ファインチューニング(fine-tuning)とは学習済みのAIに追加の例を学習させ、特定の作業に合わせる方法。OpenAIは新規受付を終了、費用は学習量で決まる【2026年10月版】
ファインチューニングとは、すでに学習を終えたAIモデルに、特定の作業の例を追加で学習させて重みを更新する方法です。OpenAIは2026年5月7日から新規の組織への提供を止め、既存の組織も2027年1月6日で新しい学習ジョブを作れなくなります。筆者は2026年10月8日にOpenAI・Together AI・Google・Microsoft・Anthropicの公式ページを開き、定義、プロンプト・RAGとの違い、費用の出し方を確かめました。

目次
2026年10月8日・日本時間時点の情報です。 ファインチューニング(fine-tuning)とは、すでに学習を終えたAIモデルに、特定の作業の例を追加で学習させ、モデルの重み(中身の数値)を更新する方法です。日本語では「微調整」と訳されます。ChatGPTやClaudeの画面で指示文を書き換える作業とは別物で、開発者がAPIやクラウドの管理画面から行います。Together AIなどの料金表では費用は学習に使うデータの量で決まり、OpenAIは2026年5月7日から新規の組織への提供を止めています。
3行まとめ
- ファインチューニングは、学習済みモデルに追加の例を学習させて重みを更新する方法。Googleの用語集は「事前トレーニングされたモデルに対してさらに行うタスク固有のトレーニング」と書く(2026年10月8日確認)
- OpenAIは2026年5月7日に新規の組織の受付を止め、2027年1月6日には既存の顧客も新しい学習ジョブを作れなくなる。Anthropicの用語集は「Claude APIは現在ファインチューニングを提供していない」と書く
- Together AIの公式表では、LoRAの教師あり学習がLlama 3.1 8Bで100万トークンあたり$0.34、Llama 3.3 70Bで$2.03。この2つは1回の最低料金が$4.00で、学習をやり直す回数分だけ予算が増える
ファインチューニングとは何か:公式の説明を4つ並べる
「ファインチューニング」は、AIの外でも使われる言葉です。日本語版Wikipediaの同名のページは曖昧さ回避のページで、「微調整と訳し、文脈によって次を指すことがある」として、機械学習の技術、音楽アルバムの題名、物理の「微調整された宇宙」を並べています(最終更新2025年9月6日、10月8日に確認)。この記事で扱うのは、AIの意味だけです。
AIの意味での定義は、各社の公式がほぼ同じ形で書いています。
- Google(機械学習用語集・日本語): 「パラメータを特定のユースケースに合わせて最適化するために、事前トレーニングされたモデルに対してさらに行うタスク固有のトレーニングです。」同じ項は、通常は「特定のタスクに焦点を当てた数百または数千の例を使用します」とも書きます。
- OpenAI(Optimizing LLM Accuracy): 「To solve a learned memory problem, many developers will continue the training process of the LLM on a smaller, domain-specific dataset to optimize it for the specific task. This process is known as fine-tuning.」(訳:「学習された記憶」の問題を解くために、多くの開発者は、より小さな特定分野のデータセットでLLMの学習を続け、特定の作業に合わせる。この過程がファインチューニングと呼ばれる。)
- Anthropic(Claude Platform Docs の用語集): 「Fine-tuning is the process of further training a pretrained language model using additional data.」(訳:ファインチューニングは、学習済みの言語モデルに追加のデータでさらに学習をさせる過程である。)
- Wikipedia(英語): 「fine-tuning is the process of adapting a computational model trained for one task (the upstream task) to perform a different, usually more specific, task (the downstream task).」(訳:ある作業のために学習した計算モデルを、別の、たいていはより特定の作業に向けて適応させる過程。)
4つに共通するのは、「ゼロから作り直すのではなく、すでにあるモデルの学習を続ける」という点です。最初の大がかりな学習は事前学習(pre-training)と呼ばれ、ファインチューニングはその後に足す小さな学習です。Googleの用語集は、大規模言語モデルでは「事前トレーニング」の後に「ファイン チューニング」を行う順序を例に挙げています。
ファインチューニング・プロンプト・RAGは何が違うのか
AIに自分の用途へ合わせた答えを出させる方法は、大きく3つあります。違いは、モデルの重みを変えるかどうかです。
| 方法 | 何をするか | モデルの重み | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| プロンプト | 指示文や例を書き換えて渡す | 変えない | 追加の費用なしで試したいとき |
| RAG(検索拡張生成) | 外部の資料を検索して、質問と一緒に渡す | 変えない | 最新の情報や社内の文書を参照させたいとき |
| ファインチューニング | 例を追加で学習させる | 更新する | 出力の形式・口調を一定にしたい、小さなモデルで同じ作業をさせたいとき |
OpenAIの公式ガイドは、この3つを「順番に進む直線の道」としては描いていません。同ガイドは、プロンプト設計を「Prompt engineering is typically the best place to start」(訳:プロンプト設計は、たいてい最初に取り組む場所である)とし、RAGは「RAG only solves our in-context learning issues」(訳:RAGが解くのは、文脈として渡す情報の問題だけ)と書きます。そのうえで、毎回同じ形式で答えさせたいといった「学習された記憶」の問題には、ファインチューニングを使うと説明します。2つを組み合わせる使い方も書かれています。
Googleの公式文書(Gemini のチューニングの概要)も同じ順序を勧めています。
最適なプロンプトを見つけるには、まずプロンプトの作成から始めることをおすすめします。次に、必要に応じてファインチューニングを行い、パフォーマンスをさらに向上させるか、繰り返し発生するエラーを修正します。
プロンプトの書き方はプロンプトエンジニアリング入門、RAGの中身はRAGガイドに分けて書いています。
ファインチューニングを提供している会社はどこか(2026年10月8日時点)
本記事が開いた公式ページでは、ファインチューニングをする場所は開発者向けの画面でした。OpenAIの公式ガイドは「In the OpenAI platform, you can create fine-tuned models either in the dashboard or with the API.」(訳:OpenAIのプラットフォームでは、ダッシュボードかAPIでファインチューニング済みモデルを作れる)と書きます。アプリの機能としての説明は、開いたページの中にはありませんでした。
| 会社 | 2026年10月8日に公式ページで確認した状況 |
|---|---|
| OpenAI | 「OpenAI is winding down the fine-tuning platform.」(訳:ファインチューニングのプラットフォームを終了へ向けて縮小している)。新規の組織は使えない。作成済みのモデルは、元のモデルが廃止されるまで推論に使える |
| Google(Gemini) | 教師ありファインチューニングとプリファレンス チューニングを提供。ページ上の製品名は「Gemini Enterprise Agent Platform」 |
| Microsoft(Foundry) | 教師あり微調整、強化微調整(RFT)、ダイレクト ユーザー設定の最適化(DPO)を説明。ページの最終更新は2026/03/11 |
| Anthropic | 用語集は「The Claude API does not currently offer fine-tuning」(訳:Claude APIは現在ファインチューニングを提供していない)と書き、関心があれば同社の担当者に相談するよう続ける。Amazon Bedrock での扱いは表の下で説明 |
| Together AI | オープンソースモデル向けに、LoRAとフルのファインチューニングを料金表つきで提供 |
Claudeについては、公式の文書どうしが食い違っています。Anthropicの法律文書の要約のガイドは「Fine-tuning is currently only available through Amazon Bedrock.」(訳:ファインチューニングは現在、Amazon Bedrock経由でのみ使える)と書き、AWSの Claude 3 Haiku の告知へリンクしています。AWSのBedrockのドキュメントは、ファインチューニングに対応するモデルの表に Claude 3 Haiku(us-west-2)を載せたままですが、モデルの提供終了の一覧では Claude 3 Haiku を「Models that have reached EOL」(提供終了を迎えたモデル)に入れ、終了日を2026年9月10日としています(us-west-2 を含む)。本記事は、Claude 3 Haiku のファインチューニングをいま新しく始められるとは判断していません。
OpenAIの提供終了の日程は、公式の Deprecations ページにあります。
| 日付 | 公式が書く内容(原文の要旨) |
|---|---|
| 2026年5月7日 | ファインチューニングを以前に行っていない組織は、学習ジョブを作れない |
| 2026年7月2日 | 過去60日間にファインチューニング済みモデルで推論をしていない組織は、学習ジョブを作れない |
| 2027年1月6日 | 現在使っている既存の顧客も、新しい学習ジョブを作れなくなる。ファインチューニング済みモデルの推論は、元のモデルが廃止された時にだけ止まる |
この日程に照らすと、2026年10月8日時点でOpenAIの学習ジョブを新しく作れるのは、以前にファインチューニングを行い、過去60日間にファインチューニング済みモデルで推論をしている既存の組織だけで、それも2027年1月6日までです。
ファインチューニングの費用はいくらか
費用は、会社ごとに数え方が違います。公式の料金ページから、2つを並べます。
OpenAI:既存の組織だけが払える学習単価と、学習後の推論単価
次の表の学習単価を払って新しく学習できるのは、前の節の条件を満たす既存の組織だけです。新規の組織は、料金が載っていても申し込めません。 推論単価は、作成済みのファインチューニング済みモデルを使う時の料金です。
OpenAIの料金ページのFinetuningの表は、初期表示ではo4-miniの2行だけで、表の下の「All models」を押すと残りの行が出ます(10月8日5時17分に確認。標準の料金。単位は100万トークンあたり。o4-miniの学習は1時間あたり)。
| モデル | 学習 | 推論:入力 | 推論:出力 |
|---|---|---|---|
| o4-mini-2025-04-16 | $100.00/時間 | $4.00 | $16.00 |
| gpt-4.1-2025-04-14 | $25.00 | $3.00 | $12.00 |
| gpt-4.1-mini-2025-04-14 | $5.00 | $0.80 | $3.20 |
| gpt-4.1-nano-2025-04-14 | $1.50 | $0.20 | $0.80 |
| gpt-4o-2024-08-06 | $25.00 | $3.75 | $15.00 |
| gpt-4o-mini-2024-07-18 | $3.00 | $0.30 | $1.20 |
同じ表には、データ共有を有効にした場合の割引(o4-miniの推論が入力$2.00・出力$8.00)、Legacy と書かれた旧型3行、Batchの料金も載っています。表の上には、前の節の「提供終了へ向けて縮小している」という告知が出ています。
Together AI:オープンソースモデルの学習単価
Together AIの料金ページの Fine-Tuning は、モデルごとの表で、「LoRA」と「Full」を切り替えます。LoRAの教師あり学習(SFT)の一部を抜き出します(100万トークンあたり。10月8日5時15分に取得)。
| モデル | LoRA・SFT | LoRA・DPO | 1回の最低料金 |
|---|---|---|---|
| Llama 3.1 8B | $0.34 | $0.84 | $4.00 |
| Qwen3.5 9B | $0.34 | $0.84 | $4.00 |
| gpt-oss-20B | $0.40 | $1.00 | $4.00 |
| Qwen3.5 27B | $1.05 | $2.62 | $4.00 |
| Llama 3.3 70B | $2.03 | $5.08 | $4.00 |
| Llama 4 Maverick | $5.60 | $14.00 | $16.00 |
Fullに切り替えた表では、同じ Llama 3.1 8B が $0.38、Llama 3.3 70B が $2.24 でした。DPOはプリファレンス(好み)を学習させる方式で、上の表の行ではSFTの約2.5倍の単価です。
同ページは数え方をこう書いています(原文)。「Price is based on the sum of tokens processed in the fine-tuning training dataset (training dataset size × number of epochs) plus any tokens in the optional evaluation dataset (validation dataset size × number of evaluations). Each job is subject to the minimum charge shown for its model.」(訳:価格は、学習データセットで処理されたトークンの合計(データセットの大きさ×エポック数)に、任意の評価データセットのトークン(評価データの大きさ×評価回数)を足したものに基づく。各ジョブには、そのモデルごとの最低料金がかかる。)
エポックは、同じデータを何周学習させるかの回数です。この式に公式の単価を入れた、筆者の計算例です。
| 学習データ | エポック | 処理トークン | Llama 3.1 8B($0.34) | Llama 3.3 70B($2.03) |
|---|---|---|---|---|
| 50万トークン | 3 | 150万 | $0.51 → 最低料金の$4.00 | $3.05 → 最低料金の$4.00 |
| 2,000万トークン | 3 | 6,000万 | $20.40 | $121.80 |
小さなデータでは最低料金がそのまま請求額になり、データが大きくなると、モデルごとの単価の差がそのまま金額の差になります。Amazon Bedrockのドキュメントも、学習の料金を「number of tokens in training data corpus × number of epochs」(学習データのトークン数×エポック数)で数え、別にモデルの保管料が月ごとにかかると書いています。
高い・安いを決める、もう1つの比較対象
ファインチューニングの目的の1つは、小さなモデルで同じ作業をさせて推論の費用を下げることです。OpenAIの公式ガイドは「train a smaller, cheaper, faster model to excel at a particular task where a larger model is not cost-effective」(訳:大きなモデルでは費用に見合わない作業のために、より小さく安く速いモデルを学習させる)と書きます。筆者の考えでは、比較の相手は、最初から安いモデルをプロンプトだけで使う方法です。学習の費用を払う前に、安いモデルで同じ作業ができるかを試す順番も考えられます。
ファインチューニングの手順は、どう進むか
公式の説明を並べると、手順は次の4つです。
- 学習データを用意する。入力と、期待する出力のペアを集めます。OpenAIの教師あり学習は、最低10件から受け付けます。OpenAIのガイドは「Start with 50+ examples」(訳:50件以上から始める)と書き、Googleは大規模なデータセットとして「100 個以上のサンプルなど」を挙げます。形式は、OpenAIはJSONLという1行1件のファイルです。
- 学習を実行する。OpenAIの公式ガイドは、ダッシュボードかAPIでの作成を書きます。Together AIの手順は本記事では確認していません。オープンソースモデルを自分のPCやサーバーで学習する場合は、Hugging Face Transformers、Axolotl、Unslothなどのツールを使うのが一般的です(ここは公式ページでの確認ではなく、筆者の整理です)。
- ハイパーパラメータを調整する。学習率やエポック数などの設定値を変えながら、何度も学習し直します。Microsoftの文書は、微調整は試行錯誤の繰り返しで、必要な品質に届く設定の組み合わせを見つけるために多くの実験とテストが必要だと書きます。以前の版の記事は「3〜5回の反復」という目安を載せていましたが、その出典は到達できなくなっており、公式の数字としては確認できていません。筆者は、予算を「1回の学習費用×試行回数」で見ておくことを勧めます。
- 評価する。学習の前のモデルと、学習の後のモデルを、学習に使っていないテストデータで比べます。OpenAIのガイドは、過学習(学習データを覚えただけの状態)を見つけるために、評価用のデータを取り分けておくよう書いています。
Microsoftの文書は、費用の面で次の2点も挙げています。「大規模な言語モデルの微調整は、カスタム モデルのトレーニングとホストに関連する追加コストを意味します」と「データが更新されたとき、または更新された基本モデルがリリースされるたびに、微調整を繰り返す必要がある場合があります」。
LoRAのように、元の重みを動かさずに小さな追加部分だけを学習する方式もあり、仕組みはLoRAとはで扱っています。Googleの文書は、すべての重みを更新する完全なファインチューニングについて「チューニングとサービングの両方でコンピューティング リソースが大量に必要になり、全体的なコストが高くなります」と書きます。
ファインチューニングを選ぶのは、どんな場合か
公式文書が挙げる理由を、OpenAIとGoogleから集めます。
- 出力の形式を一定にしたい。OpenAIの教師あり学習の向く場面に、「Generating content in a specific format」(特定の形式で内容を作る)と「Classification」(分類)があります。
- プロンプトを短くして、推論の費用と待ち時間を減らしたい。OpenAIは「You can use shorter prompts with fewer examples and context data, which saves on token costs at scale and can be lower latency.」(訳:例や文脈のデータを減らした短いプロンプトが使え、大規模な利用ではトークン費用が減り、待ち時間も短くなりうる)と書きます。Googleも「少数ショットの例や長い指示をプロンプトから削除して、推論時の費用を削減できます」と書きます。
- 1回のプロンプトに入りきらない量の例を使いたい。OpenAIは、コンテキストウィンドウに収まらない数の入出力例を使える点を挙げます。
- 社外に出したくないデータで学習させたい。OpenAIは、機密データを毎回のリクエストに含めずに学習に使える点を挙げます。
一方、最新の情報を答えさせたい場合は、ファインチューニングの役目ではありません。OpenAIの同じガイドは、知識が古い(out of date)問題を、文脈を足す側(プロンプトやRAG)で解く問題に分類しています。
筆者が開いて確かめた画面と、見つけた食い違い
2026年10月8日の5時12分から5時18分にかけて、ログインせずに、ヘッドレスのブラウザ(画面を表示しないブラウザ)で公式ページを開きました。
- OpenAIの料金ページ(platform.openai.com/docs/pricing)のFinetuningの表は、画面を開いた直後は2行(o4-mini)だけでした。表の下の「All models」を押すと、gpt-4.1系の3つ、gpt-4o、gpt-4o-mini と旧型3行が加わり、上の表の数字が読めました。同じ数字は、同ページのMarkdown版とHTMLの埋め込みデータにもありました。
- この記事の2026年8月27日の版は、ボタンの奥の行を見落として「価格が残るのはo4-miniのみ」と書いていました。訂正欄に記しています。
- Together AIの料金ページは、LoRAが選ばれた状態で開きました。以前の記事にあった「16B以下 $0.48・17B〜69B $1.50・70B〜100B $2.90」の表は、いまのページにはありません。
学習費用の見積もりで、公式ページから分からなかったこと
- OpenAIの学習費用を、トークン数とエポック数からどう計算するか。料金ページと、本記事が開いた fine-tuning のガイド(教師あり学習・ベストプラクティス・DPO・画像・強化学習)には、その式は見当たりませんでした。強化学習(o4-mini)については、学習の時間と学習中に使ったトークン数で請求すると、ガイドに書かれています
- Claude 3 Haiku のファインチューニングが Amazon Bedrock でいま使えるかどうか。上のとおりAWSの2つのページの記述が食い違っており、ログインが必要なAWSの管理画面は見ていません
- GoogleとMicrosoftの学習の料金。両社の文書は仕組みの説明が中心で、本記事は料金の数字を載せていません
- 以前の版にあった「Llama 3.1 70BをQLoRAで学習すると約$26/5万サンプル」は、出典が到達不能で、いまも裏づけが取れていないため載せていません
数字の出どころと、古い出典の扱い
定義、日程、単価は、記事末尾の「出典・参照資料」に並べた公式ページの原文によります。料金は各社の画面で変わるため、申し込む前に公式の料金ページで現在の数字を確認してください。以前の版が引用していた二次情報の記事5件は、2026年8月27日に到達できなくなっていたため、この版では使っていません。
この記事でよく聞かれること
- ファインチューニングとは何ですか?
- ファインチューニング(fine-tuning)とは、すでに学習を終えたAIモデルに、特定の作業の例を追加で学習させ、重みを更新する方法です。Googleの機械学習用語集は「事前トレーニングされたモデルに対してさらに行うタスク固有のトレーニング」と書いています。日本語では「微調整」と訳されます。
- ファインチューニングとプロンプトやRAGは何が違いますか?
- プロンプトは指示文を書き換える方法、RAGは外部の資料を検索して渡す方法で、どちらもモデルの重みは変えません。ファインチューニングだけが重みを更新します。OpenAIの公式ガイドは、知識が古い・社内の情報が要るといった問題は文脈を足す側(プロンプトやRAG)、形式や口調がそろわない問題はモデルを調整する側(ファインチューニングなど)で解く、と分けています。
- ChatGPTやClaudeのアプリでファインチューニングはできますか?
- 本記事が開いた公式ページでは、ファインチューニングは開発者向けのAPIやダッシュボードの機能として説明されています。OpenAIの手順は「ダッシュボードまたはAPI」、Anthropicの用語集は「Claude APIは現在ファインチューニングを提供していない」と書きます(2026年10月8日確認)。
- OpenAIのファインチューニングはまだ使えますか?
- 新規の組織は使えません。OpenAI公式のDeprecationsページによると、2026年5月7日から未経験の組織は学習ジョブを作れず、7月2日からは過去60日間にファインチューニング済みモデルで推論をしていない組織も作れなくなりました。2027年1月6日には残る既存の顧客も新しい学習ジョブを作れなくなります。作成済みのモデルは、元のモデルが廃止されるまで推論に使えます。
- ファインチューニングにはいくらかかりますか?
- Together AIの料金ページの数え方では、学習に使うトークン数(データ量×エポック数)で決まります。同社の公式表では、LoRAの教師ありファインチューニングはLlama 3.1 8Bが100万トークンあたり$0.34、Llama 3.3 70Bが$2.03で、この2つは1回の最低料金が$4.00です(最低料金はモデルで違う・2026年10月8日確認)。OpenAIの料金ページにも学習単価がありますが、学習できるのは既存の組織だけです。
- ファインチューニングには何件くらいの例が必要ですか?
- 公式の目安は出す会社で違います。OpenAIの教師あり学習は最低10件、同社のガイドは50件以上から始めて評価する進め方を書きます。Googleは大規模なデータセットの例に「100 個以上のサンプル」を挙げ、用語集は「数百または数千の例」と書いています。
- ファインチューニングとLoRAは同じものですか?
- 同じではありません。Googleの機械学習用語集は、LoRAを、事前トレーニング済みの重みをフリーズして小さな重みのセットだけを学習させる「ファインチューニングのためのパラメータ効率手法」と説明しています。LoRAはファインチューニングのやり方の1つです。仕組みは別記事で扱っています。
- ファインチューニングは最初にやるべきですか?
- OpenAIとGoogleの公式文書は、まずプロンプトから始めるよう書いています。Googleは「まずプロンプトの作成から始めることをおすすめします」と書き、OpenAIは「Prompt engineering is typically the best place to start」と書きます。
出典・参照資料
- 一次資料OpenAI Platform: Pricing(Finetuningの表・「All models」を開いた全行・2026年10月8日5時台取得) ↗
- 一次資料OpenAI Platform: Optimizing LLM Accuracy(fine-tuningの定義・プロンプト、RAGとの関係・2026年10月8日取得) ↗
- 一次資料OpenAI Platform: Model optimization(fine-tuningの方式・提供終了の告知・2026年10月8日取得) ↗
- 一次資料OpenAI Platform: Deprecations(Update to OpenAI's self-serve fine-tuning・2026年5月7日の通知の日程・2026年10月8日取得) ↗
- 一次資料Together AI: Pricing(Fine-Tuningの表・LoRAとフルの切り替え・2026年10月8日5時15分〜18分に取得と撮影) ↗
- 一次資料Google Cloud: チューニングの概要(Gemini・教師ありファインチューニングとプリファレンス チューニング・2026年10月8日取得) ↗
- 一次資料Google for Developers: 機械学習用語集(ファインチューニングの項・日本語・2026年10月8日取得) ↗
- 一次資料Microsoft Learn: 微調整に関する考慮事項(最終更新2026/03/11・2026年10月8日取得) ↗
- 一次資料Anthropic: Claude Platform Docs 用語集(Fine-tuningの項・llms-full.txt内・2026年10月8日取得) ↗
- 一次資料Anthropic: Claude Platform Docs Legal summarization(Fine-tuning is currently only available through Amazon Bedrock の注記・2026年10月8日取得) ↗
- 一次資料AWS: Amazon Bedrock ユーザーガイド Customize a model with fine-tuning(ファインチューニングに対応するモデルの表・2026年10月8日取得) ↗
- 一次資料AWS: Amazon Bedrock ユーザーガイド Model lifecycle (Legacy)(Claude 3 Haikuの提供終了日・2026年10月8日取得) ↗
- 一次資料AWS: Amazon Bedrock ユーザーガイド Customize your model(学習の料金の数え方・2026年10月8日取得) ↗
- 二次資料Wikipedia(英語): Fine-tuning (deep learning)(2026年10月8日取得) ↗
- 二次資料Wikipedia(日本語): ファインチューニング(曖昧さ回避ページ・最終更新2025年9月6日・2026年10月8日取得) ↗
更新・訂正履歴
- 本記事の出典5件を全てcurlで再検証したところ、5件全てが到達不能だった。CloudZero・AI Superior・Spheron Network・Ryz Labsの4件はHTTP 404。io.netの1件はHTTP 200を返すがNext.jsアプリの本文が『Page not found』で実質消失している。Internet Archive(Wayback Machine)のavailable APIおよびcdx検索でも、この5件のURLに対するアーカイブは1件も見つからなかった(全て空の結果)。つまり記事の核心である価格数値(GPT-4o約$25/100万トークン、GPT-4.1約$3、GPT-4.1 Mini $0.80/$3.20、7BモデルonTogether AI $0.48、Llama 3.1 70B QLoRA on io.net 約$26/5万サンプル)を、いずれの一次情報でも再確認できなかった。数値自体を削除すると記事の骨格が失われるため、本文中に大きめの注記を追加し『2026年6月執筆時点で参照されていたとされる未検証の参考値』であることを明示する対応とした。記事の元のsources欄には一部『2026-08-14時点でリンク切れ』という記載が既にあったが、これが実際に修正された形跡(corrections欄)は無く、本記事は8/14の一斉検品では対応されていなかったと判断した。
- (承前)本文のOpenAI節・オープンソース節をさらに検証した。OpenAI公式ドキュメント(platform.openai.com/docs/pricing)を取得すると、『ファインチューニングプラットフォームは提供終了中で新規ユーザーは利用不可、既存ユーザーも今後数か月のみ』と明記されており、価格が残るのはo4-mini-2025-04-16のみ(学習$100/時間)。GPT-4o約$25・GPT-4.1約$3という当該ページに存在しないトークン単価の記述は削除した。一方Together AI公式価格ページ(together.ai/pricing)を取得すると、教師ありLoRAファインチューニングは16B以下$0.48/100万トークンと記事の数値に一致したため、出典をTogether AI公式に差し替えて残した。Llama 3.1 70B QLoRA on io.net 約$26/5万サンプルは出典本文消失のままのため削除した。3行まとめ・excerptもこれに合わせて書き直した。
- 本記事の2026年8月27日の訂正(上の2件)のうち、「OpenAI公式の料金ページで価格が残るのはo4-mini-2025-04-16のみ」「GPT-4oとGPT-4.1の学習単価は当該ページに記載がない」は誤りだった。同ページのFinetuningの表は、初期表示ではo4-miniの2行だけで、表の下の「All models」を押すと残りの行が出る。2026年10月8日に筆者がヘッドレスのブラウザで押して確かめたところ、gpt-4.1-2025-04-14は学習$25.00・入力$3.00・出力$12.00、gpt-4.1-mini-2025-04-14は学習$5.00・入力$0.80・出力$3.20、gpt-4o-2024-08-06は学習$25.00だった。同じ数字は、同ページのMarkdown版(platform.openai.com/docs/pricing.md、developers.openai.com/api/docs/pricing.md)とHTMLに埋め込まれたデータにもあった。以前の版が載せていた「GPT-4.1 Mini $0.80/$3.20」は、学習済みモデルの推論単価として公式の表と一致する。最初の版の学習単価のうち「GPT-4o 約$25」は公式の$25.00と一致するが、「GPT-4.1 約$3」は公式の学習単価($25.00)ではなく、推論の入力単価($3.00)と同じ数字だった。
- (承前)8月27日に「$0.48/100万トークン(16B以下・LoRA)、$1.50(17B〜69B)、$2.90(70B〜100B)」とした表は、10月8日に開いたTogether AIの料金ページには載っていない。ページは規模の3区分から、モデル名ごとの価格表(LoRAとフルの切り替え)に変わっていた。たとえばLoRAの教師ありファインチューニングは、Llama 3.1 8Bが$0.34、Llama 3.3 70Bが$2.03(いずれも100万トークンあたり)。本文はこの表に差し替えた。8月27日の時点で$0.48が公式ページと一致したという記述自体は、当時のページを保存していないため今は確かめられない。
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