2026年6月13日 土曜日
AI時短ラボ
研究· 約2

Microsoftが「AIの作り方」を全公開──蒸留なしでAIME 97%のMAI-Thinking-1

MicrosoftのAI研究チームが、他社モデルからの蒸留を一切使わずに高性能な推論AIを作り、その手法を技術報告書で公開した。業界の常識を正面から問い直す内容。

3行まとめ

  1. Microsoftが他社モデルからの蒸留を使わない推論モデルMAI-Thinking-1の技術報告書を公開
  2. 事前学習は人間が書いたデータのみで行い、AIME 2025で97.0%、SWE-Bench Proで52.8%
  3. 重みや訓練データは非公開だが、フルスクラッチでフロンティア級を作れると示した

Microsoftの研究チーム(MAI)が2026年6月2日、推論モデル MAI-Thinking-1 の技術報告書を公開した。注目は性能そのものより「作り方」だ。

何がすごいのか

  • 他社モデルからの蒸留なし:他社の強いAIの出力をコピーする「蒸留」を使わずゼロから学習させた。事前学習は人間が書いたデータのみ(なお、自モデルの出力を使う自己蒸留は訓練の中核に用いている)
  • 性能:数学競技 AIME 2025 で 97.0%、コーディングの SWE-Bench Pro で 52.8%。35B activeという規模で同クラス最高水準
  • 作り方を公開:アーキテクチャや学習手順を技術報告書に記載

なぜ蒸留を避けたのか

報告書は「継承した知識は、長く改善し続けるための操縦性と頑健性を欠く」と述べる。コピーで得た能力は応用が利きにくく、改善の上限が教師モデルに縛られる、という主張だ。

受け止め方

学習済みの重みや訓練データ自体は非公開で、「作り方の構造」が公開された段階。とはいえ、フルスクラッチでフロンティア級を作れることを示した意義は大きい。MicrosoftがOpenAIとは独立した開発ラインを持つことの証明でもある。

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