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「RekaDaily-10k」とは何か──有償の一人称視点動画7,834時間、70TBがApache 2.0で公開中

Reka AIがデータ収集マーケットプレイス「Claru」経由で有償の協力者から集めた、無編集・一人称視点の日常生活動画データセット「RekaDaily-10k(raw)」。2026年8月27日時点で7,834時間・39万7,171本・70TBが段階的に公開されており、ライセンスはApache 2.0。ロボット操作向けのデータセットとして案内されている。

「RekaDaily-10k」とは何か──有償の一人称視点動画7,834時間、70TBがApache 2.0で公開中
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ロボットに人間の日常動作を学習させるには、実際の生活空間で撮られた一人称視点(エゴセントリック)の動画が必要になる。Reka AIが2026年8月7日にHugging Face上で作成した「RekaDaily-10k-raw」は、そのための素材を大量に集めたデータセットだ。案内元のリリースページのURLには「egocentric-household-manipulation-data(家庭内マニピュレーション向けエゴセントリックデータ)」という語が含まれており、家庭内でのロボット操作学習を意識した用途が想定されているとみられる。

Reka AI公式サイトの発表記事(2026年8月6日付)を実際に開くと、この取り組みの狙いがより詳しく説明されている。「オムニ世界モデルやvision-language-actionモデルが物理世界を理解・シミュレートするには、テキスト以上のものが要る。実際に行動が起きている混沌とした環境で撮られた、説明付きの高品質な映像データが必要だ」とし、料理動画などの「編集済みの、見どころだけを繋いだ映像」ではなく、「実際に生活している散らかった空間で、実際のスピードで、誰かが実際にやっていることを連続して撮った一人称視点」が機械学習には必要だと説明している。

3行まとめ

  • RekaDaily-10kは、Reka AIが自社のデータ収集マーケットプレイス「Claru」経由で有償の協力者から集めた、無編集・一人称視点の日常生活動画データセット。ライセンスはApache 2.0で商用利用・再配布も可能
  • 公式発表(8月6日)は「最終的に10,312時間を来週早々に公開する」としていたが、Hugging Face API実測ではデータセットカードの最終更新は8月9日で止まっており、その時点のカード記載は7,834時間にとどまる。約1,670時間はネイティブ4K撮影という
  • データセットカードのMarkdown原文には、通常は表示されないHTMLコメントの形で、社内向けの運用メモ(担当者名入り)が2箇所そのまま残っていた

「Claru」という有償データ収集マーケットプレイスから

データセットカードによれば、この動画は「Claru」というRekaのデータ収集マーケットプレイスを通じて集められている。有償の契約者(collector)が、自宅や職場で頭部装着型・手持ちのスマートフォンを使い、複数の地域にまたがって撮影したものだという。Claru自身の公式サイトを確認すると、これはRekaに専属のツールではなく、「フロンティアのロボティクス・身体性AI・世界モデル向けにデータセットを提供する」独立したサービスであることが分かる。サイトが謳う規模は「10,000人以上の収集者」「100以上の都市」「6大陸」「5社以上のフロンティア研究所とのパートナーシップ」で、実績として「ある世界モデル研究所向けに50万本以上のエゴセントリック動画を収集」という記載もあった(これがRekaDaily-10kと同一のプロジェクトを指すのかは、この記事の範囲では確認できていない)。「収集された通りそのまま――再エンコードなし、カットなし、基本的な整合性チェック以外のフィルタリングなし」と明記されており、短いクリップに機械キャプションを付けた「処理済み層」は別立てで公開される予定とされている。

カードに記載されている内容は、7,834時間・39万7,171本の動画・9,836シャード・70TBという規模だ。データは「egocentric_household_tasks」「egocentric_commercial_environments」「video_capture_activities」「video_capture」「video_capture_first_person_videos_phone」という5つの収集プロジェクトに分かれており、WebDatasetのtarアーカイブ(1つ約8GB)として配布されている。カードのMarkdown原文が示すメタデータの構成は次の通り。

フィールド 内容
video_id 一意のID(メディアファイル名と一致)
project Claruでの収集プロジェクト名
flowactivities 行動タクソノミー(activities系プロジェクト):セッションのシナリオと実行された行動
categorysubcategory カテゴリタクソノミー(video-capture系プロジェクト)
lighting 撮影時の照明条件
duration_sfpswidthheightnum_framescodec 動画の実測プローブ値
collector 塩付きハッシュ化された収集者ID(異なる値の数≈異なる環境の数)

なお、カード本文には「Hugging FaceのDataset Viewerが持つWebDatasetプレビュー機能は、現在プラットフォーム全体で動画アーカイブに対して壊れているため、tarシャード自体はビューア上でプレビューされない(ダウンロード・ストリーミングは通常通り可能)」という一文もあり、配布形式に起因する既知の制約が明記されている。

「来週早々に10,312時間」という公式発表と、止まったままのカードの数字

Reka AI公式サイトの発表記事には、最終的な公開規模についてより具体的な記述がある。

"the raw tier is available now on Hugging Face, with the full 10,312 hours live by early next week... It has 10,312 hours."

(訳:raw層は現在Hugging Face上で利用可能で、10,312時間の全量が来週早々に公開される予定だ〔中略〕総計10,312時間になる)

しかし、Hugging Face APIで確認した実際のデータセットカードの最終更新日時は2026年8月9日(発表から3日後)で止まっており、その時点でカードに記載されている規模は7,834時間——公式発表が予告した最終規模10,312時間の約76%にとどまる。ダウンロード数は本記事執筆時点で231,864件、いいねは15件だった(2026年9月4日に再取得すると241,386件・16件で、データセットカードの最終更新日は8月9日のまま動いていない)。公式発表が「来週早々」とした時期(8月6日発表の翌週、つまり8月10日前後)を過ぎても、カード上の数字が更新された形跡は確認できなかった。これが「カードの記載を更新し忘れているだけで実際のデータは追加され続けている」のか、「収集自体が計画より遅れている」のかは、この記事の範囲では判別できない。

同意とプライバシーの扱い

データセットカードは同意とプライバシーについても記述している。収集者は自ら参加を選んだ有償の契約者であり、すべてのセッションは撮影されている本人の同意のもとで録画されている。また、その場にいる他の成人の同意も得ること、それが難しい場合はフレーム外にとどめるよう指示されているという。公開前に、GPS座標・デバイス識別子・撮影タイムスタンプといったコンテナメタデータを除去し、クリーンであることを検証したうえで、自動化されたPII(個人を特定できる情報)スクリーニングも行っているとしている。ただし「スクリーニングは完璧ではない」とも明記されており、問題があれば削除依頼を受け付ける窓口(contact@reka.ai)が案内されている。ライセンスはApache 2.0だ。

公開ページの裏に残っていた社内向けのメモ

手元でデータセットカードのMarkdown原文をそのまま取得して確認したところ、通常はHTML変換時に表示されない「HTMLコメント」の形で、社内向けとみられるメモが2箇所残っていた。1つ目は「Current contents: 7,834 hours...」という現在の規模を示す一文のすぐ後にあり、「tranche(配布回)ごとに更新し、metadata/index.parquetの行数と一致させること」という運用指示と、「まだ収録中の時間数がある(2026年8月8日時点、担当者名thiagoの記載あり)。残りが何かについては具体的に書かないこと」という注記が、同じ1つのコメントの中にまとめて書かれていた。2つ目はProjects一覧のすぐ後にある別のコメントで、次のtranche「c2」でegocentric_household_tasks_usaresidential_egocentric_latam_upload_via_claruという2つのプロジェクトを追加する予定だと明かす内容だった。どちらも一般公開されているページの見た目には現れないが、原文のMarkdownソースを直接取得すれば誰でも読める状態になっている。データそのものの信頼性を疑わせる内容ではないが、「段階的に公開中」という説明の裏側に、社内での運用メモがそのまま残っていたことは、手元で原文を確認する過程で気づいた点として記録しておく。

実際の映像ファイルはダウンロードしていない

この記事はHugging Face上のデータセットカード本文(4,788字)・Hugging Face API・Reka AI公式サイトの発表記事をもとに書いている。7,834時間・39万7,171本・70TBという数字はカードの自己申告であり、この記事の執筆にあたって実際の動画ファイルをダウンロードして中身を確認したわけではない。メタデータのparquetファイル(metadata/index.parquet、約13.5MB)についても、この記事の執筆環境にはparquetを読むためのライブラリ(pyarrow等)が利用できなかったため、動画本数の現在値を自分で数え直す検証はできていない。PIIスクリーニングの精度がどの程度なのか、実際に問題のある映像が混入していないかについても、この記事の範囲では検証できていない。「10,312時間という公式発表の目標に対し、カードが7,834時間で止まっている」のが単なる更新の遅れなのか、収集の遅延なのかについても断定していない。

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