Claude Code・Codex・Cursorを並列で走らせる自己ホスト型AI IDE「Proliferate」
OSSのProliferateは、Claude Code・Codex・OpenCode・Cursor・Grokなど複数のコーディングエージェントを1つのワークスペース内で並列実行できるデスクトップアプリと制御プレーン。タスクごとに独立したgit worktreeが割り当てられ、AGPL-3.0でセルフホストできる。

目次
3行まとめ
- Proliferateは、Claude Code・Codex・OpenCode・Cursor・Grokなど複数のコーディングエージェントを、それぞれのネイティブハーネス経由で1つのワークスペース内で並列実行できるOSSのデスクトップアプリ。
- タスクごとに独立したgitワークツリー(ブランチ・ターミナル・会話・レビュー状態を含む)が割り当てられる。
- AGPL-3.0で公開されており、Docker Compose・AWS(CloudFormationラッパー)・GCP・Azure・Kubernetes・エアギャップ環境まで、制御プレーン全体をセルフホストできる導線がREADMEに用意されている。
「1つのワークスペースで複数エージェントを並走させる」という設計
READMEの一文はシンプルだ。「Claude Code、Codex、OpenCode、Grok、その他任意のコーディングエージェントを並列で、1つのワークスペース内で動かす。各タスクは自分専用のブランチ・ターミナル・会話・レビュー状態を持つ独立したgit worktreeを得る」。対応エージェントの一覧としてREADMEに図示されているのはClaude・Codex・OpenCode・Cursor・Grokの5つで、それぞれ「ネイティブハーネス」経由で実行されると説明されている。
主な機能としてREADMEが挙げるのは次の6つだ。
- ネイティブハーネス:Claude Code・Codex・OpenCode・Cursor・Grok他に対応
- ワークツリー・ワークスペース:タスクごとに独立したブランチと作業ディレクトリ
- 並列エージェント:同じワークスペース内で複数エージェントを並べて動かし、それぞれ別タスクに当たらせる
- サブエージェント:エージェントが範囲を絞った作業を子エージェントに委譲し、完了後に結果を引き継ぐ
- 統合:MCP・スキル・Computer Use・Browser Use・カスタムツールを一度設定すれば全エージェントで共有
- ワークフロー:定期実行・イベント駆動のエージェント実行(夜間レビュー、アラート時のトリアージ、依存関係の更新など)
セルフホストの選択肢
制御プレーン全体をセルフホストできる点もREADMEは強調している。用意されているデプロイ手順は、Docker・AWS・GCP・Azure・Kubernetes・エアギャップ環境まで及ぶ。Docker Compose構成はCaddy・Postgres・APIを立ち上げ、ブートストラップおよびアップデート用のスクリプトが付属する。AWSについては「ワンクリック」を謳うCloudFormationラッパーが用意されており、EC2上にスタック一式をプロビジョニングする。デスクトップアプリ側をセルフホストした制御プレーンに向けるための設定手順も別途文書化されている。
ソースからのビルドも可能で、Rust(stable)・Node.js 22以上・pnpmを前提に、make install && make dev-localでバンドルされたローカルのAnyHarnessランタイムを使ったデスクトップアプリを起動できる。フルスタックでのローカル開発にはPython 3.12以上・uv・Docker(ローカル制御プレーンのデータベース用)も必要で、複数のワークツリーを同時に走らせる場合は名前付きのdevプロファイルを使う設計だとREADMEは説明している。
Docker Composeが立ち上げる中身
self-hosted-deploy.mdによると、セルフホスト版の実体はserver/deploy/docker-compose.production.ymlで、サーバーイメージ自体がFastAPI(uvicorn proliferate.main:app)とVite製Webアプリのビルド済み静的ファイルを同じオリジンで配信する構成になっている。Webアプリ用の別Node.jsプロセスは立たない。
| 項目 | 内容(self-hosted-deploy.mdより) |
|---|---|
| リバースプロキシ | Caddy(別Composeサービス) |
| API/Web配信 | サーバーイメージ内のFastAPI(WEB_DIST_DIRが空ならAPI専用、index.htmlのあるディレクトリを指せばWeb同梱) |
| Webの取得元 | apps/webをビルド時にコンパイルし/app/web-distへコピー(実行時はNode不要) |
| APIベースURL | VITE_PROLIFERATE_API_BASE_URLは未設定のままビルドされ、ブラウザはwindow.location.originから解決 |
| キャッシュ設定 | index.htmlはno-cache、ハッシュ付き静的アセットはpublic, max-age=31536000, immutable |
| テレメトリ | セルフホスト版は匿名テレメトリがデフォルトON(hosted_product指定がない限りベンダーテレメトリはOFF) |
AWS一括デプロイが作るリソース
self-hosted-aws.mdを読むと、CloudFormationラッパーが実際に作成するAWSリソースは次の6種類だと明記されている。
| 作成されるリソース | 内容 |
|---|---|
| EC2インスタンス | 1台(デフォルトはAmazon Linux 2023、Gravitonのarm64) |
| Elastic IP | 1個 |
| VPC | 1個(パブリックサブネット1つ) |
| セキュリティグループ | ポート80・443を開放 |
| IAMロール/インスタンスプロファイル | SSM有効化 |
| Route53 Aレコード | オプション |
インスタンス起動時とcfn-hupによるスタック更新時には、server-v<バージョン>タグ付きでリリースされているproliferate-deploy.tar.gzをダウンロードし、self-hosted-assets.SHA256SUMSと突き合わせて検証してから/opt/proliferate/server/deployに展開する仕組みになっている。cfn-initには18分の内部デッドラインがあり、TERMで止まらなければ30秒後に強制終了、EC2リソース側のCreationPolicyは20分に設定されているとドキュメントに書かれている。
ドキュメント内には、デフォルト構成についての明示的な注意書きもあった。AWSスタックはデフォルトでGraviton(arm64)のランタイムアーカイブをダウンロードする一方、「クラウドランタイムバンドルの検出は現状x86 Linuxバイナリを前提にしている」という未解決のアーキテクチャ上の矛盾がある、とドキュメント(self-hosted-aws.md)自身が明記している。つまり、デフォルトのAWSクラウドワークスペース経路は「まだ検証されていない」とドキュメント(self-hosted-aws.md)側が自己申告している状態だ。
ライセンスとリポジトリの規模
ライセンスはAGPL-3.0。ダウンロードはmacOS向けが案内されている一方、READMEにはLinux・Windows向けの配布についての明記は見当たらなかった。GitHub APIで見るリポジトリの規模は、Star 440・Fork 73・Open issues 98(GitHub APIのopen_issues_countはIssueとオープンPRの合算値)、リポジトリ作成日は2026年4月30日、直近のpushは2026年8月29日だった(いずれも本記事執筆時点のスナップショット)。
「ネイティブハーネス」の互換範囲までは分からない
本記事はproliferate-ai/proliferateのGitHub README・GitHub APIのリポジトリメタデータ・self-hosted-deploy.md・self-hosted-aws.mdをcurlで取得した内容にもとづく。実際にデスクトップアプリをダウンロードして複数エージェントを並列実行させたわけではなく、CloudFormationスタックを実際に起動してEC2上でAWSデプロイ手順を最後まで流したわけでもない。「ネイティブハーネス」という言葉が具体的にどこまでの互換性(各エージェントの全機能を再現するのか、一部機能のラッパーなのか)を意味するかは、README本文以上には確認できなかった。AWS一括デプロイの「Graviton/arm64がデフォルトだがクラウドランタイムバンドルの検出はx86 Linuxを前提にしている」という矛盾についても、ドキュメントに明記されている記述をそのまま紹介しているだけで、実際にその不具合が起きるかどうかを手元で再現したわけではない。
複数コーディングエージェントの並列実行環境はまだ紹介されていない
Zenn・Qiitaともに言及はゼロだった(Zennはフォールバックのみ)。複数のAIコーディングエージェントを1つの画面で切り替えて使う、というニーズ自体は日本語圏でも語られるが、Proliferateという固有名詞での紹介はまだない。
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