Claude Mythosとは──Fable 5.1と「同じモデルで安全装置が違う」招待制の最上位版。4月のPreviewから5.1までの経緯、誰が使えるか、価格、個人が触れる経路は無い
Claude Mythos(ミュートス)は、Anthropicが2026年4月7日に「一般公開しない」と宣言して発表した最上位モデルの名前で、現行のClaude Mythos 5.1(9月1日)は公式ドキュメントに「Claude Fable 5.1と同じモデルで、Project Glasswing参加者に招待制で提供」と書かれている。Fable 5.1との違いは安全装置の水準だけで、仕様(コンテキスト100万・出力12万8,000・$10/$50・知識カットオフ2026年6月)は同じ。この記事は、Glasswing発表ページ・Mythos 5.1のモデルページ・9月1日の発表文と当サイトの記事12本をもとに、名前の由来、Preview→5→5.1の経緯、6月の輸出規制騒動、8月に開いた4経路、個人が触れられるかまでを1ページに整理する。

目次
2026年9月18日・日本時間時点の情報です。 「Claude Mythos」は、ニュースの見出しでは「Anthropicの最上位モデル」「一般公開しないモデル」として出てくるが、Fable 5.1とどう違うのか、誰が使えるのか、個人が触れる方法はあるのかが分かりにくい。この記事は、Anthropicの発表ページとMythos 5.1のモデルページ、当サイトが4月から追ってきた記事をもとに、名前・位置づけ・経緯・アクセス経路をまとめる。用語の索引は/termsに。
3行まとめ
- 正体。 現行のClaude Mythos 5.1は、公式ドキュメントに「Claude Fable 5.1と同じモデルで、Project Glasswing参加者に招待制で提供」と明記されている。9月1日の発表文の言い方では「同じモデルだが安全装置の水準が違う。Fable 5.1は一般提供、Mythos 5.1は信頼済みアクセスプログラム経由のみで、その安全装置はサイバーセキュリティとライフサイエンスの業務を支えるよう設計されている」。仕様と価格はFable 5.1と同じ(コンテキスト100万・出力12万8,000・$10/$50・キャッシュ読み込み$0.25・知識カットオフ2026年6月)。
- 経緯。 4月7日にClaude Mythos Previewが「一般公開しない」前提でProject Glasswing(AWS・Apple・Google・Microsoft・NVIDIAなど12社+40超の組織)に限定提供され、主要OS・ブラウザで数千件のゼロデイ脆弱性を見つけたと発表。6月9日にFable 5/Mythos 5が同時公開(Fable=安全装置つきの一般版、Mythos=Glasswing限定)、6月12日〜7月1日に米政府の輸出管理指令で両モデルが一時停止、8月21日にMythos 5の「出力だけ」を届ける4経路が開き、9月1日に5.1へ。
- 個人が触れる経路。 現時点では無い。Mythos 5.1のモデルページは「アクセスはAnthropic・AWS・Google Cloudのアカウントチームに連絡」と書き、8月の発表でも個人向けの経路は示されていない。同じ中身に安全装置を付けたのがFable 5.1なので、個人はFable 5.1を使うことになる。
名前の由来と、何が「危険」とされたか
Glasswingの発表ページの脚注に、Mythosは古代ギリシャ語で「語り」「物語」を意味し、「文明が世界を理解するための物語の体系」から取ったとある(Glasswingのほうは、透明な羽で身を隠すグラスウィング蝶=Greta otoから。「隠れた脆弱性」と「透明性」の両方の比喩)。
Anthropicが一般公開しないと決めた理由は、サイバー能力である。発表ページは、Mythos Previewが「最も熟練した人間を除き、脆弱性の発見でも悪用でも人間を上回る」水準に達し、数週間で主要なOSとブラウザすべてを含むソフトウェアに数千件のゼロデイ脆弱性を、ほぼ人間の誘導なしに見つけたと書く。挙げられた例は3つ。
- OpenBSDに27年間残っていた脆弱性(接続するだけでリモートからクラッシュ)
- FFmpegに16年間残っていた脆弱性(自動テストが500万回通過していた行)
- Linuxカーネルで複数の脆弱性を自律的に連鎖させ、一般ユーザーからマシンの完全制御へ
CyberGym(脆弱性再現)でMythos Preview 83.1%に対しOpus 4.6は66.6%。コーディングでもSWE-bench Verified 93.9%(Opus 4.6は80.8%)、SWE-bench Pro 77.8%、Terminal-Bench 2.0 82.0%と、当時のAnthropicの最上位を大きく上回っていた。
Preview → 5 → 5.1 の経緯
| 日付 | 出来事 | 記事 |
|---|---|---|
| 2026年4月7日 | Claude Mythos PreviewをProject Glasswingで発表。創設12社+40超の組織に限定提供。利用クレジット最大1億ドル、OSS安全団体へ400万ドル寄付。プレビュー後の価格は$25/$125(100万トークン) | Mythos 5アクセス拡大の記事の前段 |
| 6月9日 | Claude Fable 5とClaude Mythos 5を同時公開。「Mythos級の頭脳に安全装置を付けて一般開放」がFable 5、安全装置を一部外した招待制がMythos 5。Fable 5のAPIは$10/$50でMythos Previewの半額以下 | Fable 5完全ガイド |
| 6月12日 | 米政府の輸出管理指令でFable 5・Mythos 5を全顧客で無効化 | 停止の速報 |
| 6月27日 | Mythos 5が米国の重要インフラ組織に限定して再展開 | 記事 |
| 7月1日 | 米商務省が輸出規制を解除。Fable 5は7月2日から復旧、Mythos 5は米国組織限定のまま | 解除の記事/復旧条件 |
| 8月21日 | Mythos 5の「出力だけ」を届ける4経路(Claude Enterpriseのコードスキャン・セキュリティ製品への組み込み・3,500万ドルの0xDAF基金・Cyber Verification Programの拡大) | 4経路の記事 |
| 9月1日 | Claude Fable 5.1とClaude Mythos 5.1を公開。同じモデル・安全装置が違う。Mythos 5.1はTerminal-Bench 4.0で60.9%(Fable 5.1は55.8%) | 5.1の速報 |
Mythos 5.1の仕様(モデルページ)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 提供 | 招待制(Project Glasswing)。ステータス「Active (invite only)」 |
| モデルID | claude-mythos-5-1(Bedrockはanthropic.claude-mythos-5-1) |
| 提供基盤 | Claude API・Amazon Bedrock・Google Cloud・Microsoft Foundry |
| コンテキスト/最大出力 | 100万トークン/12万8,000トークン |
| 思考 | Adaptive(常時オン)。effortの既定はhigh |
| 価格(100万トークン) | 入力$10/出力$50。キャッシュ書き込み$12.50(5分)・$20(1時間)、キャッシュ読み込み$0.25。Batchは50%引き |
| 知識カットオフ | 2026年6月 |
| 廃止 | 2027年9月1日より前には行わない |
| アクセス | Anthropic・AWS・Google Cloudのアカウントチームに連絡 |
Fable 5.1のモデルページと数字は同じである。違いとして5.1の発表文に書かれているのは安全装置の水準と、Mythos 5.1ではmessages配列の前置き一貫性チェックを行わない点。9月1日の発表文には、Mythos 5.1にタンパク質設計ツールを渡して外部2組織が実験検証した例(ヒット率が12標的で約50%。一般的には10〜15%と付記)や、GPUカーネルを書いて最大2.5倍高速化した例が載っている。
Fable 5.1との関係を一言でいうと
同じ重み・同じ仕様に、Fableは「危険な用途を止める分類器」を付け、Mythosはそれを審査済みの組織向けに緩めている。6月のFable 5公開時、サイバー攻撃タスクの成功率はFable 5が全テストでゼロ、同じ中身のMythos 5はCyberGymで83.8%だった(完全ガイド)。性能を語るときにMythosの数字とFableの数字が混ざりやすいのはこのためで、公開ベンチ(Terminal-Bench 4.0など)でMythos 5.1がFable 5.1をわずかに上回るのも、安全装置の分だけ拒否や制限が少ないことによる。
個人が触れられるか
- 直接は触れられない。 モデルページの入口は法人のアカウントチームで、8月の4経路も「企業のコードをスキャンした結果を返す」「セキュリティ製品の中で動く」「基金」「審査制プログラム」で、モデル本体は配らない設計になっている(4経路の記事)
- Cyber Verification Programは審査を通った組織が対象で、防御的な用途でMythosクラスへのアクセスを続けると8月に予告された。個人の申請枠ではない
- 実務では、Fable 5.1(Pro・Max・Team・Enterpriseの各プラン、Claude Code、API)が「Mythosと同じ頭脳の一般版」にあたる
- 【9月18日追記】生命科学の組織向けには、9月17日にLife Sciences Verification Program(LSVP)が開始。審査を通った組織はMythos 5.1・Opus 5・Sonnet 5を生物学向けに緩めた安全装置で使える(個人のPro・Maxは今後)
筆者が読んで確かめた点
この記事の下調べで、筆者はMythos 5.1とFable 5.1のモデルページを並べて読み、コンテキスト・出力上限・価格・キャッシュ単価・知識カットオフ・effortの既定値がすべて同じ値であることを確認した。Mythos 5.1のページで固有なのは、ページ冒頭の「Invite only」「Claude Fable 5.1 for Project Glasswing participants」という説明と、アクセス手段の1行だけである。4月のGlasswingページに載っていた「プレビュー後は$25/$125」という価格は、6月のFable 5公開時点で$10/$50に置き換わっており、9月18日時点のMythos 5.1ページにも$25/$125の記載は無い。
書かれていないこと
- Mythos 5.1の安全装置が具体的にどこまで緩いか(発表文は「サイバーセキュリティとライフサイエンスの業務を支えるよう設計」とだけ書く)
- Project Glasswingの参加組織の現在の数(4月時点で12社+40超。8月以降の増減は公表されていない)
- 0xDAF基金の採択先とCyber Verification Programの拡張の詳細(8月21日に「数週間以内」とされたが、9月18日時点で当サイトは発表を確認していない)
出典はAnthropicの発表ページ2本とモデルページ
- 4月7日のProject Glasswing発表ページ(脆弱性の例・ベンチマーク・参加社・クレジットと寄付の額・プレビュー後の価格)
- Mythos 5.1のモデルページ(Markdown版・2026年9月18日取得)
- 9月1日の「Introducing Claude Fable 5.1 and Claude Mythos 5.1」(同じモデル・安全装置の違い・タンパク質設計とGPUカーネルの例)
- 6月〜8月の経緯は当サイトの各記事(それぞれ一次ソースへのリンクあり)
- 本記事はMythosクラスのアクセス経路が変わったら更新する
関連記事
出典・参照資料
- 一次資料Project Glasswing: Securing critical software for the AI era — Anthropic(2026年4月7日) ↗
- 一次資料Claude Mythos 5.1 — Anthropic公式ドキュメント(モデルページ・2026年9月18日取得) ↗
- 一次資料Introducing Claude Fable 5.1 and Claude Mythos 5.1 — Anthropic(2026年9月1日) ↗
- 一次資料Bringing the cybersecurity capabilities of Claude Mythos 5 to more defenders — Anthropic(2026年8月21日) ↗
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