2026年8月28日 金曜日
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活用· 約19

Devin Adaptive──タスクごとにモデルを自動選び分けるCognitionのルーター機能

CognitionのDevin CLI/Desktopに搭載された「Adaptive」は、リクエストごとに最適なモデルへ自動で振り分けるモデルルーターで、セルフサーブ利用時は入力$0.50・出力$2.00・キャッシュ読み取り$0.10(100万トークンあたり)の固定レートで利用枠を消費する。Enterpriseでは既定で無効化されており、公式ドキュメントは2026年8月24日更新版でも「2026年7月7日までの導入記念プロモ料金」というすでに過ぎた期限を表記したままになっている。

Devin Adaptive──タスクごとにモデルを自動選び分けるCognitionのルーター機能
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目次

Devinの「Adaptive」は、送ったプロンプトごとにClaude・GPT・Gemini・Cognition自社のSWEモデルなどから適したものへ自動で振り分ける、Cognition製のモデルルーターである。使い方自体は/model adaptiveと打つだけだが、公式ドキュメントを一次で当たると「Enterpriseでは既定オフ」「CLIの初期設定モデルはAdaptiveではない」「料金ページの期限表記がすでに過去の日付」といった、使う前に知っておいた方がよい状態が見つかった。本稿はdocs.devin.aiの該当ページと変更履歴を突き合わせ、確認できたことだけを書く。

3行まとめ

  1. Adaptiveはリクエスト単位でモデルを自動選択するルーターで、料金は選ばれた基盤モデルに関わらず入力$0.50・出力$2.00・キャッシュ読み取り$0.10(100万トークンあたり)の固定レート
  2. Devin CLIの組み込みデフォルトモデルは2026年5月5日の更新でAdaptiveからSWE-1.6 Fastに戻されており、8月24日時点の変更履歴を見る限りその後の再変更は確認できない
  3. Enterpriseでは既定で無効。管理者が有効化しても「許可モデル一覧」にAdaptiveが入っていなければ、既定モデル設定は静かに無視されて組み込みデフォルトにフォールバックする

Adaptiveとは何か——公式の定義と登場の経緯

Devin CLIのドキュメントは、Adaptiveを次のように説明している。

"Adaptive is an intelligent model router that automatically selects the best AI model for each task. Instead of manually choosing between dozens of models, Adaptive analyzes your prompt and routes it to the model that will deliver the best result."

(訳:Adaptiveは各タスクに最適なAIモデルを自動選択するインテリジェントなモデルルーター。数十あるモデルから手動で選ぶ代わりに、プロンプトを解析して最適な結果を出せるモデルへ振り分ける。)

同ページの「How it works」節では、

"Simple tasks get routed to fast, efficient models. Complex tasks get routed to more capable ones."

(単純なタスクは高速で軽量なモデルへ、複雑なタスクはより高性能なモデルへ振り分けられる)とある。ただし判定基準や、ルーティング先の候補モデル一覧(Claude系・GPT系・Gemini系・SWE系のどれが対象か)は、cli/adaptive・desktop/adaptive・cli/models のどのページにも記載を見つけられなかった。

Adaptiveはもともと Devin 発の機能ではない。CognitionがWindsurf(旧Codeium)を買収した後のIDE「Cascade」向け機能として先に出ており、windsurf/plugins/changelog上の2026年4月6日付更新ノート「Introducing Adaptive」が初出になる。

"A new Adaptive model option is now available in the model picker. Adaptive intelligently selects the best model for each task, helping you make your quota last longer by avoiding overuse of premium models." "Availability: Now available to all self-serve users on Pro, Max, and Teams plans."

この3日後の2026年4月9日には「Adaptive Fix」という更新が入っている。

"We fixed a bug with the adaptive model router which prevented switching models after the first request. All users who encountered the bug have had quota reset and overage restored."

(セッション内で最初のリクエストの後にモデルを切り替えられなくなるバグを修正。影響ユーザーの利用枠をリセットし超過分を復元した)——リリース直後に切り替えが固まる不具合があり、課金補填で対応した記録が変更履歴に残っている。Devin CLI側がAdaptiveに対応したのは2026年4月17日付更新で、「Support for adaptive and model-router selections, which now resolve to concrete models automatically during inference.」と告知された。Devin Desktopのchangelogも同じ「Adaptive Fix」「Introducing Adaptive」という見出しとほぼ同一の文面を持つ(日付はDesktop側がv1.9600.38=4月6日、v1.9600.41=4月8日と、Windsurfプラグイン版の4月6日・4月9日とは1日ずれるが、これは別々のリリース系列のため)。Devin Desktopが実体としてはリブランド後のWindsurf/Cascadeであることが確認できる(エディタ自体の詳細は既存記事「Windsurf(旧Codeium)の使い方・料金」を参照)。

選び方と、「デフォルト」を巡る変遷

選択方法はCLIとDesktopで異なる。CLIでは

{
  "agent": {
    "model": "adaptive"
  }
}

~/.config/devin/config.json(Windowsは%APPDATA%\devin\config.json)に書くか、起動時に--model adaptive、セッション中に/model adaptiveで切り替える。Desktop(Cascade)側は入力欄下のモデルピッカーから「Adaptive」を選ぶだけで、以後の会話ではその選択が維持されると明記されている。

"Once selected, Adaptive will be used for all subsequent messages in the conversation."

つまり「Adaptiveを使う」という選択自体は会話単位で固定されるが、その内側でどの基盤モデルが動くかはリクエスト(ターン)ごとに変わる、という二層構造になっている。

ドキュメントの本文には「Adaptive is the best default for most users.」というTipが今も残っているが、これは推奨であって、実際に新規インストール直後の組み込みデフォルトがAdaptiveだという意味ではない。Devin CLIの変更履歴を時系列で追うと次のようになっている。

  • 2026年4月17日:Adaptive/model-routerの選択に対応(デフォルトではない)
  • 2026年4月24日:「The default model is now Adaptive, which automatically routes each turn to the best model for the task.」——ここで初めてCLIの組み込みデフォルトになる
  • 2026年5月5日:「Default model is now SWE 1.6 Fast instead of Adaptive.」——デフォルトから外れ、Cognition自社モデルのSWE-1.6 Fastに戻る

8月24日付の最新changelogエントリまで確認したが、この後にデフォルトが再びAdaptiveへ変更されたという記載は見当たらない。つまり現時点(2026年8月27日)で新規にdevinを起動しても、明示的に選ばない限りAdaptiveにはならないと読むのが自然である。

料金:固定レートという建付けと、期限が過ぎたプロモ表記

セルフサーブ(Free/Pro/Max/Teams)の課金体系では、AdaptiveはPro・Max・Teamsの日次/週次クオータおよびオンデマンドクレジットを、選ばれた基盤モデルに関係なく次の固定レートで消費する。

トークン種別 単価(100万トークンあたり)
入力 $0.50
出力 $2.00
キャッシュ読み取り $0.10

公式ページの原文は次の通り。

"Currently, the Adaptive model consumes quota and overage at an introductory promotional rate (through July 7, 2026)."

このページのsitemap上のlastmodは2026年8月24日で、今回取得した本文も同一内容だった。つまり8月24日の更新後も「7月7日まで」という期限表記が残っている状態を、8月27日時点で確認したことになる。期限後に通常レートへ切り替わったのか、表記が据え置かれ実質恒久化しているのかはこの本文だけでは判断できない。記載の単価を鵜呑みにせず、課金直前にモデルピッカーやSettings > Usageの実表示を確認した方がよい。

キャッシュとの関係については、ヒント欄に次の記載がある。

"Staying on the same model across turns in a conversation enables caching, which significantly reduces input token costs. Adaptive takes this into account when routing."

ルーティング時にキャッシュ効率を考慮するとの記載はあるが、会話中に頻繁にモデルが切り替わってキャッシュが切れるケースがどの程度起きるか、切り替え頻度の実測値は示されていない。

Enterprise向けは2系統ある。Cognition Platform(ACU課金)では「ACU consumption scales with the tokens used and the model selected by the router for each request.」とだけ説明され、具体的な倍率は本文に見当たらない。もう一方のEnterprise SaaSプランの料金表ページ(desktop/models)を描画するソースコードには、Adaptiveのmodel_uidに対して入力$0.50・出力$2.00・キャッシュ読み取り$0.10・credit_multiplier: 1.5という数値が定義されていた。ただし同じソースコード内の表示ロジックは、Enterprise SaaSプランでAdaptive行の価格セルだけを*に置き換え、「Adaptive uses variable per-request pricing based on the underlying model the router selects.」(Adaptiveはルーターが選ぶ基盤モデルに応じた可変の従量課金を使う)という注記を出す仕様になっている。つまり数値自体はコード中に存在するが、ページ自身がそれを「変動制」として表示・上書きしており、Enterprise SaaSで実際に何ドル・何クレジット請求されるかはこの記載だけでは確認できない。レガシークレジット制のEnterpriseは「cheaper models cost fewer credits per request」という説明のみで、計算式は書かれていない。

Enterpriseで使うときに踏みやすい落とし穴

Enterprise組織ではAdaptiveは既定で無効になっている。

"For enterprise organizations, Adaptive is disabled by default. An admin must enable the Adaptive model router setting from the enterprise settings page before team members can select Adaptive in the model picker."

有効化の操作先はDevin DesktopとWindsurfで別々に案内される(Devin Desktop: Settings > Devin Desktop > Models、Windsurf: Team Settings > Models)。CLI向けには別ページ(cli/enterprise/team-settings)があり、管理画面URLはapp.devin.ai/org/{orgName}/settings/windsurfまたはwindsurf.com/team/cli-settingsと、ブランド名が「windsurf」のまま残るパスが案内されている。

このteam-settingsページには、Adaptiveを使う上で見落としやすい仕様が書かれている。管理者はモデルの「許可リスト」と「チーム既定モデル」を別々に設定できるが、

"If the pinned default is not present in the allowed models list above, Devin CLI falls back to the built-in default — the allowlist always takes precedence."

(許可リストにピン留めした既定モデルが含まれていない場合、CLIは組み込みデフォルトにフォールバックする。許可リストが常に優先される。)つまり、管理者が「チーム既定モデルをAdaptiveにする」と設定しても、同時に許可モデル一覧へAdaptiveを追加し忘れると、エラーも警告も出ないままSWE-1.6 Fastなど別の組み込みデフォルトに静かに切り替わる。設定順序としては、①Enterprise設定でAdaptive model routerをオンにする、②許可モデル一覧にAdaptiveを含める、③チーム既定モデルをAdaptiveに指定する、の順で確認しないと、管理者の意図通りに動かない可能性がある。

公式ドキュメントに記載を見つけられなかったこと

  • Adaptiveがルーティング候補として扱う具体的なモデル名の一覧(Claude/GPT/Gemini/SWEのどのバージョンが対象か)
  • 「単純」「複雑」をどう判定しているかの技術的な基準(分類器の方式、レイテンシへの影響など)
  • 手動でモデルを固定した場合と比べて実際にどれだけコストが下がるかを示す数値・ベンチマーク
  • セルフサーブの「2026年7月7日まで」というプロモーション価格が、期限後に恒久レートへ切り替わったのか据え置かれているだけなのかを明記した続報
  • Devin CLIの組み込みデフォルトモデルが2026年5月5日以降、8月24日の直近更新までにAdaptiveへ再変更されたかを示す記載(変更履歴上は見当たらなかった、以上のことは言えない)
  • Legacy Credits方式のEnterpriseにおける、Adaptiveのクレジット計算式の具体的な数値

これらは推測で埋めず、「見つからなかった」事実として扱う。実際に判断材料にする場合は、自分のアカウントのモデルピッカーとSettings > Usageの実表示を一次情報として確認することを勧める。

Devin CLI・Desktop公式ドキュメント9件を直接確認

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