MiniMax M3──428Bパラメータ・100万トークン文脈のオープンウェイト中国モデル
中国MiniMaxが2026年6月1日に公開したオープンウェイトモデル「M3」は、総パラメータ428B(スパースアテンションで23Bのみ活性化)、100万トークンのコンテキストウィンドウを備える。BrowseCompベンチマークでは83.5を記録し、API価格は入力$0.30/100万トークン(プロモーション価格)。

3行まとめ
- 中国MiniMaxが6月1日、428Bパラメータ(23B活性化)のオープンウェイトモデル「M3」を公開
- スパースアテンション(MSA)でトークンあたりの計算量を約20分の1に圧縮し、100万トークンの文脈長を実現
- BrowseCompで83.5を記録(MiniMax公式ブログによる)、API価格は入力$0.30・出力$1.20/100万トークン(プロモーション価格)
MiniMaxが公開したモデルの仕様
中国のAI企業MiniMaxは2026年6月1日、大規模言語モデル「MiniMax M3」を公開した。MiniMax公式のHugging Faceモデルカードによると、総パラメータ数は約428B、うちスパースアテンション機構(MSA: MiniMax Sparse Attention)により推論時に活性化されるのは約23Bとされている。コンテキストウィンドウは100万トークン。オープンウェイトモデルとして公開されており、重みのダウンロードが可能である。
スパースアテンション(MSA)の仕組み
MiniMaxが「MSA」と呼ぶスパースアテンション機構は、M3の設計上の核だと公式ブログは説明している。428Bの総パラメータのうち、各トークンの処理に使うのは23Bのみ。MiniMax側の説明によれば、これによりトークンあたりの計算量を従来比で約20分の1に削減できるとしている。
100万トークンのコンテキストウィンドウは、この計算量削減と組み合わせることで実用的な速度を維持する設計とされている。ただし、実際の推論速度やメモリ使用量の条件は公式ブログの記載範囲では詳細に検証できていない。
ベンチマーク
MiniMax公式ブログによると、M3はBrowseCompベンチマークで83.5を記録した。同ブログはこれをAnthropic Claude Opus 4.7の79.3と並べて紹介している(The Decoderも同様に報道)。
ベンチマークの性質について補足すると、BrowseCompはウェブ上の情報検索能力を測定するタスクであり、モデルの汎用的な推論能力を測るものとは測定対象が異なる。また、ベンチマーク結果はモデル提供者側が自社ブログで報告した数値であり、第三者による独立した再現テスト結果ではない。
価格
MiniMax公式ブログによるAPI価格は以下の通り(プロモーション価格と明記されている)。
| 項目 | 価格(100万トークンあたり) |
|---|---|
| 入力 | $0.30 |
| 出力 | $1.20 |
プロモーション価格であるため、通常価格に移行した場合の変動幅は不明。導入を検討する場合は、MiniMaxの公式ページで最新の価格を確認することを勧める。
正直に言うと
本記事の数値はMiniMax公式ブログおよびThe Decoderの報道に基づいている。筆者がM3を実際に使用した上での評価ではない。
「428Bパラメータで23Bのみ活性化」というアーキテクチャは、Mixture of Expertsとは異なるアプローチだが、「大きなモデルの一部だけを使う」という方向性は類似している。MSAが20倍の計算量削減を実現するというMiniMax側の主張については、条件(入力長・バッチサイズ・ハードウェア構成等)によって実測値は変わりうる。
オープンウェイトである点は、自社環境でのファインチューニングやプライバシー要件のある用途では利点になりうる。一方で、中国企業が提供するモデルの利用にあたっては、自社のコンプライアンスポリシーや利用規約の確認が必要になる場合がある。
BrowseCompの83.5という数値がClaude Opus 4.7の79.3を上回っている点について──ベンチマーク1つの優劣でモデルの総合力は判断できない。タスクによって得手不得手は異なるため、自分の用途で試すのが一番確実である。
引用元が片方だけの数字に注意
- 本記事の数値・仕様はMiniMax公式ブログ(2026年6月1日付)およびThe Decoderの報道に基づく
- Claude Opus 4.7のBrowseCompスコア79.3はMiniMax公式ブログの記載による(Anthropic側の公式発表との突合は未実施)
- API価格はプロモーション価格であり、変更の可能性がある
名称と未確認情報の訂正
- 2026-08-14: MSAの正式名称を「Mixture of Sparse Attention」から「MiniMax Sparse Attention」に訂正。MiniMax公式ブログ・The Decoder記事の両方とも "MiniMax Sparse Attention (MSA)" と明記しており、"Mixture of" ではなかった
- 2026-08-14: 「モデルは3つのバリアント(M3 Super/M3 Nano/M3 Edge)で構成される」という記述を削除。出典として明記していたThe Decoder記事、および出典に挙げていたMiniMax公式ブログのいずれにも、この3バリアント名は存在しなかった(MiniMax公式サイトのモデル一覧にも該当なし)。出典に無い情報だったため削除した
- 2026-08-14: 総パラメータ428B・活性化23Bの帰属を「MiniMax公式ブログ」から実際に記載のある「MiniMax公式のHugging Faceモデルカード」に訂正し、出典に追加(MiniMax公式ブログの本文にはこの数値の記載が見当たらなかった)
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