2026年9月4日 金曜日
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OfflineでもParakeet TDT V3が使えるLinuxネイティブ音声入力ツール「hyprwhspr」

hyprwhsprは、Wayland/X11を問わず動くLinux向けのシステム全体音声入力ツール。Cohere Transcribe・NVIDIA Parakeet TDT V3・Whisper・Gemini・ElevenLabsから文字起こしバックエンドを選べ、クラウドAPIは任意扱いでオフラインでも動作する。GitHub READMEの本文で確認できる仕組みと導入手順を、書かれている範囲でそのまま示す。

OfflineでもParakeet TDT V3が使えるLinuxネイティブ音声入力ツール「hyprwhspr」
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Linux向けの音声入力(ディクテーション)ツール「hyprwhspr」がGitHubで公開されている。名前の「hypr」はWaylandコンポジタのHyprlandに由来するが、READMEを確認するとGNOME・KDE Plasma・Sway・Niriなど幅広いWayland/X11環境で動く設計になっている。作者はgoodroot(GitHubアカウント名)で、リポジトリは2025年8月27日に作成、初稿執筆時点(2026年8月27日)でスター1,177、加筆時点(2026年8月29日)のGitHub API実測では1,179に増えている。

3行まとめ

  1. 文字起こしバックエンドはCohere Transcribe・NVIDIA Parakeet TDT V3・Whisper・Gemini・ElevenLabs・REST APIから選べる。クラウドAPIは「fully optional(完全に任意)」で、オフラインでも動作する設計
  2. Arch LinuxはAURパッケージ、Debian/Ubuntu/Fedora/openSUSEはインストールスクリプトで導入。ホットキー(デフォルトSuper+Alt+D)を押して話し、もう一度押すと文字起こし結果がアクティブなバッファに自動貼り付けされる
  3. NVIDIA GPUがあればCUDAで高速化、なくてもonnx-asrでCPU動作に対応。VRAM使用量を抑える設定や、翻訳(非英語→英語)、長文モードなど機能は多岐にわたる

バックエンドを選べる設計

READMEの冒頭は、このツールの位置づけを次のように説明している。

Native speech-to-text for Linux - Fast, accurate, private and hackable system-wide dictation instant performance | Cohere / Parakeet / Whisper / Gemini / ElevenLabs / REST API | stylish visuals

(Linux向けネイティブ音声テキスト変換──高速・高精度・プライベートかつカスタマイズ可能な、システム全体で使えるディクテーション。瞬時のパフォーマンス、Cohere/Parakeet/Whisper/Gemini/ElevenLabs/REST APIに対応、スタイリッシュな見た目)

オフライン優先の姿勢は、Featuresの説明でも明記されている。

Offline and private - Transcription never leaves your machine. Cloud APIs are fully optional.

(オフラインかつプライベート──文字起こしは手元のマシンから外に出ない。クラウドAPIは完全に任意)

GPU非搭載の環境への配慮も書かれている。

onnx-asr for wild CPU speeds - No GPU? Optimized for great speed on any hardware

(高速なCPU動作のためのonnx-asr──GPUがなくても、どんなハードウェアでも良好な速度になるよう最適化されている)

READMEはこのツールの想定ユーザー像についても率直に書いている。

Why hyprwhspr? There are a lotta dictation apps. This one is built ground-up for the highest-end machines: a recent Nvidia card gets the best possible accuracy and speed, and everything else runs as well as the hardware you bring.

(なぜhyprwhsprなのか。ディクテーションアプリはたくさんある。これはハイエンドなマシン向けにゼロから作られている。最近のNVIDIAカードがあれば最高の精度と速度が出るが、それ以外のハードウェアでも持っている環境なりに動く)

「ハイエンド前提だが、そうでなくても動く」という書き方は、GPUがある環境を最優先に設計しつつ、CPUのみの環境も見捨てていないという position取りだと読める。

導入とホットキー操作

Arch Linuxの場合はAUR経由でのインストールが用意されている。

# Install for stable
yay -S hyprwhspr
# Or install for bleeding edge
yay -S hyprwhspr-git

Ubuntu・Debian・Fedora・openSUSEでは、インストールスクリプトを1行実行する方式だ。

curl -fsSL https://hyprwhspr.com/install.sh | bash

インストール後はhyprwhspr setupという対話式のセットアップコマンドで、文字起こしバックエンドの選択、モデルのダウンロード、ステータスバー(Waybar/Noctalia)との連携設定、systemdユーザーサービスの登録までを一括で行うという。基本の操作は次の通りだ。

  1. Log out and back in (for group permissions)
  2. Press Super+Alt+D to start dictation - beep!
  3. Speak naturally
  4. Press Super+Alt+D again to stop dictation - boop!
  5. Bam! Text appears in active buffer!

(1. 一度ログアウトして再ログイン(グループ権限の反映のため)/2. Super+Alt+Dを押してディクテーション開始──ビープ音/3. 自然に話す/4. もう一度Super+Alt+Dを押してディクテーション終了──ブープ音/5. アクティブなバッファにテキストが現れる)

CLIコマンドも一通り揃っており、hyprwhspr modelでモデルのダウンロード・一覧・状態確認・アンロード、hyprwhspr recordで外部ホットキーからの開始・停止・トグル・キャンセル制御、hyprwhspr validateでインストールの検証ができるという。

Ubuntu/Debian/Fedora向けのinstall.shを実際にcurlで取得して中身を確認すると、READMEに書かれた「1行実行」の裏側は次の処理だった。

if [[ "${ID:-}" == "arch" || " ${ID_LIKE:-} " == *" arch "* ]]; then
    log "Arch-based system detected — hyprwhspr is on the AUR:"
fi
case " ${ID:-} ${ID_LIKE:-} " in
    *debian*|*ubuntu*|*fedora*|*rhel*|*suse*) ;;
    *) die "Unsupported distro..." ;;
esac
git clone "$REPO_URL" "$CLONE_DIR"   # $CLONE_DIR = ~/.local/share/hyprwhspr/src
bash "$CLONE_DIR/scripts/install-deps.sh"
"$CLONE_DIR/bin/hyprwhspr" setup </dev/tty

/etc/os-releaseID/ID_LIKEを見てArch系ならAURへの案内だけ出して終了、それ以外はDebian・Ubuntu・Fedora・RHEL・openSUSE系(READMEの本文にはRHELの明記はないが、install.shのcase文には*rhel*が含まれている)なら~/.local/share/hyprwhspr/srcにリポジトリをclone(既存インストールがあればgit pull --ff-onlyで更新)し、scripts/install-deps.shで依存パッケージを入れたのち対話式セットアップを起動する、という流れだった。アンインストールはhyprwhspr uninstallコマンドが用意されている。

バックエンドをGitHub API・設定ドキュメントで裏取りする

docs/CONFIGURATION.mdをcurlで取得すると、READMEでは名前が並ぶだけだったバックエンドの比較表が載っていた。

バックエンド プライバシー GPU 速度 対応言語数 精度 備考
Cohere Transcribe ローカル NVIDIA/CPU 速い 14 最高 Gatedモデル、HFトークン必須
Parakeet(TDT V3) ローカル NVIDIA/CPU 速い 多言語 非常に良い
faster-whisper ローカル NVIDIA/CPU 非常に速い 99 非常に良い
whisper.cpp ローカル NVIDIA/AMD/Intel/CPU 速い 99 非常に良い
REST API クラウド 状況次第 状況次第 状況次第 Cohere・OpenAI・Groq・Regolo
Realtime WebSocket クラウド リアルタイム 状況次第 状況次第 Google Gemini・OpenAI・ElevenLabs

(出典: docs/CONFIGURATION.mdの"Backends"節の表を日本語化。原文は英語)

Cohere Transcribeについては具体的なベンチマーク数値も書かれていた。「Open ASR Leaderboardで1位、9つのベンチマーク平均WER(単語誤り率)が5.42で、Whisper large-v3の7.44を下回り、スループットは約3倍」という記述だ。この数値が実際にHugging Faceの公式ブログ記事に書かれているかをcurlで確認したところ、該当ページに「5.42」「7.44」の両方の数値が含まれていることをgrepで確認できた。ただしこれはCohere側が発表した数値であり、hyprwhspr側・当サイトのどちらも第三者による再現検証は行っていない。

必要VRAM/RAMの目安もdocs/CONFIGURATION.mdに記載がある。Cohere Transcribeは「GPUで約4GB(bfloat16)、CPUなら約8GB RAM(float32、より低速)」、Parakeetは「CPU/GPUとも約1GB」という数値だ。faster-whisperのモデル別サイズ(INT8量子化時)はtinyが約75MB、baseが約145MB、large-v3-turboが約1.6GBなど、モデルごとに幅がある。

GitHub APIで見るリポジトリの実測値

GitHub API(api.github.com/repos/goodroot/hyprwhspr)を直接叩くと、README本文には出てこない数値が取得できた。

項目 値(GitHub API実測、確認日2026年8月29日)
スター数 1,179
フォーク数 93
コントリビューター数 45
リリース数 57件(最古v1.11.4=2025年12月18日、最新v1.42.3=2026年8月26日)
主要言語 Python(約1.93MB相当)、Astro(約99KB)、Shell(約73KB)
ライセンス MIT
リポジトリ作成日 2025年8月27日

言語構成を見るとPythonが大半を占め、Astro(ドキュメントサイト用と見られる)とShellが続く。57件というリリース数は、作成から1年に満たない期間での更新頻度としてはかなり高い部類に入る。

Omarchy・Noctaliaとの連携

READMEには、当サイトで扱った他の2プロジェクトへの言及がある。1つはビジュアライザー機能について。

Themed visualizer - Visualizes your voice, will automatch Omarchy and Noctalia themes

(テーマ対応ビジュアライザー──声を可視化し、OmarchyとNoctaliaのテーマに自動で合わせる)

Waybar・Noctaliaいずれのステータスバーとも連携でき、専用のCLIサブコマンド(hyprwhspr waybar/hyprwhspr noctalia)が用意されている。第一開発言語がPython/Bashの組み合わせで、録音中の視覚フィードバックにはgtk4とPyCairoを使うという記載もある。MacでOmarchyそのものを動かすTry Omarchyを先に扱ったが、hyprwhsprはあくまでLinuxネイティブ環境向けのツールで、Try Omarchyの仮想マシン内で動かせるかどうかはREADMEの記載範囲では確認できなかった。

READMEの自己申告以上には検証していない

本記事はGitHubリポジトリのREADME・docs/CONFIGURATION.mdinstall.sh・GitHub API・Hugging Faceのブログ記事をcurlで取得した内容にもとづく。実際にLinux環境へインストールし、Parakeet TDT V3やWhisperでの文字起こし精度・レイテンシを比較検証したわけではない。「instant performance(瞬時のパフォーマンス)」という記載も、READMEの自己申告であり、具体的なミリ秒単位のベンチマーク数値は本文中に見当たらなかった。Cohere Transcribeの「WER 5.42」「3倍のスループット」もCohere自身の発表数値であり、hyprwhsprの実運用でその数値が再現されるかは別問題で、当サイトでは検証していない。Zenn・Qiitaを検索した範囲でも日本語での言及は見当たらなかった。

自分自身は日頃VOICEVOXなど音声合成(TTS)側のツールは触っているが、音声認識(ASR)側のオフラインツールをLinuxで運用した経験はなく、CUDAアクセラレーションの効き方やonnx-asrの実際のCPU速度感については、README記載の説明以上のことは言えない。

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