2026年9月4日 金曜日
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OpenClawとは何か──「クロード」から3度名前を変えた、あなたの端末で動く個人用AIエージェント基盤

OpenClawは、WhatsApp・Slack・Discord・iMessageなど30以上のチャットチャンネルとモデル・ツールを1つのGatewayでつなぐ、単一ユーザー向けのオープンソースAIエージェント基盤。前身の名前「Clawd」はAnthropicからの商標指摘(2026年1月)を受けて改名し、2026年1月30日に現在の「OpenClaw」へ最終的に落ち着いた。

OpenClawとは何か──「クロード」から3度名前を変えた、あなたの端末で動く個人用AIエージェント基盤
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「Clawd」「Molty」「OpenClaw」――同じロブスターのキャラクターが、わずか2ヶ月ほどの間に3つの名前を経て今の姿に落ち着いた。個人用AIアシスタント基盤「OpenClaw」の話である。主要IT媒体でも取り上げられる規模まで拡大しているが、当サイトでは単独記事として扱っていなかったため、本稿はGitHub公式リポジトリと公式ドキュメントを一次で確認し、何であるか・どこまで対応しているかを整理する。

3行まとめ

  1. OpenClawは「単一の操作者(single operator)」向けに設計された個人用AIアシスタントで、モデル・ツール・メッセージングチャンネル・任意のコンパニオンアプリを1つの「Gateway」でつなぐ。開発者はPeter Steinbergerとコミュニティ
  2. 対応チャットチャンネルは公式ドキュメントのカタログに32件掲載されている(WhatsApp・Telegram・Slack・Discord・Signal・iMessage・LINE・Microsoft Teamsなど)。多くは「公式プラグイン」として1コマンドで追加できる
  3. 名前は2025年11月25日の「Clawd」から始まり、2026年1月のAnthropicからの商標指摘を経て「Molty」に、そして2026年1月30日に最終形「OpenClaw」へ改名した

GitHub上の規模を数字で見る

「主要IT媒体でも取り上げられる規模」とだけ書くと曖昧なので、GitHub API(api.github.com/repos/openclaw/openclaw)を今回curlで取得し、実際の数字を確認した。

指標 数値(2026年8月29日時点)
スター数 387,959
フォーク数 81,470
Open Issues 5,704
Watchers 387,959
Subscribers 1,751
リポジトリ作成日 2025年11月24日
主要言語 TypeScript
ライセンス MIT License(著作権表記:OpenClaw Foundation, 2026)

リポジトリの作成日(2025年11月24日)は、後述する「lore」ページに書かれている「Clawd」としての公開日(2025年11月25日)の1日前にあたり、時系列として矛盾はない。ライセンスについては、GitHub APIの自動判定ではlicense: Other(標準ライセンスとして自動認識できず)と表示されたが、実際にリポジトリのLICENSEファイルをcurlで取得して読むと、中身は標準的なMITライセンスの条文で、著作権者は「OpenClaw Foundation」(2026年)と明記されていた。「Peter Steinbergerとコミュニティ」という個人ベースの説明に加えて、少なくとも著作権表記の上では「OpenClaw Foundation」という組織名が使われている。

そもそも何をするものか

GitHub公式READMEの定義を訳すと、OpenClawは「あなたの端末上で動き、すでに使っているチャンネルであなたに会いに来る個人用AIアシスタント」で、「単一の操作者向けに設計され、モデル・ツール・メッセージングチャンネル・任意のコンパニオンアプリを1つのGatewayを通じて接続する」。

つまり、ChatGPTやClaudeのような「Webサイトを開いて使うAI」ではなく、自分のPCやサーバー上で常時稼働させ、普段使っているチャット(WhatsAppやSlackなど)から話しかけるとエージェントが応答する、という運用形態を前提にした設計だ。

インストールはmacOS・Linux・Windowsに対応し、curl -fsSL https://openclaw.ai/install.sh | bash(macOS/Linux/WSL2)のようなワンライナー、またはnpmパッケージ(Node.js 22.22.3+・24.15+・25.9+のいずれか)で導入する。

対応チャンネルは32件(2026年8月27日確認時点)

公式ドキュメントの「Chat channels」ページには、自動生成された対応チャンネルカタログが掲載されている。今回確認できたエントリを数えると次の32件だった。

A2A、Buzz、ClickClack、Discord、Feishu(飛書)、Google Chat、iMessage、IRC、LINE、Matrix、Mattermost、Microsoft Teams、Nextcloud Talk、Nostr、QQ bot、Raft、Reef、Signal、Slack、SMS、Synology Chat、Telegram、Tlon、Twitch、WebChat、WeChat、WeCom、WhatsApp、Yuanbao、Zalo、Zalo ClawBot、Zalo personal

チャンネルは「コア同梱(bundled plugin / included in core)」「公式プラグイン(openclaw plugins installで1コマンド導入)」「外部プラグイン(OpenClawリポジトリ外で保守)」の3種類に分かれる。ドキュメントは「Telegramが最速セットアップ(シンプルなbotトークンのみでプラグイン不要)」「WhatsAppはQRペアリングが必要でディスク上の状態も多い」と、実際のセットアップ体感の違いにも言及している。

Gateway中心のアーキテクチャ

公式アーキテクチャドキュメントによると、OpenClawの中核は単一の常駐プロセス「Gateway」で、すべてのメッセージング窓口(WhatsApp・Telegram・Slack・Discord・Signal・iMessage・WebChatなど)を1つのプロセスが保持する。macOSアプリ・CLI・WebUI・自動化などの「コントロールプレーン」クライアントは、設定されたホスト(既定127.0.0.1:18789)に対してWebSocketで接続する。

macOS/iOS/Android/ヘッドレス環境の「Node」もWebSocketで同じサーバーに接続するが、こちらはrole: nodeを宣言し、カメラ操作・画面録画・位置情報取得といった端末固有のコマンドを提供する、という役割分担になっている。プロトコルはJSONペイロードのテキストフレームで、最初のフレームは必ずconnectである、という仕様も明記されている。

エージェントの「性格」と「行動規範」を分けて管理する設計

OpenClawにはSOUL.mdという設定ファイルの概念があり、公式ドキュメントは「エージェントの声が生きる場所」と説明している。トーン・意見の持ち方・簡潔さ・ユーモア・境界線・ぶっきらぼうさの既定値など、「話していてどう感じるか」に関わる要素をここに書く。逆に、経歴の長文化・変更履歴・セキュリティポリシーの羅列などは「入れるべきでない」と明記されている。

一方で、「操作ルール(operating rules)」は別ファイルAGENTS.mdで管理する、とドキュメントは明確に線引きしている。「性格を持たせることは雑でいい理由にはならない。操作ルールはAGENTS.mdに、声・スタンス・スタイルはSOUL.mdに」という一文がその設計思想を端的に表している。

名前の変遷──「Clawd」から「OpenClaw」まで

公式ドキュメントの「lore」ページ(プロジェクトの背景を記した公式ページ)によると、名前の変遷は次の通り。

名称 時期・経緯
1 Warelay 最初期の名称。WhatsAppゲートウェイとしての実用的な名前だった
2 Clawd(Clawdbot) 2025年11月25日〜。「宇宙ロブスター」のキャラクターとして誕生
3 Molty(Moltbot) 2026年1月。Anthropicから商標に関する指摘のメールが届いたことを受けて改名
4 OpenClaw 2026年1月30日〜。「OPEN(オープンソース)+CLAW(ロブスターというルーツ)」の組み合わせ

GitHubリポジトリ自体の作成日(2025年11月24日)とloreページの「Clawd」開始日(2025年11月25日)を突き合わせると、リポジトリ作成の翌日に「Clawd」として世に出た、という順序になる。

loreページには「2026年1月27日、朝5時にDiscordコミュニティが集まり、Shelldon・Pinchy・Thermidor・Crusty・Lobstar・Nacre・Scuttlebotなど数百の候補名が提案された末にOpenClawが選ばれた」という経緯も記されている。開発者はPeter Steinberger氏で、READMEには「OpenClaw was built for Molty, a space lobster AI assistant, by Peter Steinberger and the community.」と明記されている。

サードパーティ拡張の仕組み──ClawHub

新しい機能は基本的に「プラグインSDK」の上に構築し、clawhub.ai(ClawHub)を通じて共有する、という開発方針がREADMEに明記されている。プラグインの追加はチャンネル同様、openclaw plugins installコマンドで行う設計になっている。

セキュリティ面の注意書き

READMEには「受信メッセージは信頼できない入力として扱うこと」という明記があり、DM対応チャンネルは既定で未知の送信者をペアリング保留にし、openclaw pairing approve <channel> <code>で承認する運用になっている。個人用エージェントとはいえ、外部からのメッセージを無条件に信頼しない設計が組み込まれている点は確認できた。

確認したのはGitHub READMEとドキュメントの一部のみ

  • 本稿はGitHub README・公式ドキュメントの一部ページ(チャンネル一覧・アーキテクチャ・SOUL.md・lore)のみを一次で確認しており、docs.openclaw.ai全体を網羅的には読んでいない。料金体系(もしあれば)・具体的な利用者数・企業導入事例などは確認していない
  • 対応チャンネル「32件」は本稿確認時点のドキュメントに掲載されていた数であり、今後の追加・削除で変動しうる。skill説明などで見かける「22+チャネル」という数字とは一致しなかったため、本稿では実際に数えた32件を採用した
  • OpenClaw独自の日本語対応状況(日本語チャンネルでの挙動、日本語ドキュメントの有無)は確認していない
  • GitHub APIで確認したスター数(387,959)・フォーク数(81,470)は、star-gazing(人為的なスター水増し)などの不正操作が行われていないかを検証したものではなく、GitHub APIが返す数値をそのまま引用している

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