り返し作る場合に速い。DaVinci ResolveやPremiere ProのAI機能は「一本ずつ手で編集する人」に向けて設計されている印象で、量産型のパイプラインを組んでいる自分の使い方とは前提が違う、というのが実感だ。
Premiere Proの価格を書かなかった理由
この記事では意図的にPremiere Proのサブスクリプション価格を書いていない。Adobe公式サイト(adobe.com)への直接アクセスが今回の環境からブロックされ(HTTP/2エラーで接続が切断される)、archive.orgのWayback Machineにも該当ページのキャッシュが見つからなかったためだ。記憶にある数字を確認なしで書くよりは、価格情報を欠いたまま公開する方が実害が小さいと判断した。価格が知りたい場合は、Adobe公式サイトの最新のプランページを直接確認してほしい。
DaVinci Resolve Studioの51,980円(税込)は、公式サイトの製品ページに明記されている価格を確認して転記した。ただしこちらもセールや為替の影響で変動する可能性があるため、購入直前には公式ページで再確認することをすすめる。
両ソフトともインストールして自分で触ってはいない
- この記事はDaVinci Resolve・Premiere Proのどちらも自分でインストールし、実際にAI機能を操作した上で書いたものではない。公式サイト・公式ヘルプページの記載内容を突き合わせただけであり、UIの実際の使い勝手や処理精度・処理速度は確認していない。
- Premiere Proの3機能(生成延長・スピーチを強調・文字起こしベースの編集)のヘルプページは、2025年9月〜10月時点のarchive.orgキャッシュを参照した。helpx.adobe.comへの直接アクセスが今回の環境からブロックされ続けているため、2026年8月27日時点で内容が更新されていないかは確認できていない。
- Premiere Proのヘルプページは数百項目に及ぶため、確認したのはシーン編集の検出・生成延長・スピーチを強調・文字起こしベースの編集の4機能のみ。この4つ以外にAI関連機能が存在する可能性は高いが、本記事では網羅していない。
- DaVinci Resolveの比較ページで見つけた「IntelliSearch」「CineFocus」「IntelliTrack AI」は、DaVinci Resolve 21の新機能紹介として名前が挙がっているだけで、各機能の詳細な仕様(対応形式・処理時間・無料版での可否)を説明した個別ページはまだ見つけられていない。
無料版とStudio版の機能差、CapCutを含めた3ソフトの選び方全体はAI動画編集ツールおすすめ比較に、無音区間の自動カットをffmpegで実装した記録は動画編集AIの自動カットを試した記録にまとめている。
確認した公式ページ
- DaVinci Resolve | Blackmagic Design(2026年8月27日確認)
- シーン編集の検出を使用した編集ポイントの検出 | Adobe Premiere Pro(2026年2月18日時点のアーカイブ・2026年8月27日確認。helpx.adobe.comへの直接アクセスがブロックされたためarchive.org経由)
- Premiere Proの生成延長(2025年10月5日時点のアーカイブ・2026年8月27日確認)
- Premiere Proのスピーチを強調(2025年9月16日時点のアーカイブ・2026年8月27日確認)
- Premiere Proの文字起こしベースの編集(2025年10月5日時点のアーカイブ・2026年8月27日確認)
- DaVinci Resolveの無料版とStudio版の比較(2026年8月29日確認)
いずれも各社の公式サイト・公式ヘルプページを直接確認した内容のみを記載している。機能は今後のアップデートで変わる可能性があるため、契約前には必ず最新のページを見てほしい。
出典・参照資料
- 二次資料DaVinci Resolve | Blackmagic Design ↗
- 二次資料シーン編集の検出を使用した編集ポイントの検出 | Adobe Premiere Pro(2026年2月18日時点のアーカイブ) ↗
- 二次資料Premiere Proの生成延長(2025年10月5日時点のアーカイブ) ↗
- 二次資料Premiere Proのスピーチを強調(2025年9月16日時点のアーカイブ) ↗
- 二次資料Premiere Proの文字起こしベースの編集(2025年10月5日時点のアーカイブ) ↗
- 二次資料DaVinci Resolveの無料版とStudio版の比較 | Blackmagic Design ↗
AIニュースの解説を動画でも
YouTubeでは注目ニュースの背景を解説し、Xでは新着記事をお知らせしています。
コメント
まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?
AIについて聞きたいことはありますか?
質問箱で無料で受け付けています。回答は公開され、他の方の参考にもなります。
質問箱を見る →新しい記事をメールで受け取る
AIの新しい発表を、出典付きで整理して届けます。